ぞくへんものがたりーレイラの親戚ー   作:神矢 蒼空

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第9話 蒼空の実力

ー1週間後

 

甘味処のバイトも順調にいき、しかし神矢 レイラには会えずじまいのまま時は流れ1週間。今日は、甘味処の常連の落名くんに依頼事をするため人里で待ち合わせをしていた。

 

蒼空(早く来すぎてしまっただろうか。)

 

落名「すまない、待たせてしまったね。」

 

蒼空「いえ、私が早く来てしまっただけなので。」

 

落名「そうかい?それで、話って何かな?」

 

蒼空「えっと、ここではなんですし、甘味処の竹田さんにいきません?」

 

落名「構わないよ。」

 

ー甘味処 竹田

 

抹茶色の暖簾をくぐると、少し甘い香りが鼻をかする。

 

甘味処のおじさん「やぁ!蒼空ちゃん!いらっしゃい!今日はバイトじゃあないけど、どうしたんだい?」

 

蒼空「バイトじゃないのは分かってますよ!今日は、お客さんとして来たんです。ここの甘味、すっごく美味しいから。」

 

甘味処のおじさん「そうかそうか!はっはっ!嬉しいこと言ってくれるねぇ!ん?後ろにいる連れは....もしかして彼氏かい!?」

 

蒼空「ち!が!い!ま!す!!友達です!!ほら、みなさんもよく知ってる方ですよ?」

 

落名「どうも、こんにちは。」

 

甘味処のおじさん「おっ、落名くんか!この間は、すごく助かったよ!ありがとう!」

 

落名「いえ、大したことでは」

 

甘味処のおじさん「まぁ、ゆっくりしてってくれよ!お二人さん。」

 

蒼空「ありがとうございます。」

 

落名「それじゃあ、あの辺に座ろうか。」

 

蒼空「はい!」

 

蒼空と落名は、向席になっている一角に座った。中の雰囲気は和風で深緑を基調とした布や黒い松の木を使った机や椅子が並んでいた。

 

落名「それで、蒼空さん。話って何かな?」

 

蒼空「実は、ココ最近、物騒じゃないですか?森の妖怪が強くなっていたり、普段でないところに出てきたり。」

 

落名「確かに。前と比べて、そういう事が増えたように思う。」

 

蒼空「それで、いざという時のために、戦えるようになっておきたくて」

 

落名「なるほど、それでは稽古をつけて欲しいと言ったところかな?」

 

蒼空「はい、それと、武器を選ぶのも手伝って欲しいです。何を扱えばいいのかちょっと分からなくて。」

 

落名「構わないよ。それじゃ、明日には武器も揃えておこう。」

 

蒼空「ありがとうございます。時間はどうします?」

 

落名「そうだな、今日と同じ時間でいいかな?」

 

蒼空「わかりました、ではまた明日。」

 

落名「あぁ。」

 

一通り、話し終えた2人は外へ出た。外はもうすぐ日が沈みはじめる時間帯で、子供たちは外で無邪気に遊んでいる。

 

蒼空(昔、レイラや竜葉ちゃんとあの子たちと同じように、日が暮れるまで外で遊んでたなぁ。)

 

男の子「こっちこっちー!!」

 

女の子「まってよー!!」

 

男の子「ほらほらー!そんなに遅いと置いて行っちゃうぞー!」

 

女の子「速いよぉ!っ!!危ない!!」

 

男の子「へ???」

 

蒼空「!」

 

男の子「うわぁ!」

 

蒼空「いっ....」

 

男の子「わわっ!お姉さん!!大丈夫!?ごめんなさい!前を見なくて!!」

 

女の子「お姉さん、大丈夫??ケガしてない??」

 

蒼空「ったた、大丈夫。怪我はしてないよ。心配してくれてありがとう。君は、痛いところない??」

 

男の子「ないよ!へーき!」

 

蒼空「そう、よかった。でも、前見ないで走るのはこうなっちゃうから、今度から気をつけてね?」

 

男の子「うん。本当にごめんなさい....」

 

女の子「今度から気をつけるね」

 

蒼空「いい子ね。さぁ、もうお家へおかえり?日が沈むと危ないから」

 

男の子/女の子「はーい!バイバイ!お姉さん!!」

 

蒼空「バイバーイ」

 

蒼空(さてと、上手く隠し通せたね。まさか、足をくじくとは。普段から転び慣れてるから受け身取れると思ったんだけど無理だったかぁ。これ、明日には治ってるかな??酷くならないといいんだけど。)

 

ー翌日

 

空は綺麗な青空を見せており、空気も澄んでいた。

 

蒼空(足、結局痛み残ったままだったな)

 

落名「おはよう、蒼空さん」

 

蒼空「おはようございます、落名くん」

 

落名「それでは、今日は約束通り稽古と、武器選びをしようか。」

 

蒼空「はい!お願いします。」

 

落名「ここでは危ないからね、場所を移動しようか。」

 

蒼空「そうですね。」

 

ー森

 

ここは、人里からして西に位置する森。普段人気はなく、妖怪も現れないこの場所は、稽古をつけるにはうってつけの場所あった。まぁ、蒼空は落名 真我に連れられて来たため、こんな場所があるとはっと言った感じであるが。

 

落名「蒼空さん、こっちだよ。」

 

そこには、いつ用意したのか分からない武器の山が。

 

