遊戯王 渓谷の戦士   作:Σ3

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「前回は月一試験で万丈目君を何とか倒しました!」

『まだまだ、もっと精進してもらわなければ』


第5話《闇の決闘!? VSタイタン》

月一試験が終わり、翼はそれなりに平和な毎日を送っていた。しかし、今日も授業の復習を終えてお風呂に入ろうとしていたその時、今日も辺りを捜索していたミスティルが帰ってきた。いつもなら何もなかったと一言いうだけなのだが今回は成果があったようだ。

 

『翼、少しいいか』

 

「どうしたのミスティル?」

 

『実はある場所で怪しい男が居たのだ。もしかしたら我が王の手掛かりを知っているかもしれん。深夜あたりに一緒に行くぞ』

 

王の手掛かり、この数か月間それが手に入らず内心焦りを見せていたミスティルはどこか嬉しそうだった。

 

「別にいいけど…どうしてミスティルは僕に王の捜索を手伝わせてるの?僕を決闘者(デュエリスト)にしなくてもミスティル自身が戦えばいいんじゃないのかな?」

 

翼は今まで言うタイミングがなかったので保留にしていた疑問をミスティルにぶつけてみた。するとミスティルは言いにくそうにこう答えた。

 

『それは…不甲斐ない話なのだが…今の私にはそこまでの力が残っていないのだ』

 

決闘(デュエル)が出来ないってこと?別に決闘(デュエル)はそこまで力を使わないでしょ。何の力も持ってない人間が出来てるんだし」

 

『まぁそうだが…翼の思っている決闘(デュエル)と今後起こるであろう我らの決闘(デュエル)は少し違うのだ』

 

さらに翼の頭の中に疑問が湧いた。今まで自分がやってきた決闘(デュエル)じゃない決闘(デュエル)なんて翼には想像できなかった。

 

「え?じゃあどんな決闘(デュエル)なの?」

 

『ルールなど基本的なことは普通の決闘(デュエル)と何ら変わりない。だがダメージが実体化し、実際に痛みを受け、敗北すれば最悪死んでしまう。そんな決闘(デュエル)だ』

 

「ええっ!?僕、そんな危険な決闘(デュエル)をするの!?というか、みっ、ミスティルもそんな決闘(デュエル)をするの!?」

 

翼は驚愕し、恐怖した。命の危険がある決闘(デュエル)だなんて恐怖しか湧かなかった。

 

『落ち着け、精霊の中でもその決闘(デュエル)、いわば闇の決闘(デュエル)を仕掛けるのは悪しき者だけだ。私は決してそんなことをしない。それに翼を死なせるような真似は私が絶対にさせない。そのために私が此処にいるのだ』

 

「どういうことなの?」

 

意味が分からないと言いたそうに翼は頭をかしげた。

 

『…私は我が王が封印される直前まで王と共に戦っていた。だが王と私たちは敗れ、封印されそうになったところを我が王とその場にいた精鋭たちが私だけを逃がしてくれたのだ』

 

「それで僕の部屋に来たんだよね」

 

翼はミスティルと初めて会った時を思い出した。あの時から全てが変わったのだと感慨深くなった。

 

『そうだ、しかし私には先の戦いで失った力が多すぎた。よってこの人間界で出来ることは比較的小さな人間界の物を持つことと、闇の決闘(デュエル)などでのダメージを軽減することだけだ』

 

「ってことは君は僕の手助けしかできないってことなの?」

 

翼の指摘を受けたミスティルは申し訳なさそうにこう言った。

 

『…その通りだ、あれだけ偉そうなことを言いながら出来ることは貴様を少しばかり助けることしか出来ないのだ』

 

翼はこれを聞いて怒り、もう協力してくれなくなるだろうとミスティルは思っていた。しかし翼は少し考えて口を開いた。

 

「…いいよ、それだけでも」

 

ミスティルは驚いた。なぜそう言ってくれるのか、危険なことに黙って巻き込んだ私をなぜ責めないのかと言いたくなった。だが翼はミスティルが疑問をぶつける前に全て答えた。

 

「だって僕はミスティルに出会うまで何もできなかったんだ。でもこうやってミスティルの手助けが出来て、僕は本当に誰かに必要とされているんだって思えるようになった。僕は君を責めない、むしろ感謝してるんだ」

 

本当に翼を選んでよかったよミスティルは思った。そして翼の思いに答えるためにも直ぐに王を助け出さねばと気合を入れた。

 

