アルケミアストーリー 〜シノとミカの錬金物語〜   作:うさトロ

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第18話「討伐、フクログマ」

アンドルの指揮する隊員に続くように、シノとミカは広がる平野を歩いていた。

「作戦ポイントはこの辺りだ。総員、心してかかるように。」

「「「はっ!」」」

アンドルの指示に息を揃えて返事を返す兵士たち。

2人はその様子を後ろからみていた。

「ミカも……お仕事はあんな感じ……?」

「んー、私はね……あんな感じで、複数人で行動することは少ないかな、1人で任務や仕事をこなす人がほとんどだよ」

「スパイ……みたい……」

「まぁ……そんなもんかな……?」

公国の警備隊員はほとんどが戦闘力、判断力、瞬発力……などなど、様々な分野での能力値がずば抜けているエリートと言っても過言ではないほどの精鋭揃いである。

そのため、自分が一番適している能力値にあった任務に向かわされることが多い。

そのおかげで、失敗するリスクを大幅に下げている、という説がある。

「私は……飛び抜けた判断力?を買われて、警備隊員になったから、主に戦闘時に兵士に指示をだしたり、火災や事故の時の避難指示をだしたりってのが多いかな」

しかし、警備隊員にも多少変わったところはあり、『2人1組になって初めて真価を発揮する隊員』がいたり、『5人1組の戦隊を組んで行動をするヒーローのような部隊』がいたりと、結構イレギュラーなところもあったりする。

要は変わり者の集まりと化していた。

しかしどれも優秀な人材なため、任務に失敗するといったケースは過去一度もない。

「ふーん……変なの……」

「シノは戦闘力なら余裕で私を超えるし、今度紹介してみようか?」

「いや……いいかな……」

「そっか……」

 

「来たぞ!総員!戦闘準備!!」

「「「はっ!」」」

アンドルが敵の侵略を察知し、部下の兵士へと命令を下す。

「来たね、行くよ!」

「了解……任務……開始……!」

シノはちょっとノリノリだった。

 

次々と侵略してくるフクログマを食い止める兵士たち。

その隙にシノやミカ、アンドルが次々と華麗になぎ倒す。

食い止めている兵士の中には先程の口の悪い兵士もいた。

「くっ……くっそぉ……」

どうやら押されているみたいだった。

「遅い……っ!これで……ラスト……っ!」

食い止めているその隙を見逃さず、シノが後ろからフクログマを倒す。一通りのフクログマは討伐できた。

「ちっ……あともう少しだったのに……」

口の悪い兵士がボソッと呟く。

「ふん……どこが……」

そのつぶやきにシノが反応する。

「なんだと!」

「2人とも、喧嘩してる場合じゃないよ!次がくる!」

相変わらず仲の悪い兵士とシノを抑えるミカ。

「む……?今なんと……?」

アンドルがミカの言葉に違和感を感じたのか、聞き返した。

「え……?まだ次の魔物が来るって……」

「この辺りのフクログマは討伐できたはずなのだが……」

それもそのはず。さっきシノが倒したフクログマが最後だった。はずだった。

「何っ!」

奥からさらにフクログマの群れがその姿を現したのだ。

「本当に来た……だと……!」

「そーゆーおかわりは……求めてない……!」

しかし先程の戦闘でほとんどの兵士が疲弊していた。

「くっ……こうなれば私たちで食い止めるしかっ……手伝ってくれるか?」

「もちろん……!」

「あたりまえですよ!行きましょう!」

シノ、ミカ、アンドルは息を合わせて次々と魔物を倒す。

しかしあまりの数に3人は手が回らない状態にまで押されてしまった。

「くっ……」

アンドルが押されている。後ろから別のフクログマがアンドルを襲おうとしていた。

「アンドルさん!」

アンドルにフクログマの一撃が入りかけたその時だった。

「ぐはっ……!」

口の悪い兵士がアンドルを庇ったのだ。

「俺……少しは役にたてましたかね……」

そう言い残すと、その兵士は光の粒となって消えた。

「ちっ……!このぉ!!」

アンドルは部下を1人失った。

その怒りで彼のパワーは倍、いや、それ以上にまであがった。

「私のせいだ……!これは私の責任だっ……!」

そう言いながら、辺りのフクログマを次々と殺していった。それはあまりにも無惨なものだった。

「アンドルさん……!」

「はっ」

ミカの一言でアンドルは我に返る。

「彼は……、恐らく大丈夫です。今ごろ教会にいることかと……まだ彼に生きる意思があるのなら……ですが……」

「そうか、そうだな。加護が……あるんだったな……」

アンドルはまるで自分に言い聞かせるように何度かその言葉を繰り返した。

「とりあえず、戻りましょう。もうフクログマは来ないと思います。」

「あぁ……、総員、歩けるか?撤収だ。」

 

フクログマの群れを討伐し、一行は連邦へと帰ってきた。

 

しばらくして、アンドルが2人の元へ来た。

「王から入国許可を得た。自由に出入りしても大丈夫だそうだ。」

アンドルは静かに告げた。

「ありがとうございます!」

「いや、こちらこそ助かったよ。強力な助っ人だった。」

「そんなことは……えへへ……」

ミカは満更でもなかった。

 

こうして無事に2人は連邦への入国許可を得ることができたのだった。

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