緑のアイツ   作:くらうす

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書けてしまったのだから、仕方ない。投稿しましょ、そうしましょ

前言を翻した事を深く、深くお詫び申し上げます(土下座)

もう、投稿予定は言わない様にします

と言うわけでベルディア戦ラストです

よろしければ読んで下さい


逝くものと遺されるモノ

少しばかり時間は遡り、ベルディアがアクセルに到着する少し前の事

 

 

ゆんゆんはまた紅魔の里に来ていた

 

今回ひょいざぶろーにあるえ経由でお願いしたものを取りに来たのだ

 

本来ならば依頼主のゆんゆんが直接赴くのが筋ではあったが、明らかに素材が稀少なものばかりの為にあるえに頼んだのだ

 

今回ばかりはゆんゆん1人では間違いなく手に余るのは確定していた。その為にウィズとバニルにも協力を求めた

 

ウィズは快諾したが、案の定、バニルは協力を渋った

 

最終的にゆんゆんが土下座しようとしてバニルが折れた形となった

 

 

ゆんゆんとウィズにバニルを加えた3人を以てしても素材集めは難航し、ひょいざぶろーに届けた際には

「まさか、生きている内にコイツを拝めるとは」

と絶句させる程だった

 

 

其れが完成したと連絡を受けてゆんゆんは急いで取りに向かった

 

 

ただし、それを見送るウィズとバニルの痛ましそうな顔を見なかった事を、ゆんゆんはずっと後悔する事になる

 

 

 

 

ひょいざぶろーとの話をそこそこに切り上げ、ゆんゆんがアクセルに着いたときには既にベルディアとカズマ達が戦っていた

 

ベルディアがアクセルに来たことを知り合いから聞いてショックを受けたゆんゆんだったが、覚悟を決めて戦場へと向かった

 

 

 

 

戦場は2つあったが、ゆんゆんは迷いなくベルディアの方へ向かった

 

念のためにライト・オブ・セイバーの詠唱を終わらせて発動を待機させたまま

 

 

 

そして

 

「「「カズマァッ!」」」

と声が聞こえた瞬間、ベルディアに向けて魔法を放った

 

「セイバー!」

 

 

 

 

カズマは死んだと目を瞑ったが、金属音が鳴り響いた為に目を開けた

 

 

 

 

 

 

 

 

めぐみんはまだ涙の止まらない目でカズマの無事を確認した

 

だが、ダクネスやアクアでは間に合わない。カズマも死を覚悟していたのに、誰が助けたのだろうか

 

 

 

 

ベルディアは動きを止めていた

 

その向こうに見馴れた姿があった

 

 

「ゆんゆん」

めぐみんはそれだけ呟いた

 

 

 

 

 

 

ベルディアはカズマを仕留めたと思っていた

 

自らの大剣を弾かれた時は頭の中が真っ白になった

 

 

そして、出来れば来ないで欲しかった。会いたくなかった友人の姿を見た

 

「そうか。これも運命か」

ベルディアは誰にも聞こえない位、力ない声で呟いた

 

 

 

 

 

「馬鹿者!何故逃げなかった!」

 

「そうよ!何で逃げなかったの!

もう死んだら終わりなのよ!次なんてないの!」

 

「カズマ!生きているんですね、本当に生きているんですね!嘘じゃありませんよね!」

 

カズマはダクネス、アクアにめぐみんから詰め寄られていた

 

「大丈夫だから、まずはベルディアをどうにかしようぜ」

カズマがおどけてみせると

 

「カズマ!お前という奴は

良かった。本当に」

 

「あんたが死んだらどうすんのよ。もっと自分を大切にしなさいよ!

あんたが死んだのも、元は自分を大切にしなかったからでしょう!

遺される方の事も考えなさいよ!」

 

「ごめんなさい、カズマ。私が、わた、私が」

ダクネスは泣き崩れ、アクアもカズマに掴みかかっていたが、泣き崩れた。めぐみんはカズマの足にすがり付いて泣いている

 

 

 

 

 

「仲間、か」

カズマ達を見つめながら、ベルディアは呟く

 

 

ベルディアにも騎士だった頃には仲間がいた

 

モンスターを討伐しては笑い合い、騎士団長に怒られれば仕返しをしてまた怒られる。同僚が結婚すれば祝い、死んだ同僚の為に皆で供養した

 

アンデットになってからは感情を忘れそうになった事は一度や二度ではなかった

 

ギリギリの所で踏み留まっていたが、何時それが壊れるのかを怖れていた

 

 

キャベツの里で過ごしていくうちに忘れそうになったモノを少しずつ取り戻していった

 

魔王にも

「アクセルの件。忘れても誰にも責めさせぬ」

と言って貰った

 

 

 

だが、それでも

俺(私)は騎士なのだ

 

仕える者に命を惜しまずについていく

 

ベルディアは友人に剣を向けた

 

 

 

 

ゆんゆんにもベルディアの考えが少しばかり伝わったのか、ワンドを構えた

「我が名はゆんゆん!紅魔族の長の娘にして、友達を護り抜くもの!」

ゆんゆんの声は震えていたが、はっきり言い切った

 

 

「我が名はベルディア!魔王軍の幹部にして、未来に種を遺すもの!

