ようこそ、この物語へ。
このお好み焼きはサービスだから、まず食べて落ち着いて欲しい。
うん、「
仏の顔もって言うしね、謝って許してもらおうとも思っていない。
でも、このサブタイを見たとき、君は、きっと言葉では言い表せない
「ときめき」みたいなものを感じてくれたと思う。
殺伐とした世の中で、そういう気持ちを忘れないで欲しい
そう思って、この物語を書いたんだ。
じゃあ、逝こうか。
………何故、生きているのだろう。なんで自分は生き残ってしまったのだろうも自問自答を繰り広げる。
広い広い、家の中。居るのは自分と言う名の人間がポツンと1人居るだけ。
「……喉が渇いた」
そう呟くとソファから立ち上がり
……あぁ、いつもの事だ。
少年はそれを"当たり前"のように口にすると脚を拾う為、地べたを這う。
「……明日は何をしようか」
義足を嵌め、台所に辿り着いた彼はそう言いながらもコップに注がれた水を口にする。
とある日を彼は多くを失った。片脚を、片目から覗く景色を、ここ数年の…両親が死んだ時の記憶さえも。
怒り、悲しみ……否、あるのは虚無。少年にとって失った物が多過ぎた。ただ感じるのは無力感、何をしても真っ暗な闇の中を彷徨い続けるが如く彼は何も訪れる事の無い明日を待つのだ。
「手首を切ろうか…いや、炙るのにしようかな?今日は皮を噛みちぎったから……うん刺すとするか」
死ぬ覚悟も無い彼は、家の中で己を永遠に痛め続ける。習慣となった自傷行為によりいつか"過去を振り返る事の無い終幕"が己に訪れる事を怠惰に祈る。
絶望の淵に陥る中、ふと歌が聴こえた─────。
▼▼▼
「来た、来たッ!遂にこの日を待ちわび続けたッ!風鳴翼さんのコンサートライブッ!!」
「それは良かったですねバイト君。ところでプレミアムチケットはどうしました?」
「おっと、それ以上は言わないでX。俺が舌を噛みちぎる羽目になるから」
そんなのもう諦めたよクソが。とりあえず一般チケット3枚分で妥協する事にしたよハァー、クソクソ。
「まぁとにかく、今回は一般席からだけど皆と一緒に楽しませて貰う事にするよ」
「オイ」
「ええ、そうですね……ところで、ヒビキとミクは防人のセイバーからチケット(プレミアム)を貰ったらしいですがらそれについて一言」
「キレそう」
「オイ、聴いてんのかオイ!」
えっ、どうしたの雪音さん。トイレなら扉に入った所の左手側にあるから行くなら早めにね?すぐにドッと混雑するだろうから。
「違げーよッ!何で私がお前達と一緒にコンサート見る事になってるんだよッ!!」
説明するのが遅れたけど、雪音さんは俺の家の居候第2号となる事が決定した。いや、俺個人としては保護観察者の許諾を得て無いので未成年者誘拐罪で警察のお世話になりたくないからものすっっっごく嫌だったんだけどね?
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
『お願いだッ!もう頼れるのがお前ン所しか無い!風呂や寝床に誘惑して来る道徳倫理がズレた馬鹿共やゴミ屋敷の巣窟に棲まう頭のおかしい剣に、それに連なる大人共の世話になりたかねぇんだ!ここに住まわせてくれッ!』
『えっ、いや…それならふらわーのおばちゃんに連絡するか別に俺の家じゃ無くてm』
『頭のおかしい奴等ばかりでコッチも頭かおかしくなりそうなんだよォォオオオオオオオッ!!いいからサッサと上がらせろォ!さもなくばテメェのドタマに鉛玉を撃ち込んだ後にシャケダンすっぞコラーッ!』
『強硬手段に出て来た!?』
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
……その後、Xが居候してた事を知らなかった雪音さんはこの世の終わりを見るかのような表情をしてたけど。結局俺の家の居候する事になったんだよなぁ……ハァ(クソデカ溜息)
俺、家主なのに居候達に好き勝手されてる気がしてならないなぁ(白目)
「雪音さん、今回のライブ限定グッズに1人1つまでとされているクリアファイルに缶バッジがあるんだ……後は分かるね?」
「つまり私を使って目的のモンを沢山揃えようって事か?」
「それもあるけど、これから雪音さんにはコンサート会場にて風鳴翼の魅力を歌で感じて虜になってもらう。端的に言うと翼さんのファンになってもらう。更に端的に言うと翼さんをすこれ」
「1番常識人そうな奴がマトモじゃなかった件。クソが」
酷い事言うな君は。俺がそう思っているとXが不意に呟いた。
「バイト君宅ヒエラルキー最下層のアーチャーがあれやこれや言える立場だとお思いで?逆に1人にしたら寂しがるであろう貴女を放っておかなかった私達に感謝して欲しいくらいです」
「はーッ!?誰が寂しがり屋だ色物ッ!そう言うお前こそ居候だろッ!私はコイツの家で世話になってる!そしてお前も居候ッ!そこに何の違いもありゃしねぇだろうが!」
「違うのだ!!」
言い争う目の前の2人。どうどう、まぁまぁ落ち着いて。周りからものすごく見られているかその辺にね?
