未知との遭遇〜アルトリウムを添えて〜   作:ゴランド

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 すまない…シリアス君は行方不明となってしまったすまない……。
ここからは前までと比べての雰囲気がガラッと変わってしまうので注意するように。
防人との約束だぞ。




18話 ガーディアンブレード

 

 輝く翼を背に飛翔する装者達。シンフォギアの限定解除形態であるエクスドライブを発動させた彼女達は己が内に湧き上がる力に驚愕する。

 

「これは…ッ何と言う…ッ!」

「リンカー無しでここまで行けるとは…!」

「凄ぇ……!力が溢れ返るみたいだ…ッ!」

「皆の歌声がくれたギアが私に負けない力を与えてくれる。クリスちゃんや翼さんに、もう一度戦う力を与えてくれる。歌は戦う力だけじゃない……命なんだッ!」

 

「高レベルのフォニックゲイン…二年前の意趣返しか?」

 

 苦虫を噛み潰したようか表情を浮かべるフィーネに雪音クリスが叫ぶ。

 

『ンなこたぁどうでも良いんだよッ!』

『ああッ!さっさとノイズを片付けて…って、なんだ!?頭に声が…ッ!』

『雪音、奏。一体……なっ、私までもッ!?』

 

 突如として頭に響く声に驚愕する装者達、それに対しフィーネは怒りの表情を浮かべる。

 

「念話までも使うとは…限定解除のギアを纏ってすっかりその気かッ!だがこの軍勢にどう抗うッ!」

『今更ノイズなんかに……ッ!』

『一気に片を付けてやらぁッ!』

『か、奏ッ!?』

 

 真っ先に飛び出す一番槍。アームドギアの突撃槍を前面に突き出すと同時にその矛先が何十倍もの面積に展開すると同時にドリルのように回転する。

街道でふんぞり返る巨大なノイズ達の土手っ腹を一気に何十体も貫いて行く。

 

その獅子奮迅の様に響達のみならず奏本人でさえも驚愕の表情を浮かべる事となった。

 

「な、なんだこりゃッ!?ノイズってこんなに弱かったかッ!?」

「いや違うッ!限定解除されたギアの実力だッ!」

「凄い…凄いよ奏さんッ!」

「しかし、こうも天下無双の光景を見せつけられるとなれば……!」

 

 第二陣。風鳴翼が手にした刀を手に飛翔する。

 

「我が内に眠りし跳ね馬が昂るッ!!」

 

 そして放たれる一閃は空を悠々と飛ぶノイズ達を切り捨てた。互いの背を守るように並ぶツヴァイウィングの2人。

 

「見ない内にやるようになったな翼ッ!」

「奏も、思ったよりも腕が落ちてないようで安心したッ!」

 

「へっ、見せつけてくれるじゃねぇかッ!」

「私達も行こうッ!」

 

 直後に響とクリスの2人もノイズの海に向かって飛び出して行った。

槍の如く一直線に放たれる拳と百発百中の光線が飛び交い、一気に数千もの特異災害を滅して行く。

 

 

 

が、異変が訪れた。

 

「……ッ!?待て!ノイズ達の様子がおかしい!」

 

 風鳴翼の声に反応した装者達も気付く。ノイズが何かに引き寄せられて行く。

 

「これは……!?」

「お、おい!アレを見ろッ!」

 

 クリスの言う視線の先。そこには己の肉体にソロモンの杖を突き刺したフィーネの姿が在った。

 

「な、何をしているんだアイツはッ!?」

「自害…いや、違う!?」

 

 思わず戸惑ってしまう奏と翼。

肉体はノイズによって融解し、グロテスクな肉塊へと変貌を遂げて行く。それでも尚ノイズの集合は止まらない。

 

「お、おおおおおおおおおおおおおおッ!我が元に来たれッ!デュランダルよッ!」

 

 そればかりか肉塊が地面に根付くと同時に下層(アビス)に存在する破壊されたデュランダルを取り込み、より一段の大きさへと増殖する。

 

「まさか……取り込んでいるのか!?」

「3つの聖遺物との融合……だと!?」

 

 ソロモンの杖によって収集されたノイズによる肉体の自壊。デュランダルの欠片から抽出されたエネルギー。そしてネフシュタンの鎧による再生。

それ等が繰り返され次第に大きく、重く、長く───。

 

誕生した(うまれた)

幻想種の頂点にして黙示録に記載されし紅き異形。ブリテンの化身であるヴォーティガーンの再来が如く、姿を見せた。

 

 

