遊戯王 渓谷の戦士   作:Σ3

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『前回は萌が足りないという理由でミスティルが精霊界に帰って僕が翼の精霊になったんだ!』

「違うよ!力を取り戻すためにミスティルは一度精霊界に帰っただけだよ!」


第10話 《地獄皇帝爆誕!》

 

 

 

 

 

ミスティルが精霊界に帰ってから、殆ど何も起きなかった。変わったことといえばミスティルとは違いヴェーラーはいつも翼に付いていることだけだ。

 

「はぁ…」

 

翼は無意識に溜息を吐いた。ここはオシリスレッドの食堂でその溜息に殆どの生徒が反応した。その溜息の理由を聞いて翼との接点を作りたいとどうやって声をかけるかそれぞれの机で話し合いが始まった。

 

『どうしたの翼?』

 

ヴェーラーがニコニコ顔で聞いてきた。

 

「あ、いや、なんでもないよ」

 

『なんだ、そこまでミスティルに会いたいんだ』

 

「そう言う訳じゃ…」

 

ヴェーラーはクスクスと翼をからかうのを楽しんでいた。ヴェーラーはいつもこうやって翼をからかって楽しんでいる。

 

「ほらほら静かに~」

 

数人が翼に話しかけようとしたらそこに大徳寺先生が見たことのない小さな一人の生徒を一緒にやってきた。話しかけるタイミングを失った生徒たちはまた落胆した。このように翼に話しかけたい、翼と友人からでいいから重大みたいに親しくしたいと思うモブの生徒たちはこうやってタイミングを失い続けているのだ。

 

『ほら、編入生らしいよ』

 

「え…」

 

ヴェーラーが指差したところにいた大徳寺先生の隣にいた生徒を見て翼は呆気にとられた。

 

「早乙女レイ君だニャ~」

 

紹介されたのは見るからに小さい女の子だった。帽子を被っているのはおそらく長い髪を隠すためだと考えた。しかし誰も男の子だと疑わなかった。それなら自分も男として見て欲しいと思う翼だった。

 

「じゃあレイ君は…」

 

「大徳寺先生!僕の部屋で構いません!」

 

翼は勢い良く立ち上がって手を挙げた。なぜそこまでしてデュエルアカデミアに来たのかを確認するのと同時に女の子なら他の部屋に置くのは危険だと判断して翼はレイと相部屋になることに決めた。

 

「ええっ!?」

 

大徳寺先生はその行動に驚き、その場にいた十代以外の全ての人間が驚いた。まさか女の子の翼が男の子であるレイと同室に進んでなるなんて驚き以外の何物でもないからだ。十代はみんな何を驚いているのか分からず頭に?マークを付けながら皆を見ている。

 

「ダメ…ですか?」

 

大徳寺先生はどうしようか困惑した。本来なら編入したてで慣れないレイのためすぐに友人になってくれる気さくな十代と同部屋にする気だった。しかし翼にはルームメイトがいない。もしかしたらルームメイトが欲しいのではないかと考えた。

 

「先生、僕もあの人の部屋がいいです!」

 

困惑する先生の横でレイが翼と同じ部屋がいいと訴えた。

 

「そ、それならレイ君の部屋は風龍さんの部屋に決定だニャ」

 

大徳寺先生は色々と不安があるが取りあえずレイを翼の同室にすることにした。

 

そして一緒の部屋に入ったレイと翼は座って数分間無言で見つめあっていた。

 

「ねぇ」

 

「あの」

 

静寂を打開しようと声をかけようとしたが同時に声をかけてしまったためさらに気まずくなってしまった。

 

「あ、早乙女さんからでいいよ」

 

「ううん、そっちからで…」

 

「…君は女の子だね」

 

翼はいきなり核心をついた。

 

「う…はい」

 

レイはもう言い逃れはできないと思い素直に認めた。そして帽子を取ると隠していたきれいな長髪が流れるように露わになった。

 

「僕は風龍翼、取りあえずよろしく」

 

「うん、よろしく翼…」

 

一体どんなことを言われるのかビクビクするレイを見て翼は優しい口調で質問した。

 