俺がそう告げると、2人は互いに相手を指差しながら叫ぶ。
「「コイツと私、どっちが上だッ!?」」
「どっちも同じだよ(即答) そんな事より静かにしようか、さもなくば今後の朝昼晩全て冷奴にするけど───」
あっ、黙り込んだ。そんなに嫌なの冷奴?とても美味しいのに……。
うーん、でも流石の俺も乗り気じゃない人に対し無理を通して翼さんの歌を聴かせる程、非常識な性格をしている訳ではないと自覚している。
「しょうがないにゃぁ……雪音さん帰っていいよ」
「えっ」
「ふむ、バイト君の言葉にも一理ありますね。私達は貴女に無理を強いていたのかもしれません」
「えっ……えっ?」
雪音さんが面食らったような顔をして数秒が経過。しばらくして身体をプルプル震わせながら目元に
「え、あ……いや、何で急に帰れって言うんだよ。べ、別に私は嫌とは一言も言ってねーし……!そんな事急に言うなよ……その、悲しくなるじゃねーか……」
な、泣いたーーーーーッ!?思った以上にメンタル脆かったよこの娘ッ!
「……あの、雪音さん。その……すみませんでした。だから泣かないで、ほら焼きそばパン食べる?」
「えぇ…打たれ弱くないですかこのアーチャー。あーもー全く……ほらハンケチですよこれで涙拭いてください」
「ぐすっ、泣いてなんかねーし……」
いや、泣いてるよね?思い切し"ぐすっ"って言ったよね…と俺は思ったがそれを口に出す程、空気の読めない男では無いので小腹が空いた時の為に持って来たヤキソバパンを彼女に手渡す。
……えっ、アンパンじゃないのかって?ごめんよ雪音さん。俺、焼きそばパン好きなんだよ。ほら食いねぇ。麺とパンに特製ソースが染み込んだ焼きそばパンを食いねぇ。
「あら……そこに居るのはプレミアムチケットを取り損ねた風鳴翼ファンクラブ会員No.6721 コードネーム【
響いて来たその声の方向に振り向く俺達。そこにはこのライブ会場には似合わない執事風のドレスを纏った女性が独特な姿勢で立っていた。
「貴方は…ッ!風鳴翼ファンクラブ会員No.9268の【Ms.フラメンコ】さんッ!」
「新キャラッ!?あの謎ポーズをしている新キャラ女性とは面識があるのですかバイト君⁉︎」
「あぁ。それと あの謎ポーズはこの人のデフォルトだから気にしないで」
この人、前々から会う度に変なポーズを常にしてるけど辛くないのだろうか?本人は何も問題は無いと言っているけど。
「つーか、お前の人脈どうなってるんだよ。なんだ?変な奴を惹き寄せる力でも持ってるのか?」ムグムグ
「……仮にそうなると雪音さんもその"変な奴"の1人にカテゴライズにされるけど」
「」
あっ、焼きそばパンを頬張ってる雪音さんが固まった。それ程ショックだったのだろうか?
「バイト君、バイト君。あの人と何処で会ったのですか。事と返答次第では私はあの人を
「どうしたX!何故に抜身で剣を取り出してるの!?」
「あの者からはただならぬセイバー反応を感じる…ッ!私の中のコスモリアクターとセイバー抹殺プログラムが奴を倒せと轟き叫ぶ……ッ!(溢れる殺意)」
ゴゴゴと暗黒オーラを燻らせるX。
よし分かった。取り敢えず一旦落ち着いてその黒い剣を仕舞おうか。あと、ここライブ会場だからね?人混みが落ち着いて来たとは言え、見てくる人が多数居るからね?
