蒼島鎮守府の日常   作:氷雨蒼空

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第七話 存在意義とおっぱい

特命を受けた俺と九里坂提督が春雨を連れてアパートに直帰すると、鈴谷と龍驤がお通夜ムードになっていた。

 

なんかこう聞くのも躊躇う様子なのだけれど、地雷があるなら人に歩かせればいいと言う、過去のエロい人のありがたい言葉に従い、俺は出番をきゅうり、いや九里坂提督に譲ることにした。

 

 

「よしここは九里坂提督の出番だな」

「何を言ってる。ここは付き合いの長い君の番だろ」

 

おいふざけるな。こういう時に限ってこいつも妙に同じ事を思っていたらしい。

 

「しょうがない。ここはやっぱりあれで決めますか」

「そうだな。あれしかあるまい」

 

「野球拳」「じゃんけん」

 

おっと、馬鹿がいるぞ。恥ずかしげもなく野球拳で決めるとかどこのダイビングサークルのお人です?

 

結局、健全にじゃんけんで決めることになったのだが、

 

「こほん。どうしたんだお前達」

 

気づかないの? 何で艦娘達が動揺しているのか気づかないの?

 

「あ、提督・・・・・お帰りなさ・・・・・い、何で下着姿なんだすか?」

 

「じゃんけんで負けたからだ」

 

じゃんけんで負けた九里坂提督が、何故か下着姿になったのだが、この変態の行動はどうやら龍驤を正気に戻したようだ。

 

人でも艦娘でも周囲に変態がいると、意外と理性って取り戻せるものなんだな。

 

だが提督が下着姿になっているにも関わらず、俺がちっとも心がときめかないのは、きっと彼女の凄いところなのかもしれない。

 

まぁあれか。普段がくそだからなこいつ。

 

 

「ドラム缶怖いドラム缶怖いドラム缶怖いああああああああああああああ」

 

そして未だに龍驤の横で発狂する鈴谷。

 

「あ! お帰りなさい♪・・・・って、なんで提督下着姿なんですか? 周防海尉の病気がうつったんですか?」

 

 

「おいしれっと俺をディスるのはやめろ」

 

何故か浜風は気持ち悪いくらいに笑顔で、そして今日の夕食は実に豪華だった・・・・・

 

 

「聞いて二人とも! 今日は鈴谷と龍驤もドラム缶任務に行ってきたのよ! 私はチンチンで忙しかったんだけど」

 

「「OK理解した」」

 

最早理解できない方が難しい。最もなんで浜風が艶々した顔をしているのかわからんが。

 

そして今日は何をチンチンしたのかな?

 

「暁、変なものチンチンしてないよな?」

 

 

「失礼ねプンスカ! 私だって一人前のレディよ! 間宮さんちのキッチンの調子が悪いから、暁が頑張ってチンチンしたら『リフォームの手間が増えたわ』って泣いて喜んでたわ! そうよね! 手間が減るよりも増える方が嬉しいもんね!」

 

「照月。そろそろ暁被害者の会に備え悪徳弁護士を用意してくれ」

 

もう誰かこの子にレンチ持たせるのやめろよ。そのうち地球ぶっ壊すんじゃないかなぁ。

 

もう最近深海棲艦よりも訴訟問題とか艦娘の行動にびびってる気がする。

 

 

 

「大丈夫です。弁護士なんかより、私が拳を使えばきっとわかり合えると思います」

 

「流石だ長月」

「いえ照月です」

 

やっぱり困った時の照月。庶務を任せていれば大抵のことは拳で解決してくれる。

 

 

「何がさすがだ! これ以上私の鎮守府の悪評を広めるな!」

 

「「「「「お前が言うな」」」」」

 

暁以外の全員に即座に突っ込まれた九里坂提督は、静かに泣き崩れる。

 

そんな九里坂提督のことなど無視しして、本日上機嫌の浜風は、自信の上機嫌の理由を語りだした。

 

「聞いてください二人とも! 今日は二人が手伝ってくれたおかげで、私凄く楽だったんです」

 

「そう言えば普段は一人でドラム缶10個を10往復だもんな」

 

 

「はい! 今日は三人でドラム缶20個にして私は10個を10往復させたんですけど」

 

「そうかそれは良かったん? 今なんて?」

 

「二人ともありがとう! そしてありがとう!」

 

根本的に何も変わってないように見えて、実は浜風が最高にハイって奴を通り越しスカイハイになっていた。

 

「ところでお前らがなんで手伝ったんだよ」

 

「「こいつのせい!!」」

 

互いに指差し合う二人。凄いシンクロ率だな。お前ら互いにエヴァの使い回しが出きるんじゃねえの?

