女だらけの世界に男一人だけ放り込まれるとかどうかしてるぜ 作:アインスト
ではほんへ、どぞ。
さて、前回までのあらすじ。
ようやっとこさ出口までたどり着いたまでは良かったが、出口の前でショチョーが立ち塞がり戦闘に。
苦戦を強いられた俺達だったが、ガンタイたちの心強いサポートで打ち倒すことができた。
その際ガンタイが右目で何やら摩訶不思議な力を使ってショチョーを行動不能にしていたが、それは余談で。
そうして打ち倒したものの、ショチョーはなおも起き上がったのだった。
「貴様ら‥‥‥!」
「流石はショチョー。まだ動けるというのか‥‥‥」
「ホンマ、この刑務棟をまとめるショチョーなだけあるわ」
クイーンが感服して腕を組む。
これ以上の戦闘は出来ないと俺も判断し、BLADEトリガーを収納しタバコを一本取り出す。
シンイリも名前負けしてないとショチョーを評価し、ウンウンと頷く。
だがショチョーはその事に関して不服に思うことがあるのか、若干声を荒げる。
「黙って聞いていれば‥‥‥いい加減にしないかッ!」
「‥‥‥あん?」
いざタバコに火をつけようとしたところで、驚愕(なんとなく感付いていたが)の事実をショチョーは暴露する。
「自分はッ‥‥‥この刑務棟の長ではない!!」
「な、なんやてぇ!?」
「ショチョーさん、署長じゃなかったんですか!?」
「あー‥‥‥やっぱりなぁ‥‥‥」
「やっぱりって、サムあんた気づいてたん!?」
「いや、だってなんとなくわかるだろ。ショt‥‥彼女がその呼び名で呼ばれると顔をしかめているしよ」
「何っ、てっきり囚徒が色々やらかすからそれに怒っているのかと思っていたが違ったのか」
「だから言ってるだろうがっ!!それに、本物の署長はとっくにお前たちが倒してしまったよ‥‥‥」
「‥‥‥ってことはつまるところショチョーは」
「"ただの刑務官"だ!!」
おぉう、大層ご立腹。
そりゃ今の今まで勘違いされっぱなしだったから思うところはあったんだろうなぁ。
まぁ昔のことは俺はよくわからんが。
「‥‥‥で、だ。貴様ら本当に出るのか?」
「当然だ。そのためにここまで来たのだから」
「‥‥‥ここだけではなくこの惑星からも、出るのか?」
「あぁ、そうだ」
「‥‥‥ギデオンにも話したが、ここには脱出のための船なんて一隻も"存在しない"んだぞ?」
ショチョーはガンタイにそう言い聞かせるが、ガンタイは止まらない。
元よりここから出るために来たのだから止まることはしないはずだが。
「脱出不可能なんて、誰が決めた?──私たちは、完全な自由を勝ち取る。その瞬間まで抗ってみせる。そのための覚悟もここにある。その瞬間まで私たちは絶対に諦めない。たとえその可能性がどんなに小さくても、しがみつくと決めたのだから」
「‥‥‥ふっ。まぁ、何か策があっての事だろう。勝手にしろ。何処にでも行ってしまえばいいさ」
ガンタイの決意に感化されたのかわからないが、ショチョーはもう観念したようでもはや止めることなどしなかった。
ガンタイたちが彼女に一礼し、出口から出た直後に俺も続くと、ショチョーに引き留められる。
「‥‥‥サム」
「ん?」
「──あいつらを、頼むぞ」
「‥‥‥言われなくても、そのつもりだ」
「なら、いい。さて‥‥‥私も明日からの職を探すとするかな‥‥‥」
その言葉を背に受け、俺は出口へと足を運ぶ。
出口から出ると、そこには広大な土地が広がっていた。
一足先に出ていたガンタイたちも、感銘を受けていたようだ。
「わぁ‥‥‥これが惑星ウルカデンッ!刑務棟の外の世界ッ!」
「ひゃっほぉう!久々のシャバの空気はうまいわホンマ!!」
