モブトラマンの怪獣墓場滞在記   作:クォーターシェル

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こっちの更新も久々ですね…


5話 再び地球へ

 

あれからダークネスブラックに新しいメンバーが加わった。名はゴドラ星人、変身能力をもった宇宙人である。このゴドラ星人、ダークネスブラックに入った理由はダンに会いたいからだという。ダン、つまりはウルトラセブンに会いたいとのことだが自分は雪辱を晴らしにでもいくのかと思っていたがどうも違うらしい。

 

なんとゴドラ星人はセブンに思慕を抱いておりだから会いに行きたいのだとか。うーん、ウルトラ戦士に恨みを持つ所か憧れるとは、本当にメフィラス星人やテンペラー星人のような例はここでは珍しいらしい。あのヤプールもエースが好きらしいという噂を聞いたときは本当に驚いた、こっちの世界ではエース所かウルトラ戦士の宿敵の一つなのに…

ていうかセブンは息子さんいるんですけど…それは知っているんだろうか。

 

そんなこんなで、我々ダークネスブラックは秘密裏に地球に行くことになった。

主にアイドル活動をするらしいが自分はいつの間にかマネージャーという立場になっていた。リーダー格の二人曰く。

 

「お前は男だしまあマネージャーでいいだろう。他のメンバーに混ぜるのも単独で活動させるのも面倒そうだしな」

 

「せいぜいこき使うから覚悟するだわよ」

 

とのこと。うーむ、女の子の集団の中で仲間外れにされないだけマシか?取り敢えずメフィラス星人とテンペラー星人を見張るのに不都合はなさそうだが…

 

さて、俺達が不在の間はモチロンがなんとか誤魔化すらしい。どうやって誤魔化すのかは分からないけど、点呼の件を見るに、まあなんとかなりそうだな。

ちなみに、ダークネスブラックの一員として一緒に行くはずだったジャミラは途中のアクシデントで怪我を負い、お留守番ということになった。なんて間の悪い…

 

後日お見舞いにはいったが、「いいなー!いいなー!」と羨ましがられた。

 

「自分は別に物見遊山とかじゃなくて一応レッドキングさんの迎えも兼ねていくんですけど」

 

「でも、地球の土を踏めるんですよね?私だけまた行けないなんて…」

 

「また機会は巡ってくると思うし、そこまで悲観的にならなくても…」

 

「ロメオさんは故郷が恋しくないんですか~?」

 

「そりゃあ、恋しく無いと言ったら嘘ですけど…」

 

「だったら私の気持ち、分かりますよね~~?あいててて…」

 

「大丈夫ですか!?」

 

どうやら興奮して身体に障ったようだ。

しかし故郷か…光の国からこっちに来て結構経つけど、割とここ居心地いいんだよな…

でも、本当に永い時間を経たならジャミラの気持ちも分かるようになるんだろうか?

取り敢えずジャミラを介抱して別れた。

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

さて、今日は出発の日である。メトロン星人の宇宙船にダークネスブラックのメンバーであるメフィラス星人、テンペラー星人、エレキング、メトロン星人、アントラー、ゴドラ星人、ツインテールにマネージャーの俺が乗り込み、怪獣墓場を飛び立った。

 

道中シーボーズを見かけたり、作戦会議をしながら地球のすぐ側まで来たのだが――

 

なんと大気圏突入の際に宇宙船に負荷のかかり過ぎで真ん中から折れる危険があったのだ。

このまま宇宙船があわやスクラップになりかけた時、俺は

 

「メトロンさん!外に出ることは出来ますか!?」

 

「え!?そっちのハッチから出れるけど、まさか!?」

 

「なんとかやってみます!」

 

俺は体に力を込めた、こっちに来てからやったことはないけどヒューマノイド態からの戻り方は――こうだ!

 

 

 

――SIDEメフィラス星人――

 

くそっメトロンめ!なにが木造の弾力だ、木造と聞いて不安になったが案の定ではないか。

この船の電気供給役をやっているエレキングのいる左ウイングに移る。その時だ、宇宙船が大きく揺れた。まさか、とうとう船体が折れたか!?……いや、それにしては何も起きない。どうなっている?宇宙船の窓から外を見てみると――

 

そこには銀と“緑”の体色をした巨人が宇宙船を抱えていた。

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

――SIDEロメオ――

 

ふう…なんとかなった。ウルトラ族の姿で宇宙船を保護したまま日本への不時着を成功させた。しかし、話には聞いていたけど地球で巨大な姿を維持したまま活動するのってかなり体力を使うんだな。

