蒼島鎮守府の日常   作:氷雨蒼空

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ここからシリアスな物語への幕開け。
一部ニコニコ勇士達が調査した情報が引用されております。



第五話 禁断のバナナ文書

提督になれば好きな艦娘を秘書艦にできる。

かつての帝国海軍の人材募集要項には、そんなキャッチフレーズが載せられていたが、今どきそんなキャッチフレーズを載せたものなら大問題になる。

 

やれセクハラだの男尊女卑だの、はたまた海軍はフェミニズムから反してるだの、フラット娘に人権が無いだのと叩かれる。

 

おまけに提督時代には、提督室に巨乳娘のエロ本を置いてると、巨乳娘のページが破かれ、そのページが掲示板に丑の刻参りの如き扱いをされ、更にはフラット娘のエロ本にすり替えられてるんだぞ?

 

そう。俺の提督時代の戦争とは深海棲艦との戦争ではなく、フラットとボインの戦争だった。

 

 

「ふーん。つまり周防海尉はフラットとボインのチンチン戦争に嫌気が差したわけね!」

 

「ねぇ暁。お前何で良い話に水を差すの?」

 

 

ここはいつもの宿舎であるアパートの一室。本日は金剛と龍驤を招いての夕食になったわけだが、意外と手狭だな。

 

昔馴染みの艦娘が来たから、ちょっと昔語りすればすぐ人の話に水をさす。

 

きっと日本のアニメとかライトノベルが良くないんだな。

そう言うメディアが教育に良くないのだろう。

 

「ちょっと待ってください。今の話をどこから聞いてもちっともいい話じゃないですよね?」

 

「そう言うのは龍驤の胸みたいに心が荒んでいる証拠だ」

 

普段から鎮守府財政のためにドラム缶運送してる浜風は、きっと遠い海に純粋な心を置いてきてしまったのだろう。

 

いつか大事なそのおっぱいまで置いてきてしまわないか心配だなあ。

 

「おい。今うちの胸が荒んどるっちゅうたん?」

 

 

改めて俺は浜風と龍驤を改めて見比べたが、荒廃した大地と緑生い茂る大地の豊かさを連想してしまう。

 

どんなに土地を改良しようとしても、肥料やら水やらやったところで生き返らない不毛な土地。

 

つまりは、龍驤の胸はそれである。

 

「だってお前はどんなにレベルが上がって改修しても胸のサイズだけはとっくにカンストしてんじゃん。むしろ改修費用の無駄じゃん。資材返せよ。ほら、皆の為にごめんなさいして消費した資材返して!」

 

数分後。

 

「ごめんなざい」

 

俺は半裸で土下座して謝っていた。なんで半裸なのかと言えば、龍驤の艦載機に爆撃食らったからだよ。

 

 

「取り敢えずや。うちがここに来たのは夏イベでたこ焼き屋を、おい今うちの胸みたん?」

 

「いや見てないし」

 

こいつの前では鉄板とかまな板とか洗濯板とかプレートとかフラットとかパットとか口にしてはいけない。

てか禁句が多過ぎて面倒臭い。もう少し緩和して欲しいんだけど。

 

今時の政府でもこんなにガチガチの規制法案なんか施行してねえし。

 

「それじゃ私お手伝いしますね」

「ミーも手伝うデース」

 

「却下」

 

浜風と金剛が手伝いを申し出るも、即答で却下する。

 

「な、何でですか!」

 

「おんどれぁ! たこ焼き舐めとんのか! そんなでかいもんぶら下げて鉄板見えんのかいわれぇ!」

 

おっと、この御仁、自分で自虐に走りましたぞ。

 

浜風と金剛の胸をみるも、浜風はアウトかもしれないが、金剛ばギリセーフだろ。

 

「なら暁が手伝うわよ!」

「ありがとう暁。暁はええ子やねぇ」

 

先に手伝いの名乗りをあげた二人はどうなるんだよ。

 

「私は基本食べる専門なので」

「おどれに聞いとらんわ筋肉だるま! 」

 

まぁ照月は間違いなく喧嘩吹っ掛けられるわな。綺麗なおっぱいしてるしな。

 

