女だらけの世界に男一人だけ放り込まれるとかどうかしてるぜ 作:アインスト
「頼むよ、お願いだから助けてー!!」
「えぇ‥‥‥」
ど う し て こ う な っ た ?
それは少し前に遡る───。
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数分前、俺たちは独房区画を抜けてショチョーに追われつつも出口を目指して駆けていた。
だがその途中、珍妙な光景を目にしたのだ。
女の子がクモの巣に引っかかっていたのである。
もう一度言おう、"クモの巣"に引っかかっていたのである。
「お、おいそこのお前ら!お前だよお前、首をかしげるなって!!」
「‥‥‥おいどうするよ」
「これは‥‥‥どうコメントしていいものやら‥‥‥」
うーん、と首を捻るシンイリ。
流石に悔しいのか恥ずかしいのかわからないが、涙目で引っかかっていたヤツは"笑いたきゃ笑えよ!!"と負け犬の遠吠え。
「あっはっはー!──これでええか?」
「くぅ、バカにしてぇ‥‥‥こんな姿見られたくなかったけどショチョーに見られるよりかはマシか‥‥‥」
「ふむ、困っているのはわかるが我々も急いでいるのでな。失礼するぞ」
「な、ちょっと待てって!私は刑務官だぞ!?言うこと聞けよ!!」
「囚徒に助けを求める刑務官がいるか?」
「いやいねぇだろうなぁ‥‥‥」
「もうそんな事言ってられないんだよぉ!お願いだから助けてぇ!」
「助けてって言われてもどうすりゃいいんだよ。水でもぶっかけりゃいいのか?」
「そんな事したらずぶ濡れになっちゃうだろ!?ほ、ほら!これやるから!」
そう言って彼女はポケットからカギを投げ渡した。
倉庫のカギらしく、倉庫から"殺虫スプレー"を持ってくればなんとかなるらしいが‥‥‥。
「殺虫スプレー、だよな?」
「そ、そうだって言ってるじゃないか!」
「なら‥‥‥これ、使えるんじゃないか?」
そう言って俺はスプレー缶を見せた。
「あっ!それ、それだよそれ!っていうかなんで持ってんだ!?」
「いやぁ、こいつらと合流する前に何か使えるものないかと思ってな。カギがかかってたもんだから扉爆破して入った部屋にあったから持ってたんだよ」
「いやいや、そんなんどう使えるん?普通持ってかんやろ」
「いや、牽制に使えるんだぞ意外と。こうしてライターを前に持ってきてスプレーを吹いてやると‥‥‥」
実演すると火炎がまっすぐ伸び、壁にチリチリとあたる。
お手軽火炎放射器ってやつだ。
「うわっ、危ないなお前!何してるんだよ!」
「いや、実演しただけだが」
「ともかく、これがあればなんとかなるんだな?」
「そ、そう!だから早くそれを──」
「かければいいのか?」
そういうのが早いか、ガンタイは手早く俺の手からスプレーを取り、そしてハチ(後に知った)におもいっきりぶっかけた。
こっちに向けるんじゃない、やめろ、と言っていたがその抵抗むなしくスプレーの中身をぶっかけられていった。
そうするとみるみるうちにクモの巣が取れていき、ハチは救出された。
「うぅ‥‥‥私ごとかけるなんてひどいぞ‥‥‥」
「いや、すまない。手元が狂ってしまったんだ、他意はない」
いやあれ手元が狂ったってレベルじゃないだろ。
「もういいよ‥‥‥抜け出せたし。一応、礼は言っとく」
「言葉より物で感謝してほしいなぁ?」
うーんこの外道。
流石クイーン、ぶれない。
「まったく‥‥‥まぁいいだろ。ほら、この先のカギを開けてやるから」
「ひゃっほーぅ!!お宝っ!刑務官にも話がわかるヤツがいたんやねぇ!」
「私がここで引っかかってたのは秘密にしろよ?絶対だぞ!?」
「わかってる、他言はしないさ」
そんなこんなで彼女と別れ、さらに探索を進める。
‥‥‥でもまさか、ここで"あいつら"と会うなんてなぁ‥‥‥。
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「だいぶ進んだな‥‥‥この調子ならもうすぐだ」
「そうですねぇ‥‥‥そういえばお姉様、何だか軽快な音楽が聞こえてきません?」
「そういえばそうだな‥‥‥確かこの先は刑務ロボの格納区画だったか。その先から聞こえるみたいだ」
「そんなんようわかるな。カハヴの勘ってやつかぇ?」
「まぁこの辺りは何回か偵察しているからな‥‥‥少々予定外だが、様子を見てまずいようなら強行突破しよう」
「アイマムです、お姉様」
そう言ってこっそりと格納区画へ進入すると、普通ではあり得ないことがあったのだ。
まず、奥の方。
奥には赤いボディの単眼のロボットが二体、踊っていた。