 

現在俺達は森の中を町に向かって進んでいる。ちなみ俺は力のあるアントラーに肩を貸されている。だってさっきの変身でフラフラなんだもん。歩いている途中メフィラス星人達が

 

「それにしても緑だったな…」

 

「緑ってなにー?」

 

「ああ、エレキングちゃんは見てないのか。さっきのロメオ君の姿のことだよ」

 

「緑だっただわよ」

 

「緑だったねー」

 

「緑でしたわ」

 

「緑でしたね」

 

「その、そんなに緑が珍しいんですか?」

 

言われるほどかなぁ…確かにここ最近俺のようなグリーン族は姿を減らしていて、宇宙警備隊訓練生の同期にも他に居なかったけど。

 

「いや、普通ウルトラ族は銀と赤だろ?少なくともM78星雲外では見かけたことないぞ」

 

「いやシルバー族とレッド族のことを言ってるんだと思いますけど、他にもブルー族やホワイト族とかいるんですよ」

 

「うむむ…ウルトラ族に緑色の奴がいるとか知らなかっただわよ…調査のし直しだわね……」

 

「それにしてもロメオよ」

 

「はい?なんですかメフィラスさん」

 

「癪だが、借りを作ってしまったな。まさかウルトラ族に助けられるとは…その、ありがとう」

 

メフィラス星人が照れくさそうに言う。

 

「ええ、気にしないでいいですよ。人助けはウルトラ族の性みたいなものですし、皆さん怪我も無くて良かったです」

 

さて、そういえば帰る時どうしよう。乗ってきた宇宙船は大破こそしなかったものの修理できる場所もなさそうだし、これまた無茶苦茶疲れそうだけど俺が皆を引っ張っていくとか?

うーん、取り敢えずこの話はその時になってから考えようか…

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

森を抜け、町に着いた頃には日が暮れていた。

取り敢えず我々は宿を探し、ネカフェなる場所で一夜を明かすこととなった。

案内された部屋ではソファやテーブル、本棚、小型コンピューターと言ったものがあった。

 

「「おお」」

 

「「わぁーー」」

 

皆こういう所に来るのは初めてなのか、中に入るなり感嘆の声を上げる。

まあ、俺も初めてなんだけどね! しかし、そんな声を上げている暇など無い。

なぜなら、俺は今から一人でシャワーを浴びなければならないからだ。

なんかドキドキするな…相手は女子の姿とはいえ中身は怪獣なのに。いや、そもそもウルトラ族ってそっち方面の欲は薄めなんだけどこっちに来てから、なのか?やけに三大欲求が強まっているような。別に別種族と融合した訳でもないんだけどな。

 

そんなことを考えながら個室のシャワールームで服を脱ぎ、森で着いた汚れを落とす。

ん~気持ちいいなあ~疲れた身体に効くな~とやってると個室の方が騒がしい。

なんだ?と思い、身体を拭きシャワールームから出ると皆がコンピューターの液晶を覗き込んでいる。

 

「どうしたんですか?」

 

と尋ねるとツインテールが

 

「あっロメオさん。パソコンでこの付近のことを調べたら…」

 

なんでもこの付近にあのモロボシ・ダンの店があるのだという。

それで皆(てかゴドラ星人が)興奮していたらしい。

ええ…いやウルトラ族がこんな所で堂々と店を出している可能性は低いと思う…

 

「本当なんですか…?」

 

「それを明日偵察に行く予定だ」

 

とメフィラス星人

 

「上手くいけばウルトラ兄弟を一人抹殺できるだわよ。フフフ…」

 

テンペラー星人は何か企んでいるって顔をしている。

 

「良し、今日はもう寝るぞ」

 

「そうですね、俺も…」

 

変身時の疲労が残り俺もかなり眠気がする…部屋の隅で寝させてもらおう…。

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

「ロメオさん。…もう眠ってしまったみたいですね」

 

「ふふ…今日でロメオさんに助けてもらったのはグドン犬の時と合わせて二度目になりますかね…」

 

「ロメオさん。こうしていつまで側に居れるかは分かりませんが、私ロメオさんのこと…」

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

朝になった。騒がしさで目を覚ます。

 

「あっロメオ君おはよーっ」

 

元気な挨拶をするのはエレキングだ。その横で

 

「お前らなんだその格好は…」

 

メフィラス星人が呟くので視線の先を見ると

 

「なにって見たまんまだよ」

 

「ああ…ダン待っていてくださしまし…」

 

