ダンメモ3周年イベント、第1弾完走しました。過去編ということもあり原作でも描かれることの少ないキャラ達が活躍してるのは心踊りました。
ぶっちゃけ輝夜がドンピシャで好みの容姿です。
はよ声つかないかな.....
アリーぜから東山奈央さんの声がきこてくるんだよぁ
面倒なことになった。
その人物は胸中で呟いた。今は
「(殺したのは早計だったか.....他にも『アリア』の件もある.....ああ、面倒くさい.....)」
苛立ちの感情を膨らませ、いっそこの場にいる者達を皆殺しにしてしまおうかと、そう自棄的な考えがよぎった瞬間、その光景が視界を掠めた。人混みの中を走る獣人の冒険者に、それを追う金色の剣士とエルフの魔導士。彼女達はただならぬ雰囲気で脇目も振らず、広場から離れていく。
「.....」
沈黙を纏いながら群衆の間を縫い、怪訝そうな視線を浴びながら、少女達を追う。
18階層の水晶の空は、『昼』から『夜』に移り変わろうとしていた。天井の中央に生える無数の白水晶が発行を止め、周囲の青水晶も光量を落としていく。みるみるうちに階層全体が暗くなり始める。
「はっ、はっ.....!?」
周囲が暗くなる一方で足元から生える青水晶がうっすらと輝きを放つ中、獣人の少女は岩の路地を走っていた。長く平らな道をひた走っていくと、金髪の剣士、アイズが、彼女の前方に現れる。
「えっ!?」
行く手に立ち塞がるかのごとく道の真ん中にただずむアイズに、獣人の少女は愕然とする。後方からの追跡をエルフの魔導士、レフィーヤに任せた彼女は驚くほどの速さで先回りをし、獣人の少女が来るのを待ち受けていたのだ。前からゆっくりと少女へと近寄るアイズ。迫る彼女に恐れをなしたのか
「はぁ、はぁ.....捕まえましたね。流石アイズさん」
「ううん。レフィーヤの、おかげだよ」
息が上がっているレフィーヤと前後から、地面に座り込んだ獣人の少女をアイズは見下ろす。
「事情聴取は.....私達がするより団長達に任せた方がいいですね」
「うん、広場に戻ろう」
挙動不審だった彼女を怪しい人物と睨み、アイズとレフィーヤはフィン達の元へ連れて行こうとしたかが、
「やめてっ!?」
垂れた耳をぴくりと動かした少女は、途端に涙ぐみ、顔を振り上げて懇願する。
「お願いっ、止めて、あそこに連れていかないで!?あそこに戻ったら、今度は私が、きっと私がっ.....」
「あ、あのっ.....」
「ちょ、ちょっとっ、何してるんですか!?」
アイズに縋り付くように両腕を掴み、少女下から見上げてくる。アイズがうろたえる中、レフィーヤが慌てて引き離そうとするが、「お願い、お願いっ.....!」と彼女はうつむいた顔を振るばかりで、掴んだ腕を離そうとしない。
「どう、しましょうか?」
「.....人のいない場所に連れていこう」
落ち着いて話を聞こう、怯えている少女を見つめながらアイズは提案する。確かにこのままでは
人気の無い『リヴィラの街』の倉庫に少女を連れていき、カーゴに囲まれる空き地ような空間で、アイズ達は向き合った。
「もう、大丈夫?」
「.....うん」
レフィーヤが携行用の魔石灯を見つけ、点灯させる。
「貴方の名前は?」
「ルルネ.....ルルネ・ルーイ」
「Lv.と、所属も教えてもらえますか?」
「第3級、Lv.2.所属は、【ヘルメス・ファミリア】.....」
アイズとレフィーヤの質問にうつむきながら答える少女、ルルネは、落ち着きを取り戻したようだった。快活そうな顔立ちは今は曇っているが、しっかりと受け答えが返ってくる。彼女の瞳を見つめながら、アイズは事情を尋ねる。
「どうして、広場から逃げたしたの?」
「.....殺されると思ったから」
「何で、そう思ったんですか?」
押し黙る彼女に、アイズは鋭く言葉を踏み込ませた。
「貴方が、ハシャーナさんの荷物を持っているから?」