いくぞ!紅魔族の娘よ!」

 

強くなった。素直にそう思う。少し前のゆんゆんならおそらくは立ち向かえなかっただろう。だが、今の彼女は心にぶれない芯がある

 

遺されるミドリカワが心残りではあるが、ゆんゆんがいる限り、心配ないと今確信した

 

ならば、この身に出来る事は1つだけ。ベルディアは遺すモノを定めた

 

 

 

 

ゆんゆんは距離を取りつつ上級魔法を放つ

 

ベルディアには効果がないように見えるが、既にベルディアの鎧に隠されている体の半分以上が機能を失っている

 

今は何とか魔力で無理矢理動かしている有り様だった

 

 

 

拮抗状態は長く続かなかった

ベルディアが体勢を崩した所にゆんゆんのカースド・ライトニングが直撃して、ベルディアはついに倒れた

 

 

ゆんゆんは泣きながらも堪えて戦ったのだ

 

 

 

 

「敗けたか」

ベルディアの声には明るささえ含んでいた

 

「ベル、ディア、さん」

ゆんゆんは喋るのも限界のようだった

 

「全く、ゆんゆん。貴様は勝ったのだぞ

もっと誇らしくしたらどうだ?」

 

「む、無理で、す」

泣き止む様子のないゆんゆんだったが

 

「あ、あのこ、これなら助かるかも」

ひょいざぶろーより受け取った魔道具を差し出した

 

「気持ちは嬉しいが、ゆんゆん。俺には効果がない」

 

「え」

 

「それは元有る命に効果のある魔道具だろう?

命のないアンデットである俺には、な」

ゆんゆんの差し出した魔道具をベルディアは断った

 

「そ、そんなの」

 

「お前のその優しさだけで俺は十分だ

これ以上は俺には重すぎる」

ベルディアの体が光の粒子となり始める

 

「べ、ベル、ディアさん」

 

「ミドリカワと仲良くな

あっちから見守っているから」

 

「まさか、こんなに清々しい気持ちで最期を迎えられるとはな。全くわからんものだ

随分と待たせたかも知れん。みな、やっと会える」

その言葉を最後に魔王軍幹部ベルディアは消滅した

 

 

『我が友ゆんゆんのこれからに幸あらん事を』

 

 

ベルディアの声がゆんゆんには聞こえた気がした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ベルディア討伐は成功した

 

 

 

相当数の怪我人は出たが、死者はなし

 

ベルディアの消滅に伴いアンデットナイトも消滅した

 

アクセルの街の人々は冒険者達の功績を讃え、冒険者達はベルディアに立ち向かったカズマ、アクア、めぐみん、ダクネスそしてベルディアを討伐したゆんゆんを盛大に祝った

 

 

宴会は三日三晩続き、アクセルの街から灯が消える事はなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ベルディアが討伐された場所より少し離れた場所に2つの影があった

 

「ベルディアさん」

1つの影はウィズ。アクセルの街では魔道具店を営む傍ら魔王軍の幹部も勤めている

 

ウィズはベルディアが嫌いではないが、苦手だった。が、それでもキャベツの里等での付き合いがあり、騎士としての誇りを持つ彼の事を見直していた

それだけにやはりショックを受けていた

 

 

 

「ふん。格好つけおって。魔王自ら逃げ道を用意したというのに」

もう1つの影はバニル。ウィズと同じく魔王軍の幹部であり、魔王にも直言できる数少ない人物だ

 

今回の魔王からの逃げ道もバニルからの報告があったからこそである

 

悪魔は消滅しない。残機が減るだけだ

 

 

 

 

だがら少しだけ満足に逝けたベルディアが羨ましく思えた

 

 

 

 

 

 

 

その後の事を少し語ろう

 

 

友人であるベルディアを討伐せざるを得なかったゆんゆんは体調不良を名分に宴会を途中で抜けた

 

「そっか。ベルディアさん、逝ったのか」

ゆんゆんから話を聞いたミドリカワは悲しそうであった

 

「でも、ゆんゆんは思い詰めないで

ベルディアさんもそれは望んでないと思うよ」

ミドリカワは続けた

 

「どうして、そう思うんですか?」

ミドリカワの隣で膝を抱えて俯いているゆんゆんは気になった

 

「俺は、さ。ベルディアさんの最期を看取った訳でも、二人の戦いを見ていた訳でもない」

 

「・・・はい」

 

「ベルディアさん、最期どんな顔をしてた?」

 

「あ」

 

ベルディアは消滅する間際にゆんゆんでもわかるくらい

 

「微笑んでました」

 

「受け売りだけどさ、遺すものを受け継く、又は受け取るヒトがいるだけで幸せらしいよ」

 

「あ、あ」

ゆんゆんは聞いたのだ。確かに

 

『我が友ゆんゆんのこれからに幸あらん事を』と

 

 

「ううっ、うああ、うわぁぁぁん!」

ゆんゆんはミドリカワに抱き着いて泣いた

 

 

 

 

 

 

 

アクセルの街では

 

「カズマ、カズマ。何か食べますか?」

 

「うむ、ならば何か飲み物を用意しよう」

 

「じゃあ私、外で何か買ってくるわね」

 

「いや、お前らなぁ」

カズマは頭を抱えていた。確かにベルディア戦で無茶をしたのは認めよう。心配もかけた

 

だからって、めぐみんもダクネスも終いにはアクアまで何考えてんだ

 

別に怪我はしてないのに、あんなに甲斐甲斐しくお世話されても、正直困るのだ。こう男の都合というか、何というか

 

 

 

ベルディア戦ではゆんゆんが合流してからカズマ達は何もしていない

 

3人が全く動けなかったのだ。カズマも3人にしがみつかれてしまい、ゆんゆんに全てを押し付ける形となってしまった

 

ゆんゆんは勝って感動して泣いていると皆は言うが、違う気がした

 

 

とりあえずカズマは3人を何とかしようと決意した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




という訳でもかなり迷いましたが、ベルディアさんが退場と相成りました

書くのがしんどかったです

原作通りにカズマ達に倒させるのも迷いましたが、ここはゆんゆんの成長の為にこうなりました

批評、感想よろしければ頂けると助かります

半分は越えたのでエタる事は無いと思います

では御一読ありがとうございました

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