『そうか…そう言ってもらえると助かる』

 

「じゃあもし今回闇の決闘(デュエル)になった時のために闇の決闘(デュエル)の対策を教えてよ。出来る限りのことはするから」

 

『分かった、しっかり聞いておくように』

 

ミスティルは翼に闇の決闘(デュエル)対策を一通り教えたところで深夜になり、翼はミスティルと共にミスティルが怪しい男を見かけた場所へ行ってみることにした。

 

「ここって…立ち入り禁止になってる廃寮じゃないか」

 

そこは立ち入り禁止になっている廃寮だった。なぜ立ち入り禁止になったのかは分からないがここに無断で入れば退学だという事は知っている。

 

そこでミスティルは辺りを空から見て警備員が周りにいない事を確認した。

 

『辺りに警備員はいないが慎重に入れ。罠がそこらじゅうにあるかもしれん』

 

「探知とかできないの?」

 

『無理だ、今の私では精霊の気配すら感じ取れないのだ。もう少し回復すれば可能なのだが…』

 

頼りないなぁ、と翼が言いかけたその時、廃寮から甲高い悲鳴が聞こえた。その声に翼は聞き覚えがあった。

 

「!?今の悲鳴って明日香さんの!」

 

『まずい!急ぐぞ!』

 

翼とミスティルは急いで廃寮の中に入っていった。奥深くまで行くとそこにはなぜか十代、丸藤翔、前田隼人がいたのだ。

 

「明日香さ…って十代君に丸藤君に前田さん!?どうしてここに!?」

 

「それはこっちの台詞だぜ翼!」

 

双方はそれぞれ驚いた。

 

「ほうほう、今日は客人が多い日だ」

 

「あれは…明日香さん!?」

 

奥にはマスクを被った怪しげな大男がいて、明日香は近くにあった棺桶の中で気を失っていた。

 

「この者の魂はもはや深き闇の中に沈んでいる」

 

「深い闇の中!?」

 

それを聞いた翼はこの大男が闇の決闘者(デュエリスト)なんだと分かった。

 

『これは由々しき事態だ!まさか無関係の娘を使って私たちをおびき寄せに来るとは…』

 

ミスティルはこれが相手側の罠であったと推理した。しかしミスティルは相手側から仕掛けてきたのは好都合だとも思った。

 

「我が名はタイタン、闇の決闘者(デュエリスト)

 

「闇の、決闘者(デュエリスト)

 

闇の決闘者(デュエリスト)ときいた十代は一歩前に出て決闘盤(デュエルディスク)を装着してやる気満々になっていた。

 

「よし!ここは俺が相手に…」

 

「十代君、ここは僕にやらせて」

 

それを翼は制止させ、決闘盤(デュエルディスク)を装着した。闇の決闘(デュエル)に十代を巻き込みたくないからだ。

 

「ダメだ!闇の決闘者(デュエリスト)となんてめったに戦えねぇからな!翼!ここは俺にゆず…」

 

「お願い十代君」

 

十代が事の重大さがわかってないような発言をすると、翼は今までに見せたことのないような気迫をだした。その気迫は重いものではなかったがここではそれで十分だった。

 

『なんという気迫だ…これをいつも出しておけば男と思われるのだが…』

 

「風龍さん、いつもと違って凛々しいんだな…」

 

「僕もうメロメロッス…」

 

ミスティルは気迫を出している翼を見ていつもの翼もこうであればいいのにと思い、隼人と翔はいつもの保護欲を駆り立てる翼とは違った凛々しい翼に見とれていた。

 

「いいぜ、そこまで真剣なら俺の出る幕じゃないな。その代わり必ず勝てよ!」

 

十代は翼が自分よりも真剣になってるを思ったのかあっさりと譲った。

 

「うん、頑張るよ!」

 

翼は一歩前に出て、十代は一歩後ろに下がった。タイタンは依頼にあった十代よりも気合の入った翼のほうが楽しい決闘(デュエル)が行えると直感しほくそ笑んだ。

 

「まずは貴様からか」

 

「明日香さんは絶対に救う!」

 

「「決闘(デュエル)」」

 

そして二人の決闘(デュエル)が始まった。翼はさっきミスティルから聞いた闇の決闘(デュエル)の対策を思い出していた。

 

『翼、私が教えたことをもう一度言ってみろ』

 

「闇の決闘(デュエル)は出来るだけ短期決戦にしろ。怪しいと思ったら踏み込まず一旦止まれ。いつでも冷静になれ。これで全部かな?」

 

