あるえは目の前のレタス擬きに出会ってから頭痛に悩まされてきた
はじめはゆんゆんの知り合いと聞いたから
。それに良くも悪くも興味を持ってしまった為だった
それからは小説のネタになると思い、ゆんゆんと行動してきたがそろそろヤバイ
あるえの中にあった常識が破壊されつつあったからだ(その常識自体が世間一般のそれとは剥離しているが、それには目を向けない事とする)
「めぐみんを道連れにするべきか?いや、常識的な人物の方が助かるから、ブレーキの壊れているめぐみんはまずい
ならばふにふらかどどんこ?
それも難しいか?二人ともどこかずれている
残りはねきまきとそけっとか。二人とも他の人間に比べるまでもないくらいマトモだろう
私の苦労を理解してくれるだろうが、果たして紅魔の里から離れる事を由とするか?
ねきまきは恐らくは無理だろう。彼女は酒場の看板娘だから
そけっとはどうだろうか?あれで案外恋愛の話には食い付きが良い部分もある。ゆんゆんとナタルさんの関係で釣れないだろうか?」
独り言を呟くあるえの精神的な消耗は並みではないようであった
「凄いですね、ナタルさん」
「これを凄いの一言で片付けられるゆんゆんの方が凄いと思うけど」
キャベツに囲まれたナタルを見てのゆんゆんの感想にやや呆れ気味のナタルである
「キャベ?キャベベベッ(父上?此方の方はどなたですか)」
「ん、ああ。この娘はゆんゆん。俺の大切な友達だ」
「っ!ナタルさん」
キャベツの質問に答えるナタル。ナタルの発言に感極まったような顔をするゆんゆん
「キャベ?(お母さんなの?)」
「キャベベベッ、キャベ(そうなるやも知れないが、今はまだ早いだろう)」
ゆんゆんの動揺に気をとられている隙に小声で話をするキャベツ達だった
もしも、この会話をナタルが聞いていたならば中々に面白い事になったであろう
そんな喧騒を遠くから視ていたバニルは
「ふむ。やはり貴様にはその様に暖かい場所が似合うようであるな
さて、我輩も『仕込み』をせねばなるまいて」
口元を歪ませたまま魔王城へと帰還していった
魔王城にて
「戻ったか、バニルよ」
「やはり『転生者』であった」
「キャベツか」
「いや、レタスよ」
「・・・・・・『今度は』レタスか
『中身』はどうだったのだ?」
「かなり変質していたが、間違いあるまい
あのボッチの紅魔の娘がいた上に妄想娘もいたからな」
「賢しいことばかりしおる。我等は遊戯盤の上の駒ではないのだが、それも理解できぬと言うことか」
苦々しく魔王は吐き捨てた
「それはよいが、一つ頼みがあるのだがな」
「やれやれ、バニルからの頼み事とは珍しい。可能ならば構わんぞ」
「ある『神器』を貰いたい」
「ふーむ。よかろう、好きなものを持って行け」
「感謝しよう、魔王よ」
場面は戻り、ゆんゆんとあるえが冷静になったところでナタルとの情報交換となった
「・・・つまりなんだい、きみはタケノコだけでなくキャベツも操れるのかな?」
「操れるというのは多分正確ではないかと思うけどね」
「凄い」
「さて、検証が必要だろうがきみは野菜を操る事が出来る。そう考えられるね」
「些か早計な気もするけど?」
「と言ってもね。群生する野菜の前に君を連れていくのはリスクが高いだろう?
前回と今回は偶々人の目の無かっただけ。栽培している野菜の側にナタルさんを連れていくのは不味いと思うけどね」
「そうかもなぁ」
「キャベ、キャーベ、キャベベベッ(確かにそうでしょうね。私達や父上は人間からすると経験値の塊。おいそれと人前に出るのは避けるべきかと)
「あの、あるえ?」
「何かな、ゆんゆん?」
「どうしてナタルさんだけを見ているの?」
この場にはナタル、ゆんゆん、あるえにキャベツがいた
キャベツ達は少し離れて貰っている
いつもならば、周りを見て話をする筈のあるえなのにナタルから視線を外そうとしない。ゆんゆんには不思議でならなかった
「キャベベベッ、キャーベ(そっとしておくのも優しさですよ、ゆんゆんさん)」
「ああ、そういう事なのか」
キャベツのフォローを聞いたナタルは遠い目をした
幾らナタルで耐性がついたとしても、自称常識人のあるえには意思疎通を図ろうとするキャベツの存在はキツすぎたのだ
だから意図的に視線をナタルに固定しなければならなかった
逆にゆんゆんは割と早くに適応していた
流石は別次元の世界では悪魔やマダオを友達にしているだけの事はあるといえるだろう
とりあえずはあるえも自分なりに精神の安定を維持出来ていた
尤も
「あの、あるえさん?流石に凝視されると照れるのですけども」
「気にする必要はないさ。私が(精神の安定の為に)君を見ていたいだけなのだから」
「ちょっと、あるえ!どういう事よ」
「」
「キャーベ(父上が白目を剥いておられる)」
約一名の犠牲を考慮しなければ、だが
「別にナタルさんにそういう感情は無いから、心配しなくてもいいだろうに」
「そ、そ、そういう感情ってナンノコトヨ」
「おや、言っても構わないのかな?」
「だ、駄目に決まってるでしょ!」
流石にナタルを見つめていたことが恥ずかしいのか、ゆんゆんをからかい始めたあるえだった
「キャベ、キャベ(やれやれだな)」
キャベツの呟き?が虚しく響いた
キャベツの会話が書きづらいのでどうにかしたい
では、御一読ありがとうございました