冴えない棋士は弟子を貰う様です 作:C.C.サバシア
お婆ちゃんが言っていた、英雄色を好むと。
そもそも『英雄色を好む』とは、英雄は何事にも精力的である事から恋愛にも旺盛でありまたその武勇伝や実力、地位の高さから女に恵まれているからでもある。
だとしたら九頭竜八一という男は何であるか。
彼を知る者は口を揃えて言うだろう……そう、間違いようもなく奴は『将棋界に置ける英雄』であると。
正真正銘将棋界最強と言われていた名人と真っ向から七番勝負し、打ち倒し防衛した最強の竜王。
そんな九頭竜八一は竜王戦奪取とその後の防衛だけで二年連続4500万に迫る賞金を獲得している。
更に九頭竜はプロ入り直後から他棋戦でも活躍が目覚しく、リーグ戦やトーナメント上位の一局の金額が高い対局をこなしている事から竜王奪取以前から一般中学生のみならず、一般サラリーマンがどう足掻いても適わない様な年収を稼いでいた。
そして彼は将棋以外に金が特別掛かる趣味を持っていない。
言わば一般学生レベルの趣味。
で、あるならばだ。
これからまだまだ二十歳にすら届かない若き天才の力は限界にあらず。
竜王を万が一失ったとしても年収1000万は固い。
「ま、つまり安定してハーレムやれるのは未婚且つ若いタイトルホルダーの八一しかいないしアイツなら大丈夫って事ですよ、鹿路庭さん」
「な、なるほど……?」
「諦めるが吉だ、珠ちゃん……奴はああなると止まらない」
「歩夢くんと似てるって事だね!」
「珠ちゃんの中で我の認識はどうなってるんだ……」
「……三人とも、来てくれたか」
一人暮らしの狭いアパートの一室に、俺含め四人が座っていた。
最近はJS研の活動も増え別に窮屈には感じないが、今日という今日は特別な日。
狭い部屋に緊張感が漂い、更に狭く感じてしまうが呼んだのは当の俺だ、しっかりしないと。
「ししょー、お話ってなんですか?」
「はぁ……大方予想は付くわよ……あいも付いてそうだけど」
「……決まったって事で良いのよね?」
「ああ。まず最初に何で三人を呼んだか、だが予想通りと思ってもらって構わない。三人の気持ちを受け取ったからには返事をしないといけないのは当然だ」
あいが不安そうな顔を、天が泣きそうな顔を、銀子が縋る様な顔付きになった。
全員が全員、自分が選ばれるとは思っていないのか……いや、選ばれなかった場合今までの関係が崩れるんだ、俺との関係性をそこまでして大事にしてくれていた……そう思うと少し笑みが溢れる。
「三人には二つ選択肢がある。結論から聞くのと前置きを付けるのと。どっちが良い?」
「ししょー、わたしはししょーの答えがどうなっても、一生あなたの弟子です。だから……わたしは結論からききたいです」
震えながらも、ギュッと手を握りながら勇気を振り絞って答えたあい。
こんな小さくて、俺の大事な子が言ってくれたという事に今すぐにでも抱きしめに行きたくなるがそれををグッと堪える。
「私だってお兄ちゃんの弟子なんだから。たとえ私じゃなくてもずっとせんせえでお兄ちゃんなコイツでいてくれるって思ってる、右に同じくだわ」
負けじと今まで俺と家族以外には駿と歩夢しか知らなかったお兄ちゃん呼びでしっかり目を合わせて来た天。
やっぱりこの子は強い、でも本当は強がりだから、少し触るだけで崩れるくらい脆いから、俺が助けていかないとな。
「八一……小さい頃からずっとアンタの事、大好きだった。八一の将棋も好きだけど、八一に優しくされた事、そして……このプレゼントしてくれた雪の結晶、その髪飾り。私の宝物なんだから。私は逃げないわ、どんな答えからも」
俺が嘗て贈った髪飾り。
一度は嫌がらせかとも思ったが駿にその認識を怒られてからは見方が変わった。