『そうだ。覚えるのが早くて助かる。まず短期決戦にする理由だがダメージが実体化する闇の決闘(デュエル)において徐々にダメージを与えに行く持久戦は愚の骨頂、出来るだけダメージを受けない為に短期決戦に持ち込むのだ。冷静になるのは当たり前、だが実際に痛みを受けると頭に血が上ることがあるから注意しろ。闇の決闘(デュエル)は一手でも間違えれば致命傷になる。よって罠と思ったらそのまま突っ込まず、出来るだけ罠を排除してから向かっていけ。以上だ。これは私が闇の決闘(デュエル)に遭遇したときに気を付けている部分だ。あまり真に受けず、翼に合った戦いをしてくれ。お前の痛みは私が受け止めてやる』

 

「分かったよミスティル」

 

ミスティルには真に受けるなと言われたが、翼はこの決闘(デュエル)ではミスティルの教えられたとおりにしようと決めている。

 

「先手を取らせてもらおう、ドロー」

 

ダメージを受けずに直ぐに終わらせるには後攻がいいと翼は思ってたので、タイタンの先行取りに翼は何も言わなかった。

 

「私は《インフェルノクインデーモン》を攻撃表示で召喚!」

 

タイタンのフィールド上に紫色のマントを纏ったデーモンが雄叫びおあげながら現れた。

 

 

 

《インフェルノクインデーモン》

 

効果モンスター

星4/炎属性/悪魔族/攻 900/守1500

このカードのコントローラーは自分のスタンバイフェイズ毎に500ライフポイントを払う。

このカードが相手のコントロールするカードの効果の対象になり、

その処理を行う時にサイコロを1回振る。

2・5が出た場合、その効果を無効にし破壊する。

このカードがフィールド上に存在する限り、スタンバイフェイズ毎に

「デーモン」という名のついたモンスターカード1体の攻撃力を

エンドフェイズまで1000ポイントアップする。

 

 

 

「デーモンデッキか…翼!気を付けろ!」

 

十代の言葉通り、デーモンデッキは凶悪な効果があるモンスター揃いだ。だがその分デメリットもある。

 

「確かデーモンはフィールド上にいるためにスタンバイフェイズにライフを支払わないといけないはず…普通に召喚してきたとすると手札の中にそれを補うカードがあるのかな…?」

 

「その通りだ!フィールド魔法発動!《万魔殿(パンディモニウム)悪魔(あくま)巣窟(そうくつ)-》!」

 

翼の予測通り、タイタンはフィールド魔法を発動させた。そして周りの景色が洞窟から地獄の宮殿へと変わった。

 

 

 

万魔殿(パンディモニウム)悪魔(あくま)巣窟(そうくつ)-》

 

フィールド魔法

「デーモン」という名のついたモンスターはスタンバイフェイズにライフを払わなくてよい。

戦闘以外で「デーモン」という名のついたモンスターカードが破壊されて墓地へ送られた時、

そのカードのレベル未満の「デーモン」という名のついたモンスターカードを

デッキから1枚選択して手札に加える事ができる。

 

 

 

「なんだこのフィールドは!」

 

十代はこのフィールドに驚いたとともに内心自分が決闘(デュエル)してみたいという気持ちに駆り立てられた。

 

「さしずめ…地獄の一丁目と言ったところか。私はこれでターンエンドだ」

 

タイタンはカードを伏せることなく余裕の表情でターンエンドした。その余裕には何か裏があるんじゃないかと翼が思っていたその時、ミスティルが気になる事を呟いた。

 

『…おかしい。こいつ、私が見えていないのか?』

 

「え?」

 

なんと、タイタンの目にミスティルが見えていないというのだ。翼は精霊と闇の決闘(デュエル)との関係が良く分かっていないためそれがどういう意味なのか理解できなかった。

 

『闇の決闘者(デュエリスト)が必ずしも私たち精霊が見えているとは限らない。だがそろそろ闇の決闘(デュエル)の兆候が出てもおかしくないのに…それが全くないのだ』

 

つまり、闇の決闘(デュエル)ではないかもしれないというのだ。だが翼は途中からでも闇の決闘(デュエル)ができるんじゃないかと思っているため気は緩めない。

 

「僕はそう言った事は分からないけど、警戒は怠らない方がいいよ。とにかく勝たないと明日香さんが…」

 