 

いっそ踊っちゃいなよユー達。

 

 

「鈴谷が『胸の大きい浜風と違い胸が寂しい貧弱そうな龍驤さんはさぞドラム缶運びも大変でしょうね』って挑発したんや!」

 

挑発とわかってて乗るお前はなんなんだ。

 

「だって龍驤が『鈴谷は重巡の癖に浜風に胸でもドラム缶運送でも負けるやろ』なんて挑発するんだもん!」

 

どっちもどっちじゃねえかど阿呆。

 

「全く二人とも情けないデース。ミーは今日はここから一歩も動いてないデース。そんな無駄な徒労はごめんなのデース」

 

お前はどっかの駄女神か!

 

「明日は金剛さんにも一緒に行って貰いたいです」

「そんなのノーに決まって」

 

「知ってます? ムカデって意外と食べてる部族いるんですよ? 例えばとある東北のヤマノコ族とか」

 

「ひ! ・・・・ヤマノコ族の話しないでくだサーイ。シベリアトラが疼くデース・・・・あ、明日ちゃんと行きます・・・・・から」

 

シベリアトラが疼いてどうすんの? お前は頭の中にそんなもの飼ってたのか?

 

 

 

「なんだ周防。金剛はどうして震えてるんだ?」

 

 

「ん? あぁ、こいつ昔、本国で食っちゃねし過ぎて岩手に送られたらしいですよ。あくまで噂しか聞いてないですが、その山奥でどえらい目にあったとかないとか」

 

「なぁ、岩手って秘境なのか? 危険種族が住む最後の秘境なのか?」

 

失礼な。ウィルスも寄り付かないで有名であるが、コンビニくらいちゃんと存在する。

 

ウーバイーツは無いけどな。

 

 

 

「ところでその子は?」

 

今頃になって照月に指摘されて玄関を見ると、うまか棒片手にもぐもぐ口を動かす春雨の姿があった。

 

「その子は春雨。今まで摩耶達と一緒に元帥預かりだったがおしつけられた」

 

「は? おしつけられたって言いました?」

 

「言ってない。何処を聞いてるんだ浜風。その大きな胸は何のためについてるんだか。飾りか」

 

「ちょっと待ってください。それと私の胸は関係ないじゃないですか!」

 

「それでだ。今日からうちの鎮守府の仲間入りだ。仲良くしてやってくれ」

 

抗議してくる浜風を無視して一先ず皆に春雨の面倒をおしつける俺。

 

 

「ふふん! うまか棒なんか食べちゃって奥様ね。暁はレディだからそんな奥様みたいな食べ物は食べないんだから。一流のレディはうまか棒よりバナナをチンチンしながら嗜むものなのよ」

 

「おい暁、そのバナナをチンチンしながら嗜むことについて詳しく」

 

 

「へんな所に食いつくな阿呆海尉! あと奥様やなくてお子様や。こんなんばっかやけどうちは数少ない常識人の龍驤や。よろし」

 

龍驤が握手をしようと近づいたら、突如スカートの下からうまか棒が飛び出し、自動的に包装が剥け、うまか棒からビームが放たれた。

 

 

「ね、ねえ海尉! 今みた! この子のスカートからうまか棒が飛び出してうちにむかってビーム放ちおった」

 

「何言ってるの? ドラム缶輸送任務で疲れて幻覚みてんの? 艦娘にしかも春雨にそんなスペックあるわけないだろ」

 

今俺はスカートがヒラリと捲れ、その中身を見ることに集中していたので見てなかった。

 

「大体数少ないフラットとか、フラットを貴重品扱いしたい気持ちはわかるが大概にしろよ」

 

「お前が大概にせえ!」

 

すぐ殴る人はやはり常識ないと思います。

 

 

「本当なにやってるんだか。私は数少ない鎮守府の清涼剤と呼ばれてる鈴谷。宜しくね春」

 

 