ずっと、肌身離さず着けていてくれる事が嬉しくなっていて。
俺が小さい頃からずっとずっと見てきた一人の、幼馴染の女の子へその感じた想い、気持ち、全てぶつけよう。
その為に今日俺は来たんだから。
「分かった。みんな最初に結論言ってほしいって事で良いんだな?」
分かっていながらも、目を見てもう一度答えを確認する……勿論全員変わらず、無言で頷いていた。
逆に覚悟は決まったのかという眼差しさえ感じる。
……ああ、決まっているさ。
無謀な話でも前代未聞でもバカでも構わない。
一日考えて、駿や歩夢の言葉も俺自身の気持ちも整理して出した結論を言ってやろうじゃないか。
「……俺が。俺が選ぶのは…………全員だ」
「し、ししょー……?」
「……ほんっとコイツは」
「本気で言ったとしたら殴る、ウソだったら殺す」
まず銀子が怖過ぎる、殺人鬼の目になってる。
仕方ないと言われたら反論出来ないのが現状だが。
天は……呆れ返ってるなあれは。すまん、そりゃそうなる……今は心の中で謝る事しか出来ないが勘弁してくれ。
あいは予想外だったのかどう反応して良いか困ってる感じだろうか、本当に申し訳ないとしか言い様が無い。
「まず、誰か一人に決められなかった事、本当にごめん」
「謝って許されるかアホ八一!!」
「昔から心底バカだったけどまさか私の兄がここまでバカだったなんてね」
「うぐっ」
銀子、天と突き刺さる事を言ってくれるが自覚してるんだよ俺だってさ……
しかしここまでは予想が簡単に付いてしまうくらいには分かっていたがあいはどんな反応になるのかは予想が付かない。
さ、流石に嫌われはしないよな?
「ししょー……たしかにししょーはバカです」
「ぐはっ」
あ、あいにまで罵倒された……知ってはいたけどこんなにダメージが来るなんて聞いてない……
「でもっ」
まだ続きがあるのか、俺がどう言おうか悩んでる内にあいのターンは継続された。
聞きたい様な聞きたくない様な気持ちがあるが、最早逃げ場は無い。
だったら全部聞くしか無いだろう。
「でも……わたし、わたし……は」
涙を浮かべるあい。
今すぐにでも慰めに行きたいがそれはダメだ、絶対にダメだ。
だから落ち着け、落ち着くんだ……
「……こわかったんです」
「天ちゃんも……銀子さんも、ししょーとすごした時間はわたしよりずっとずっと長くて。だからししょーはわたしじゃないだれかをえらぶんだって思ってて」
「それでも、ししょーのえらんだ人をおいわいしてあきらめられるならって。そう思ってたから、ユメみたいなんです。全員をえらぶって言った時、わたしがここにいても良いんだって……ズルかもしれないけど、この形が良いなって思っちゃった……ごめんなさい……」
「あい……」
そんな風に思っていたなんて。
実際一緒にいた時間が短いのはあいだが、それは違う。
勢いで喋りかける口を制御して、ゆっくりと口を開く。
「俺はね、あいの事も大好きなんだよ。天や銀子と同じくらいに大好きで、選べないからこの選択をしたんだ」
「はぁ……全くアンタは。どれだけ八一に愛されてたか知らない訳?」
「私が知った口を言えるかは知らないけど。過ごした時間ってのは長さだけじゃ決まらないって話よ」
銀子と天が見かねたのかフォローしてくれる、納得してないだろうに本当に優しい子達だ。
時間というものは『どれだけ過ごした』かではなく『どの様に過ごした』かで有意義だったかどうか決まるんだ。
あいと過ごした時間はとても大切だった。
初めての弟子、直向きな、真っ直ぐな、諦めない彼女を見て自分の将棋を見直せた。
同じ家で暮らす内、彼女の優しさ、可愛さ、個性を色々と見つけていく中であいのアプローチに応えたいと思っていた。