レフィーヤも、そしてルルネも目を見張る中、アイズの瞳はそのポーチに向けられる。今も肩にかけて肌身離さずに持っている中型のポーチに、反射的に手を添えたルルネは、やがて告白するようにぎこちなく頷いた。
「どうして、貴方がハシャーナさんの荷物を.....も、もしかして、盗んだんですか?」
「ち、違うっ。私はっ.....依頼を、受けたんだ」
依頼と聞いてレフィーヤははっとする。彼女がこちらを見なる中、アイズの脳裏にもハシャーナの荷物から出てきた例の血塗れの羊皮紙が思い浮かんだ。
「その依頼の内容は?」
特定の荷物を受け取り、
「あれ、でもルルネさんはLv.2ですよね?お話を聞く限り、お独りでこの18階層にやって来て地上に帰るのは、危険じゃないですか?」
レフィーヤが問いかけると、ルルネはあからさまに焦った素振りを見せ、言葉を濁しながら白状した。
「そ、その.....ヘルメス様にランクアップしたことは隠しとけって言われてて.....ご、ごめん。私、実はLv.3なんだ」
「「.....」」
何とも言えない表情を浮かべるアイズとレフィーヤは、しゅんと体を小さくするルルネを見る。恐らくはアイズより一つ二つ年上だろう彼女は、今ばかりは叱られた子供のように見えた。だが、これで分かったこともある。その謎の
「.....」
「アイズさん、やっぱり、団長に知らせた方が.....」
「駄目!」
自分達の手に余る事柄だと言うレフィーヤだったが、ルルネの激しい一声に遮られる。
「人のいる所は怖いっ、きっとハシャーナを
ポーチを強く胸に抱き、ルルネはまくし立てるように言葉を続ける。レフィーヤが困り果てていると、アイズはルルネの横顔とそのポーチを見つめ、口を開いた。
「私達に、その荷物を渡して」
その要求にルルネは瞠目した。感情の乏しい表情の中、アイズの金色の瞳が強い訴えを放っている。鋭い【剣姫】の眼差しにたじろぐルルネは、しかし
「詮索しないで、絶対に誰にも見せるなって言われてたんだけど.....」
そう言ってポーチを開ける。中から出てくるのは口紐がきつく締められた袋だ。ルルネは緊張した面持ちで、その大きく膨らんだ袋の中身を取り出す。
「.....!」
「な、何ですかっ、これっ.....?」
ルルネから手渡されたのは、アイズの両手に収まる球体だった。緑色の宝玉。薄い透明の膜に包まれているのは液体と、不気味な胎児だ。丸まった小さな体に不釣り合いなほど大きな眼球が、アイズとレフィーヤのことを見上げている。
ドロップアイテム?
あるいはダンジョンの新種のモンスター?
レフィーヤが
「(なに、
鼓膜の奥で響く高い耳鳴り。襲いかかる強烈な寒気。そして猛烈な吐き気が込み上げてくる。めまいに襲われた次の瞬間、アイズは耐えきれず膝を折った。
「アイズさん!?」
地面に膝をつき、手の上の宝玉が転がりおちる。レフィーヤの手に支えられながら、アイズは大きく呼吸を乱す。ルルネは既に泣きそうな顔で立ち尽くしていた。急いでレフィーヤが宝玉をアイズがら遠ざけると。はあ、はあ、と胸を上下させていたアイズの体は徐々に静まり、回復していった。
その瞳は少女達の動向を追っていた。街壁の上。眼下、視線の先では、巨大なカーゴが乱雑に置かれる倉庫の一角で、ヒューマン、エルフ、獣人の少女達が向かい合って会話を交わしている。息を殺し闇と同化する視線が少女達の顔をなぞっていくと、最後にヒューマンの剣士のところで止まった。
強いな
瞳が細まる。あれは手間がかかりそうだ。サーベルを腰に携帯し、隙のない身のこなしを纏う金髪金眼の少女に対し呟きが落ちる。やがて、懐に伸ばされた手が取りだしたのは、草笛だった。
「出ろ」
唇と草の間から生まれる高い笛の音。鳴らされた呼び笛の声が、上空を渡った。
