アルケミアストーリー 〜シノとミカの錬金物語〜 作:うさトロ
カタキグマを倒し、ネッシーの肉を持って、2人は再び大型農場へ訪れていた。
「バインさーん!試練、クリアしてきましたー!」
ミカは大きく元気な声をあげて、バインに課せられたふたつの試練を制覇したことを報告する。
「あれ、あんたたちは……!」
バインもこちらに気づいた。
「ここに戻ってきたということは、もしかして本当に……」
「はい!これ、証拠のネッシーの肉です」
ミカは試練で必要だったネッシーの肉を手渡した。
「おぉ!ならカタキグマを倒したのも本当みたいだね、」
「ほら……これ……」
シノは証拠としてカタキグマの毛を少しちぎっておいたのである。
「わお、本当だ」
「よし、ならそのネッシーの肉は受け取るよ、少し、待っててくれないかな」
バインはそういうとネッシーの肉を持って小屋の方に消えていった。
しばらくして、バインはなにか料理を持ってこちらにやってきた。
「いい香り……これは……?」
「あんたらの採ってきたネッシーの肉を調理して香草焼きを作ってみたんだ、遠慮なく食べてくれ」
「いいんですか?」
「もちろんさ、むしろ、あんた達には食べる義務がある。」
狩人にとって、獲物をきちんと残さず食べることは自然と共存する狩人の義務でもある。
そして、自分へのささやかな報酬でもあった。
「「いただきます!」」
2人は香草焼きを食べ始めた。
辺りを香ばしい匂いが舞う。
とても食欲をそそられるいい匂いだった。
一口いれただけで、口の中に香草の風味が鼻から抜けるような感じで広がる。
さながら、悩み事が解決した時のような、肩の荷がスっと降りていくような気持ちよさだった。
「「ごちそうさまでした!」」
2人はすぐに完食した。
「頂いた命は決して無駄にしては行けない。師匠もそう言ってたよ。そしてほら、2人にこれを。」
バインはそう言って、2人に何かを手渡した。
「これは……?」
「師匠から預かった資格証だよ、2人ともおめでとう、これで晴れて狩人になれるって訳さ」
「ありがとうございます!」
「別に礼を言われるようなことは特にしてないんだけどね……」
2人は狩人になるための証を手に入れた。
「カホさんの所へ戻ろっか」
「うん……」
シノとミカの2人はカホに資格証を手に入れたことを報告するために酒場へと向かった。
「あら!おふたりは!」
カホは2人を見て、
「今回はどう言ったご要件で?」
仕事モードへと切り替わる。
「カホさん!お久しぶりです!今回はですね!」
「これ……」
シノはそういうとカホに向けて、バインから受け取った狩人の資格証を見せた。
「なるほど、シノさんの狩人への転職ですね、では……」
カホは胸の前で手を組み、何か呟いている。
その次の瞬間、シノの周りに青い光の輪が広がった。
「こ……これは……?」
見慣れない光景にシノは困惑した。
「これであなたは正式にジョブを『狩人』としました。つまりあなたの職業が狩人になったのです。」
「ふむふむ……」
「この状態でしばらく戦闘などによる経験値を積んでいくと、新たな技を習得できたりするわけです!」
「なるほど……」
こうして正式に狩人となったシノ。
ここからまた新たなスキルを習得し、更なる自身の弓の熟練度をあげていくこととなる。
シノは期待に胸を膨らませていた。
自慢のうさ耳もぴょこぴょこと跳ねていた。