「ふ。龍驤。私はお前を全面支援するぞ」

「さすが九里坂提督や! どっかのボケなす元提督は胸ばっか大きい子贔屓するからなぁ」

 

 

こいつの巨乳への憎悪も大概だな。贔屓してるわけではなく、俺は彼女達を優遇しているだけなのだ。

 

 

「ただいま~。ってあれ? 艦娘増えてる。おひさ~金剛」

 

鈴谷がアパートに帰ってくるなり金剛に気さくに話しかけるが・・・・・・

 

 

「あれ?あれ?あれ? 龍驤さんじゃないですか? 最近異世界ライトノベルにの真似して、胸の大きい艦娘の、えーと、大和の胸はパット入りって大戦艦に喧嘩売って主砲撃ち込まれた龍驤さをですよね~? SNSでハッシュタグ付けてアンチ巨乳を頑張ってるけどいいねが一個もつかない龍驤さんですよね~? どうです?フォロワー数伸びました~? 私一応5万越えてますけど、確かどこかの軽空母さんは300ちょいでしたよね~? それって艤装装甲の厚さですか~? 」

 

 

芸能界でも共演NGがあるように、日本帝国海軍の中で最も引き合わせてはいけない二人。

 

まぁ、大和とか戦艦クラスならば、主砲一撃カットインで秒殺で喧嘩は終るのだが、こいつらは非常に相性が悪くひたすら続く。

 

さらに言うならば、鈴谷は龍驤を相手にすると悪口のレパートリーがロマサガの閃きのようにポンポン出てくるので酷い。

 

こいつ龍驤相手だと技術点ボーナス補正がとんでもないことになってんじゃないの?

 

「と、取り敢えず鈴谷、龍驤は蒼島鎮守府の夏イベの為にだな」

 

「は? 夏イベ?」

 

そう言って鈴谷が改めて龍驤をみやり、そりゃぁ酷いくらいの醜悪な笑みを浮かべる。

 

「鉄板焼きとか自虐ネタでよく頑張りますね(^^ゞ」

 

「ぶっ殺したるわあああああああああああああ」

 

いよいよ龍驤がぶちギレて暴れだす。

 

本国では絶対に引き合わせてはいけないとされていたのだが、うちの元帥の嫌がらせとも思える人事のせいで、一時期俺の下にいた二人。

 

本当に毎日喧嘩ばかりをしているのだが、よくまあ飽きないよなぁと思う。

 

「取り敢えず落ち着け。龍驤と金剛が蒼島鎮守府に来てくれてのは喜ばしい。二人は下の空いてる部屋を使って貰うとしてだ。何か困った事があったら庶務の照月か俺に相談してくれ」

 

 

まぁ人事部から毎度の事ながら連絡無しなのはイラつくが、文句を行ったところで軍の決定なんて覆ることはない。

 

「まぁみた限り綺麗なところやもんなぁ。割りと住みやすそうやね」

 

800万から更に借金膨れ上がったけどな。

 

「わかりましたデース! 今日からみんなよろしくデース」

 

 

浜風はこの時新しい仲間が増えてニコニコしていたのだが、こいつはわかっているのだろうか?

 

「ここも三人だけだったのが賑やかになりますね」

 

「それ以上に大変だろうな。ドラム缶運送」

 

俺の言葉に笑みを凍りつかせた浜風は、秋刀魚と同じ死んだ目を浮かべるのだった。

 

 

 

2

 

 

「ん? な~に?」

 

青々と広がる蒼空の下、気持ちよく起きてきた龍驤を頭の先から爪先のてっぺんまで眺め、やはり思った。

 

ヒロイン枠というのはどこか“突出したもの”がなければならないと。

 

だがやはり、元から0に何をかけても0であり、空母が雷撃数値が全く上がらない現実と同様に、こいつは生まれた時から持たない運命を与えられてしまった。

 

「おい海尉。なんで泣きそうな顔してんねん! え? 今日は有給でええ? 何でいきなり優しくすんね? ちょい待ちいいいいいいいいい!」

 

「あ! いたいた!」

 

丁度立ち去ろうとした時、鈴谷が俺にあるリストを見せてきた。

 

