アルケミアストーリー 〜シノとミカの錬金物語〜   作:うさトロ

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第11話「滅びの村と魔王……?」

エナと出会い、3人で行動をするようになったシノとミカは、国境を超えるための『通行証』を手に入れるために公国を出て、近くにある『滅びの村』に向かっていた。

 

「そういえばエナさんは、パートナーはどうしたんですか?」

「パートナー?」

「ほら、冒険者って……」

そう、冒険に出るためには2人で1組のペアを作る必要があった。

主力となる『ore』、そのパートナーとなり、oreのサポートに徹する『yome』の2人で『冒険者』となるのが最近は主流だった。

一昔前はそんなことはなかったという。

「パートナー?いるわよ?」

「え?いったいどこに……」

「みえない……」

「はぐれちゃったのよ。」

「はぐれた……?」

はぐれていた。

「だ、大丈夫なんですかそれ……」

「まぁ、あの子なら大丈夫でしょう。どこかの村か街で会えるでしょ」

「えぇ……」

 

そんな話をしていると、滅びの村へ着いた。

「なーんか人気(ひとけ)のないとこねぇ……」

「まぁまぁ、そんなこと言わずに……」

「あの家……ボロい……」

「こら。」

勝手に村の評価をしていた三人の元に、1人の少年がやってきた。

「あの……あなた達は……?」

するとエナが食い気味に、

「私たちは冒険者よ!」

続いてミカが。

「あの……ここに住み着く魔物を討伐しに来たんですけど……」

さらに続いてシノが。

「魔物……どこ……」

「あなた達……息ピッタリですね……」

「そうかしら?そんなことより、さっき話した通り、私たちはここの魔物を倒しに来たんだけど……」

「あぁ!こちらです……」

少年は3人を案内する。

村の山を少し登り、炭鉱の前に来た。

「この中です……この中に魔物が住み着いてしまって……」

「ふーん、この中にいるのね?」

「はい……よろしくお願いします……」

「わかった!倒してくるね!」

そう言い、3人は炭鉱の中に入る。

炭鉱の中は線路が張り巡らされ、石炭の積まれたトロッコが所々に確かに存在した。

 

「なんか……怪しい……」

と、シノが何かを察知しそうにあった。

「怪しいって、何が?」

「この村……あの子しかいない……」

「それの何が怪しいのよ?こんなボロっちい村に子ども1人いるくらい……子ども……1人……?」

 

「フハハハハ!」

突然、後ろからやたらと大きな笑い声が聞こえた。

「誰っ!?」

「えっ……!?」

振り向いた3人の目に映ったのは……

 

さっきの少年だった。

 

「まんまと騙されたな!アホどもめ!」

「あなたはいったい何者なの!?」

すかさずミカが問う。

「我か……?我はな……!」

その瞬間、少年の姿がみるみると変わっていく。

「我が名は『トッポ』!魔王だ!」

「ま、魔王……!?」

魔王と名乗るその魔物は、青いふさふさとした毛を持ち、丸い、クリーム色の耳をピンと立てており、どう見てもテーマパークのマスコットキャラクターのような見た目をしていた。

「あ、あなたが……魔王……?」

「いかにも!我は数年前からここに住み着き、こうして迷い込んできた人間を殺すことを生業としておる!」

「なっ!見た目に反してなんてやつなの!」

いかにもアホそうなBGMが似合う空気感となってしまっているが。

仮にも『魔王』と名乗るこの魔物、只者では無さそうだ。

「フフフ……さぁどうした……?我に怖気付いて動けぬというのなら、我の方から行くぞ……っ!」

ヒュン…!

「ん……?」

トッポはこちらに向かって飛び出してきた。攻撃のモーションだ。

「ほれほれ!武器も構えずどうし……うげっ!」

飛びかかり、攻撃してくると思ったその時だった。突然トッポは空中で真横に吹き飛んだのだ。

「さっきから……うるさい……!」

なんと、シノだった。

トッポが飛びかかる前に既にトッポに対して攻撃を仕掛けていたのだ。

あまりの速さに誰も気づいていなかったのだ。

「なにっ……!我が……一瞬にしてやられるだと……っ!!速い……速すぎるっ……!」

そう言い残し、トッポは光の粒となって消えた。

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