アルケミアストーリー 〜シノとミカの錬金物語〜   作:うさトロ

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第36話「不老不死に興味はあるか?」

「ここが……不老不死の村……?」

「なんか不老不死って感じしないね」

昼ごはんを済ませ、しばらく歩いて来た私たちが着いた村と思わしき場所は、いまいちぱっとしない、廃れるか否かの状況かと思うほど、小さな村だった。

 

「階段……坂道……どっち……?」

村へと下るための道は、階段と坂道の二本に別れていた。

「あはは!そんなのどっちでもいいよ!」

ミカはくだらない冗談に大声をあげて笑った。

「じゃあ……私……階段……ミカは坂道ね……」

「えっ、えぇ……!?」

突然の提案に驚くミカ。

そうしている間にも私は階段を駆け下りた。

「ちょ、ちょっと待ってよぉー!」

後ろから追いかけてくるミカのことは気にせず足早に村へと向かった。

 

「はぁ……はぁ……いきなり走らないでくれるかなぁ……」

息切れを起こしながらようやく追いついたミカ。すると休む間もなく、どこからか声が聞こえて来た。

「ようこそ、この村へ、冒険者様」

その声の主はどこかキザでチャラそうな見た目の男だった。

「どうして私たちが冒険者だって……」

ミカが最後まで言う前に、

「いや、分かってるよ。鍛え抜かれたその体、見栄えする美しい顔。あなたは伝説の冒険者様でしょう?」

と、食い気味にペラペラと語った。

「いやぁ、美しいだなんて……」

「ミカ……多分……お世辞……」

口車に乗せられかけるミカに注意を促した。

「いやいや、お世辞じゃないよ、ご機嫌取り……、……おっと、これは本音が……失礼」

やはり本心から出た言葉ではなかった。

「ほら……」

「しかも今、ご機嫌取りって言った!なんなの!?」

ギャーギャーと喚く私たちを気にせず、男は自分の話を続ける。

「この村には劇場もあれば、のどかな自然もある。愛くるしい動物もいる。」

「どこに……?」

私は思わずツッコミを入れてしまった。奥の方に劇場らしい大きな建物は見えるが、生き物がいる気配はない。せいぜい家畜の豚くらいだった。私はもっとリスとか、小動物がいるものだと思っていたため、少しガッカリした。

「もっとも、それはどこの農村にもある風景。この村が他の村と違うのは……」

男は焦らすように次の言葉まで少し時間を置き、

「そう。人を不老不死にするという、不思議な術を使う、『救済者』様がいることさ。」

まるで『ご存知のとおり』と言わんばかりの口調で男は語った。

「不老不死!?ほんとにそんなのあるんですか!?」

「あほくさ……」

不老不死という単語に食いつくミカと、全く興味ない私。反応の差が目に見えてわかった。

 

「僕は、詩人として、彼らの偉業を、歴史を、調(しらべ)にのせ、語り継がなければならない」

少し早口になりながら男はまだ語り続ける。

(まだ……続くの……?)

私もミカもほとんど聞き流していた。

それに気づいているのかいないのか、

「ああ、神が我に与えた使命は、なんと難しいのでしょう……、美しき語を紡ぎ切るには、どれほど間の時が必要なのか……」

男は話すことを全て話した後、

「ま、いろいろ見ていっておくれ」

と、急に真面目な顔をして言った。

 

とりあえず私たちは男が言っていたように色々見て回ることにした。大きな噴水が中心にある、広場と思わしき場所に、白いテントがぽつんと立てられていた。その噴水の前で白いローブを着た若い女性と村人と思われる男性が会話をしていた。

「ミカ……あれって……」

「そうだね……見に行ってみようか……」

盗み聞き……ではないけど白いローブの女性と村人らしき男性の話のそばに寄って聞き耳を立てることにした。

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