…で、Ms.フラメンコさんと俺の関係だっけ?無論、魂と魂が繋がった同志だけど?俺と同じ翼さんスキーだけど?
……えっ、そんな事より彼女と何処でエンカウントしただって?
「俺と彼女の馴れ初め話を聞きたいかえ?少し長くなるが良いかえ?」
「あっ、じゃあイイです」
「そんなー(´・ω・`)」
折角、俺とこの人との壮絶な
「そう言うとこだぞX。だから友達少ないんだぞX」
「それとこれとは話が別だと思います。それに友達は少ないのではなく単に作ってないだけですし(震え声)」
「楽しそうで何より。いや、一般販売チケットしか取れなかったから敢えて多数の者達と喜びを分かち合うと言う寸法、そう言う事でしょう?」
「………何が言いたいんです?」
ニヤリと口端を吊り上げ、無機質な顔に笑みを浮かべると彼女はポツリと呟いた。
「怒ってはいけない。フフフフフフ…ですが笑えますね。プレミアムチケットを取り逃がした貴方は寂しさを紛らわすかの如く女子達と乳繰り合いペンライトを振るう。一方私は特等席から優雅にコンサートを眺め彼女の勇姿をその目に焼き付ける……随分と差がつきました。悔しいでしょうねぇ…」
「あ、あんたって人は!それを言ったら…戦争だろうが……ッ!」
そんな俺の言葉を意に介さず彼女はチケット(プレミアム)を団扇のように使い、俺の自尊心や嫉妬心の炎を燃え上がらせるように煽って来る。
「かーっ、辛いわー。プレミアムチケット一発で手に入った上に復活コンサートを特等席で見られる私、豪運すぎてマジ辛いわー」
「ぐっ、フラメンコのリズムを混ぜてテクニカルかつ的確に煽って来やがる……!(半ギレ)」
くそぅ、くそぅ!実質プレミアムチケットはCDやレコードに付いて来る引換券を使って一定の確率で手に入る所謂ガチャ的なアレだから反論の余地がねぇ!あと、そのステップ踏むのをやめろ!思わず蹴りを入れたくなるから!
「……ソウルメイトなんだよなコイツ等?」
「ソウルメイトとは?(哲学)」
「そりゃソウルメイトだよ(真顔)あー、クソ。これなら握手、サインだけじゃなく翼さんからチケット貰うべきだったなぁ……」
「おや、この期に及んでそのような言い訳をするとは貴方の剣ちゃんへの愛情も地に堕ちたわn───握手?サイン?」
………ん?流れ変わったな。
「すみません、その話もう少し
「ちょっと…
「っ!?」
「握手してもらったし、サインも貰いました。ちなみにこれそのサインの写しね?」
「剣ちゃんの…生サインに…生握手ッ!?」
生握手はやめなされ、如何わしい響に聴こえるからやめなされ。
まぁそれはそれとして。オラァ!横ステップ!横ステップじゃい!
「かーーーっ!辛いわーッ!生のリアル等身大1/1スケール翼さんに会った上に会話して握手、サインしてもらったのマジ辛いわーーー!ねぇどんな気持ち?握手やサインをしてもらった事のないMs.フラメンコさん、ねぇ今どんな気持ち?ハハハハ!いやぁー、随分と差がつきました!悔しいでしょうねぇッ!」
「キレそう(満面の笑み)」
「うわっ、コイツ自分が優勢になった途端に煽り始めやがった!」
「目を背けてはいけませんよアーチャー、同じ
後ろの2人が何か言っているようだけど気にしない気にしない。単なるコミュニケーション(に近いようで遠い何か)だから。
「……まぁ、いいでしょう三者三様、十人十色、百人百様、千差万別。私は私で、貴方は貴方で好きなように
「えぇ、それではまたMs.フラメンコ」
最後の言葉はそれだけで充分だった。共に感動を分かち合い、煽り煽られ、翼さんのここすきポイントを語り合う。それだけで俺達は全てを分かり合えるのだから────。
(次はプレミアムチケット手に入れてやるからなチクショウが)
(サインや握手くらいで良い気にならないでくださいねクソが)
まぁ、それはそれとして煽って来たのは許さんからな。
「暗黒面よりも更に邪悪な面を垣間見た気がします」
「戦争の火種潰さなきゃ(使命感)」
後ろの2人が何か言ってるようだけど、そんな事よりさっさと購買コーナー行って限定グッズ買わないと。でぇじょうぶだ、この時に貯めておいた金がある。
っと、言うわけで限定缶バッジ、クリアファイル。それとポスターにアクリルキーホルダーくださいなー……えっ、サイリウム?あ、3ダース分袋に詰めちゃってください。
「やめてください買い過ぎです。サイリウムは3本に変更でお願いします」
「なっ、何をするだァーーーーッ!!」
小日向さん貴様ァ、急に現れて人様の買い物中に横からしゃしゃりて来るとは何事かッ!
