ー人里
2人はお昼を食べ、少し話をしてから別れた。
落名「それじゃあ、俺は依頼があるからここで」
蒼空「今日はありがとうございました。」
落名「いいんだよ。大切な友達のため....だからね。じゃ、またね蒼空さん。」
蒼空「はい、また」
ズキッ
蒼空は足に痛みを感じた。銃の反動で倒れた時に酷くなったのだろう。安静にしていれば、これ以上は酷くならないと見込んだ。
しばらくして叫ぶ声が聞こえた。母親らしき人が、子供探しているようだ。
母親「誰かー!うちの子を知りませんかー!?朝早くから出ていて昼餉の時間になっても帰ってこないんです!!」
蒼空の耳に確かに届いた。
蒼空(放っておけない!)
母親「だれか!!まさか....そんな!どうしたら!!」
蒼空「あの、良ければ探しましょうか??」
蒼空は、母親の元へ歩み寄る。
母親「よろしいのですか!?ありがとうございます!!ここ最近は、物騒なことが多いと聞かせてはいたのですが、強く止められなかった私のせいです。」
母親は、泣き崩れてしまった。
蒼空「大丈夫です。落ち着いて、子供が行きそうな所は?」
母親「っ、森です。森の深い所に咲く、綺麗な花があるのです。その花は、あらゆる願いを叶えてくれると言う迷信がありまして....」
そういえば、最近の新聞に小さく書かれていたような。
噂は噂、迷信は迷信、例えあったとしても叶わないだろう。
無邪気で純粋か子供なら、信じてしまっても仕方ない。
蒼空「森の深く....。」
母親「実はあの子、友達に体の弱い子がいまして。その子は、外で遊ぶことが出来なんだそうです。その子にいつも、外の話をしていて。」
蒼空「優しい子ですね。わかりました、必ず見つけてきます。」
母親「お願いします....!!」
蒼空は、森へと走った。痛む足を無視して。
?「〜♪」
蒼空「はぁはぁ....うわぁ!?」
?「きゃっ!?....ったぁ........あなた、大丈夫?」
急いでいた蒼空に、ぶつかってしまった少女は綺麗な金髪の髪に人形が側いるのが印象的な子だった。
蒼空「あ、はい........すみません!急にぶつかってしまって。」
少女はあまり気にしていないという表情をしている。
?「気にしないでいいわよ。随分焦っているみたいだけど、一体どうしたの?」
蒼空「実は子供が1人行方不明になっちゃって。その子のお母さんに聞いたら、近くの森に行ったのかもって。」
蒼空は、事の経緯を少女に説明する。
?「行ったのかもしれないってことは、何か心当たりがあるのね」
蒼空「はい、どうやらその森の奥にしか咲かない綺麗な花を探しに行ったそうなんです。あらゆる願いを叶えられるって言う迷信があるみたいなんですけど。」
?「その噂なら聞いたことがあるわね。確か東の森だったかしら?」
蒼空「東の森........ってここ、真逆の方向じゃん!!!」
?「....あなたまさか、具体的な場所も聞かずに飛び出してきたの?」(汗)
蒼空「はい.....。」
?「はぁ........気をつけて行ってらっしゃい、無事ぐらいは祈ってあげるから。」
蒼空「ありがとうございます!それでは!」
少女のおかげで、方向が違ったことに気づいた蒼空は、行ってきた道を走って戻るのだった。
ー東の森 奥
森の入口に入り、歩を進める。日は沈みはじめ、深いこともあり日の光はほぼ入ってこない。辺りは薄暗くなっていた。
蒼空「はぁはぁ....何処にいるんだろう?かなり深くまで来たのに見つからない。薄暗くて、見ずらい........。」
男の子「あったー!!!」
辺りを見渡す蒼空の耳に、元気に響く男の子の声が聞こえた。
声の聞こえた方向に急いで蒼空は走る。
男の子「あれ??あの時のお姉さん!どうしたの??」
なぜ息を切らしているのか不思議な顔をしている。
蒼空「それは、君を探しに来たんだよ。」
男の子「探しに?それより見て!!ほら!綺麗な花!見つけたんだよ!!」
男の子は、嬉しそうに花を蒼空にみせる。
蒼空「そっか、良かったね。でも君、外はもう日が沈んでる。それにここが危ない場所なのお母さんによく言われてたんじゃないのかな?」
男の子「あっ、えっと........」
蒼空「まぁ、説教はあと。早くここからでて帰ろう?」
男の子「うん、ごめんなさい。」
蒼空「大丈夫。君が無事でよかったよ。」
蒼空は、しょぼくれる男の子に微笑みかける。
男の子「うん。」
蒼空「さぁ、急ごう。」
蒼空は、男の子の手を握り入口へ歩き出す。その時
妖怪「グオオオ」
蒼空「っ、早速お出ましかな」
男の子「ひぃ!」
蒼空「大丈夫、大丈夫よ」
蒼空は男の子手を強く握る。
蒼空(今私では太刀打ちできない。今日初めて武器を扱ったばかり。逃げるしかない!)
