アルケミアストーリー 〜シノとミカの錬金物語〜 作:うさトロ
こうして、旅に出ることとなったシノとミカであった。
旅立ちを決意した翌日の朝のこと。
シノとミカは身支度をしていた。
「多分しばらくはここには帰って来れなさそうだし、しっかりと戸締りとかはしておかないとね!」
「冷蔵庫の食材……どうする……?」
「んー、とりあえずはすぐに腐るようなものは入れてないから、大丈夫じゃないかな?」
「最低限の食材は現地で調達できるし、錬金術もあるでしょ?」
「あぁ……そっか……、」
そうである。ミカには警備隊で培った知識がある。食べれるもの、食べられないものは全て頭の中に叩き込んだ。食料面で心配することは特に無さそうだ。
「他に持っていくものは……?」
「そうだなぁ、とりあえずはお金と、護身用の武器と、持って行ける食材と、あとは……」
「服……。」
「あぁ、そうだね!服もいるね!」
こうして準備している間も、2人の決意は決して揺らぐことは無かった。
昨日の夜に見た、『綺麗な瞳』の輝きは決して消えることはなく、これから起こる出来事に期待を膨らませ、キラキラとラムネ瓶のビー玉のように輝いていた。
そう。シノはもちろんなのだが、ミカもまだ見たことがないような景色がこの世界には広がっている。
そんなものが溢れる世界を前に、好奇心を持つな、という方がよっぽど難しいだろう。
しかし2人はまだ知らない。
これからの旅で何が起こるのか。
何を見ることになるのか。
誰と会い、別れ、失い、得るのか。
2人を待ち構える試練。困難。祝福。
様々な出来事が2人を待っている。
『ねぇ、この街にはこれがこうで〜』
『ここ……楽しそう……』
『ここの夜空が〜〜』
『この街の料理……美味しそう……』
2人はまるで画用紙に無邪気にクレヨンでひたすらにぐちゃぐちゃと絵を描く子どもように純粋だった。
2人の旅の計画像はやがて膨れ上がり、
とても膨大なものとなっていった。
「そういえば、冒険者になるには、教会に行って、洗礼の儀式?を受けなきゃいけないんだっけ、」
「めんどくさい……」
「もう!そんなこと言わないの!」
どうやら冒険者になるためには教会に行き、『洗礼の儀式』を受ける必要があった。
その洗礼の儀式を受け、神の加護を得て、死んでも甦れる体にならなくてはならなかった。
冒険者はそれが決まりだった。
そんなこんなで準備をしているともう日もすっかり落ちてしまった。
「今日はもう夜になっちゃったし、出発は明日の朝にしよっか、」
「うん……、」
「じゃあ、おやすみなさい。また明日。」
「おやすみなさい……!」
シノとミカもその日は深く眠った。
「んん……?ここは……?」
まるで見た事ない土地にシノはいた。
しかしどこか懐かしさを感じる。
何故だろう。
と思った矢先、シノの目の前で時空が歪み始める。
「なにあれ……気持ち悪い……」