スター☆トゥインクルプリキュア00 -A Wakening of stars-   作:サイト.txt

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皇女襲撃

 ラグランジュ3コロニー公社 建設中コロニー。

 アザディスタンの皇女、マリナ・イスマイールとお付きのシーリン・バフティヤールは、建設中のスペースコロニーの視察に来ていた。主目的は、前政権時代に強制的に連行され、今でも反強制的な労働が疑われている中東難民の実態調査だ。

「直接視察できないってどういうことです?」

「バフティヤール議員。コロニーの開発は、まだ初期段階で危険も多い。中東使節団の代表である貴女方の身に、万が一のことがあってはなりませんから」

「作業員の大半は前政権の中東政策で、コロニーに強制移住をさせられた人達。彼らの中には本国への帰還を望む者もいるはず」

「我々コロニー公社は連邦法に定められた通りの環境を作業員に与えております。それに、高収入であるこの仕事を、辞めたがるものなどおりませんよ」

「なら視察をしても!」

「危険だと申し上げました。視察は資源衛生中域のみで行っていただきます」

 取り合わないコロニー公社担当者。

「そちらのご都合は、よく分かりました」

「マリナ姫!」

「出来れば、作業員とその家族達に面会をさせていただけませんか? 私たちは、彼らに直接話をさせていただきたいのです」

「話を…ですか。うん。では、作業員宿舎への移動を日程に組み込みましょう」

 マリナ達は快諾するのであった。

 

 

 

「……視察ルートから外れていない?」

「ご要望であった作業衛星に向かっています」

「わざわざ資源衛星に宿舎を作る? どういうこと?」

「さあ?そこまでは」

「貴方はこのコロニーの開発現場をどう捉えていますか?」

「連邦法の労働条件は、満たしていますが」

「貴方の言葉で話してもらえませんか? 私は、中東の民は勿論ですが、貴方にも幸せになっていただきたいのです」

「……家族が幸せであれば、私も幸せです」

 哀しげに俯く男に、皇女は違和感を抱いた。

 

『船長より乗客の皆様へ。未確認のMSが接近。シートベルトの着用をお願いします」

 

 

 

「はぇ〜、未来のロケットって小さいんだね!」

「宇宙には上がれなさそうルン?」

「きっとエレベーターで宇宙にあげてるでプルンス」

「あ、見つかったでプルンス。通信を送ってみるでプルンス!」

 

『もしもーし! 聞こえ『後にしてくれ』』

 

 ブツッ。

「えぇ……切られちゃった」

「映画に出てそうな声だったね」

「何言ってるか分からないフワ」

「皆さん、あのロケット、あっちに行っちゃいましたよ!」

「追いかけよう!」

「AI!」

『了解しました』

 

 スターロケットが謎の黒いロケットを追いかける。先端についている白いトンガリはスターロケットみたいな『オシャレ』なのか。 

「推進剤の色がほぼ同じでプルンス。やっぱり星空界との交流があるかもしれないでプルンス!」

「ルン!」

 

 しばらく追いかけていると、他にもロケットが見えてきた。

「別のロケットです! バスみたいですね!」

「あれと合流しようとしてたのかな〜?」

 まどかとえれなが推理していると、白いトンガリの黒い飛行機型のロケットが急激に進路を変えた。

「うわっ! 凄く速〜い! キラやば〜☆」

「もしかしてあれ、ロケットじゃなくて戦闘機ルン!?」

 えーっ!? と一同が驚く。もしかしてバスのロケットを撃墜するために方向を変えたのかも! と全員が思った時。

『みなさま、ノットレイのようなもの発見しました』

 

 ロケットの窓に真っ先に飛びついたえれなが見たのは、巨大な銀灰色の人型だった。

「えっ!?」

「あれは! 巨大ノットレイ!?」

「5体もいるよ!?」

「もしかして、宇宙はノットレイダーに乗っ取られてたニャン!?」

 

 慌てる一同だったが、目の良いまどかが違和感に気づく。

「待ってください。頭にノットレイのマークがありません。それに、体にXの形が付いています」

「ノットレイダーじゃないのかな?」

「でもあれ、バスのロケットに向かってない? レーザー銃みたいなの持ってるよ!」

「もしかして撃墜しようとしてるのかも!」

 その巨大ノットレイのようなものが銃口をロケットに向ける。

「みんな!」

「「「「うん!(ルン!)」」」」

 

『スターカラーペンダント! カラーチャージ!

きらめく 星の力で あこがれの私描くよ

トゥインクル♪

トゥインクルプリキュア♪

トゥインクル♪

トゥインクルプリキュア♪

トゥインクル♪

トゥインクルプリキュア♪

スター☆トゥインクル

スター☆トゥインクルプリキュア あ〜』

 

「宇宙に輝く〜キラキラ星! キュアスター!」

「天にあまねく〜ミルキーウェイ! キュアミルキー!」

「宇宙を照らす、灼熱の〜煌き! キュアソレイユ!」

「夜空に輝く、神秘の月明かり! ふっ…キュアセレーネ!」

「銀河に光る、虹色のスペクトル! キュアコスモ!」

 

『スター☆トゥインクルプリキュア!』

 

「行こう!」

 スター☆トゥインクルプリキュアはロケットを飛び立った。威勢よくノットレイもどきに向かっていく。

 ボフン!!