「いやー、いくらなんでも
「げっ」
小日向さんに続いて現れる立花さんに対して雪音さんは露骨に嫌そうな表情を露わにする。そんなに彼女の事苦手なのだろうか……あっ、すみませんサイリウム6本追加でお願いします。
「サイリウム9本……いや、もういいです。ところでさっき、生まれたての小鹿のように歩く豪華なドレスを着た女の人もすれ違ったんだけど……バイトさん犯罪ですよ?」
「何で俺を疑うかなぁ……いや確かに原因は俺にあるけどね?」
「クリスやエックスに飽き足らず他の女性にまで…かーっ!見んね響!卑しか男ばいッ!」
「み、未来……!?」
おう、俺に対する風評はそこまでにしてもらおうか。あと言っておくけど俺は翼さん一筋だ、そこだけはきっちりしっかり覚えておけ(半ギレ)
「実際の所何があったの?エックスちゃん」
「人と人との醜い争いです」
「本当に何があったの(真顔)」
醜い争いと言う名を冠するコミュニケーションだから。一種の恒例儀式のようなものだから気にしないで。
「……もう私は色々と疲れた。なぁ、休憩室とかあるならそこで休ませてくれ」
ふと雪音さんが疲れた様子でそう呟いた。さすがの雪音さんでもこの会場に荒れ狂い押し寄せる人混みの波に耐えられなかったのだろうか?
しかし無理もない彼女の今までの環境を考えると連れて来たのは酷だったのかもしれない。
今度埋め合わせで何かしてあげれれば良いんだけど……弦十郎さん辺りに相談してみようかな。
……ん?どうしたの立花さん。
「ふふん、ここはこの立花響にお任せですよ〜!……クリスちゃん!」
「うっせ帰れ」
「初っ端から拒否されてますよヒビキ」
「ぐぬっ、だ、だとしてもッ!私は折れない、挫けない、後退しないッ!」
そう叫びながら彼女は鞄から何かを取り出し始める。それを手に取ると食らえ!と言わんばかりに雪音さんの眼前に突き出した。
「とっても疲れてるクリスちゃんには……じゃーん!『怪傑 うたずきん!』セラピー!」
「……はぁ?なんだそりゃ」
「ご存知!ないのですかッ!?全く!説明してあげてくださいバイト君ッ!「ごめん、俺も良く分からん」前言撤回!私が説明してあげましょう!」
コホンと咳払いした後、エックスが説明し始める。
「怪傑うたずきん!とは数年前から月刊少女漫画雑誌にて好評連載中の300万乙女のラブソングのキャッチフレーズで有名です!ちなみにアニメ化プロジェクトも開始され数週間後にはニチアサ枠に収まり『月狼牙ブーメラン・
……あー確か板場さんがふらわーに来てた時にそんな事呟いてた気がする。そっか、名前だけは聴いた事あると思ってたけどその時に聞いたのか。
「人気の秘訣と言えばずばり、少女漫画雑誌、子供向けとは思えない内容、シナリオ!白熱した怒涛の展開ッ!それにより老若男女、幅広い年齢層に人気を集めている。今話題沸騰の作品なのですッ!」
「お、おう…そうなのか。つーか、この作品語るとやけに早口になるなお前」
やめなよ(クラウドさん感)
「 と に か く ッ ! 見ても退屈させない作品とだけ言っておきます……まぁ、ここだけの話なんですが…実は
「「マジでッ!?」」
そうなの!?…いや、なんでオススメした立花さんも驚いてるの?君、二課所属だよね?なんで?(純粋な疑問)
「え、いやだってフィクションだし…うたずきんは魔法世界の住人だし……う、うたずきんは…わわ、私達のき希望ででででddddd(震え声)」
「ま、まずいですッ!ヒビキの純粋無垢な心が汚い大人のやり口にクリーンヒットしました!」
「しっかりして響!傷は浅いよッ!響ーーーッ!」
こうして約1名、コンサート開始前に心に傷を負う羽目となったが、まぁ立花さんならすぐに立ち直るだろうと思い指定の席へ向かう事となった。
……向かう事となったんだけどね?