「おおよそ一年ぶりの外界‥‥‥流石に感慨深いものがあるな‥‥‥」
「おいおい、イチイチ感銘しててもキリがねぇぞ。これからやらなきゃならんことがたくさんあるんだろ?」
「あっ、せやせや。サムが言っとったようにこれからどうするん?流石にノープランじゃないんやろ?」
「まぁな。実はなクイーン、ここウルカデンには宇宙船が一隻もないという情報。あれは間違いなんだ」
ガンタイがそう言うと、クイーンとシンイリは揃って首をかしげ疑問を露にする。
俺も流石に疑問に思い、それをガンタイにぶつけてみる。
「まさかあるってのか?その宇宙船ってのが」
「まっさか!そんなんあるわけ──」
「あるんだな、それが」
「でもお姉様、この惑星って確か‥‥‥」
「ふふ、"目に見えているものだけが真実ではない"──そういうことさ」
「うーん‥‥‥やっぱさっぱりわからへんわ」
「詳細については追々説明する。だが‥‥‥本当に着いてくるのか?言ってしまえば簡単な計画だが、その道のりは──」
「そう近くはない、やろ?なんでもええよ。ウチにウルカは狭すぎるし、もっと何でもできるところでないとつまらへんねん」
「私はお供しますよ!見果てぬ星の大海、その向こうまで‥‥‥まぁちょっと邪魔者はいますけど」
そう言ってシンイリはクイーンをじろりと睨む。
それに火がついたのか、クイーンも食って掛かる。
その様子を見て、ガンタイは一人微笑む。
「‥‥‥騒がしくなるな。この旅はよ」
「ああ、違いない。だがサム、いいのか?お前にまで着いてきてもらって‥‥‥」
「構いやしねぇよ。どうせ一人で行っても土地勘ねぇから何処かで野垂れ死んじまうしな」
「そうか‥‥‥ところで彼らも連れていくのか?」
そうガンタイが目配せした先にはゲオルギーたちがクイーンを落ち着かせようと奮闘している様があった。
まぁ、悪い奴らじゃないし大丈夫だろうとガンタイには伝えた。
「ぬぉぉぉぉ離さんかい1号2号!ウチは目の前の腐れカハヴをぶん殴らんと気がすまんのやぁぁ!!」
「───!!(汗)」
「────!(落ち着いて姉御、と言っているようだ)」
「ぷーくすくす、部下に怒られてるじゃないですかぁ。そんなんでやっていけるんですかー?」
「ぬがぁぁぁぁぁ!!」
「────。(あーもうメチャクチャだよ)」
「‥‥‥流石にそろそろ止めるか。ガンタイ、手伝ってくれ」
「わかった。ほら二人とも落ち着け、先は長いんだからな───」
そうだ。先は長い、ゆっくり、着実に歩を進めよう。
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「‥‥‥左目が疼く。漸く私の半身が動き出したか」
暗い一室で、一人の女が呟く。
その一室に、赤い装甲を身に付けた"何か"が進入する。
「首尾は、どうかね?」
「‥‥‥貴方か。何、問題ない。焦る必要もない。いずれ全てのピースは私の手元に集まることになる。そういう運命になっているのだから」
「そうか‥‥‥計画倒れしないことを祈ろうではないか」
"何か"がそう付け加えつつ語ると、女は"何か"を睨み付け言いきる。
「一応言っておくが、貴方の出番はないよ────"ザイツェフ"」
「‥‥‥フッ」
ザイツェフと呼ばれたそれは、仮面の中で歪な笑みを浮かべたのだった。
続く
という訳でほんへでした。
楽しんでいただけたでしょうか。
あいっかわらず亀さんスピードで話が進みますがそこはご了承ください( ´-ω-)
では、次回更新でお会いしましょう。
感想などお待ちしてます(白目)
ではでは( ´-ω-)ノシ