復讐者(アヴェンジャー) フィーネ。

その身を黙示録の竜に変えし有りと凡ゆる魂を喰らった亡霊は進撃を開始する。

 

 

 

 

▼▼▼

 

 

 

 装者達はその巨体に圧倒される。

 

「おっきい!」

「デカイな……!」

「何という巨体だッ!」

「こりゃ骨が折れそうだな」

「下手をしたら物理的に折れそうですね」

 

 目の前の存在が危険だと頭では無く身体で感じる。人の身であるが為に本能で感じ取る事が出来るのだ。

……だからと言って退く理由にはなり得ない。

 

人々の想いを背負う彼女達に後退の文字は無いのだから。

 

「よし、皆ッ!一気に行くぞ───って、ちょっと待った」

 

 このタイミングで制止の言葉を掛けた天羽奏にその場の全員はやや訝しんだ視線を送る。

 

「なんだよ急に、ギアのセンパイだからと言って何を言っても許されると思うなよ」

「違う…いや、違うんだって」

「じゃあ一体全体何だと言うんだ奏」

 

「なんか……1()()()()()()

「「「……はぁ?」」」

 

 奏の言葉に思わず腑抜けた声が出てしまう装者達。そんな彼女に立花響はヤレヤレと言った表情で声を掛けて来た。

 

「変な事言わないでくださいよ〜いいですか奏さん?まずは私と、クリスちゃんと、翼さんに、奏さん。そして…エックスちゃん

 

 そのままグッとサムズアップを見せる立花響。

 

「ほら!此処に居るのはいつもの5人で────」

「ずるるる〜〜っ」(麺をすする音)

 

「「「「………」」」」

「あむ、あむ…ずるるる〜っ んぐんぐ……ゴクン」(カップ麺咀嚼)

 

 

 その場の時が静止した(気がする)。

はて?此処に居てはいけない人物が居るように見える。しかもカップのヌードルをすすりながら。

あと、器用に脚を絡ませた聖剣エネルギーの逆噴射でホバリングしながら。

 

幻術か…?イヤ…幻術じゃない……イヤ、幻術か?また幻術なのか?

イヤ…なんだコレは!?

 

 

「ふぅ…周囲の態度が急によそよそしくなったり、それとはなしにハブかれているような気がすると近々、誕生日がやって来ると人の言う」

 

 "それ"はカップ麺を食べ終わった後、急に喋り始めた。しかもよく分からない事を呟きながら

 

「つまりアレですね、私をホッタラカシにして総決起集会が行われたこの事実ッ! そう、つまりこれは私も知らぬ未曾有の誕生記念(ハピスデ)を祝う予定が近付きつつある兆しなのでは?と思う謎のヒロインXなのでしたッ!」

 

 そう言い放った後「ところで…」とさがさず付け加える。

 

「誰か胡椒を持ってたりしませんか?いや、まぁ醤油味は好きですが流石に十杯目となると味も飽きて来るので……」

 

 

 

「「「「……い」」」」

「い?」

 

「「「「生きとったんかいワレェッ!?」」」」

 

 

 その場に装者4人分の絶唱(めいた叫び)が轟いた。その声圧に押されながらもエックスはプンスカと何故か怒りながら口を開く。

 

「あったり前でしょうが!メインヒロインがそう簡単に退場する筈も無いでしょうがッ!失礼甚だしいですよッ!」

「いいや?結構あっさり退場するモンだぞ」

「え、そうなのですか?……ところでどちら様でしょうか。あ、因みにセイバーならば即刻斬りますのでそこら辺をご了承下さい」

 

 平常運転でアッサリと復活を遂げていたエックス。そんな彼女の問答に天羽奏は咳払いをした後、応える。

 

「ンンッ…あー、私は天羽奏。アンタの…うん。先輩ってトコだよ、バイトのヤツとは結構な付き合いなんだってな、まぁそー言う訳で今後とも宜しくなっ!」

「えっ、なんですかこの…馴れ馴れしい。ちょっと馴れ馴れしいですよこの人……」

 

 いきなり肩を組んで来た好感度高めのリアクションに思わず困惑する。ちなみに奏のクラスはランサー判定だった為、いきなり斬りかかる事はなかった。

 

「エックス…本当にエックスなのか……ッ!?」

「防人のセイバーにアーチャー……おや?ヒビキまでも姿が大分変わりましたね……ハッ!?まさかコレは次回シーズンに向けての新衣装の披露と言うヤツなのではッ!?」

「あー、よし本物で間違い無いな!…それよりもだ。とりあえず歯を食いしばっとけ」

「はい?何故そこで歯を……!?」

 

 エックスは気付いた。こちらに対し何故かグーパン発射まで秒読み状態の立花響が接近していた事に。

 

「え、ちょ」

「エックスちゃんの──馬鹿ァーーーーーッ!!」

ごぱぁッ!?

