緋弾のアリア Reversi   作:長財布

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聴取

「はぁ?」

 

突然の告白に素っ頓狂な声を上げる俺。

 

「キミもそんな表情をするんだね、言い方を変えよう、私とコンビを組んでくれないかい?」

 

「あぁ、そういう事か・・・」

 

茶目っ気を含んだ笑みを見せるエリーに俺は内心安堵していた。

 

「でもなんで俺なんだ?」

 

「報告書を読んだんだよ。例の立てこもり事件のね」

 

エリーは紙の束を見せた。さっき生徒指導室で綴先生が見ていた資料と同じものだ。

 

「不謹慎に思うかもしれないけどあの事件、私は最悪な結果で終わると思ってた。でも結果は違った。キミが犯人を制圧したお蔭で一人の死者も出ることなく事件は解決した。正直驚いたよ、私の予想をこうも鮮やかに裏切ってくれる人が日本に居たなんて思いもしなかった」

 

若干興奮気味の口調でエリーは続ける。

 

「私はある事件を追って日本まで来たんだ。それは曽祖父の代から続く因縁も絡んだ大事件でね、それを解決するために協力してほしい、もちろん報酬も弾むし単位を与えるよう教務課に掛け合ってきたよ。お互いwin-winで行こう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は彼女の要請を受けることにした。金の為じゃない、正直言って俺の今までの所業から後難度クエストを一緒に受けてくれる人間はあまり居ない。

 

それに彼女の追う大事件というのも気になっていた。そして何度も言うが金の為ではない、断じて。

 

コンビを組むに当たってまずはエリーの部屋へと案内された。東京タワーの足元、芝公園近くのマンションにだった。外観を見ただけで高級マンションだとわかる。

 

エレベーターが階数ボタンを押すんじゃなくてカードをかざすと自分の部屋の階に止まるタイプのもの、ガチなヤツだ・・・

 

「さぁ、狭い部屋で申し訳ないが入ってくれ」

 

「いや、ひとり暮らしするには十分すぎるだろ・・・」

 

まるで高級ホテルの一室のように高そうな装飾品であしらわれたエリーの部屋だが彼女の自室であろう部屋だけ雰囲気が違っていた。

 

壁一面に貼られた資料、座り心地が良さそうなふかふかのソファの周囲には何やら難しそうな本がうず高く積まれている。

 

俺はその資料のいくつかを手にとった。

 

「クルマ、船、バイク、自転車、バスのハイジャック・・・もしかしてお前がおっている事件って武偵殺しの事なのか?」

 

武偵殺し―――

 

最近武偵業界を騒がせている腕の立つ武偵ばかりを狙った殺人事件だ。つい最近も武偵校生徒を狙ったチャリジャック、バスジャックがあったばかりだった。

 

「50点、私が追っている事件はもっと大きい存在、彼らを裏で操っている奴らだよ」

 

「裏で操ってる?」

 

「武偵殺しだけじゃない、私の予想では何人もの犯罪者に資金、武器、戸籍、知識をを提供している組織があると思っている」

 

「もしかしてお前、一人でバカでかい闇の組織みないな奴らにカチコミキメようとしてんのか?」

 

「そうだよ?」

 

私なにかおかしいことを言いましたか?みたいな感じで返すエリーを見てマジかと思った。

 

だが乗りかかった船だ、報酬と単位のこともあるし地獄の2丁目まで付き合ってやろうと思ってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・あれ?」

 

休日の朝、俺は部屋から聞こえる物音で目を覚ました。部屋には俺以外誰も居ないハズなのだが。

 

リビングに向かうとキッチンに人の気配がした。

 

「おはよう、朝は紅茶で良いかな?」

 

なんかエリーがいるんだが・・・

 

「なんで居る?」

 

「今日はある人物に会いに行こうと思ってね、迎えに来たんだ」

 

「いや、それはお前がキッチンでメシ作ってる答えにはなってないぞ」

 

エリーはゴミ箱を指さした。

 

「キミ、食事はいつもコンビニ弁当だろう?私とコンビを組むな常に最良のコンディションを維持してもらわないと困る。ほらできた」

 

「おう、さんきゅー」

 

久々の手料理を堪能した後、俺達は武偵校のある学園島へと向かう、彼女のジャガーCX-75を運転しながら・・・

 

こんなスーパーカー初めて運転したぞ。

 

「なんでこんなバカ高そうなクルマ持ってきてるんだ?」

 

「移動手段があった方が便利だろう?」

 

にしてももっと他にクルマあっただろうに・・・

 

イギリスのスーパーカーでしばしの首都高ドライブ、しかし目的地の武偵病院に近づくにつれてエリーの表情がどんどん曇っていく。

 

「どうした?酔ったか?」

 

「いや、私から誘っておいて何だけど、これから会う人物は個人的にはあまり会いたい人物じゃないんだ。だからキミにも来てもらおうと思ったんだけど・・・いざ会うとなると・・・」

 

「へぇー、お前もそういうコトあるんだな」

 

「私だって人間だよ?合う人間合わない人間だっているさ。それに彼女は、私の家とかなり確執がある家系でね、あまり気乗りしないんだ・・・」

 

レインボーブリッジが見えてきた当りから彼女の顔色はどんどん悪くなっていく、それは本当に心配になってくるほどに。

 

「本気で大丈夫か?なんなら日を改めても・・・」

 

「いや、いまじゃないとだめなんだ。そうでないと手遅れになってしまう」

 

俺の提案をエリーは即座に拒否した。

 

そうまでして事件の情報を集めるとは、さすがの信念だ。

 

学園島インターチェンジを降りて東京武偵高校付属病院へ到着した。中へと入りエレベーターで個室病室へと向かう、入り口に掛けてあった名前には

 

『神崎・H・アリア』

 

とあった。

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