「じゃあ早乙女さん。どうしてこのデュエルアカデミアに男装してまでここに?」

 

「レイでいいよ。それにさん付けは止めて欲しいな」

 

「そうなんだ、じゃあレイちゃんでいいかな?」

 

「皆のいる所でその呼び名は止めてね。一応男としてここに編入してきたんだから」

 

「分かってるよ。それでどうしてここに編入してきたの?」

 

そう質問をされるとレイは少し黙り込んで俯き上目遣いになった。

 

「…笑わない?」

 

「大丈夫、笑わないよ」

 

レイは顔を赤くしてもじもじしながら答えた。

 

「実は…一目惚れした人がアカデミアに居て…その…」

 

「そうなんだ…凄いねレイちゃんは」

 

翼はレイに本心を伝えた。翼はミスティルに会うまでは自分から進んで何かをするなてしたことのない人間だった。だからこうやって一人で自分から好きな人のためにデュエルアカデミアを目指し、成し遂げたレイを見てちょっとした尊敬の念を抱く翼だった。

 

「どうしてそう思うの?」

 

「だって好きな人のために頑張ってデュエルアカデミアに編入してくるなんて凄いよ」

 

「…うん」

 

翼に褒められて嬉しい反面どこか申し訳なさそうになるレイだった。

 

「でもなんで編入試験に受かるのに入学試験に受からなかったの?」

 

「あ…その…」

 

その質問に少し動揺するレイはどうにも何かを誤魔化しているように見えた。

 

「どうしたの?」

 

『ねぇ翼、この子絶対小学生だよ』

 

「え?」

 

ヴェーラーはその答えが既に分かっていた。翼はいきなりの発言で思わず反応してしまった。

 

『取りあえず鎌をかけてみたら?』

 

「うん」

 

「どうしたの?」

 

レイは精霊が見えていないため翼が独り言をしているように見えた。

 

「本当に凄いよレイちゃんは、私より小さいのに」

 

翼がヴェーラーの言うとおり遠まわしにレイが自分よりも年下であると分かっているということを伝えた。するとレイは体をビクッと一瞬震わせた。

 

『ビクッとしたね』

 

「ねぇ、レイちゃんの本当の学年は?」

 

「う…小学五年生…です」

 

ヴェーラーの洞察通りだった。この事実に翼は驚いた。自分が苦労した入学試験より難しい編入試験にこんな小さい子が受かったのかと。

 

『やっぱり』

 

「…レイちゃん」

 

翼はジト目でレイを見た。

 

「う…ごめんなさい。会いたい一心で色々と…」

 

「謝る相手が違うでしょ」

 

年齢を偽ってまでここに来る行動力に翼は感心せざるを得なかったがしかしいけないことには変わりないのだ。

 

「ハァ…よくお父さんお母さんが許可したね」

 

「うっ…」

 

翼が何気なく両親のことを口にするとまたレイはビクッと体を一瞬震わせた。

 

『まさか…』

 

「まさか、何も言わずにここに?」

 

「…はい」

 

本当に申し訳なさそうにレイは答えた。

 

「今すぐ帰りなさーい!」

 

翼は思わず大声で叫んでしまった。

 

「…とは言ったけど本土に向かう次の船が来るのは来週なんだよね」

 

しかしよく考えたらアカデミアは孤島、本土への船も一週間ごとにしか来ない。

 

「お願い!それまで黙っててください!来週には必ず帰ります!だから…」

 

それにレイはそこまでして一目惚れした相手に会おうと頑張った。その思いを無下にはできない翼だった。

 

「分かったよ。でもお父さんお母さんには直ぐに連絡してね」

 

「あ、ありがとう!」

 

というわけで来週の船が来るまで翼はこのことを誰にも言わず、レイはデュエルアカデミアの生徒として過ごすことになった。ちなみにこの後レイは両親にこのことを包み隠さず連絡して結構な時間説教されたという。

 

そしてレイとの親睦を深めようと目論んだ十代が翼とレイを風呂に誘おうとしたが翼の部屋に入ろうとするところを大徳寺先生に見つかり長時間説教を食らったことも付け加えておく。