 

 限定解除による全身全霊の一撃がエックスの腹部に叩き込まれた。

 

「馬鹿ッ!死んじゃったと思ったんだよッ!?今まで何をしていたのッ!」

「うごごごご…早々バフモリモリのクリティカルバスターとは…ッ!実は爆発に巻き込まれた後、瀕死の状態で地下区画の食糧庫で大量のカップラーメンを見つけましてね。食べたら回復しました」

「嘘だろコイツ。前回の真面目さ(シリアス)を自らブッ壊しに行きやがったッ!!」

 

 何とも便利な身体である。己が出生が判明したと言うのにこのペース。うーん、ぐだぐだして来た。

 

「いやはや、私の身体って意外と丈夫に出来ているんですn…ォボロロロロロロロロロロロrrrrrrrr

 

「うわああああああああああッ!?エックスが吐いたーーッ!?」

「おい大丈夫かッ!しっかりしろッ!」

「まさか……つわりッ!?

「いや、なんでそうなるんだよッ!?」

 

 急激な吐瀉物のブチ撒けによって更なるカオスへ引き込まれる空間。

 

「つ、つまりバイトさんとの…ッ!?お、男の子ッ!?それとも女の子ッ!?どっちッ!?」

「な、なんと…ッ!?これは祝賀を上げなければ無作法と言うモノッ!」

「マジかよッ!バイトのヤツとヤる事ヤってんな!このこの〜〜ッ!」

「違うと思うぞ?これ、そこの馬鹿の馬鹿力の腹パンによるモノだと思うぞ私は」

「オロrrr……はぁ…はぁ……え、はい?なんか言いましたか?(聞いてない)」

「あー、うん。気にすんな。下らない戯言だから。いやマジで」

 

「だ、だがエックス。よく無事だったな…と言うか本当に無事かッ!?怪我はッ!?」

「いやまぁ瀕死になってましたが回復しましたよ?」

 

ケロッとしているエックス。しかし、そんな彼女に対して立花響は握り締めていたソレを手に駆け寄る。

 

「で、でもッ!これエックスちゃんの重要な器官の一部的な何かだったりしないのッ!?」

 

 "これ"とは前回、エクスドライブに変身途中だった響達をノイズから守った三日月型の(元)遺品。それを前にエックスは口を開き言い放つ。

 

「いやそれ、私のアホ毛ですね」

「……毛?」

「はい、額辺りにピョコンと生えてる毛です。何故か抜くとすぐに生え変わるんですよ」

 

「………毛?」

「はい毛です」

 

 響達は額に手を当てる羽目になった。悲しみ、怒りを通り越して呆れるしかなかった。

そっかぁ…前回終盤の自分達、アホ毛に向かって喋ってたのかぁ。そんな憐憫たる思いを胸に秘めている事を知らずエックスは口を開く。

 

「と言うかなんで私の抜けた毛を大事そうに持っているんですか?」

 

((((逆に私達が聞きたいんだけど))))

 

 アホ毛の謎パウァーから守られた事に今になってから困惑し始める装者一向。そんな彼女達だったが、突如として放たれた極太の光線が襲い掛かって来た。

 

「なッ!?避けろ皆ァァッ!」

「「「「っ!?」」」」

 

 奏の掛声と同時にその場から散る事により間一髪で回避する事に成功する。

が、しかし避けた結果、その進行方向先にある一帯が───蒸発した。

 

「なっ、街がっ!!」

「オイオイ、嘘だろっ!なんて火力だッ!?」

 

『貴様等ァァ!!私を無視して漫才とは良いご身分だなァ!逆鱗に触れたのだ相応の覚悟は出来ておろうなァァッ!』

 

「その声は───えっ、ど、どちら様ッ!?えっ、モルガン?デカッ!え、デカッ!?と言うか何を食べたらそうなるんですッ!?」

「ズレてる!驚く所が微妙にズレてるからッ!」

 

 目の前に存在する赤き龍。それにようやく気付いたヒロインX。

 

『フン、外部由来のフォニックゲインを竜の炉心で己がエネルギーに転換し生き永らえたか』

「なーにが、生き永らえたか(声真似)ですかッ!最終決戦お馴染みの負けフラグである巨大化した貴様が運の尽きよッ!食らえッ、愛と正義とセイバーに対する殺意と更なる殺意ッ!エックス…カリバーッ!!」

