緑のアイツ   作:くらうす

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ほのぼの路線のナタル達ですが、割とヤバげな奴等の話


相変わらず独自設定、解釈が乱舞しますので御注意を


悪意

 

ナタル達が混沌とした状況になっている頃、王都の一角にて

 

「・・・つまりご支援はこれまでと」

 

「貴殿の主張には軍としても注目すべき事には今も変わらぬ。しかし、だ。キャベツの養殖に目処が立たない以上はどうしようもあるまい

無論、目処が立ったならば再度の支援もあり得よう」

 

「・・・軍務卿の仰る事は道理でございましょう

では如何程の進展が見られるのがお望みですか?」

 

「ふむ、最低でも規模は問わないが、キャベツの養殖が出来ている事が条件となろう」

 

「畏まりました。ならばその暁には報告させて頂きます」

 

「うむ。貴殿の成功を祈っておる」

 

 

 

 

 

「ふざけるな!養殖の為には用地等の環境が必要なのだ!一介の市民にどうこう出来る話ではないのだぞ!だからこそ、軍に態々レポートを上げたのだ!

そもそも、そう簡単に上手く事が運ぶならば、誰も苦労はしないというに」

 

 

先程まで話をしていた軍務卿が退出した後に男は怒鳴り散らした

 

男、レフェルはキャベツの人工養殖による王国軍主導の魔王軍討伐を主張していた

 

その養殖したキャベツを使って王国軍の大幅なレベルアップを図ろうというのだが

 

 

 

 

ベルゼルグ王国は魔王軍の領地と接している為に対魔王軍の最前線を担っていた

 

王国は当初は王国軍のみで対応にあたっていたが、度重なる損耗等により冒険者を積極的に動員することになった。それにより、魔王軍の侵攻は防ぐ事に成功したが、常に冒険者という協力者を動員する事による国費が発生する事にもなった

 

唯でさえ魔王軍との交戦により治安の低下が懸念された為に王都の民衆への対応の為に資金が必要だった上に、である

そこで当時の王国宰相は対魔王軍での戦果の少ない王国軍の予算の一部を、冒険者動員の資金に転用する事にしたのである

 

宰相からするならば、王国軍が十分対応出来ていたのなら必要のない経費である以上、軍への負担は至極当たり前の事と言えたのだろう

 

だが、当事者の王国軍からすれば現状でも装備の開発、補充等で足りない予算を持っていかれるのは我慢出来る筈もなかった

当時の会議において満座の中で「王国軍の力が及ばない故に冒険者を動員する以上は王国軍の予算を削るのは当たり前」と宰相が発言した事で、軍務卿は面目を失う事となった

 

更にめざましい功績を挙げた冒険者に『勇者』の称号を与え、王配とした事も王国軍の冒険者への隔意へと繋がる事となった

 

 

しかし、ベルゼルグ王国は魔王軍関連の予算により国庫を常に圧迫されており、財政は厳しかった

幸いにして、ベルゼルグ王国以外の諸国よりの財政支援により致命的なものとはなっていないが、決して楽観視出来る状況ではなかったが

 

 

 

そんな王国軍にとっては鬱屈する中でレフェルの主張する『キャベツの人工養殖による王国軍再建』は少なからず彼等の興味を引くこととなった

 

だが、レフェルが要求するものは『王都付近の用地、運用資金、この件に関わる人員』であり、決して潤沢とはいえない軍は二の足を踏んだ

故に軍はレフェルに対して、先ずは多少でもいいから成果を見せる様に要求するのは当然といえた

 

だが、転生者であるレフェルは軍には予算が豊富にあるという思い込みがあった

その為にレフェルと軍務卿での話が上手くいかなかったのだが

 

 

「くそっ、隣国のエルロードにも話をもちかけたが、あの陰険な宰相に一蹴された

かといって、俺自身には大した戦力はない

冒険者を雇うにしても、最悪横取りされかねない」

 

基本的に他人を信用しないレフェルであるが故に荒くれ者のイメージのある冒険者、一応は同郷である筈の転生者。どちらも当てにしたくはなかった

その割には名誉や栄誉には拘る為に他者を蹴落とす事はあれど、他者を気遣う等の考えは一切ない

 

 

 

「あのー、レフェルさん?ちょっといいかい?」

 

そのレフェルだが、外面は取り繕っているので近所の住人からは頼られてはいた

 

「どうされました?何かお困りですか?」

 

「実は、近くの道具屋に『天使』とか言うのが来ていたらしくて」

 

「『天使』ですか?

それはまた、エリス教徒やアクシズ教徒に見つかれば面倒事になるでしょうに」

 

「ええ、とりあえずは警察の方に連行してもらいはしたのですが」

 

「・・・私の知る限りでは覚えがありませんな

力になれず、申し訳ないですが」

 

 

嘘である

 

彼は転生した時にふざけた天使に会っており、その記憶もある

面倒なのが嫌いなだけであった

 

 

「いや、こちらこそ申し訳ありません。では失礼します」

 

 

訪問者が去った後でレフェルは考える

 

「『天使』か。あの糞天使を思い出すと今でも腹が立つ。まぁ、利用出来るのならば保護するのも吝かではないが」

 

 

 

 

 

レフェルは知らない

 

自身の転生特典の中に『天使』を利用した外法が記載されていたことに

 

 

そして資金調達で売りに出したその書物がとある街で混乱をもたらす事も

 

彼は知らなかった

 

 

 

 

 

 

 

とある街の領主の館

 

「しかしこの『古代文字』か。まさか王都の冒険者ごときが知っておるとはな

ほう、悪魔召喚?面白い。上手くいくならば儂がこのアクセルの街の支配者ともなれる

 

その時には、ダスティネスは。クククク」

 

 

この領主は『古代文字』等読めなかったが、とある転生者が大金に釣られて教えてしまった

その転生者は何処かへと消え、転生特典は領主の元に残った

 

 

「む?『天使』を利用した魔法だと?

馬鹿馬鹿しい、『天使』等居るわけもないだろう

 

いや、待てよ?『古代文字』とやらはニホンゴと言っていた。女神にも会ったとも言っておった

いるのか、『天使』が。本当に?」

 

 

 

この領主の元に暫く後に報せが届く事となる

 

 

『王都にて天使を名乗る者が収監された』と




駄天使がアップを始めました

転生者と某領主もアップを始めました

暫くはほのぼのは一休みな予定


シリアスになると文量が増えると思いますので、更新は途絶えるかもしれませんが、御容赦下さい

ユニークアクセスが一万を突破しましたので、記念小説を書こうと思いますが、気長にお待ちいただけますと有難いです


では、御一読ありがとうございました
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