翼は気の失っている明日香の方を見た。もし翼が負ければ明日香の魂は永遠に闇の中に落ちてしまい、目覚めることがないのだ。それだけは絶対に避けなければならないと翼は思っている。

 

『分かっている、だがここまで禍々しさのない闇の決闘(デュエル)はしたことがなくてな…』

 

ミスティルも気持ちは同じだが自分が体験した闇の決闘(デュエル)にはない雰囲気に疑問を抱えていた。

 

その時決闘(デュエル)を見ていた三人は翼が誰と話しているのか分からなかった。

 

「風龍さん、一体誰と話してるんだな…」

 

「まさか、幽霊!?」

 

翔がそう言うと隼人と言った本人の翔が恐怖で震え上がった。しかし、十代は目を細めて翼を見つめていた。そして次の一言が翔と隼人、そしてミスティルを驚愕させた。

 

「ん…何か剣を持ったドラゴンがぼんやりと…」

 

『!?』

 

「マジっすかアニキ!」

 

十代にはミスティルが見えかけているのだ。ハネクリボーが憑いているからもしやとは思っていたミスティルでも実際に見えていると思われると驚いてしまう。

 

「僕のターン、ドロー!」

 

そんな後ろの話を気にしていないの聞いていないのか分からないが翼は何事もなかったかのようにドローした。目指すは勝利のみ、それしか翼の目には見えてなかった。

 

「僕は魔法カード《おろかな埋葬》を発動します!このカードの効果により《ドラグニティ-ブランディストック》を墓地に送ります!」

 

 

 

《おろかな埋葬》

 

通常魔法

デッキからモンスター1体を墓地へ送る。

 

 

 

「おお、あのカードは!」

 

翔が思わず反応するほど《ドラグニティ-ブランディストック》はもう翼の決闘(デュエル)において欠かせないキーカードである。

 

「ほほう、どうやら墓地にいることで真価を発揮するカードを墓地に送ったようだな」

 

タイタンもそのカードがキーカードだと分かったようだ。

 

「いいえ、仲間と共に戦う事で真価を発揮するカードです!僕は《ドラグニティ-レギオン》を攻撃表示で召喚します!《ドラグニティ-レギオン》の効果で墓地の《ドラグニティ-ブランディストック》を装備します!」

 

そして緑色の翼を持つ鳥人が現れ白い短刀を右手に持った。いきなり見たことのないカードが展開されていったがどのようなデッキなのか分かった瞬間、タイタンは翼がどこまでの実力なのか楽しみで仕方なくなった。

 

「ほう、なるほどそういう事か…これは楽しめそうだ」

 

「よーし!そのままクロノス先生の《古代の機械巨人(アンティーク・ギア・ゴーレム)》みたいに《インフェルノクインデーモン》を破壊しちゃえ!」

 

「…」

 

翼は翔のようにこの勢いのまま《インフェルノクインデーモン》を破壊しようとしたが、ミスティルに教えられたことを思い出して、一旦落ち着いて考えることにした。

 

《インフェルノクインデーモン》の効果は対象となった場合、指定通りサイコロの目が出たら効果を無効にし、破壊する。指定通りのサイコロの目が出る確率は3分の1で、当たる確率は低い。だがこれは闇の決闘(デュエル)で自分も相手も負ければ闇の中へと堕ちてしまう。ならばサイコロの出目を操作できるよう細工を施している可能性がある。翼はサイコロを持っていないため使うサイコロは当然タイタンの物になる。となればここでサイコロを使わせる必要はない。ここは攻めたほうがいい、普通の戦闘による破壊ならば《インフェルノクインデーモン》の効果も《万魔殿(パンディモニウム)悪魔(あくま)巣窟(そうくつ)-》も発動しない。翼はそう結論付けた。

 

『そうだ、相手に今伏せカードはない。今は攻めた方がいい』

 

ミスティルも翼の出した結論に賛成のようだ。

 

「よし、僕は《ドラグニティ-レギオン》を除外します!不屈の魂を持つ龍、今ここに現れよ!《ドラグニティアームズ-レヴァテイン》!!」

 

《ドラグニティ-レギオン》は虚空へと消え、大きな翼と大剣を持つオレンジ色の巨龍が現れた。

 

「よっしゃー来たぜ!翼の切り札が!」

 

十代の言葉に本当は自分が切り札になりたいと思ったミスティルであった。

 

「…ほ、ほう、すごいな…」

 

『やはりこいつ…』

 

