緑のアイツ   作:くらうす

43 / 65
さあ、このすばにおける問題集団が動き始めました

なお、作者はアクシズ教ゆんゆん派を自称しています

何となく浮かんだので更新してみました


今後は少しずつ長くなりますが、よろしければお付き合い下さい


誤解と和解

突然だが、人生でこれ以上ないほどに後悔したことはあるだろうか?

 

進むべき進路を誤った時?恋人と些細な行き違いで別れた時?家族と喧嘩したまま死に別れた時?

人それぞれ色々あるだろう

 

現在めぐみんは人生においてこれ以上ないほどに後悔していた

 

「貴女がゆんゆんさんとあるえさんね?

さあ、貴女達を誑かしているナタルという人の所へ連れて行って下さい!

貴女達の様な美少女を毒牙にかけようとする悪人をとっちめないと」

 

「・・・」

 

「いや、だから何故ナタルさんの事を知っているのかな?」

 

セシリーに詰め寄られているゆんゆんとあるえの目が紅くなっているから

 

特にゆんゆんは全く喋らないが、めぐみんが今まで見たことがない位に目が紅い

 

そう、『喋らない』のだ。めぐみんを睨む訳でもないが、虚空を睨んでいる

 

「それはめぐみんさんが教えてくれましたからね」

 

(ちょっ!それを言われるとマズイのですが

というか、ゆんゆんは、ヒエッ)

 

あるえの疑問にセシリーは胸をはって答える

その瞬間、ゆんゆんの視線がめぐみんへと向いた

 

此処がアクセルの街中でなければ、魔法を撃ちかねないほど殺気だっているゆんゆんがそこにはいた

 

 

「・・・めぐみんから?

しかし無関係の貴女が私達の交友関係に文句をつけるのはどうかと思うが?」

 

「前途有望なロリっ子のめぐみんさんのみならず、貴女方まで騙そうとするナタルという人物に色々お話しようかと」

 

「人の話を聞いているのか?貴女は無関係。であるならば、口出しは無用だ」

 

あるえは淡々と喋ってはいるが、セシリーへの敵意を隠そうともしなくなっていた

 

「ねぇ、めぐみん?何でナタルさんの事を喋ったの?」

 

やっと口を開いたゆんゆんはめぐみんへと質問している風に装いながら、暗にめぐみんを責めていた

 

 

 

『何故話した?』と

 

 

 

ナタルは間違いなく『異端』なのである

だからこそ、アクセルの街中等の人がいるところには連れて来れない

 

今回、ゆんゆんとあるえが揃ってアクセルの街に来たのはナタルがめぐみんを心配していたからなのだ

 

『ロマンの体現者』であるめぐみんにはナタルは敬意を持っており、弟子入りすらも考えている程である

 

 

にも関わらず、めぐみんが他人しかもアクシズ教徒にナタルの事を喋ったのだからゆんゆんの怒りはマトモなレベルではなかった

 

 

そもそもエリス教、アクシズ教どちらも『モンスターや魔族』に対しては『倒すべきもの』として扱っている

 

特にエリス教は『悪魔や魔族』は排斥しようとする考えを持つものが多い

 

アクシズ教は良く言っても『独特』な人物ばかりであり、一般人からするとアクシズ教徒は関わり合いになりたくない集団であった。が変わり者揃いでもモンスターや魔族を討伐しているのも事実である

 

更に冗談の様な話であるが、アクシズ教の総本山アルカンレティアにはアクシズ教徒で凄腕の冒険者やアークプリーストが多数いるのだ

 

 

魔王軍をして「紅魔族とアクシズ教徒は頭おかしい」と言わしめる程である

 

 

そんなアクシズ教徒にめぐみんが故意でないだろうが、口を滑らせたのだからