アルケミアストーリー 〜シノとミカの錬金物語〜 作:うさトロ
『錬成施設で働く方たちのために美味しい料理を振る舞いたくて!』
リクルの願いに応えるため、エナの提案に乗り『シロクロカビ』を集めることになったシノとミカの2人は、『ノンビリキノコ』を求めて連邦前の平野を訪れていた。
「確か、エナさんは木の近くに生えてるって言ってたよね、」
「うん……あの辺とか……」
「行ってみよっか!」
シノの予想通り、ノンビリキノコは木のふもとに生えていた。
白と黒のなにかがキノコに付着していている。
「これが『シロクロカビ』なのかな……」
「たぶん……?一応……持っていこう……」
2人は辺りの木からキノコを狩り、
エナに頼まれていた分のキノコを用意することが出来た。
その時だった。
「あ、あなた方は!」
声の方向には、焦げ茶色の長い髪を濃い藍色のフードに包み、フードと同じ色のコートを着た少女がいた。
「あ、マナさん!」
「あれ?私って名前……」
「あぁ、エナさんに教えてもらったんです」
「なるほど、そうだったんですね」
しばらくの間、
少々雑談を交えながら3人は会話をしていた。
そしてマナが本題に入る。
「あの子を見ませんでしたか?」
「あの子って、エナさんのこと?」
マナはやはり、エナを探していた。
「そうなんです……あれからまたはぐれてしまって……せっかくあなた方に引き合わせて貰ったのに……」
「エナさんなら、向こうにいるはずですけど……」
それを聞いた瞬間、マナの目が変わる。
「エナが!?」
「エナはどこに!?向こう?いつ?」
途端に早口になる。
「誰と居たんですか?別のパートナーと一緒にいたりとかいませんでしたよね!」
「あぁ、あの子が私以外のパートナーとやって行けるはずがないんです……そう……私がいないと生きていけないんです……」
ここまで1度も息継ぎをしてないのではないかと疑うほどの早さでブツブツと言っていた。
「あ、あの、私たち、錬成施設前の酒場で落ち合う予定なんです!」
「分かりました、私も行きます。」
2人はマナと合流し、キノコ集めを再開した。
「あそこにあるキノコを採ればいいんですね?」
「えぇ、でも……魔物が……」
ノンビリキノコが生えている木の周りには、魔物が3体ほど待ち構えている。
「ひょっとして……私たちの……キノコ……狙ってるの……?」
シノが魔物たちの状況を察する。
「あーもう!邪魔邪魔!」
そういうとマナは炎属性の爆裂魔法のような攻撃を魔物たちに向けて繰り出した。
とんでもない爆発力と威力で魔物共を消し飛ばしてしまった。
シノとミカは思わずぽかーんとしていた。
空いた口が塞がらなかった。
「エナが待ってるのに……!邪魔するヤツは許しません!!待ってなさいよ!エナ!!」
この人は怒らせてはいけない。
2人は本能的に実感していた。
無事にキノコが集まったので3人はリクルの元へ戻った。
「キノコ、集まりましたよ〜っ!って、エナさんは……?」
「あ!おかえりなさい!あの人は……」
「エナは!エナはどこへ!」
すかさずエナを探すマナ。
「お、落ち着いてください」
「あの人なら、『私は困っている人を助けないと行けないから!』って、どこかへ行ってしまって……」
「えぇ!またどこかへ!?」
「分かりました!ありがとうございます!待ってなさいよ!エナーッ!」
そういうとマナは一瞬でどこかへ行ってしまった。
色々あり、リクルはレシピ通りにドフィノワーズを作り始めた。
ドフィノワーズとは、グラタンのようなものだった。
薄く切ったじゃがいもを生クリームと一緒にフライパンに入れ、弱火から中火で煮込み、それにとろみが出始めたら、チーズを満遍なくのせ、高温のオーブンで20分ほど焼くらしい。
「お待たせしましたー!」
リクルは美味しそうなドフィノワーズの入った皿を持ってきた。
「うわぁ……!!」
「美味しそう……」
2人は食いつく様にその皿を眺める。
微かに上がる白い湯気がその見た目をさらに良くしていた。
「それじゃあ……」
2人は手を合わせ、
「「いただきます!!」」