ようやく調子を取り戻したアイズをレフィーヤが心配し、ルルネと3人でフィン達のいる広場は戻ろうとした直後だった。遠方から何かが崩れる音と、悲鳴、そして破壊の咆哮が届いてきたのは。
「!?」
アイズ達とともに目を見開き、次には弾かれるように駆け出す。視界が一気に広がる高台にやってきた彼女達の目に飛び込んできたのは、
「あれは.....!?」
空高く首を伸ばす、無数の食人花のモンスターだった。
「なにモンスターの侵入を許してやがる!?見張りは何やってんだ!」
ボールスの怒号が響き渡る。高い街壁を乗り越え、街の至る所から鳴声を上げる食人花のモンスター達に、街中央部の広場は騒然となっていた。冒険者達が集まるこの広場を目指し、その長駆を蛇行させ、蠢かし、周囲からモンスターの群れが殺到してくる。
『ーーーーーーアァッ!!』
水晶の柱を破壊し、光り輝く破片の雨をばらまきながら、1匹の食人花が広場へと到達した。それを皮切りに、一拳、他のモンスター達がなだれ込む。触手を振り回すモンスター達の群れに悲鳴が連鎖する。
「ティオナ、ティオネ、彼等を守れ!」
フィンの支持とともにアマゾネスの姉妹が疾走した。双方武器を手に人混みを飛び越え、食人花のモンスターに接近、大斬の銀光と二振りの斬閃で敵の頭部、触手を切断する。
「フィリア祭の時と言い、こいつ等どこから現れるのよ!」
「みんなっ、逃げちゃダメだって!?」
敵わぬ相手と知った冒険者達は広場の外、街の各所へと散らばってしまう。止むなくティオナとティオネは散開し、逃げ惑う冒険者達とモンスターを追った。
「リヴェリア、敵は魔力に反応する、できる限り大規模な魔法で付近のモンスターを集めろ!ボールス、五人一組て小隊を作らせるんだ、数で当たれば各班一匹は抑えられる!」
「わかった」
「お、おう!?」
「ミナトは各所に遊撃を頼む」
「了解です」
一瞬でフィンは適切な指示を繰り出した。リヴェリアが広場の中央で
「でき過ぎているな.....!」
街に一斉に出現した50匹程の食人花。それらが一切接近の予兆さえ感じさせずい襲いかかってきた。
あまりにも作為的過ぎる。
フィンは走り出し、なぎ倒された水晶の柱や大岩の上を跳んで、広場から街中を真っ直ぐ縦断した。あっという間に崖際まで到着し、身を乗り出す。
「っ.....!?」
崖下を見下ろしたフィンの碧眼が、驚愕に揺れる。高さ200mはある絶壁の下から
「まさか、
「そんな....!?」
「な、なんなんだよこれ、何がどうなって.....!?」
「街が、モンスターに攻め込まれてる」
動揺するレフィーヤとルルネの横で、アイズも驚きを隠せていないようだった。普段から感情が希薄な表情が、今はその瞳に険しさを乗せている。冷静に俯瞰すると、街中央の広場はモンスターの襲撃に手際良く応戦していた。
「広場に戻って、フィン達と合流しよう」
アイズの判断に異論はなかった。激戦地でもあるが、間違いなくあの場が街の安全地帯だ。ルルネが必死にこくこくと頷き、レフィーヤもはいと返事をする。ポーチを抱え直し、高台から出発した、しかしその矢先。
『オオオオオオオッ!!』
「!?」
破鐘の叫び声を届かせ、一体の食人花のモンスターがレフィーヤ達の眼前に飛び出した。土石流のように激しい勢いで、岩の斜面を削りながら現れる。抜剣したアイズが、立ち尽くしたレフィーヤとルルネを置いてモンスターへと斬りかかった。あっという間に斬り倒されるモンスターだったが、身に襲う振動にレフィーヤは嫌な予感を覚える。
「あっちからも.....!?」
「う、嘘だろ!?」
レフィーヤ達の進路方向から北西、その街壁から食人花のモンスターが群れで出現し、レフィーヤ達のいる元へと押し寄せてきた。ルルネの悲鳴を待たず、咄嗟にアイスが倒したモンスターの死骸を避けて道の奥へ駆け込む。直ぐに後方を滑り抜ける食人花はうぞっと音を立てて長駆をくねらせ、停止、顔の向きを反転させ再度レフィーヤ達に向かってきた。
