アルケミアストーリー 〜シノとミカの錬金物語〜 作:うさトロ
滅びの村にてトッポを倒し、
再び公国へと戻るシノ、ミカ、エナ。
その影で一行を追うひとつの影があった……。
「エナ……!あんなとこに……!」
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「もう……!あの魔物のせいで変な時間くっちゃったじゃないの……」
「まぁまぁ、そう言わずに……」
トッポによる奇襲にびっくりし、エナは何故かクタクタだった。そしてそれをミカが宥める。
「しかしあれね、彼女がいなかったらちょっとは危なかったかも……」
「ん……」
トッポの奇襲を何食わぬ顔で突破し、討伐を成功させたのは他でもない、シノだった。
「びっくりしたわ!まさかあんなに速い斬撃ができるなんて……!」
「でも……、いつの間に弓から剣にしたの?そんな剣どこで拾ったの……?」
「なんか……夢でもらった……」
「夢?」
エディアールの件である。シノはそのことを説明すると長くなる、と詳しい説明は省いた。
「へぇ〜、そんなことが……。」
「面白い話ね。」
「全然……っ!」
シノはあの夢をちょっぴり鬱陶しく思っていた。
そうこうしているうちに、公国へと戻ってきた。
「確かあの人に報告すればいいのよね、すみません!」
エナが兵士と思わしき人物に話しかける。
「ん、なんだ……?私も暇ではないのだが……」
その男は落ち着いた声で返事をした。
「滅びの村に住み着いてた魔物を倒してきたんですけどぉ……」
「ふむ、となると目的は通行証か、証拠はあるのか?」
証拠を提示しろと言う兵士と思わしき男に、
「これ……」
シノはトッポの青い毛を少しばかりむしり取っていた。
「あんた……いつの間に……!?」
エナはシノの行動力に驚いた。
「確かに。これは魔物の特徴と一致しているな……。ほら、通行証だ。受け取れ。」
男はそういうと3人に薄いカードのような物を渡した。通行証だ。
「「「やったー!!」」」
3人は同時に喜んだ。
「あなた達、助かったわ!これでようやく国境を超えられる……!」
非難の目標を達成できた達成感に呑まれ、エナはつい口を滑らせてしまう。
「ようやく……?」
「エナさんやっぱり国境どまりだったんじゃ……」
シノとミカはひそひそと話していた。
「じゃ、私はこれで!またどこかで会いましょう!」
そう言うとエナは颯爽と行ってしまった。
「なんだったんだろ……あの人……」
「さぁ……」
「とりあえず、これでアブル領にも入れるね!」
「うん……、次の目的地……、考えよう……」
「あ、あの!」
次の目的地を決めるために少しベンチに腰掛けていた2人の下に、また1人、見知らぬ少女が話しかけてきた。
「エナって人、さっきまでここにいませんでしたか!?」
その少女はエナのことを知っていた。
「エナさんならさっきまでいたんですけど……、どこかへ行っちゃって……」
「多分……あっち……」
「そうなんですね!すみませんうちのエナが!ありがとうございます!」
シノとミカの話を聞くや否や、すぐに後を追うようにエナが駆けて行った方向へと向かおうとしていた。
「あ、あの!エナさんとはいったいどういった関係なんですか……?」
「エナは私のパートナーよ!あの子、すぐにどこかへほろほろと行っちゃって……もう……!」
結構な速度で地団駄を踏んでいた。組んだ腕の先の指をトントンとさせながら、不機嫌そうに文句を言い放った。
「では!ありがとうございました!あの子が迷惑かけちゃってすみませんでした!」
そう言って少女も行ってしまった。
「あ、名前……」
「別に……いいんじゃない……?」
「そう?なんだかあの人たちとはまた会いそうな気がするなぁ」
数奇な運命すら感じていた。