『すみませんバイト君、ノイズが出現したと報告があったので失礼します!』
『酷いよ…こんなのあんまりだよ……』
『あーもう!いつまでショげているんですかッ!早く行きますよヒビキ!』
こんな感じにXと立花さんはノイズをブッパするお仕事に駆り出され、雪音さんはトイレに行ったまま戻って来ない。
ちなみに翼さんはXの配慮によってそのままコンサート続行のようです。
……とどのつまりは3人分空いた席にて、俺1人で翼さんのライブを観る事になりました。
ふむ、どうやらノイズはそこまでして俺に独り寂しくライブを楽しめの言うのだろうか?ハハハハノイズ共、1匹残らず死滅良いのになーッ!!(溢れ出る殺意)
全く…これなら小日向さんから立花さんの席を譲って貰えば良かっt────
『は?響のお尻の温もりが残った特等席を奪おうと言うんですか?マジ許さんからな』
───あっ、やめておこう。どう足掻いても怒りを買うだけだコレ。
まぁ、それにコンサートライブは1人でも楽しめるし?席が広くなった分余裕出来たし?それに雪音さんだってトイレが長いだけで来る可能性だってあるし?(強がり)
……やっぱ辛ぇわ。
『そりゃ辛ぇでしょうよ』(幻聴1)
『ちゃんと言えたじゃねぇか』(幻聴2)
ウ゛ッ、Xと雪音さんの励ましの声が聞こえた気がする。そうか、そうだよね…君達の分まで楽しむよ!
俺…2人の分まで翼さんの勇姿をその目に焼き付ける事にするよッ!
とりあえず開始時刻まで時間がまだあるから今の内に飲み物でも買いに行こうかなっと。
「奏ぇぇえええええええッ!!居るなら返事をしてぇぇえええええええッッ!!」
自販機に立ち寄った俺だけど、流石にゴミ箱の中に上半身突っ込ませて何か叫んでる翼さんの姿は目に焼き付けとうなかった。
ごめん、やっぱ辛ぇわ……(2回目)
▼▼▼
日は沈み、静寂が訪れる闇夜の中。工場地帯に轟音が響き渡った。認定特異災害ノイズが再び現れた。
しかしそこに相対するは槍と剣を携えた人類の守護者。彼女達装者は己が得物を握り締め、人を殺す災害に立ち向かう───!
「はぁ…はぁ…ッ!まさかこの私がここまで手こずるとは……!」
が、しかし人類の守護の要たるシンフォギア装者達は追い込まれていた!何故ヒロインXがここまで追い詰められているのだろうか?その理由は単純明快だ。
「恐怖心…私の心に恐怖心……」
『響ちゃんのフォニックゲイン数値低下中!』
『何があった響君!』
「師匠……うたずきんちゃんって、この世に居ないんですね……」
『うん……うん?』
立花響が戦闘前から既に戦意喪失状態であった為である。本来の響ならば疾風怒涛、怪力無双、レベルを上げて物理で殴る無双ゲーの如く容易くノイズ達を蹴散らせるだろう。
だがしかし二課やX達は侮っていた。立花響の図太いメンタルをドチャクソに砕かれた時の響のクソ雑魚っぷりを!ハッキリ言って、Xにとって庇ったり戦うのに邪魔なので居ない方がマシだったりする。
「うたずきん…う、ウワァァァアアアアッ!(0M0)」
「クソァ!喚いてないで早く立ってくださいヒビk……って、危な⁉︎ぐ、この……ちょっとぉぉおおおお!何してるんですかアーチャーッ!早く来てくれーーーーーーーーーッ!!」
夜空に向かって轟く謎のヒロインXの慟哭。その一方で姿の見えない装者の1人である雪音クリス。
そんな彼女がノイズを放っておいて何をしているかと言うと───。
(怪傑うたずきん…超面白ぇ…ッ!)