「レフィーヤ、先に広場に行って!」
「アイズさん!?」
完璧に捕捉されたレフィーヤ達の中からアイズが飛び出す。斬撃の嵐をモンスター達へと見舞い、進軍を食い止める。モンスターの軍勢を1人で食い止めるアイズに対して
「(男性の、冒険者.....?)」
手足の先から胸元まで黒い鎧に包まれた、男性冒険者だ。首にはボロ布のような襟巻きをし、頭には兜を被っている。レフィーヤが細い眉を曲げ訝しげな表情を隠せないでいると、その男は無言でこちらに直進してきた。
「と、止まってくださいっ!?」
レフィーヤの停止も聞かず、鎧の冒険者は彼女に近づいてくる。そして、十歩ほどの間合いを切った次の瞬間、男の姿はかき消えた。反応を許さない速度の肉薄。目を見開くこともできなかったレフィーヤは懐に踏み込まれ、その首を、片手で掴み上げられる。
「がっ.....!?」
彼女の足が地面から離れる。首を圧迫する籠手。恐ろしく冷たい感触が肌に食い込み、レフィーヤの手の中から杖が高い音を立てて地面に転がり落ちる。男のその右手を必死に剥がそうと両手をかけるものの、取り付いたまま全く離れない。首を締めようと、いや握り潰そうと、凄まじい膂力で五指が食い込んでいく。
「うおおお!?」
「......」
「ぁ.....!ぅ、っ......!?」
助けようとしたルルネは男に飛びかかるが、
みしっ、と細い喉が歪んだ。だらり、と最後まで抵抗を続けていた両の手が垂れ下がる。
「(アイズさん.....)」
頬に一筋の雫を流しながら、レフィーヤはその名前を思い浮かべた。
次の瞬間。
『オオオオオオオオオオオオオオッ!?』
水晶の柱を破壊し、ずたずたに斬り刻まれた食人花が突っ込んできた。絶叫を上げながら突っ込んでくる食人花のモンスター。レフィーヤの瞳にもその光景が映り込む。間髪入れずに現れたのは、
「っっ!!」
瞠目し横手へ振り向いた男目がけ、その銀のサーベルが振り下ろされる。レフィーヤを離し咄嗟に回避した男の鎧に、鋭い剣閃の跡が刻み込まれた。
「げほっ、げほっ!?」
男の手から解放され地面に落ちたレフィーヤの咳き込む音を背中で聞きながら、アイズは油断なく前方の人物を見つめた。
「レフィーヤ、大丈夫?」
「は、はいっ.....」
アイズの声に、呼吸を落ち着かせたレフィーヤが答える。未だに立ち上がることができない彼女は首元を抑え、涙を拭った目で前方を見た。
「.....貴方が、ハシャーナさんを殺した人?」
「だったらどうした?」
その声を聞いた瞬間、アイズとレフィーヤは大きく目を見張る。高く響いた声は外見通りのものではなく、
「貴方は男性の筈じゃあ.....!?」
「引き剥がしただけだ」
「えっ.....?」
「死体から顔の皮を引き剥がして、被っているだけだ」
レフィーヤは絶句した。アイズでさえもその発言に息を飲む。
「
「それじゃあ、その顔は、ハシャーナさんの.....?」
そこまで言いかけたレフィーヤは顔を蒼白にさせ、口元を抑える。
「ああ、くそ、きつくてかなわん」
女はアイズ達を無視し、苛立ったように身につけている鎧を脱装し始めた。胸鎧を掴み、砕く。あっさりと壊して取り外すと、剥がれた鎧の下からインナーに包まれた豊満な胸がまろび出る。他の鎧も強引に剥がし、白い首筋やそのしなやかな肢体をあらわにした。首の上は男の顔、下は女の体をした姿が違和感を放つ中、ぐずり、と。腐敗防止の作用が切れたのか、肉の仮面の一部が音を立てて溶ける。左眼周辺の肌が剥がれ、白い女の肌があらわになった。
「いい加減、
そう告げ、女は腰に付けた長剣を抜き放った。次には一気に飛び出し、アイズへと襲いかかる。
「っ!」
「ああ、やはり強いな」
衝突する。レフィーヤの傍から疾走し自らも仕掛けるアイズ。己の高速度に反応して見せたアイズに女は目を細め、そこから更に連撃を繰り出した。
強い!