「……良い、のかな、わたし。二人といっしょで」
「あーもう、ほんとにバカよ……ちゃんと責任取れるんでしょうね? いや取りなさい、私のお兄ちゃんなら出来るでしょ?」
「納得なんて出来ないし今すぐにでも殴りたいけど、ぶん殴るのはこの三人の誰かを泣かせた時に取っておくわよ……使わせたら承知しないんだから、バカ八一……」
「……すまん、ありがとう、二人とも」
銀子は、小さい頃から大きな病気を持っているにも関わらずそれに負けないくらいの気迫と愛情で将棋を指してきた。
その結果が今の『女流二冠』と『女流棋士最強』。
身体が辛くても決して折れないその心は、俺の尊敬だ。
そしてそんな中でも時折見せるまだ幼い表情やただの女の子らしい思考は昔から変わらず、強くて可愛くて、お互い小さい時から一緒だったのが好きになった要因なのだと思う。
天は、昔から甘えん坊で寂しがり屋で。
今は生意気で辛辣で負けず嫌いな子だけど根っこのそう言ったところは変わらない。
昔は小さい妹が出来たみたいだと可愛がっていたが、成長するに連れて綺麗に、少しずつ大人になっていく天に気持ちも小さい妹から次第に恋心に変わっていったのかも知れないと、振り返ってみて感じた。
「それで、その。全然誠実でも何でも無くなっちまったけど三人の返事全員に肯定したからにはしっかり全員を幸せにしていく。全員を本気で好きだから。だから……変だとは思うが、みんなの返事を聞きたい」
返事をしたのは自分なのに、おかしな話だと俺でも思う。
だがちゃんと聞きたいと、好きな人に気持ちを聞きたいと。
願ってしまうのはワガママだろうか。
「――好き、大好き。当たり前でしょ? 何年待ったと思ってるのよバカ八一……ほんと……ばかぁ……」
「待たせてごめん。これからは一生掛けて、待たせた分幸せにしていく」
「愛してるわよ、誰よりもね。……だから、私を置いて死なないでよ? 死ぬ時も一緒なんだからね?」
「分かってる。置いてったら何するか心配だからな。ずっと一緒だぞ」
「ししょー……わたし、ししょーのことが大好きです。一生はなれないから、二人に負けないくらいたくさんの思い出、作ってくださいね?」
「ああ、絶対離さない。だから色んな場所に行こう、最高の思い出作ろうな、あい」
言葉を聞き終え、三人をそっと抱き締める。
小さくて大きな存在を守っていかないとな……
「まさかこのまま終わる訳無いわよね、お兄ちゃん?」
「て、天?」
「恋人同士なんだから……そ、そのっ、キスくらいしなさいバカ!!」
「……ししょーのニブチン」
「あ、いや、その~……抱き締めたらホッとして忘れてたと言いますか……」
終わって一息付いたかなと思ったがどうにも重要な事を忘れていたらしい。
我ながら恋人同士の大事なイベントを忘れるなんて痛恨のミスだ。
あいにすらニブチンと言われたらどうしようもない。
「御託はいいから悪いと思ってんならしなさいよ」
「ぎ、銀子……そうは言うが順番はどうすれば……」
「ししょーはみんなびょーどーって言っていたのでびょーどーなじょーけんで決めたいです!」
「ならジャンケンね、間違いなく運要素以外が絡まないから平等よ。良いわよね、お兄ちゃん?」
何か凄い積極的だな君達……ワイワイ盛り上がってるの可愛いから良いけど。
「ジャンケンなら確かに運以外は無いか……よし、良いぞ」
俺がオッケーを出すや否や勝負師の目付きに変わる三人。
ジャンケンに勝負師の気迫使うのか……凄い勢いでしてやがる、まるでジャンケンには見えないな。
「わ、私が一人負け……」
あ、銀子が脱落した。
勝負師モードの銀子相手にいくらジャンケンでも良くやるよ二人とも……