 

次の日、翼とレイはアカデミアで授業を受けた。隣に座っていた翼はレイが高校生の授業についていけていることに感心した。

 

「レイちゃ…レイ君は凄いね。さすが編入試験に受かっただけはあるね」

 

「そ、そうかな?」

 

廊下を歩きながら雑談をしている二人の背後に、世界の滅亡級の絶望を味わった顔をした男が柱の陰に身をひそめて二人を、いら翼を見ていた。

 

「あ、ああ…」

 

もう言わずともわかると思うがその男とはカイザーである。

 

「だぁれだあの小僧は」

 

怒りと憎悪に満ちた表情で翼の隣にいるレイを睨み付けるカイザーだった。しかしカイザーはレイにちょっとした違和感を感じた。

 

「いや、待てよ…よく見ると」

 

カイザーはレイの被っている帽子、顔、そして体つきを総合的に分析した。

 

「あれは女か!」

 

その結果カイザーは自力でレイが女の子だと見破った。そんな分析力があるなら翼を男の子と分析してほしい。しかしそれでもカイザーの翼への愛が止むことはないだろうが。

 

「ふぅ…良かった。我が嫁を誑かす小僧ではないらしい」

 

カイザーは安心して翼へのストーキングを続行した。

 

「翼は僕が来るまで一人であの部屋に住んでて寂しく思ったことはないの?」

 

レイに素朴な質問をされて翼はちょっと回答に困った。

 

「え、無いよそんなこと」

 

実際にはミスティルがいて、ミスティルが精霊界へと帰った後もヴェーラーがいつも一緒にいたためそんなこと考えたこともなかった。

 

「凄いなぁ、普通あんな男だらけの寮に女の子一人で住んでたら怖いはずなのに」

 

「やっぱりそう思うんだぁ…」

 

翼はレイすらも自分のことを女の子だと思っていることに絶望した。

 

カイザーはその会話を聞いて憤慨した。

 

「一緒の部屋に住んでいるだとぉ!なんと羨まし、けしからん!」

 

自分も一緒の部屋に住みたい!という煩悩が滲み出ているカイザーだった。

 

「でも女の子同士なら大丈夫か」

 

そうやってまた安心するカイザーだったがある疑念が浮かび上がった。

 

「いや待てよ!もしあの小娘が同性愛者で我が嫁を狙おうとしている可能性もあるぞ!」

 

その考えが浮かんだ時、カイザーの脳裏に一つの可能性が浮かんだ。

 

「ん?同性愛者?」

 

翼はオベリスクブルーのトップであるカイザーの告白を断り、十代以外の男とは仲良くしていたことはない。そして考えること数秒、カイザーは一つの結論を導き出した。

 

「まさか…我が嫁は同性愛者なのか?」

 

それは明らかに斜め上の結論だった。ならなぜオシリスレッドに留まる必要があるのかというところまでは頭が回らなかったらしい。

 

そしてカイザーの脳内に浮かび上がるのは翼とレイの危険で甘い夜の情景だった。

 

※ここから先はカイザーの妄想なのであしからず

 

深夜、誰もが寝静まったオシリスレッド寮の一室で翼はレイにこう持ちかけた。

 

『ねぇ…レイ君、気持ちのいいことしようよ』

 

『気持ちの、いいこと?』

 

無知なレイは首をかしげた。

 

『そう、それを今から教えてあげるね』

 

翼はいつものかわいらしい表情から一転妖艶な表情で無防備なレイに近づいていきレイの胸へと手を伸ばす。

 

『あっ、そこは…』

 

レイは翼から遠ざかろうとする。しかしここは狭い部屋、逃げることはできない。

 

『いいから、力を抜いて…』

 

そして翼はそのままレイをベッド優しく押し倒した。

 

『やだ、こんなこと…女の子同士でやるなんて』

 

抵抗するレイだったがもう翼が主導権を握っているのは明らかだった。

 

『大丈夫、あなたの全部…僕に見せて』

 

『翼…』

 

そして二人は濃厚なキスをして長い夜が始まった。

 