 しかしその進路を遮るようにを遮るようにミサイルが到来。爆発してスモークが焚かれる。

「オヨ〜!? なんだスモークルン……ビックリルン」

『ラ-様。レーダー♪》◯!になっています。◯◯!♪》ください』

「AI!? 故障ルン?」

『ザーッ……』

 突然の通信異常。これはノットレイもどき……ではなく、コロニー公社が秘密裏に保有するGN-X ⅢのGN粒子と、スモークに含まれるGN粒子による作用なのだが、プリキュア達は知る由がない。それでも少しだけ通信できたのはサマーン驚異のメカニズムという他ないだろう。

 

「Eセンサーに反応! フラッグ!? から、ミサイルです!」

 プリキュアとフラッグを捕捉したコロニー公社のパイロット。ミサイルをGNビームライフルで無事迎撃した。

「いや、ミサイルと人間……スモークだと!? くそっ、だがこれでは奴も見えまい!」

「人間!? ……いや、放っておけ! 後でどうとでも!」

 スモークの中ではお互いに相手が見えないのだと高を括るパイロット。

 

 しかし。

「……!」

「やあああああああ!」

「何だと!?」

  フラッグとプリキュアがGN-Xの背後から強襲した。両断されるGN-X。

「プリキュア!獅子座・ミルキーショック!」

 強力な電撃でビームライフル、バルカン、ビームサーベルが爆散、衝撃でGN-Xの両腕が吹き飛んだ。

 

「シャトルを!」

 残りのGN-Xは3機。その内1機は視察団のシャトルへ向かっていた。

 

「だめっ!」

 飛び出すスター。足場のない宇宙空間での機動性は、足場を自由に作れるスターが頭一つ飛び抜けている。

 

「……っ!」

 転進しもう一機のGN-Xを撃破するフラッグ。しかしシャトルに向かった方には間に合いそうにない。

 

「取り付かれたっ!? あわわ…」

 混乱するシャトルのパイロット。戦闘機動なんて学んじゃいない。ロックオンして放たれたGNビームライフルによる射撃。

 スターの猛進も虚しく直撃するかと思われたが。

 

「アイハブコントロールっと」

 急激に動きが良くなるシャトル。射撃を寸前で回避した。しかし、被弾は目前である。

 

 だがこれでスターのカバーが間に合う。

「プリキュア スターパンチ!」

「ほ、星かっ!?」

 対MSの戦闘用Eセンサーは、人間の大きさの物体を無視する。反応が遅れたGN-Xはスターパンチの直撃を受け、装甲の固い胴体を残して爆散、無力化された。

 

 使節団はスモークの爆散と、抜け出してきたGN-XⅢの爆発により、敵性勢力の全滅を知った。皆がそれを眺めていると、不幸の音が空気を一変させた。

 

 音の発信源はすぐ分かった。コロニー公社案内役の人間が、銃口をマリナに向けている。

全員が、見えないワイヤーで拘束された。動けない。

案内役の男は、鬼気迫る表情だった。

「あなた…!」

シーリンが鋭い非難の声を挙げる。

しかし男は、ちらりとシーリンを一瞥しただけでマリナを注目したままだ。とはいえ、周囲の気配にも敏感に反応しそうだ。

 

銃口を向けられたマリナは、彼の覚悟の裏に一種の悲愴さを感じ取り、理解した。先ほどの会話。「家族が幸せであれば」というのは……

 

「これで……あなたの家族は、幸せになれるのですね?」

「ッッッッ!?!?」

男の顔に動揺のさざ波が走る。

 

銃声。

 

SPが最悪の状況を意識した次の瞬間、男の手から拳銃が弾け飛んでいた。そこからは一瞬の出来事である。マリナが気づいた時には男はSPにより取り押さえられていた。

 

マリナは安堵し、銃声の方向を見た。コックピットのドアが開いており、暗く穿たれた銃口がこちらを……ふと、視界の縁にカラフルな女の子が見えた。人間が生身で宇宙空間にいる!?

 

「襲撃がだめなら暗殺かい? コロニー公社も無茶をするねぇ」

 男はキャビンに入り銃を天井に向け、スモークのバイザー越しに不敵な笑みを浮かべた……ような気がする。顔は見えないが、その声には覚えがあった。モスグリーン色のパイロットスーツに身を包んだ……

 

「あなたはーー」

ソレスタルビーイングの、と言いかけたところで男に遮られた。

「どこかであったっけ?」

マリナは口を噤んだ。ソレスタルビーイングは最近、大々的な活動は控えている。ガンダムのガの字の話題も上がらないのだ。

 

男はキャビン前方のハッチに近づき、離船しようとする。

「待ちなさい!」

「離れてな、吸い出されるぜ」

非常用ハッチが解放された。キャビン内に強風が吹き、マリナはシートにしがみつき目を瞑った。ハッチは一瞬で閉まったが、男は船外にいつの間にか乗り付けていたフラッグとピンク色のシャトル……ピンク色!? の方へ漂った。

 

「ジーン1……」

「ソレスタルビーイング…」

「なんだあのロケット」

 

SPも困惑する中、フラッグと謎のロケットは使節団のシャトルから離れて行った。

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