【対魔忍RPG】稲毛屋のアイス その後 作:unko☆star
「…?」
今度は、ガルシアが驚く番だった。
手ごたえはあった――が、敵は技から逃れ、転げるようにして距離を取っている。
そしてガルシアの手には
「こんのおおおおおぉぉっ!!」
ゴウッ!!
アスカが先ほどよりも大きな竜巻を発生させた。
ガルシアは宙を舞い、派手な音を立てて滝壺に落下する。
ドボオオォン!!
「あっっっっタマきたわ!こうなったら――」
「おい!貴様らそこでなにをしている!」
さらなる術を繰り出そうとしたアスカの背後から突如、青い装束に身を包んだ忍者が2人表れた。
五車の警備を行う下忍たちだ。
「うえっ!?」
「五車の対魔忍ではないな?もしや――」
(やばっ!!)
「“風神・飛翔”!」
ビュオオオオオオ――!!
「なにっ」
「なっ、なんだあっ!?」
アスカは激しい突風を起こして下忍たちの目をくらませ、自ら――と、先ほど
下忍たちの間合いから外れたところでそれをキャッチし、そのままぐんぐんと上昇していく。
(あ、危なかったッ…!生身だったら死んでた…!!)
彼女は過去に強敵との戦いで両手両足を失い、今は鋼鉄の義手“アンドロイド・アーム”と鋼鉄の義足“アンドロイド・レッグ”を装着して戦っている。
それぞれに強力な兵器を内蔵したこの義手義足こそが、彼女が“鋼鉄の死神”と呼ばれる所以なのだ。
下を見やると、ターゲット――G-28は森へ逃げ込み、先ほどの下忍たちがそれを追いかけていくのが見える。
(ああ、私としたことが油断したわ…)
先ほどの戦闘――最後に自分の首をへし折ろうとした瞬間の、G-28の目――。
そこには、なんの感情も浮かんではいなかった。
ただ機械的に任務をこなし、一切の躊躇なしに人を殺す強化人間。
(まさに殺人マシーン、てワケね…)
アスカは一旦、手ごろな場所に着地し、無理やり切り離したために破損してしまった左足を修理することにした。
(あんな怪物を野放しにはしておけないわ…。見てなさい!)
――――――
――――
――
ガルシアは走った。
アスカとの戦闘前に服を脱いでしまっていたため、今の彼は全裸だ。
木の枝が皮膚を裂き、小石が足の裏に突き刺さるが、意に解することなく走り続ける。
闇夜の中、天然の障害物を全く苦にせずに、ぐんぐんと速度を上げる。
しかし、やはり地の利がある対魔忍のほうが有利だ。
「止まれ!」
先ほどの対魔忍の1人がガルシアの前に立ちはだかった。
いつの間にか敵は二手に分かれ、挟み撃ちにされてしまったらしい。
ガルシアはなおも速度を緩めず、真っすぐに前方の対魔忍に突進していく。
「止まれと言っている!」
ヒュッ!
対魔忍がガルシアの脚めがけて2本のクナイを投擲した。
「……!」
しかしガルシアは走りながら難なくそれらをキャッチし――
「なにっ」
――その勢いのまま、渾身の蹴りを対魔忍に叩きこんだ。
ドオン!
「はうっ」
対魔忍は2メートル先まで吹き飛ばされ、木の幹に激突した。
続けて、ガルシアは背後を振り向きざま、先ほどのクナイを投擲する。
「ぎゃあっ」
今しがた追いついてきたばかりのもう一人の対魔忍の両腕にクナイが突き刺さった。
そして次の瞬間、彼の目の前には拳を振りかぶるガルシアの姿が――
「うわああああああああああああああ」
ゴッ!!!
――右ストレート一発で敵の顔面を粉砕したガルシアは、最初に倒した対魔忍を振り返った。
木に叩きつけられ、地面に伸びたままぴくりとも動かない。
「…」
とりあえず追手は全滅させた。
しかし、だからと言って安心はできない。
恐らくこの追手たちは増援を呼んでいるはずだからだ。
がさっ。
背後で人の気配がした。
ガルシアは即座に反転し、迎撃の体勢を取る――
「ガルシア!」
――が、現れたのはクリアだった。
体中泥まみれで、服もところどころ破けている。
危険を顧みず、必死で夜の山を駆けてきたことが見て取れた。
「ゆきかぜが…招集…。侵入者、だって…。これから、対魔忍たち、山狩り…。だから、わたし…。」
ハアハアと肩で息をしながら、クリアが途切れ途切れに告げる。
やはり、既に侵入者を捕らえるための部隊が出動しているらしい。
「とにかく、別の場所に…。だいじょうぶ。あそこ以外にも、隠れられる場所、しってるから…」
クリアが手を差し出した。
「……」(フルフル)
しかし、ガルシアはその手を取らず、静かに首を振った。
「え…?」
「ト・ウ・キョ……」
――それは、つまり。
「行かなきゃ、ダメ?」
(コクリ)
「………わかった」
一先ず、クリアはガルシアが倒した対魔忍たちに応急手当を施した。
幸い、2人とも死んではいない。
この後駆け付ける部隊が発見し、病院に連れていくだろう。
「こっち」
クリアが先導し、ガルシアはその後を追う。
いつの間にか、空の色は漆黒から薄い青へと変わりつつあった。
今週のプレイ・ボーイ買ってきたけどやはり猿先生は天才なんだ
200話越えて今更噛ませ臭い新キャラの大量投入だとか、ラスボス候補が案の定ポッと出の既視感ありありキャラだとか、その場のノリ、もといライブ感で筆を走らせているのが見て取れるんだ
クライマックスに向かってるんだかどうだかわからない展開が続いてるけど、たぶん猿先生何も考えてないんだ