落名「ではまずは、この武器から行ってみようか。」

 

蒼空「刀....ですか?」

 

落名が蒼空に差し出したのは、白い柄をもつ刀。刀身は黒色で日に照らされ輝いている。

 

落名「この刀は、数ある中でも軽く作られているものでね。試しに振ってみるといいよ。」

 

落名にそう言われ、蒼空は為にし数回ふった。

 

蒼空「はっ!やっ!たぁ!!」

(たしかに軽いかも?でも、なんか合わない気がする)

 

蒼空「っはぁはぁ....すみません。これはなんか合わない気がして。」

 

落名「ふむ、そうか。数回振っただけで息をきらしている。蒼空さんの体力を考慮していなかった。すまない。振り筋は良いし合わないとは思わないけど....まぁ、気を取り直して。そうだな、これとかどうだろう?」

 

次に落名が差し出したのは、銃。ハンドガンの部類だろうか?全体的に黒色で、鉄の光沢があった。

 

蒼空「銃....ですか?本物を見たのはこれが初めてです。」

 

落名「そうなのかい?そうか、じゃあ最初は俺と一緒に打ってみよう。」

 

落名は蒼空を後ろからサポートする。

 

落名「そう、腕はその位置、しっかり標準を合わせて。」

 

蒼空「はい」

 

落名「今だ」

 

パン

 

銃の反動が全身に伝わる。

 

蒼空「す、凄い!銃ってこんな感じなんですね!」

 

蒼空は、すごいすごいとはしゃいでいる

 

落名「ふふっ、凄いだろう?使いこなせるようになると」

 

パンパン

 

落名「こんな感じに、遠距離戦では強い味方になる。」

 

蒼空「なるほど、かっこいいですね!何となくコツはつかみましたし、1人で打ってみても?」

 

落名「あぁ、構わないよ」

 

蒼空(あの木を狙おう。)

グッ

 

パン ズサァ

 

蒼空「っ!はっ」

 

反動に耐えられなかった蒼空の体は揺らぎ、地面へ叩きつけられた。

 

落名「蒼空さん!?」

 

慌てて、落名は蒼空の元へ駆け寄る。

 

蒼空「だ、大丈夫です。反動に対応しきれなくて。」

 

落名は、蒼空の言葉を聞いながら怪我がないか確かめる。

 

落名「ふぅ、怪我はないようだね。」

 

蒼空「すみません。ありがとうございます。」

 

落名「無事ならいいよ。」

 

蒼空(あれ、なんか足がおかしい?なんか酷くなってない?)

 

落名「蒼空さん?」

 

蒼空「だ、大丈夫です!」

 

落名「........そうか。」

 

落名の視線は蒼空の足へと向けられていた。

 

落名(今ので足を痛めたか?)

 

蒼空「あ、あの!次の武器は?」

 

落名「え?あぁ、すまない。狙うのは得意なようだし、これはどうかな?」

 

差し出したのは、弓。全体的に白い。

 

蒼空「弓?」

 

落名「そうだよ。遠距離特化で命中精度が高く、反動とほぼないと言ってもいい。が、銃のように連続で打つには高い技術が必要だ。それと隙も大きくなる。でも、蒼空さんにはよくあってると思うよ。」

 

蒼空は、弓を手に取った。手に吸い付くような感覚。まるで最初からこの武器を使っていたかのような感覚。

 

落名「弓の扱いは、わかるかい?」

 

蒼空「はい、大丈夫です!」

 

落名「それでは、射ってみようか」

 

蒼空「ふっ」

ギィイィィ カーン トスッ

 

蒼空の射った矢は、そのまま狙った木へと吸い込まれていった。

 

蒼空「あたっ....た。」

 

落名「凄いよ、蒼空さん!初めてで当てるとは!弓があってたんだね。」

 

蒼空「ありがとうございます!」

 

落名「では、実践に使える位まで、練習していこう。」

 

蒼空「はい!よろしくお願いします!」

 

ー数時間後

 

それから、蒼空の集中力は凄いもので1度ハマると、メキメキとその腕をあげていった。落名も、段々と教えるのが楽しくなってきたいった感じである。

 

落名「蒼空さんは、飲み込みが早くて教えがいがあるよ。この3時間で、ここまで早く弓を射ることが出来るなら、低級の妖怪なら倒せるんじゃないかな」

 

落名は、蒼空の成長度合いをみて、少し驚きつつも評価した。

 

蒼空「本当ですか?嬉しいです!!」

 

落名「君が真面目に頑張ったからさ。」

 

蒼空「今日は、凄く勉強になりました。武器も扱えるようになりましたし!」

 

興奮している蒼空のお腹から、虫がないた。

 

蒼空「あっ」

 

あまりの恥ずかしさに、赤面する蒼空。

落名は、たまらず笑いだした。

 

落名「っくくっはははっ!!いや、ごめんっ。くくっ....確かに、もうお昼すぎてるからね。なるのも仕方ない。くくっ。」

 

蒼空「もう!落名くん!笑いすぎです!!」

 

蒼空は、笑う落名に顔を赤くしながら怒る。

 

落名「くくっ....はぁ、笑った。さて、人里に戻ろうか。」

 

蒼空「むぅ、はい。」

 

落名「ごめんごめん」

 

その後2人は、人里へ帰った。

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