「ナア、シン、キノウノヨル、オモシロイコトガアッタゾ……」
くつくつと珍しく笑っている相棒。
「何があったんだ? 相棒がこんなに笑うのは久しぶりだと思うんだけど」
興味津々に聞く。
「アア、キノウナ……」相棒が話してくれた内容に唖然としてしまった。
「俺が寝てる横で何やってんだ、あいつら……」
俺が寝て、暫くすると白崎が訪ねてきたらしい。南雲君はどうしようか迷った挙句、このまま外にいるのもなんだから、と部屋に連れ込んだのである。
もう、ここまで行ったら言わずもがな、ヤる事は一つしか無い。と思うがそんな事はなかったみたいだ。されても俺も困るのだし、最低限の恥じらいくらいがあって助かった。
話は逸れたが南雲君が居なくなる夢を見て、恐怖に駆られた白崎が大迷宮探索には行かず、街に残って欲しいとのお願いだった。本当にただそれだけで、なんだかもやもやとしてしまう。
南雲君は白崎の好意に気付いていないのか? あんなにもあからさまなのに……
そんな事は置いといて朝ごはんの時間である。意気揚々と食堂へと歩いて行った。
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さて、大迷宮の入り口までやってきた。冒険者をも飲み込む奈落の入り口とはいえ、しっかりと管理された入場ゲートもあった。
勝手が分からないので皆がメルド団長にちょこちょことついて行く。
迷宮は思っていた物と違い、壁には鉱石が埋まっていて、うすぼんやりと発光していた。
ぞろぞろ歩き、広間に出た。
ワシャワシャワシャと毛玉が隙間から続々と現れる。
「よし、光輝達が前に出ろ。他は下がれ! 交代で前に出てもらうからな、準備しておけ! あれはラットマンという魔物だ。すばしっこいが、たいした敵じゃない。冷静に行け!」
魔法で吹き飛ばしたり、切り掛かって真っ二つにしたり、ガッと殴り飛ばしたりしている。
正直まだ上層なので楽勝といった感じか。
「ああ~、うん、よくやったぞ! 次はお前等にもやってもらうからな、気を緩めるなよ!」
自分が思っていたよりも出来が良かったので、メルド団長は苦笑いしている。
順調に降りて行き、上級者との別れ道である二十階層までやってきた。
さらに気を付けて進んでいると
「擬態しているぞ! 周りをよ~く注意しておけ!」
メルド団長の忠告が飛ぶ。
モンスターが居るみたいだ。擬態しているのでわかりづらいが目を凝らせばなんとか見える。
「オレガ、オシエテヤロウカ?」
人の中という事でほとんど喋らなかった相棒だが、どうやら分かるらしい。
「ん、頼んだわ」
「アノ、セリダシテイル"カベ"ガ"モンスター"ダ」
「ロックマウントだ! 二本の腕に注意しろ! 豪腕だぞ!」
見つかった事ですうっと擬態を解除して現れた。確かに豪腕でゴリラの様な太い腕を持っていて強そうだ。
本来なら、ロックマウント相手でも戦えるのだが足元が何分悪い。慣れない状況下では流石のコーちゃん達も手をこまねいている。
「グゥガガガァァァァアアアアーーーー!!」
空気を震わせる
正面から喰らった前衛組が怯む。この隙をヤツは逃さず、後衛へと岩投げアタックだ。
後衛の白崎達は魔法を発動しようとしたが、投げられた岩が空中でムクリ。ロックマウントだ。
突然のロックマウントと何故かやたら鼻息が荒い事で「ヒィ!」と皆怖気付いてしまう。せっかく放った魔法がロックマウントでは無く、壁へと飛んでいってしまった。
「こらこら、戦闘中に何やってる!」
流石メルド団長。長年戦い続けているだけあって、こういう事態にも容易に対応できる。経験値の差は時にはステータスをも超えるのだと思うのだ。
あれ? コーちゃんが?