 

 聖剣から放たれる極光。しかし放出された光線は龍の外殻を貫けずに、表面を焼いたのみに終わった。

 

「はぁッ!?エクスカリバーがまともに入ったの──に゛っ゛

 

 直後、巨体から繰り出される尾が空を舞うエックスを地へと叩き落とした。

 

「あの馬鹿ッ!何やっ───ッうお!?」

『何処を見ているッ!次は貴様等の番だぞッ!!』

「く、さっきのあんまり変わんねぇなッ!」

「軽口は良い!私達だけでもなんとかするぞッ!」

「響!こいつの相手は私等がやる!お前はエックスを連れ戻して来い!」

「は、はい!分かりましたッ!」

 

 

 

▼▼▼

 

 

 

 ぐごごごご……っ!?おのれモルガン。

前世的な因縁で蘇った敵キャラがあの質量でハエ叩きをして来るとは…ッ!

汚い、流石は魔女汚い。

 

ですがまぁ、この程度のダメージ大丈夫ですッ!物凄く痛いですがセイバーだから我慢できましたが他のクラスだったら我慢できませんでしたッ!(プラシーボ効果)

 

さて……どうしましょうか。あの巨体に対してカリバーは全く通用しませんし。だからと言って奥の手であるアレを使って効かない可能性も考慮すると…うむむ困りました。

 

「とりあえず、何度もカリバーをブッパしてればその内倒せたりしませんかね?……っておや?誰かの気配が…」

「あれ?確かこっちの方に落ちて来たと思ったんだけ……あっ」

「あっ」

 

 目の前に現れたのは私の大切な人であり、心の拠りでもあるバイト君。そんな彼が私の前に立っており、そして……。

 

ぎゃぁ゛ーーーーーッ!!悪霊退散千代紙殺法ッ!」

「え、なんですかその技…って痛ッ!?折り紙ぶつけて来るの微妙に痛ッ!?」

 

 なんか折り紙投げて来た!?いやなんでそこで折り紙をッ!?

……まぁ、良いです。ここでキレないのが格の違うセイバー。魅せてあげましょう私のセイバー道を。

 

「えっ?エックス……え?本物ッ!?」

「はい、本物ですよ。そしてただいま帰還しましたッ!バイト君!」

 

 かーっ、決まったわー。流石私と自分をベタ褒めしたい所ですよ。ふふんどうですかバイト君。嬉しいですか?ええ、言わなくても結構嬉しいのは分かっているんですか……ら?

 

「って、うわっ!?どうしましたバイト君!?」

 

 急にバランス崩して……あぁ、確かに片脚が無い状態なので倒れ込んでしまうのは分かりますが……。

え、えーとあのー…?バイト君?どうして無言で抱き付いて来るんですか?その…流石の私でも頭の中が疑問符で一杯なんですが……。

 

「ごめん。しばらく、このままに…して欲しいんだ……」

 

 あ、あれ?なんか思ったリアクションと違うような……ま、まぁ?別に満更でも無いので私的には問題無いと言いますか……。

む、むぅ…気恥ずかしい。なんか物凄く気恥ずかしいんですが!!

 

そ、その……あぅ。

 

「バイトさーん、急に走り出してどうしt───ギャーーッ!?悪霊退散ッ!!」

 

えっ、ミク?いや、ちょっと!?何を投げて───!?

 

「エックス…ごめんよ。俺…俺…君の事を───を゛をォォアッーーーーーー!?(断末魔の悲鳴)」

「ば、バイトくーーーーんッ!?」

 

 後頭部に消火器が直撃したッ!?

 

「ああっ!すみません大丈夫ですかバイトさん!?」

「大丈夫じゃないから!?なんでいきなり消火器ぶん投げて来るのッ!?」

「す、すみません!エックスが化けて出て来たものも思って……」

「だからって投擲する物のチョイスおかしくない!?」

 

 私もそう思います。一体いつからミクは消化器を片手に投げ飛ばすキャラにジョブチェンジしたのでしょうか。

 

「どうしたッ!急にバイトの悲鳴が……ッ!?」

 

 するとゾロゾロと現れ出てきた二課の面々に他を加えた人達……おや、こっちを見て固まりましたよ?