《ドラグニティアームズ-レヴァテイン》が出て、タイタンが動揺しはじめた。それを見たミスティルは落胆に似た確信を得てしまった。

 

「《ドラグニティアームズ-レヴァテイン》の効果により《ドラグニティ-ブランディストック》を装備させます!そして永続魔法《竜操術》を発動!効果によって《ドラグニティアームズ-レヴァテイン》の攻撃力は500ポイントアップします」

 

《ドラグニティアームズ-レヴァテイン》の左手に白い短刀が装備された。

 

《ドラグニティアームズ-レヴァテイン》攻撃力2600⇒3100

 

「…」

 

タイタンの顔色が青ざめてきた。実力が見たいと思って余裕こいた結果なのだから仕方ないと言えば仕方ないが。

 

「いっけー翼!」

 

「バトル!《ドラグニティアームズ-レヴァテイン》で《インフェルノクインデーモン》を攻撃!『ブラスト・スラッシュ』!!」

 

十代の声援に推され、翼はバトルフェイズに入った。

 

《ドラグニティアームズ-レヴァテイン》が右手に持つ大剣で《インフェルノクインデーモン》を真っ二つに切り裂いた。

 

「くぅ!」

 

タイタンLP4000⇒1800

 

「《ドラグニティ-ブランディストック》の効果で《ドラグニティアームズ-レヴァテイン》はもう一回攻撃が出来ます!そのままダイレクトアタックだ!『ブラスト・スラッシュ・アゲイン』!!」

 

そして《ドラグニティアームズ-レヴァテイン》そのまま左手の短刀でタイタンを切りつけた。

 

「ぐ、ぐぉおおおおおお!?」

 

タイタンLP1800⇒0

 

タイタンは勢いよく倒れたが、闇の中に引きずり込まれたり本当に切りつかれるような傷は負わなかった。

 

「…なん…だと…」

 

しかも意識をきちんと保っていた。つまりこれは、この決闘(デュエル)は、闇の決闘(デュエル)ではなかったのだ。

 

「えっ、闇の決闘(デュエル)なのに…死んでない?」

 

翼は少し勘違いしているのかとんでもないことを口にした。流石に殺す気でいたのかとミスティルは思った。

 

『これは…偽物か…はぁ、また手掛かりではなかったようだな』

 

そんなことよりもまた手掛かりではなかったことにミスティルは落ち込んだ。これからまた一体いつになったら手掛かりが見つかるのだろうと頭を抱える日々が続くことになる。

 

「じゃあ明日香さんは!」

 

「明日香、しっかりしろ明日香!」

 

明日香は決闘(デュエル)が終わったのと同時に明日香の入っている棺桶へと走っていた十代によって解放されていた。

 

「ん…あれ、十代?それに…翼さん?」

 

そして明日香は目を覚ました。どうやら普通に眠っていたようだ。

 

『無事みたいだな』

 

「よ、よかった~」

 

翼は明日香の無事を知り、安心してその場に座り込んだ。

 

「あれ!?アニキ!タイタンがいないッス!」

 

「何!?いつの間に!」

 

すると翔が倒れていたタイタンがいない事に気がついた。

 

「でも明日香さんが無事で本当に良かった…」

 

翔も十代もその言葉に頷いた。

 

「みんな、早くここから出るんだな、ここは廃寮、立ち入り禁止なのを忘れてはいけないんだな」

 

隼人の言葉で全員ここが立ち入り禁止の廃寮だと思いだした。

 

「そうだ、ほら翼、明日香、翔!さっさと俺らも出るぞ!」

 

「うん!」

 

「そうね」

 

十代に急かされるまま、全員は廃寮から出るため走り出した。

 

そんな中、ミスティルの興味は十代とその十代に憑いているハネクリボーに向いていた。あの決闘(デュエル)の中で十代はミスティルの事が見えていて、さらに何時も憑いている精霊がいる。まさか十代が何か知っているとは思えないが、何やら精霊を引き付けるような雰囲気を持っている感じがした。

 

『この男…私の事が見えていたのか?となるとこの毛玉も偶然憑いているというわけではなさそうだな』

 

『クリィ?』

 

その後翼たちは直ぐに廃寮から出て、各々の寮へ帰って行った。しかし五人はまだこの事件があんな事態になるなんて思いもしなかった。

 

 

 

 

 






『今回の最強カードは《ドラグニティ-ブランディストック》だ。モンスターだが装備すると二回攻撃が可能となるぞ』

「僕のデッキのキーカードだよ!」

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