「貴様……許さないぞ」
白崎達が真っ青な顔になったので、怒りを覚えているのだろう。紳士的なコーちゃんには許せなかったらしい。
硬直から解除され、一気にロックマウントに接近したと思えばスッパリ切り捨ててしまった。
それはもう鮮やかで、ロックマウントも切られた痛みすら感じてないみたいだった。
一方、俺はと言えば装備が短剣なのでちょっとびびってしまって魔物はまだ一体くらいしか倒していない。華麗に短剣を操れたらいいなあとないものねだりをしても仕方ない事だ。
「……あれ、何かな? キラキラしてる……」
魔法で破壊された壁にはキラキラとそこらに埋まっている鉱石よりも美しい物が妖しい光を放っている。
「ほぉ~、あれはグランツ鉱石だな。大きさも中々だ。珍しい。」
いわゆる、レアアイテムだろうか。美しいので宝石に興味がなくとも一つ欲しくなるが、俺では取れるか怪しい
「アレトルナヨ」
相棒は俺になぜか忠告してきた。
「なんで?」
純粋に気になる。
「オレノ"カン"ダガ、ワナノニオイデプンプンシテル。 ココカラ、ニゲトケ」
相棒が真面目に言っている。感覚が鋭い相棒のことは無視出来ないが、一人勝手に逃げるわけにもいかないのでメルド団長へと進言する。
「メルド団長、あの鉱石、罠な気がします」
「ああ、深か。 確かにな取り敢えず"フェアスコープ"でも使おうか」(フェアスコープとは要するにトラップ発見機の事で、ダンジョン探索には必須のアイテムである。)
「だったら俺らで回収しようぜ!」
クラスメイト、檜山だったか、が不注意に鉱石に向かって行っている。
「! マズイ、シン、カラダカリルゾ!!」
珍しい相棒の焦った声と共に俺の身体は全力でその場を駆け出した。
「おい、深!!」
突然の奇行に驚いているが檜山の行為を止めなければならず、「こら! 勝手なことをするな! 安全確認もまだなんだぞ!」
檜山は無視して鉱石にたどり着いてしまった。
「団長! トラップです!」
「ッ!?」
フェアスコープで辺りの鉱石を確認した一人の騎士団員の顔は真っ青だ。
時すでに遅し、鉱石に檜山が触れた瞬間、魔法陣が展開される。
「くっ、撤退だ! 早くこの部屋から出ろ!」
メルド団長の言葉も虚しく、部屋は光に包まれた。
「おい、いてててててて、急になんだよ! 相棒!」
相棒は俺を無視して走り続ける。そして、部屋から出ると漸く話してくれた。
「マズイヨカンガシタンダカラ、シカタナイ。」
言い争いをしていると向こうの部屋から光が漏れ出していている。
「まさかな?」
トータスに召喚された時の光と似ている。皆がどうなったのか猛烈に不安になった。
「見に行くぞ」
「アア」
相棒が全力を出したので、ズキズキと痛む脚を引き摺りながら、部屋を覗く。
そこには人の気配なんて無く、逃げようとした時にたった土埃だけが舞っていた。
「どっかに召喚されたのか?」
罠だろうと思われる鉱石を見る。腹立たしいくらいに綺麗だ。
「タブン、コウリョクハナイゾ」
別にあんな石ころいらないが、これからどうするか問題だ。
「戻るか、俺たち?」
「……シバラク、マツホウガイイ、オマエノイマノ"ジツリョク"
ジャ、ムズカシイダロウナ」
「まあ、それもそうか、奇襲されたらもう終わりだし、足も痛いし」
やる事もないので防御の為に"眷属召喚"を行ってみた。
訓練の二週間の時……
「ココナラ、召喚シテモイイダロ?」
「ああ、今日こそやってやるさ!」
俺はやる気に満ち溢れていた。
一昨日にやろうとしても、予定が立て込んで出来なかったし、昨日はコーちゃんに誘われたから出来なかった。だからこそ今日はやってやろうという気概で路地裏でこっそりしている。
「インヴェルズの魔細胞ダゾ」
「"眷属召喚" 来い、"インヴェルズの魔細胞"!」
地面に黒く濁った魔法陣が投射されるとズズズとちっちゃい虫みたいなのが現れた。
「キタミタイダナ!」
ピピピと鳴いている虫にしか思えない。
「こいつか?」
ぴょんぴょんと飛んでるし、強そうではないなあ。
「コイツラヲ、フクスウ召喚シテ"上級インヴェルズ"ヲ召喚スルンダゾ」
「上級インヴェルズってどんくらい強いんだ?」
「カナリツヨイゾ、コノ"セカイ"ノヤツナラヒトヒネリダゼ!!」
ウキウキしている相棒。
「召喚できたらいいなあ」
なんて事を言っていたからか意外と早くに機会が来たみたいだ。
「"インヴェルズ・ギラファ"ヲ召喚スルンダ。アイツナラ、チョウドイイ」
「じゃあ、そいつにするか」
「インヴェルズの魔細胞を生贄に」
"魔細胞"が現れた魔法陣に吸い込まれるとバチバチと黒い火花を立てた。
「インヴェルズ・ギラファを召喚!」
大きな人型のクワガタみたいな奴、インヴェルズ・ギラファを召喚した。
グオオオォォォォォォ!!
ギラファが顕れるのとほぼ同時に魔物がやって来た。
「ギラファノ"能力"ヲツカウンダ」
「了解よ」
「ギラファの能力発動!」
目の前のギラファは黒いナニカを出して、ナニカは目の前の魔物を覆う。黒いナニカからバキ、メキ、という音が鳴り暫く。晴れるとそこには何もいなかった。
「おお、強……」
規格外過ぎる強さである。これなら安心できるな。
「アシハモウ、イタクナイノカ?」
ニヤニヤして相棒が聞いてきた。そりゃ、痛……くない?
「痛みがない……?」
「コレガ、ギラファノ能力。 アイテヲハカイシテ、ジブンヲカイフクサセル。」
「はあ〜便利な能力だなあ」
俺たちは時折来る魔物に対処し、ひたすら待った。
タイトルわかりやすくするべき?
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変えよう
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そのままで
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その他