「こ、これは・・・・・・・お前どうしてこれを! まさか!」

 

俺が驚愕の目を浮かべ、周囲を見渡すと、青葉が不適な笑みを浮かべて浜辺の階段に腰を卸していた。

 

「ふふふ。青葉がここに来た真の理由は、“バナナ文書”に記された“伝説のビッグ7”の存在の裏取りです。そしてあの“フル・フラット”部隊が既に動き出しておりますよ」

 

 

「お前! これをどこで! 海軍上層部でも極秘中の極秘にし、箝口令を強いていた!」

 

「いやぁ、苦労しましたよ。でもね海尉。人の口には戸を立てられない。ギャグボール噛ませて尻叩いたらあっさり口を開いて下さいましたよ」

 

「なんてことを! 貴様それでも日本帝国海軍に名を連ねる艦娘か!」

 

俺の中では既に誰が裏切り者かはわかっている。

 

だからあの時言ったんだ! お前は狙われていると!

 

『そんな装備で大丈夫か?』

『問題ない』

 

何が問題ないだ! あっさりと捕まりやがって!

後でイー○ック提督、ギャグボール咥えて青葉に尻叩かれる動画アップしよ。

 

てか│扶桑《ふこう》姉妹にやって貰おうかな。再生数絶対伸びる! 間違いない!

 

「さて。かの伝説のビッグ7を率いたことがあるのは元帥の次に貴方のみ。だからこんな駄目で甲斐性無しでスケベで歩く岩手県産卑猥タンポポと」

 

「ごめん。設定では岩手県産だけど明らかに侮辱になるから岩手県の人に謝って。そこだけは謝って。じゃないと岩手県のヤマノコ族の人達が青葉の寝込みを襲うかもしれないから。一緒にごめんなさいしてあげるから。ほら早く!」

 

 

「く! 一生の不覚です! ジャーナリストは常に出した記事で訴えられても“退かぬ媚びぬ省みぬ”の精神で戦ってきたのに! 岩手県の皆様ごめんなさい。なのでヤマノコ族をけしかけるのは止めてください」

 

「誠意が足りない! お前あれか? 心の底で岩手県馬鹿にしてるだろ? あれだ、お前の大破姿は何の為にある! ほらカメラ貸せ。そして脱げ!」

 

「おんどれあいい加減にせんかあああああああああああ」

 

まさかの背後からのドロップキック。

 

「なぁ? われ、途中から調子こいてたやろ? あとヤマノコ族ってなんや?」

「はいすみません。なんか途中からハイって奴になってました。あとヤマノコ族については黙秘します」

 

それは岩手県民でも一部しか知らない存在。

 

とううのは置いといて。

 

「取り敢えずだ。青葉、それについては探るのはやめろ。あと、何でもイチゴ味な聖帝様論理を出せばまかり通ると思うなよ。お前は片足棺桶に突っ込んでるぞ」

 

「何ですかイチゴ味って?」

「ググれカス。さてこの件は終わりだ。全く朝から疲れさせやがって。解散解散」

 

 

さて鈴谷が出して来たメモを回収してと。

 

あれ?

 

 

「ちょい待ち海尉。これなんや」

 

眼前に突きつけられたメモは、それは世界に終末の核戦争を引き起こすリストであった。

 

 

バナナ文書における駆逐艦ビッグ7~ニコニコ調べ~

 

一位 浜風:95-H

二位 フレッチャー:94-H

三位 村雨:91-G

三位 長波:91-G

四位 潮 :90-G

五位 海風:88-F

六位 浦風:87-E

 

フラット5についてはイニシャルにて存在を記述。

 

RJ TH ZH ZK KGの五名。彼女達は“ある条件下”にて“暴走”するので、要監視。

 

 

 

「これなんやろうなぁ? 」

 

もう察してるのね・・・・・龍驤からのどす黒いオーラでわかっちゃう。

 

でもな? 俺だって帝国海軍将校!

 

「俺が喋ると思うなよ! 俺は“退かぬ! 媚びぬ! 省みぬ!” 絶対にだ!」

 

 

この日、人生で初めてギャグボールを口にした。

 

 

 

 

 

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