蒼空「逃げるよ!」
男の子「う、うん!」
蒼空は男の子と走り出す
何十分走っただろうか、蒼空たちは息が切れていた。
蒼空「はぁっはぁっ」
男の子「はぁっ....お姉さん!僕....もうっ」
男の子が失速する。妖怪はそれを好機と見て襲いかかろうとしていた。
蒼空「!危ない!!」
蒼空は、男の子の手を引き抱きしめ庇った。同時に反動で2人とも地面に叩きつけられる。
蒼空「っ!大丈夫?怪我は!?」
男の子「だ、大丈夫。でも、お姉さん、背中が!」
蒼空「大丈夫」
血の匂いを嗅ぎつけたのか、木々の隙間からまた別妖怪が2匹顔を出した。
蒼空「そんなっ!」
(せめて、この子だけでも守らないと!!)
蒼空「ぁっ!」
(しまった........こんな、時に、思い出すなんて)
〜蒼空の記憶
「ははっ、んだその髪色?気持ちわりぃんだよ!!」
「そうよ、その碧い目だってこの世のものと思えなくて気持ち悪いわ!」
「んだよその目、何か言いてぇなら言えばいいだろ??」
「無理よねぇ?だってあなたーーーが怖いから!」
「「「あははははっ!!!」」」
〜
蒼空「っいやっやめて」カタカタ
男の子「お姉さん?大丈夫??お姉さん!」
蒼空「っ........」カタカタ
(体が動かない....殺られる!!)
パァンパァンパァン
落名「大丈夫かい!?」
蒼空「ぁっ、落名....くん」
男の子「落名お兄さん!!」
落名「蒼空さん、こんなに震えて。大丈夫もう大丈夫だから。」
蒼空「ごめ、なさい。ごめんなさい。ありがとう。もう大丈夫。」
落名「謝らなくていい。」
蒼空「....どうして、ここに?」
落名「ちょっとした依頼でね」
「さてと、よくも俺の友達を傷つけてくれたね?俺の力、見てもらうよ!」
弦符「ヴァンプ・ザ・サン」!!
妖怪「「「グアアアア!!!」」」
蒼空「凄い........」
男の子「落名お兄さん、すごく強いんだね!!」
落名「そうでも無いよ。蒼空さん、立てるかい?」
蒼空「はい、ありがとうございます。」
落名は、手を差し出し蒼空はそれを受け取る。
蒼空(ッ!!!やっばい足のことすっかり忘れてたー!!!はっ!バレて........ないな。危なぁ)
男の子「あの、お姉さん、手つないでもいい??」
蒼空「いいよ。」
蒼空は男の子に手を差し出し、男の子は手を握った。
落名「さぁて、2人とも帰ろうか。至る所にかすり傷、帰って手当てしないとね?」
ー人里
人里へ着くと、灯りを持った女性が心配しうな顔をして立っていた。
男の子「お母さん!!」
男の子はお母さんの元へ駆け寄る。
母親「琥珀!よかった、よかったぁ。無事だったのね」(泣)
琥珀「おかあさん....ごめんなさいっ」
母親「あんたが無事ならそれでいいのよ....!あぁ、ありがとうございます!ありがとうございます!!」
蒼空「いえ、大したことは」
(あれ、なんか体が........)
蒼空はふらつく感覚を必死に耐えていた
落名「もう1人で危ない場所に行くんじゃないぞ?」
琥珀「うん!お姉さん!落名お兄さん!ありがとう!!」
蒼空「どういたしまして!」
落名「それでは、俺たちはこれで」
母親「本当に、本当に、ありがとうございます!!」
ー親子と別れた後
蒼空(っヤバい、視界霞んできた。足の痛みも酷い........)
落名「蒼空さん?大丈夫かい?」
蒼空「っ大丈夫、ですよ?」
落名「本当かい??」
蒼空「っ........」フラッ
落名「蒼空さん!?っ」
地面に吸われるように倒れる蒼空をギリギリのところで落名は抱きとめた。
蒼空「すみませんっ、本当は....大丈夫じゃ、ないです。っ」
落名の手にぬるりとした感覚が伝わる。見ると、血がべっとりとついていた。
落名「その背中の傷!」
蒼空「すみませんあの子を庇った時に........あはは」
蒼空はかすれ声で笑う
落名「この馬鹿!!なんて無茶をしたんだ!!クソっ!」
落名は、凄く焦った表情で、医者の家に行くのだった。
ー数日後
あの日から数日後、落名くんには凄い形相で怒られた。なんで、傷を隠してたんだとか、足をくじいたのをなんでほっといたんだとか、諸々。
そして、その後回復した私の元に改めて親子からお礼があった。結果的には、守れたのだからOKではなんて思っている。が、落名くんにはすごい釘を刺された。
そういえばあの時、多人数だった。弓では明らかに不利だった。それも加えてあのトラウマ。いいかげん忘れた方がいいことはわかってるけど体に染み付いたものは消えてくれない。弓の腕について、また落名くんに特訓に付き合ってもらうことになった。さてさてと、今日もレイラくん探しと甘味処のバイト頑張りますかね!