鈴谷がそう言って、握手の手を差し出そうとするもその手を止めた。

 

「うまか棒で汚れた油まみれの手は洗おうね」

 

「ん」

 

もぐもぐとうまか棒をたべながら、春雨は見た目には想像付かないスピードで鈴谷に抱きつくと、油とうまか棒のカスまみれの口元を鈴谷におしつけ、更には油まみれの手で鈴谷の顔をなで回した。

 

「いやああああああああああ!」

 

 

「あ、あかんこいつ・・・・・あ、悪魔や、悪魔がおる」

 

普段仲の悪い鈴谷と龍驤であったが、この時ばかりは互いに慰めあっていた。

 

「そうだ。明日は皆で3-3に行って戦ってもらいます」

 

 

「「「「「「は?」」」」」」

 

 

あれ? 何でこいつらこんな反応するの? てか、きゅうりにそんな反応されると無性に胸を揉みたく・・・・・やっぱ無いなあ。

 

「おい周防、お前は一体何と戦うと言うんだ! 明日は土曜日だぞ! 戦闘は海洋で起こってるんじゃない。居酒屋で起こってるんだ!」

 

これでもこいつ、一応提督です。もう行き遅れが拗らせレベルで収まりきれてない・・・・誰か欲しいかたがいたら蒼島鎮守府までご応募ください。

 

 

「私は照月! いずれ鎮守府最強の戦艦になるもの!」

「お前はもう既に戦艦だよ」

 

食欲と拳の力だけはな。

 

「私はレディな暁よ! 鎮守府最強のレンチ使いにして唯一無二のチンチンが得意なもの!」

 

チンチンが得意なのは確かに暁だけだな。あ、うん。

 

「私の名は金剛デース! いずれ周防海尉と結婚し養ってもらうモノデース!!」

 

「お前ヒモになる気満々じゃねえか!」

 

大体なんでどっかの種族風の自己紹介なわけ?

こいつらネタ枠なの?

 

春雨に至ってはスカートに手を突っ込んで、自分のパンツまさぐった後にうまか棒の空袋を投げ捨てて、魚雷管の蓋を開けてうまか棒出してるし。

 

「ヒロインが一人もいねぇ・・・・・・」

 

「ちょ! 他の皆と一緒にしないでよ! ヒロイン枠なら私がいるじゃん!」

 

「いたな。お前だけが心のオアシスだよデチ公」

「お前何回間違えるんだよ? ぶち殺すぞ?」

 

やっぱり鈴谷はヒロインじゃないじゃん!

 

「わ、私は、く、駆逐艦浜風で、深海棲艦と戦うものです」

 

「ちがーーーーーう!」

 

「えええええええ!」

 

何を驚いてるんだこいつは。

 

「お前のおっぱいは何の為についてるんだ。そもそも何で深海棲艦と戦うの? 違うでしょ? そうじゃないでしょ?」

 

「「「「ちょっと待て」」」」

 

外野が煩い。

 

「浜風、お前の敵は深海棲艦ではなくクラーケンだ」

 

「は、はぁ。はい?」

 

「そしてそのどスケベわがままボディーを使い戦いを挑み、『く! こんなことで! お前の攻撃はそんなものか! 私の体までは奪えても心までは奪えると思うなよ!』と言って敗北し、そしてあられもない姿を晒すんだ! お前のおっぱいはその為にあるんだろ! 俺はその先をみてみたいんだ!」

 

「うわぁ・・・・・こいつ本音をぶちまけやがった」

「安定のクズと知って安心ですね」

 

鈴谷と照月が変な視線を向けてくるが、今の俺のメンタルはヒートライザーのお陰で無敵だぜ。

 

「てか龍驤がガタガタ震えてるんだが」

 

何故かおとなしいなぁと思っていたら、

 

 

「うちの零戦持ってかれる! 3-3怖いいいいいい」

 

かつてのトラウマを思い出していたのだった。

 

 

 

 

 

 

 




暁「暁よ! 次回、提督暁にシスって聞いたけど、暁にチンチンされるのかしら? よくわからないけど、次回は私達がいよいよ3-3に突撃!」
照月「3-3に殴り込みに行く私。授業中にも関わらず教師や生徒を相手に無双し、私はこの手に最強の座を得るのでした」
浜風「教室じゃない!」
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