何を言っているかわからんだろうが俺もわからん。
だが二度言おう、踊っていた。
んで、ロボットの手前。
その赤いボディの単眼ロボが三体、床に座って囃し立ててた。
それからその横にはコンポのようなものを展開していた四足歩行型ロボが鎮座していたのだ。
‥‥‥どれもこれも見覚えがありすぎる。
まず赤いボディの単眼ロボ。
こいつらは"ロシアの星"が開発したとかいうロボット兵士、"ゲオルギーUSN"だ。
個々としての能力は低いが、集団で集まってかかってくると遺憾なくその強みを発揮する。
で、四足歩行型ロボ。
こいつは背中にカバーユニット(隠れるための弾除け)を背負っている"シケイン"と呼ばれていたサポートユニットだ。
しかしただの弾除けと侮るなかれ、なんとヘッドユニットからレーザーが出るわ、ヘッドチェンジしてミサイルユニットを出してミサイル放り出すわでなかなかに面倒。
ゲオルギーなどがいなくなったのがわかるとカバーユニットをしまって四足で軽快に走り回りながらミサイルをばらまくから余計に面倒さが増しているのだ。
‥‥‥あれ、ちょっと待て。
コンテナで隠れて見えなかったがゲオルギーよりも二回りほどデカいヤツがいたわ。
こいつは確か‥‥‥"ロマノフ"か。
右腕がキャノン砲になっていて、その死角に入り込もうものなら左腕のクローで掴みかかってくるヤツだな。
しかも耐久値が高いので少々面倒な相手だ。
というかこいつがゲオルギーたちと和んでるとこを見るのはなんか新鮮だなおい。
「‥‥‥何やこいつら」
「何だか楽しそうだな‥‥‥交ざっても襲われなさそうじゃないか?」
「えぇ‥‥‥」
「‥‥‥」
「うん?どうしたんだサム、そんな神妙な顔をして」
「いや‥‥‥ちょっと待ってろ」
そう言って俺はゆっくりとゲオルギーたちの元へ向かう。
ある程度近づいたがやはり気づいていない。
‥‥‥これはもしかするともしかするんじゃないか?
「‥‥‥おい」
「───!?」
俺が声をかけると物凄い勢いで後退りするゲオルギーたちとロマノフ。
シケインは何のこったとカバーユニットをしまう。
「‥‥‥」
「───」
両者にらみ合い。
腕に格納したBLADEシステムもすぐに出せるようにしていたが‥‥‥なんだ、こう、シンパシーみたいなものを感じてな‥‥‥。
「‥‥‥!」
「───!」
ピシガシグッグッ、と友情を結んで見せたのだ、まる。
「な、何が起きてるん‥‥‥?」
「睨み合ったかと思えばいきなり仲良くなって‥‥‥お姉様わかります?」
「何だろうな‥‥‥この、"昨日の敵は今日の友"のような‥‥‥」
そんな事を話している間に俺はゲオルギーたちとロマノフは当然あれ(ピシガシグッグッ)をして友情結託、シケイン?頭撫でてやったよ。
照れて頭引っ込めるシケイン可愛いぞ。
「なぁ、こいつらも連れてっていいか?」
「自分は構わないが‥‥‥どうだ?」
「私はお姉様に従いますよ。それに心強そうですし!」
「せやな。ようわからんけど何だか憎めなさそうだしええんちゃう?」
「なら、決まりだな。サム、彼らに名前はあるのか?」
「ああ。ただゲオルギーは五体いるからな‥‥‥」
「あの赤い子ですか?」
「そうそう。どうしたもんか‥‥‥」
「ならウチの部下に来ぉへん?名前は安直やけど1号2号とか、それでええ?」
クイーンがゲオルギーたちに向かってそう言うと、彼らは名前をくれた事と頼れそうな大将が出来て嬉しいのか、さっきまでやっていたダンスを踊り出した。
よっぽど嬉しかったんだな。
「で、この大きい子が‥‥‥」
「ロマノフだ。頼りになるぞ、耐久性も高いしな」
「──!(ドヤッ)」
俺がそう紹介すると、"前線は任せろ"と言わんばかりに胸を叩き、ドヤ顔とも取れる仕草をしてみせるロマノフ。
するとシケインが俺も忘れるな、と足でツンツンとつま先を踏んでいた。
「ああ悪い、お前も頼りになる。これから頼むな」
「──!」
「さて、では先へ行くぞ!」
「はい、お姉様!急ぎましょう!」
「さーてここから出ればお宝が待っとるでー!行くでお前たちー!」
「───!!(武器掲げて張り切っている)」
さて、もう一踏ん張りだ。
続く
やったねクイーン、手下が増えたよ!()
本編やっててクイーンさんちょっと苦労人だったと思い、手下居れば少しは和らぐかなぁと思って例のゲオルギーたちを手下にした次第。
次回あたりにショチョー戦かな。
では、次回更新でお会いしましょう。
要望あれば活動報告にて上げてるのでよろしければそちらにどうぞ。
感想とかもお待ちしてます。
ではでは( ´-ω-)ノシ