 

 

「「「「「「あ、悪霊退散ッ!?」」」」」」

「そのネタはもう良いからッ!!同じ反応を何回エックスに見せる気なの、この人達ッ!?」

 

 おおう、バイト君。後頭部に消火器ぶつけたと言うのに意外と元気ですね。あっ、無論私も元気ですよ?

 

「エ、エックス…爆散したのでは無いんだな」

「当たり前ですよコマンダーレッド」

「そうか。まぁ考えてみればエックスだからな。自力で生き返ってもおかしくないか」

 

 いやあの、何で死んだ前提で言っているんですか?幽霊でも何でもないですからね私。

 

「そうですよ司令。エックスさんに失礼ですよ」

「む…そうか。悪気は無かったんだが……すまない」

「いいえ気にしてませんので大丈夫です」

 

 ふふん、さすがは防人のセイバーの世話係を担当しているアサシン。理解力が高くて話が進みやすいですね。

 

「エックスさんなら、恐らく死ぬ直前に分裂して急死に一生を得たのでしょう」

「いやそっちも失礼ですからねッ!?エックスはプラナリア的存在じゃないですからッ!藤尭さんと友里さんも何とか言ってやってくださいよ!エックスはそんな摩訶不思議ビックリドッキリ生物じゃないって」

 

 バイト君がそう言うと二課のオペレーターを担当している2人は口を開く。

 

「いや…でも……」

「エックスだしなぁ……」

 

「なんでッ!?」

「逆に聞きますけどバイトさん。どう考えればエックスって摩訶不思議ビックリドッキリ生物にカテゴライズされてないと思うんですか?」

 

 ミク!?

 

「いや……えっ、……そうなの?」

 

 いや、そんな訝しんだ視線を送れても困りますからッ!私はそんなヘンテコ生命体じゃありませんよッ!?と言うか前回辺りで私の出生についてあれこれ語った上でバイト君色々と受け入れてくれたじゃないですかやだー!

 

「そうだよ(便乗)バイトさん!ちゃんと責任取ってあげなきゃエックスちゃんが可哀想だよッ!」

「えぇ…そんな事言われてmって、どっから出てきた立花さん!?」

 

 そんな時に上空から飛来して来たヒビキがインターセプト。そんな光景を目の当たりにしたバイト君は大層驚いている様子。

……まぁ、私も飛べるんですけどね。

 

「私の事なんてどうでも良いんですッ!そんなのよりも、今はエックスちゃんのお腹の中の子d──「そこまでにしとけよッ!」ぐぎゅッ!?」

「空からデカい何かがッ!?」

 

 うおっ!デンドロ的な装備をしたアーチャーが空から降ってヒビキを潰しましたッ!?

と言うかヒビキはさっき何と言いかけたのでしょうか?

 

「この馬鹿はッ!嫌な予感して見に来れば予感的中だッ!何処まで行っても馬鹿は馬鹿のままなのかッての!」

「ば…馬鹿馬鹿連呼しないでよクリスちゃん。私、言う程馬鹿じゃないよ〜」

 

「……あれ?おかしいな、確かさっきまで物凄く真面目な空間に居た気がするんだけど」

「何を言ってるんですかバイトさん。いつも通りの光景じゃないですか」

「そっかぁー…いつも通りなのかぁ……」

 

……ん?どうしましたコッチをジッと目つめて。私が目を離せない輝きを持つセイバーなのは周知の事実を今更気づいても贔屓してあげませんよ?

 

「……ハァ…」

「なんで思い切り溜息吐くんですかバイト君!?」

「いや改めてさっきの雪音さんの言う通りだなぁ…って」

 

 ふむ?つまりバイト君は私の事を馬鹿だと言いたいんですね、そうですか成る程。ははは断じて拒否させていただきますッ!一応言っておきますがバイト君ッ!

 

「「こっちよりは頭が良いと自覚してますからッ!……え?」」

 

 何故か自分の声がハモる。隣に視線を向けると私と同じ言葉を発したであろうヒビキが同じようにこちらと視線が合った。

 

「…大同小異」

「五十歩百歩かも」

「どんぐりの背比べだなこれ」

 

「「そんなッ!?」」

 

 アーチャー、ミク、バイト君が発した言葉に私達はショックを受けてしまう。そ、そんな…嘘ですよねバイト君ッ!私の知的指数が上って嘘でも良いから言ってくださいよッ、ねぇ!