「……じゃ、ファーストキスはあげるわ、あい」
「え? でも天ちゃんもししょーのこと……」
「アンタは私達よりお兄ちゃんといた時間短いんだから、最初くらい譲ってあげるわよ。それで対等な立場って事で全員スタートラインは同じ。悪くはないでしょ?」
「……ありがとう、天ちゃん」
そっから二人で続けるかと思ったが……天の奴、本当は強がりな癖に優しいんだから。
そういう不器用なとこもあの子の良いところなのかも知れない。
「って事は決まったな……あい、おいで」
「ひゃ、ひゃいっ……」
当のあいは……ロボットみたいな動きしてるな、逆に器用な事しちゃって全く。
こっちもファーストキスだけあって内心心臓バクバクで緊張してたのに一気に収まっちゃったじゃないか。
「大丈夫だ、ほらリラックスリラックス」
隣の椅子に座るあいを抱き寄せる。
柔らかい感触がする、今にも壊れてしまいそうなくらいだ。
「あっ……」
抱き締めた体制で見つめ合う。
吸い込まれそうなくらい綺麗な瞳が、求める。
そんな表情されたらこっちの理性まで飛びそうになる。
そんな衝動を抑え、静かに唇と唇が重ね合う……
「すっげー緊張した……」
「あうあうあう……」
初めてのキスは甘いなんてものじゃ言い表せない程で、相手の鼓動さえも伝わってきて何も考えられなかった。
あいを見るに下手では無かったんだろうけど、まだこれ二人分あるんだよな……?
「ど、どうだった? へ、下手じゃ無かったか?」
「え、えっと……そ、その……よ、よかった……です……えへへ」
うわっ、めっちゃ嬉しいなこういうの……照れながらも良かったって言ってくれるあいがマジで尊い件。
駿、お前昔『八一はロリコンになる』そう言ったよな?
お前は間違ってなかったよ……
「次は私ね」
「ぐぬぬ……小童ズに先を越されるなんて……」
「ふふ、キスに順番なんて関係無いけど……早い者勝ちって響き、良いと思わない?」
「あ、アンタねぇ……!」
と感傷に浸ってたら天と銀子は小競り合いしてるし……昔からたまに会う度にあーだこーだやってたけど良くも悪くも変わらないというかなんというか。
「はいはい二人は相変わらず仲良いな……ほら、次は天の番だろ?」
「分かってるわよ。って言ってもどうキスするかは任せるけど。まさかあいの二番煎じはしないはずだし」
「任せるってお前……どうしたもんか」
つい数分前にファーストキスした様な男相手に任せられても……いやしかし天こそ経験無いんだから俺がやるべきか……ならここは思い切りやってやる!
「決まった?」
「まあ……な。じゃあやるからこっち来て」
「はいはい……ってひゃあ!?」
「こういう格好とか、どうだ?」
やったのはお姫様抱っこ、実は良く抱き着いてくる天には結構良いかなと思ったが……あっちは顔真っ赤で固まってやがる。
肝心なとこでウブな奴だ。
「へ、変なとこで格好付けるんだから……まったくまったく……うぅ……」
「……よし。俺は準備出来てるぞ、天は良いか?」
「……で、できてる……はず、だからさっさとして……はずかしくてしぬわ……」
「可愛い奴め……じゃあ行くぞ……」
「天は可愛いな」
「うぅ……バカ……」
上から見下ろした時に見えた、腕と胸の中にすっぽりと収まってる天はさながら天使だった……不思議なシチュエーションというか体制ではあったが悪くなかったな、うん。
「ふ、ふふふ……確かに私が最後……だけど小童共が先にしてくれたお陰でコツは掴めたわ」
そして最後に残った銀子、なんかキャラが崩壊している。
それで良いのかそれで。
「ごめん、待たせた」
「……ね、八一。私達本当に八一の恋人になったのよね?」
ふとそう聞いてくる。
……何か不安なのか?
