ー紅魔館 主の部屋
コンコン
咲夜「失礼します。部屋の準備が出来ました。」
レミリア「ご苦労さま、じゃあ後は任せたわ。」
咲夜「はい。それでは、蒼空さん部屋に案内致しますわ。」
蒼空「はい!レミリアさん、とても楽しい時間でした。ありがとうございます。」
レミリア「お礼はいいわよ。こちらも外の話が聞けて楽しかったわ。」
ー紅魔館 ゲスト部屋
2つの足音が長い廊下に響き、やがていくつもある中の一つのドアに着くと音がやんだ。
咲夜「ここですわ。」
蒼空「ありがとうございます。」
咲夜「いえ、お客様ですから。それでは私は職務に戻りますので、なにか御用があればこのベルを鳴らしてください。」
蒼空「わかりました。」
木の取っ手が付いた金のベルを受け取った。
咲夜は、そのまま姿を消した。蒼空は、ドアを開け、ベルを机の上におきその左手にあるベットに腰をかけた。
そこから、夕食やお風呂を済ませ数時間たった。
不意に、ドアからノック音が聞こえた。
蒼空は、誰だろう?と思いながら、返事をする。
出てきたのは、メイド長の十六夜咲夜だった。
咲夜「夜分遅くにごめんなさいね。もう寝るところだったかしら?」
蒼空「いえ、これから日記を記そうと思っていたところなので大丈夫ですよ。」
咲夜「日記?」
蒼空「はい、飽き性なのであんまり書いてないんですけどね」
咲夜「そうなの」
蒼空「ところで、咲夜さん何かご用があったんでは?」
咲夜「えぇ、そうね。お嬢様とお話されていたでしょう?その時立ち聞きするつもりはなかったのだけど、彼の名前が聞こえて....」
それを聞いて蒼空は、レイラの事か。そういえば、レミリアさんも咲夜さんに聞かれるのは嫌そうだったな。確かすごく仲が良かったって聞いたけど。
蒼空「そうなんですか。」
咲夜「その....率直に聞くわ。貴方、レイラとどういう関係なの!?」
蒼空「えっ」
咲夜「レイラから聞いた親しい女性は妹だけだったわ!!」
蒼空(おいおい、私の存在忘れてたのかアイツ…)
咲夜「教えてちょうだい!私は、私は....」
蒼空「大丈夫。大丈夫ですよ。咲夜さんが思っているような関係じゃありません。私はレイラくんの親戚なんです。」
咲夜「親戚??でも、髪が....それに苗字もないって」
蒼空「あれは、レミリアさんなりの優しい嘘なんです。咲夜さんが取り乱すかもって。私のフルネームは、神矢 蒼空。髪は、生まれつきで祖父の血が色濃く出てしまっただけなんです。」
咲夜「お嬢様....。そうだったの。ごめんなさい。その、レイラの親しい女性がいるなんて聞かなかったから。すごく取り乱してしまって....」
蒼空「大丈夫ですよ。好いてる相手にそんなことがあったら誰だってそう思っちゃいますよね。それと、咲夜さんはレイラくんの事が大事なんだって伝わってきて、嬉しいです。」
咲夜「蒼空さん。」
蒼空「レイラくんは、割と自分のことを考えて行動しないので危なっかしいですから、貴方みたいに大事に思ってくれる人がここにいるなら安心ですね。」
咲夜「っ....///」
蒼空の言葉を聞いて、咲夜は思わず赤面した。
蒼空「さて、もう遅いですし、そろそろ寝ましょう?」
咲夜「ごめんなさい。ありがとう。それじゃあおやすみなさい。」
蒼空「おやすみなさい、咲夜さん。良い夢を。」
咲夜は、赤い顔をパタパタと手で仰ぎながら、スっと凛とした表情に切りかえて部屋の外へと出ていった。
蒼空(ふぅ、まさかそんな誤解をされるとは思わなかったなぁ。まぁいいけれど。でも、そっか、そうだよね。私が見たアレは確かな物なんだから、2人が両思いなの当たり前だよね。知ってたのになぁ、いざ触れるとこんなにも辛いなんて。結ばれないの分かってるのに、こんな感情持っちゃいけないのに、どうして消えてくれないの!!)
ー紅魔館 屋上
レミリア「あら?今日は曇りではなかったと思うのだけど。折角綺麗な、満月が見られると思ったのに、残念ね。急に曇るなんて....」
その夜、綺麗な満月は厚い雲に覆われて見えなくなった。
それは、誰かの心を移しているような....そんな空だった。