「ブハァ!!」

 

ここでカイザーは興奮のあまり鼻血を噴出させてしまい妄想もそこで途切れてしまった。

 

「な、なんという破壊力…この俺がもう少しで死ぬところだった」

 

その場にいた他の生徒が一体何が起こったのかと野次馬になってきたのでカイザーは一旦自分の部屋へと戻った。

 

「この感覚、誰かに伝えたい…」

 

カイザーは自分の妄想を他のみんなとも共有したいという馬鹿な考えをしてしまった。そして目に入ったのは自室にあったパソコンだった。

 

「これだぁ!」

 

カイザーは次の授業をすっぽかして先ほどまで思い描いた妄想を文字にしていった。カイザーは百合小説家としての才能を開花させてしまったのだ。

 

こうしてカイザーが妄想したものはWeb小説となりインターネットを通じて世界に発信されていった。それがなぜかとてつもない反響を生んでしまいカイザーは決闘(デュエル)で轟かす前に百合小説作家『地獄皇帝』として世界を轟かせることとなった。

 

「どうしたの?」

 

「いや、寒気がして…」

 

勿論モデルとなった二人はそんなこと知る由もない。ちなみに翼たちを本名で出してはいないため翼たちはこのことを永遠に知らないままなのだろう。

 

「それで…レイ君はいったい誰に一目惚れしたの?もし知ってる人なら協力するよ」

 

翼は興味本位で聞いてしまった。

 

「本当!?」

 

それを聞いたレイは大喜びした。

 

「うん、本当だよ」

 

「ありがとう翼!」

 

そしてレイが口にしたのはとんでもない名前だった。

 

「僕が一目ぼれした人は…オベリスクブルーのトップ、亮様だよ!」

 

その名前を聞いた瞬間翼の顔から血の気がなくなり、その場に倒れそうになった。しかし翼は気絶せずにどうにか持ちこたえた。

 

「ちょ、ちょっと翼!一体どうしたの!」

 

「ご、ごめんちょっと…」

 

レイは心配して翼に駆け寄った。翼は立ち上がろうとするが身体に力が入らない。

 

『ふ~ん、ミスティルが帰るのを渋った理由は多分これだね』

 

ヴェーラーはのんきに分析していた。

 

そして数十秒後、翼は何とか立ち上がれるまで回復した。

 

「どうしたんだよ一体」

 

「ごめんごめん、もう大丈夫だから」

 

心配するレイを大丈夫だと諭す翼だった。

 

「で、翼は亮様と知り合いなの?」

 

「あ、うん、まぁ…」

 

知り合いではあるが絶対に会いたくはない人である。

 

「じゃあ会わせてくれるの!?」

 

レイの純粋な眼差しで見つめてくるので翼は断りづらかった。

 

「う、うん…」

 

結局協力すると言ってしまったため会わせることにした。

 

「やったぁ!」

 

大喜びして飛び跳ねるレイだった。

 

「でも告白が成功するかは保証しないよ」

 

翼は一応釘を刺しておいた。

 

「大丈夫!恋をした乙女に不可能はないの!」

 

しかしレイは自信満々だった。そんな例を見ていると翼の心に罪悪感が生まれてくる。レイの好きな人の好きな人がまさか自分だなんて知らないではしゃいでいる。

 

「ハハハ…」

 

翼は罪悪感で泣きそうだった。

 

そしてその日の授業も終わり、帰ろうとしていたら明日香が話しかけてきた。レイは告白するときのために化粧の練習をしてると言い全速力で帰って行った。

 

「どうしたの風龍さん、思いつめた顔をして」

 

「いや…その…」

 

翼は明日香に事情をすべて話した。明日香はカイザーが翼に恋をしていることを唯一知っているから相談相手にはピッタリだと思ったからだ。

 

「成程…でも絶対に断るわよ亮は」

 

「ですよね」

 

帰ってきた答えは当たり前のものだった。

 

「それにもしかしたら亮は告白したレイって子に貴方への愛を語り始める可能性も…」

 

「そんなことされたら物凄く困ります」

 

そんなことされればカイザーが翼を好きだということが皆にばれてしまう。

 