メトロン星人とゴドラ星人が何故か看護師の衣装を着ていた。

 

「えっなんですかそれ?」

 

「ナース服だよ。モロボシ・ダンがメロメロになると思ってね、即配してもらったんだ」

 

「貴重な路費をそんなことに使うなだわよ…」

 

そんなことがあり、自分達はまず「モロボシ・ダン」の店に行ってからレッドキングと合流することにした。

 

ネカフェを出て暫く歩き、俺達はジョリーシャポーという店に到着した。店の看板にはデフォルメされたウルトラセブンのイラストが描いてあったが、まさかな…

 

店内に入った俺たちはハヤシライスを注文し、辺りを見回した。

 

「あっ!」

 

とメトロン星人が棚を指さした。

 

「どうした?メトロン」

 

「ここにメトロン星人とエレキングの人形が!」

 

「わぁーホントだぁ」

 

「わたくしのはないんですの?」

 

確かにメトロン星人とエレキングの人形が置いてある。その奥にはウルトラセブンの人形も…いや人形くらい珍しくないさ!俺もこの間手に入れたし。

 

「ふっ…」

 

「おねえさま?」

 

「期待してきたみたが…拍子抜けだな。ウルトラセブンが居る気配が一切感じられない」

 

「そうだな。どうやら当てが外れたらしい」

 

メフィラス星人がテンペラー星人に同意する。

 

「ワッハッハ!地球は我々のものだわよ!」

 

「それはいいから少し静かにしろテンペラー」

 

「そうですよ。あとテーブルに足かけるの行儀悪いです」

 

俺達はテンペラー星人に注意するが、テンペラー星人は調子に乗っているのかどこ吹く風と言った風だった。

 

「わたくしのどこにもないですのーっ!」

 

ゴドラ星人もうるさい。そんな時だった、店の奥から店員らしき男性がハヤシライスをこちらに持って来た。

 

「ん…なんか少し似てないか…?」

 

メフィラス星人が言った通りその顔はウルトラセブンの人間態ことモロボシ・ダンに似ていた。そういえばウルトラセブンの人間態にはモデルが居たらしいけど、まさかな…

 

「お待ちどう様。ハヤシライスです」

 

店員からハヤシライスを渡される

 

「いやいや、本物ならこんな所で給仕係なんてしてないだわよ」

 

それもそうかな……?ハヤシライスを食べることにしよう。

 

「ハハハ、飛んで夏の火にいる虫とはこのことだ!」

 

「デュワ!!」

 

メトロン星人とゴドラ星人はカメラを回して何をやっているんだ?

 

「お姉さま私タマネギ嫌いです!」

 

「ワハハ!ひょっとすると毒が入ってるかもしれないだわよ」

 

ちょっテンペラー星人なんてこと言うの!

 

流石に俺が注意しようとするとハヤシライスを持って来た店員が、

 

「うるさい!!食べろ!!」

 

と一喝した。それで皆さっきまでの喧騒が嘘のように黙ってしまった…凄い迫力だった…心なしか資料のウルトラセブンの掛け声を想起してしまった。

 

その後、ハヤシライスを食べ終えた俺達は、特に騒いでいた組は恐縮して店を後にしようとした。その時だ、さっきの店員さんが出てきて

 

「さっきは怒鳴って悪かったね」

 

と言ってきた。

 

「いや、うちの連れがすみませんでした…」

 

とこちらも謝った。どう考えても店内で騒いだこちらが悪いだろう。

店員さんは

 

「……君たちはどこか遠い所から来たのかな。旅先でハメを外したい気持ちもあるだろうけどその土地で礼を欠く様なことはしてはいけないよ。大人しく食べてくれるなら大歓迎。是非またいらっしゃい」

 

と忠告してくれた。これで、テンペラー星人達も少しは大人しくなってくれればいいんだけど。

 

去る時、彼に

 

「失礼ながら…薩摩次郎。この名前に聞き覚えは?」

 

と聞いた。

 

「……懐かしい名前だ。どこでその名前を?」

 

「その、俺の先輩から聞いた名前なんです。彼のことは忘れられないと」

 

「そうか……もしその先輩に会ったらこう伝えてくれ。モロボシ・ダンのことを忘れることはないと」

 

「はい」

 

これはあの人への伝言ということでいいのか…?エライことを聞いてしまったかも…?

 

俺は彼に一礼して皆の元へ向かった。

 




閲覧ありがとうございました。
今回の最後はまあ想像にお任せする感じで(汗)
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