「そうだよ」
「……この髪飾り」
「……俺があげたやつだな」
「恋人になれたら……対局の時ずっと着けてる意味、教えようって思ってたから」
銀子はそう言って髪飾りを触る。
思えば最初はいつも強く当たってくるし嫌がらせかと思ってたけど駿にそれ言ったら物凄い勢いで呆れられたんだっけ。
その時色々言われたから認識も改まったけど駿は大雑把に『好意があるから着けてる』って言ってただけだから俺も気になってたんだよな。
「俺も気になってた。洋風の髪飾りだから和装には普通そんなに合わないのにって。まあ銀子は綺麗だから良く似合ってたけど」
「…………は、はあ!? 急に褒めるとか馬鹿じゃないの!? は、はっ倒すわよ! くじゅ! あほぉ!」
「わー悪い、悪かったから蹴るな痛い痛い!」
「ふん……ちゃんと意味教えるんだからそういうのは後でしなさい」
つい口が滑ったが本音だから仕方ない。
あとこれ後でなら良いんだ……
「……私はね。アンタと会う前からずっと、いつ死んでもおかしくないって自分で思ってたし今も思う事はある」
「銀子……」
入院生活をしていた頃、銀子と一緒に将棋を指していた子どもたちがいたと聞いた。
みんな腕っぷしが良く、当時の銀子も負かされる事も多かったとも。
そして、銀子が退院するまでにその全員が、亡くなった事も聞いたんだ。
俺がそれ以上を、何か言わないといけないと口に仕掛けたのと同時に銀子が口を開く。
「でも、この髪飾りがある限り。アンタが、八一が側にいてくれるって感じる限り。どんな事にも負けないって確信出来るの。……だから、勇気を貰う為に、いつも着けてた」
だから、これが銀子の生きる希望になってる、勇気になってると聞いて、凄く嬉しかった。
兄貴分なのに病気の妹分に何もしてあげられなくて、それが苦痛になる事だって少なくなかった。
涙が込み上げてくる。
そんな俺でも、銀子の力になれてたんだって、そう感じる事が出来て。
「……何もしてやれてないって思ってたんだ。俺は頭が悪くて、察しも悪くて。将棋しか無かったから。銀子の力になれないんじゃないかって、さ」
「バッカじゃないの……八一は、私の心の支えよ……側にいてくれているだけで、死にたくない、生きていたいって思うのよ。だからトンチンカンな事言ってんじゃないわよ」
そう言ってくれるだけで、過去に苦しんでいた俺が救われた気がした。
俺の方こそ、銀子と同じくらい、それ以上に銀子に、あいに、天に、師匠や親友達、家族……数え切れない程の人達に救われて来たんだ。
「……ありがとう」
「当たり前の事を言っただけよ」
そっぽを向いて赤くなる銀子に見とれてしまう。
意識しなくてもこの子が可愛いのなんてとっくに知ってたがそれでもドキッとしてしまう。
それだけ可愛いし、綺麗だ。
「……じゃあ、話も落ち着いたし、な?」
「そ、そうね……す、するのよね……」
「お、おう」
それも重なり二回キスを経験した身でもまた特別緊張してしまう。
「……抱き締めてよ。私がどこにも行かないように。ずっとずっと、死がふたりを分かつまで永遠に、一緒にいられるように」
「ああ……」
中学生ともあり二人に比べれば普通のキスも出来るが、それでも年齢にしては小さい。
銀子の顔が俺の胸に埋まる、抱き締めるとギュッと返され暖かい鼓動を感じる。
それは紛れもなく、間違いようもなく、彼女を、銀子が生きている事の証明に他ならない。
「八一……大好き。愛してる」
「俺も……愛してるよ、銀子」
触れる様な、まるで新雪のキス。
少し背伸びをする銀子が、特別愛おしく感じる。
夕日差し込む夏の日、こうして俺には特別守りたい、守るべき存在が三人増えたのだった――
切る場所が無かった(7460文字 普段の二倍を更に越す量)
ヒロインの出番は平等に書きたかったけど序盤あいちゃん、終盤銀子で天衣ちゃんが割を食ってたかも……まあ単独で八一と絡みある話書いたしトントンと思いたい
なお、八一のターンはまだ続くもよう
当たり前だよなあ?(感想欄を見ながら)