眼前の敵の実力にアイズは瞠目する。自身の剣技に引けを取らない戦闘技術。純粋な剣術ではなく拳と蹴りも織り交ぜられた洪水のような攻撃は、アイズが今まで直面したことがないほど凄絶で、苛烈だった。
「【狙撃せよ、妖精の射手。穿て、必中の矢】!」
斬撃の量が格段に増える一方、レフィーヤも短文詠唱の過程を高速で終えようとしていた。敵はアイズに釘付けにされており、自分の方には来られない。そして玉音の響きとともに、
「【アルクス・レイ】!!」
打ち出される光の矢。レフィーヤの『スキル』と多大な
「え!?」
「っ!?」
レフィーヤとアイズの驚愕もろとも、女の左手が大閃光を受け止める。雷鳴のような音が発生し、光の
「ーーーーーーっ!?」
水晶の爆砕とともに衝撃波が起こった。跳ね返された大閃光の威力にアイズも体勢を崩す中、間を置かず、女は襲い攻めかかってくる。
「(やるしかない!)」
対人戦では強力過ぎて使うまいとしていた、己の魔法、その行使にアイズは踏み切った。
「【
アイズの唇が大きな一声を打つと同時、魔法が発動し、剣に、全身に風の力が付与される。爆発的に高まった速度をもって敵の攻勢を押し返した。
「なっ」
女の左眼が驚愕する。長剣を撃墜しそこから一閃、大風が宿った斬撃を放つ。咄嗟に防御するも相手の体は耐え切れず、凄まじい勢いで後方へ吹き飛ばされた。
巻き起こる風の咆哮。斬撃の余波、その風圧によって敵の兜が宙を舞い、女の双眸があらわになる。血のように赤い髪、そして輝石のごとき緑色の瞳。千切れかかった包帯を残した顔半分があらわになる女の素顔。白い肌の美貌は、その切れ長な左眼を愕然と見開いていた。
「今の風.....そうか、お前が『アリア』か」
その呟かれた名前に、アイズは金の双眸を大きく見張る。声も発せぬほどの衝撃が全身を襲い、何故、という言葉が頭の中を埋めつくした。アイズの細い喉が、動揺に震える。
『アアアアアアアアッッ!!』
そこで突如。地面に転がっていた宝玉が、胎児が叫喚を上げる。
「!?」
背後からの甲高い叫び声にアイズは振り向いた。同じくその声を聞き、焦燥をあらわにした赤髪の女が、動き出すより早く。宝玉の胎児から細い触手が飛び出し、次には水晶の壁に埋まる食人花のモンスターへと飛び込み、接触、そして
「なっ.....!?」
『オオオオオオオオオオオオオッッ!?』
瀕死だった筈の食人花が絶叫を上げる。長駆に張り付いた胎児はあたかも刻印するかのようにモンスターの体皮と同化していき、さらに変化が生まれた。
寄生された食人花の肉が隆起する。悶え苦しみながら変化を続けるおぞましいモンスターの姿がレフィーヤの瞳に映りこんだ。まるで
『ーーーーーーーーォオオッ!?』
のたうち回るモンスターは未だ変化の途中で襲いかかってきた。無造作に暴れ狂い攻撃を仕掛けてくるその巨体に、アイズは疾走してレフィーヤとルルネを抱え込み、その場から急いで脱出した。
「ええい、全て台無しだ.....!」
赤髪の女も盛大な舌打ちをしてその場から離脱していく。
胎児に寄生されたモンスターはアイズ達を追いかけ進撃していく最中、別の食人花のモンスターを捉えると容赦なく食らいついた。驚きながらアイズ達が後方を顧みる先で、何体ものモンスターが折り重なり繋がっていく。そして、アイズの金の瞳は。羽化を遂げたかのように、モンスターの体皮を破った女体の姿を捉えた。
「あれは50階層の.....!?」
遠目から
「間に合え.....っ!」
アイズ達の身を案じた彼は、囲むようにその巨躯を振りかざしてきた5匹の食人花
あれ、ミナトさん今回出番すくないですねぇ
アイズに主人公バトンタッチするか?