 

「落ち着くんだエックス。仮に嘘を吐いたとして君の為にならない」

「嫌だーーーッ!そんな厳しい現実知りたくないーーーッ!」

 

「み…、未来は!未来は私の味方だよね!?」

「私は響のそう言う所も魅力の一つだと思うな」

「未来!?」

 

「お前等落ち着け。そんな事よりも私等はあのデカブツ(フィーネ)を何とかしなきゃだろうが」

 

 む、確かにアーチャーの言い分は最もですね。ですがアレへの対抗策はあるのですか?正直言って私の十八番であるカリバーすら通用しないとなるとお手上げなのですが。

 

「そりゃあ……確かにな」

「エックスちゃんのビームも効かないとなるとどうすれば良いんだろう…」

 

 皆が思惑を巡らす中、1人の少女の声が上がった。

 

「その辺に関しては私に良い考えがあるわッ!」

「い、板場さんッ!?」

「何か策でもあるの?」

 

「ええ!こう言うのじゃアニメの展開的に解説役ポジションに居るキャラが鍵となる発言をするのよッ!」

「確かに映画にも通づるモノがあるからな。納得出来るなッ!」

 

「板場さん?弦十郎さん?それフィクションですからね?フィクションを真に受けるのは駄目ですからね?」

「「アニメ/映画を真に受けて何が悪いッ!」」

「!?」

 

 まぁ仕方ありませんよバイト君。特にコマンダーレッドに至っては映画を真に受けた結果があの身体能力ですから。

 

「と、言うわけで……後は頼んだわッ!」

「えっ」

「バイトさん、こう…ビシッとお願いします!」

「何が?」

「期待してますからねッ!」

「は?(疑問)」

 

 そ、そうかッ!バイト君はこの面々の中で聖遺物に対しての知識が不思議なレベルで高い方!

勝利の鍵はいつもすぐ側にあるのですねッ!

 

「と言うわけで、どうすれば勝てるのでしょうか?」

「いや俺に言われても……」

 

「成る程。やはりそう言う事か」

 

 そんな私達の元にとある人物の声が響く。こ、この忌々しい私のイメージカラーと被ったような声色は……ッ!

 

「翼さん!いつの間に!?」

「私も居るよ」

「奏さんまでッ!?」

 

 ヒビキだけでなく、その場に居た皆も驚きに満ち溢れる。まさか貴方達が駆け付けてくれるとは……!これは大変心強いですね!

 

「えっ、翼さん…奏さ……えっ?…あの、フィーネは!?

「フィー……あっ」

「あれ…エックス?もしかして忘れてた?敵の事思い切り忘れてなかった?」

 

 は、ははは何を馬鹿な事を言ってるんですかバイト君この私がそんな敵を前にして忘れる訳ないでしょうハハハ(乾いた笑み)

 

「い、いや!そんな事よりもッ!フィーネを放って大丈夫なんですか!?」

「ああ、それなんだけどな」

 

 すると奏?と言う名前のランサーが上方に指を向ける。私達がそこへ顔を向けると────

 

 

 

 

『何処だあッ!何処へ消え隠れたッ!』

 

 そこには私達を探している様子のフィーネ(巨大)の姿があった。

……もしかして巨大になった影響で相対的に私達が遠すぎて見えてない?

 

「ああ、それとなんか足元見えないらしい」

「あー、確かにあの形状だと角度的に足元に居る私達見えないよね」

 

 成る程、それは良い事を知りました。フィーネ(キョダイマックス)は足元が死角……と、おや?バイト君どうしたんですその場で項垂れて。

 

「あんなのに人質に取られた挙句、腕折られたり、殺されかけた自分が不甲斐なくて…はは、死にたくなって来た」

「生きるのを諦めるなッ!」

「奏さん耳元で叫ばないでくれません?とても煩いんで」

 

 どうやら見た目よりはちゃんと元気はあるようですね。

 

「しかし、このまま隠れ続けるのは得策では無いな。先程のレーザーを無差別にばら撒かれれば……」

「とてつもない被害が出ますね」

 

 ぐむぅ、消耗戦は論外と言う事ですか。となると頼みの綱は……。

その場に居た私を含める全員は一斉にバイト君へと視線を向けた。

 

そして真っ先に動いたのは古参のランサー(天羽奏)であった。

 

「頼む!何でも良いから考えを出してくれッ!バイえもん!」

「いや、そんな未来の猫型ロボット的扱いしないでくれません?」

「こう言う時こそ防人(さきも)れッ!防人(さきも)るんだバイトッ!」

「ごめんなさいッ!そんな意味不明の専門用語羅列を並べられても出るものは出ないです翼さんッ!」

 

 バイト君目掛けて群れるツヴァイウィング。見てくれは完全にイジメの光景ですね分かります。

 

