アルケミアストーリー 〜シノとミカの錬金物語〜   作:うさトロ

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第9話「夢は覚め、その後に残る感覚。」

夜が明けた。シノは珍しく、早くに目が覚めた。

「あれは……夢だったのか……」

そこはいつも通りのベッドだった。

懐かしさを感じる土地も、気持ちが悪くなる歪みも、エディアールと呼ばれる老人も、リズウィットという剣もそこにはもう微塵も存在しない。

窓から見える外の景色はとても明るく、まるで包み込まれるように温かかった。

 

次にミカが目を覚ました。

「ん……っ……、」

ミカは起きると同時に背伸びをした。

「あれ?シノ?早いね、おはよう!」

「あ……、うん…、おはよ……」

 

そしてまたいつものように朝食を済ませ、旅に出るための準備の仕上げをした。

 

「よし!こんなもんでいいかな!」

区切りをつけるようにミカは言った。

「忘れ物、ないよね?」

「うん……、大丈夫だと思う……」

再度家の中を確認する。

「しばらくはここには帰って来れないんだよね……、ちょっと寂しいけど、大丈夫だよね、」

「うん……、きっと、大丈夫……!この家にも、お土産持って帰る……!」

「そうだね!」

「じゃあ……、」

「「行ってきます!」」

 

そう言って2人は家を後にした。

2人の旅がようやく始まる。

 

公国を出ようと、門の辺りまで歩く。

 

しかし。シノには1つだけ気がかりがあった。

昨日の夢のことである。

エディアールという老人に戦闘を申し込まれ、剣を交えたのは確かだった。

しかしあれは夢であったはずなのである。

なのにどうもあの感覚がはっきりとしていて、シノの手からはまだ剣を握った感覚がはっきりとあった。

 

(もういい、ワシの負けだ……)

その一言がシノの頭をよぎる。

 

エディアールはあの後、シノに負けを認めたのだった。

「よくぞワシに一撃を食らわせたな……褒めてやろう……」

「偉そうに……!」

「おぉ、落ち着け……!もう戦うつもりは無いわい」

「そのくらいならば、大事な大事な人も護れるだろう。それくらいお主は強い。」

「しかし、その強さの意味は履き違えてはならんぞ。あくまで、守る為の強さじゃ。」

「守る為の……強さ……」

「うむ。おっと、そろそろ時間じゃ。では、またいつかどこかで会おうぞ……」

エディアールがそういったところでシノは目を覚ましたのだった。

そして今に繋がる。

 

シノはどうしてもその事が気になった。

『守る為の強さ』とは何なのか。『大事な人』とは誰のことなのか。

シノにはまだ分かりそうもなかった。

 

「まずはどこを目指そっか?」

ミカがすかさず聞いてきた。

「ん……?あぁ………どこに行こう……」

「の前に、まずは教会だね。儀式を受けにいかなきゃ。」

「そういえば……!」

思い出したかのように2人はUターンし、教会へと向かった。

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