「でもレイちゃんはもうやる気満々ですし合わせるって約束しちゃったし…」

 

翼は明日香に深々と頭を下げた。

 

「お願いします!明日香さんがレイちゃんと丸藤先輩を会わせてやって下さい!」

 

「いいけど…風龍さんはどうするの?」

 

「僕がその場にいたら確実に丸藤先輩は暴走するのが目に見えてますから」

 

「それもそうね…」

 

「それとこれを丸藤先輩に」

 

翼がカバンから取り出したのは一つの手紙だった。

 

「手紙?分かったわ。日時はまた連絡するから」

 

「ありがとうございます!」

 

翼は去っていく明日香にまた深々と頭を下げた。

 

するとヴェーラーが誰もいなくなったのを確認して声をかけてきた。

 

『あの手紙ってさっき書いてたのだよね?』

 

ヴェーラーは先ほどの手紙の内容を知っている。その手紙の内容は翼にとってとんでもないものだった。

 

「うん…」

 

『いいの?トラウマなんでしょ?』

 

「…いつかは乗り越えなきゃいけないんだ。僕自身のために」

 

その時の翼は顔は決心しているように見えたが恐怖で全身が震えていたという。

 

『まぁ危なくなったら僕の力で何とかしてあげるから』

 

「ありがとうヴェーラー」

 

そして明日香はカイザーの部屋へと向かっていた。一体どんな部屋になっているのか想像したくなかった。

 

「亮、ちょっといい?」

 

カイザーの部屋のドアをノックをしてみたが反応はなかった。

 

「亮、ちょっと頼みがあるんだけど…」

 

鍵は掛かっていなかったので入ってみた。そこには意外にも翼そ写真は一切なかった。明日香はてっきり部屋全体に翼の盗撮写真が貼られまくっているものかと思っていた。実際は秘蔵コレクションとして翼の盗撮写真はアルバムにびっしり保管されているだけなのだが。

 

「なんだ、俺は今忙しい」

 

カイザーは部屋の奥にある椅子に座わり机のパソコンに向き合ったまま話しかけた。

 

「ある女の子に会ってほしいんだけど」

 

「断る。我が嫁以外の告白は受け付けない」

 

カイザーは見向きもしなかった。

 

「それとこれ、その風龍さんからの手が…」

 

明日香がすべてを言う前にカイザーは座っていた椅子から立ち上がり明日香の持っていた手紙を取って開いた。その速度は目にも止まらぬものだった。

 

「今光速よりも速かったような…」

 

ここまで翼のことを思っているのかと感心半分呆れ半分の明日香だった。

 

『丸藤先輩へ

 

あの時は逃げてごめんなさい。僕はあなたがいきなり告白してきたことで気が動転してしまいあのような行動をとってしまいました。本当にすみません。

 

もしよろしければもう一度お話しませんか?この前僕たちが出会った灯台でお待ちしています。

 

しかし明日香さんが頼んだ女の子に会う約束を受けてくれなければもう二度と会いません。あなたのことですから告白は断るのでしょうができるだけオブラートに包んで優しく断ってあげて下さい。そして絶対に僕の名前を出さないで下さい。

 

よろしくお願いします。

 

風龍 翼』

 

「何…だと…」

 

その手紙を読んだカイザーは全身を震わせた。その震えが喜びからくるものだと明日香は一瞬で分かった。

 

「頼み、受けてくれる?」

 

「勿論だとも!」

 

その時のカイザーの笑顔は今までの冷静なキャラをぶち壊す物凄い満面の笑みだったと言う。

 

ちなみにこのとき明日香はカイザーが書いていた翼とレイをモデルとした百合小説をチラッと読んでドン引きした。翼がまた会うのを拒むのを恐れこの事は誰にも言わないと誓う明日香だった。

 

 

 

 

 







『最近翼って決闘(デュエル)してないよね?』

「別に決闘(デュエル)しなくてもいいじゃないか」

『でも僕がせっかく持ってきたカードで強化したデッキを実践で確認しないといざって時に大変だよ?』

「それもそうだよね…」


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