「落ち着けアホ共。ったく…なぁ頼む、今はお前の知識と閃きが必要なんだ」

「雪音さん……」

 

アーチャーの声にバイト君が落ち着きを見せる。

 

「無茶だって事は分かる……でも、今は無茶でもやらなきゃ行けない時なんだ。まぁ、心配すんなよ例えどんな無茶を提案しようと私等は無茶苦茶になってあのクソッタレを倒してやる。だからさ、任せた」

「……ありがとう。やってみるよ雪音さん」

 

 

 

 

 

 

 

「あざといね」

「あざとい」

「流石は可愛いの化身」

「あの身は可愛さで構成されているのだな」

「…まさかヒロインの座を奪おうと思惑しているのでは?」

 

「よーし一列に並べ、順番に鉛弾を撃ち込んでやるから」

 

 そんな事をしているとバイト君がこちらに疑問を投げかけて来た。

 

「とにかく情報が必要だ。あのデカいのに関してなんでも良いから教えてくれないか?」

「情報…と言ってもなぁ」

 

 アーチャーの呟きの通り。アレ(フィーネ)に関してコチラもお手上げの状況です。正直言って伝えられる事なんてあるのでしょうか?

 

「幾度攻撃を仕掛けても無傷だ」

「つーか、あんな強固な鎧を貫けるのか?」

 

「……強固…それって本当に?」

「あ、何が言いたいんだ?」

 

「いや、確かに元となっているネフシュタンの鎧は強固だけど……それ以上にあの肉体は"ノイズ"で構成されている筈だ。それなのに強固なのか?」

「……つまり?」

「そうか…そう言う事かッ!無傷じゃねぇ!私達の攻撃を喰らった瞬間に再生して無傷に見えるだけなんだッ!」

 

 アーチャーの言葉におおっと騒めく人々。そんな中ミクが「でも…」と呟く。

 

「それって根本的な解決になってませんよね?」

「「「「確かに」」」」

「うっせ」

 

 不機嫌そうに答えるバイト君。フフフ、甘い、とても甘いですね皆。下らない事だと思っているのでしょうが私にとって重要な事です。そう!それはッ!

 

「ヤツの装甲に焼け跡を残して私の方が優れてると言う確たる証明になりました!!ふふん、なにするものぞシンフォギア ッ!」

 

「………」

「ったく、コイツ平常運転だな」

「そうだな。……っと、どうしたバイト。そんな石みたいに固まって」

 

 おや?どうしましたバイト君。そんなに衝撃的で嬉しさのあまり声も出ないのですか?

……あの、本当にどうしたんですかバイト君。無言でこっちに来て肩に手を置くのは物凄く圧があるのですがッ!?

 

「星だ……エックス、君こそ未来を切り拓く星だッ!」

「……ほえ?」

 

 

 

▼▼▼

 

 

 

『いい加減姿を現せ、現さないのならば此処一帯を焼いてもいいんだぞッ!』

 

 叫ぶ黙示録の竜フィーネ。その巨体から発せられる言葉を返す者は居ない。そんな事をからこれ数分続けた後にフィーネはとある結論に行き着く。

 

(まさか…私を無視を決め込んで逃げた訳ではあるまいなッ!?)

 

 先に言っておくと、そんな事は無い。

勝手に勘違いしている先史文明の巫女は動きを止め、頭の中で考えを練り始めた。

 

(い、いや落ち着け私。居ないからどうしたと言うのだ。別に奴等が私を放ったらかしにしたからと言え全く気にしてないからなッ…!別に無視されたからと言ってこの私が泣きべそを掻くと思うなよ…ッ!ホントだからなッ!)

 

 勘違いは加速する。新たなる霊長類となった彼女は思考回路までもが色々な意味で超越してしまったらしい。

 

……そんな彼女の視界の隅より何かが飛来する。

 

『──ッようやく来たかッ!』

 

 

「いいか皆ッ!作戦通りに行くぞッ!」

「分かりました!」

「ああ、やってやるさッ!」

 

 

 

 黙示録の竜を囲む形で配置される装者達。それぞれがアームドギアを構え、フィーネに向かって技を解き放つ。

 

 

「ジェット三段突きだぁああああああッッ!」

我流・激烈槍参連牙突

 

「穿て、(すごい)防人ビィィィイイイイイイムッッ!」

蒼滅ノ光波刃

 

「全弾ブッ飛ばしッ!爆ぜろぉぉおおッッ!」

ETERNAL SABBATH

 