ライブ会場個室トイレ内にて響から借りた漫画に物凄くハマっていた。それ以前に通信機を持っていないのでノイズが出現している事すら把握してなかった。
▼▼▼
「どうだ?そっちに奏は居たか?」
「見当たりませんし見つからないと思うんですが(名推理)」
ゴミ箱に体を突っ込んだ犬神家の一族状態の翼さんを救出した後、共に奏を探してくれと懇願されてしまった。断る選択肢は無かった俺は何処かに居るであろう『奏』を見つける為に会場内を彷徨って居た……あー、いやうん。
翼さんの言う『奏』って多分、2年前に亡くなったと言う『天羽奏』の事なのだろう。そっかーこれがXとの会話で度々出て来たエア奏キメてる状態ってヤツかー。
こんな翼さん見たく無かったなー。でもそれ指摘するなと俺の第六感が告げてるんだよなー。
……ヨシ!(現場猫)
多分、一過性の症状だろうから治るまで付き合うとしよう。
……ん、付き合う?はははいやいやいやいやいやいや俺と翼さんはアーティストとファンと言う間柄であってそんな疚しく阿呆な恐れ多い俗物めいた己の信念に反するような事は決して抱いていないと言うか俺のメンタルじゃ耐え切れずに致命傷に至ると言いますか──。
『でも好きなんだろ?翼のこと』
「好き!(即答) でも恋愛的な意味じゃないですー!ファンとして翼さんの事を愛してるだけですー!」
ええいクソ、俺の頭の中にまた幻聴が……ッ!黙れ、オバケめ!そんな翼さんに対する邪な考えは恥ずべき行為だッッ!
『えぇー、本当にござるかぁ?』
「ホントホント本当にござる。俺、嘘吐かない」
俺は純粋に
地獄に垂らされたクモの糸のように俺の中で希望の灯火となったそれは記錄媒体でしか聴く事が出来なくなったけど今でも尚、俺を衝き動かす原動力となってくれるんだ!
………待って 今、俺は誰と話してるの?
『…ま、間違い無い…私と会話出来る人間だ!翼以外と意思疎通可能な人間だッ!!』
「」
目の前に居たのは赤髪をした見覚えのある女性だった。忘れもしない彼女の姿。そんな筈は、いや──馬鹿な。だって、彼女は…え、これ
…ははは、そんなまさかこれは夢に違いない。
そうだこれは夢なんだ
俺は今、夢を見ているんだ
目が覚めたとき、 俺はまだ12歳
起きたらラジオ体操に行って
両親と朝ご飯を食べて、涼しい午前中にツヴァイウィングの曲をヘビロテしなが宿題して
午後から両親と一緒に公園で思い切り遊ぶんだ…。
『翼!おい、翼!凄いよ、コイツ私と話す事が出来r「かなでぇぇえええええええええっ!!」くそっ、そういや翼とは時々しか意思疎通出来ないんだった!おい、お前!悪いが翼に私の事を伝えt」
「………う」
『う?』
「うわああああああああああああッ!?おっきーさん特製対霊千代紙アタックゥゥゥウウウウッ!!」
『え、いきなり紙を投げ付けて何をしt──ぐあああああああああああああああああああああああああああああああっっ!?』
錯乱状態に陥った俺は目の前に居る半透明状態の天羽奏さんに向かって紙をスパーキングしてしまった。
いや……うん、まさか幽霊(?)に千代紙投げたら電撃が流れるとは思わなんだ、本当に申し訳無い。
そしてコレを製作したおっきーさんって凄いんだなと思いました(小並感)
〜〜今更感なキャラ紹介〜〜
『バイト君』
現状、名前不明。
高校二年生のお好み焼き屋ふらわー世界進出の野望を夢見る片目片足がそれぞれ義眼、義足の一般人。
……えっ、一般人じゃ無いだろって?お前それ型月でも同じ事言えんの?
ついでに言うと風鳴翼ガチ勢である。
『謎のヒロインX』
バイト君宅に棲まう謎の知的生命体。バイト君の知らぬ間に風鳴翼と勝手に交戦。それ以降なんやかんやで特異災害対策機動部二課にヘッドハンティングされた模様。
ちなみに好きなテレビ番組は主にニチアサ系列アニメと刑事ドラマ。個人的に櫻井了子は苦手らしい。
『立花響』
好きなものはごはん&ごはんの彼氏居ない歴は年齢と同じな高校1年生。
聖遺物ガングニールとの融合によってやべー強さを持つ。心が折れると立花さんからタチバナサン並みの弱さにガタ落ちする。
『雪音クリス』
読者の皆様からヒロイン認定されつつあるキャラ。クソ雑魚メンタルで可愛さの塊。属性過多ヒロイン。かーっ、卑しか女ばい!
『風鳴翼』
エア奏キメた防人。
『小日向未来』
井口◯香。
『天羽奏』
エア奏。幽霊なのに感電した。
マトモなキャラ少ねぇ…たまげたなぁ……。