「抉って、突き通ぉおおおおおおおすッッ!」

ULTIMATE∞cOMET

 

 

 四方からの同時攻撃が竜の鎧に突き刺さる。拳が、槍が、弾丸が、光が外殻を灼き、削り、貫こうと突き進んで行く。

 

『何をするかと思えば、ただの力押しかッ!その程度の力で我が竜の鎧に傷をつけられると思うかッ!』

 

 すると、ネフシュタンによる再生とエネルギーの循環により装者達が与えたダメージが癒えていく。

 

「まだ……まだだーーーーッ!」

「押せッ!無理を通してでも押し通せッッ!」

 

 だと言うのに装者達は止まる事を知らない。一度で駄目なら二度、それで駄目なら三度と、再生してしまうならソレが追い付かない程のダメージを連続で与えて行く。

ガリガリと徐々に装甲を削って行く。例え僅かな傷だとしてもソレが突破口になる筈だと信じて。

 

『無駄な足掻きをッ!』

 

「きゃっ!?」

「うおッ!」

「しまった!」

 

 直後、竜から発せられるエネルギーの放射。急激に働く斥力によって装者達は弾き飛ばされてしまった。

 

『ハハハハ!無駄だ無駄ぁ!最早この新霊長たるフィーネに敵うと思ったかこのマヌケがぁ!さぁ、次はどのような策を練る?どのような小細工で私を倒そうとする?』

 

 それも無駄に終わるだろうがな、と付け加え高笑いが空に響き渡る。

 

 

 

「策?今お前、策と言ったよな?」

 

 フィーネの言葉に対して雪音クリスが呟く。それも、不敵な笑みを浮かべてだ。

何故だ?何故コイツは笑っていられる?追い詰められている筈なのに何故────?

 

「分からないなら教えてやる……コチラの下準備は終了済だ」

『ッ!?』

 

 ハッと気付く。そう言えばエックスは何処へ消えた?

何故、このタイミングで姿を現さない?一体何処に……!?見つけた瞬間に彼女は悟る。

 

先程の攻撃は時間稼ぎの為、そして注意を逸らす為の──!

 

 

宝具(最終決戦兵装)、開帳」

 

 

 星の輝きが在った。生命の光が奔流し、聖剣が今まで以上の煌めきとなる。

そこにはエクスカリバーを構えるヒロインX。彼女の脳内にはコレ(切り札)を引き出した彼の言葉が響いていた。

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 (バイト)の豊富な聖遺物に対する知識の中にはあり得ない超常現象を引き起こす物が存在した。

 

それは物質、現象に付与された"概念"によって物理的な破壊では無く『意味・概念への干渉』を引き起こす埒外な力。

 

「有名な概念としては"吸血鬼を殺す"と言う概念を持つ『銀の弾丸』、"持主に祟りを齎す"『妖刀村正』と言ったように凡ゆる歴史でソレは目にする」

 

 語り継がれて来た伝承・歴史・逸話の積み重ねによって言葉は刃に、刃は力を引き起こす引鉄へと変質していった。

 

それこそ概念武装(哲学兵装)ッ!人々の伝承によって"そうあるべき"と語られた言魂の重みによって生まれし力ッ!人から人へと紡ぎ繋がれて来た力ッ!

 

「エックス。君の中のアーサー王を、竜を討滅せし力を信じるんだッ!!」

 

 謎のヒロインXがアーサー・ペンドラゴンの再現体ならば、彼女自身こそ『かつて島の化身たる竜(卑王ヴォーティガーン)を討ち滅ぼした騎士』と言う名の哲学兵装なり得る存在でもあるのだッ!

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

この力を嫌悪していた。

この力を使う事を拒否していた。

それは、己が存在価値が無意味となってしまうのではないかと思ってしまうから。

 

……だが、しかし。この力を自分の為でなく、他が為に使えるのだとしたなら────。

 

 

「(自分自身に向き合い、自分自身を信じるッ!)行きます…【神造兵器(ガーディアン・ブレード)】展開ッ!」

 

 

 彼の言葉を信じ───かつて在りし騎士王の力を此処に顕現するッ!

 

 

十三拘束開放(シール・サーティーン)──円卓議決開始(ディシジョン・スタート)ッ!

 

 

 

 




「シリアスを何処にやったッ!言え!」
「でも、この小説って元々ギャグ主体ですよね?」
「確かに」

シリアスの空気が好きだった読者の皆様、誠に申し訳ない。
でも作者はこっち(ギャグ描写)の方が好きなんだよね。いや本当にすまないと思ってます。
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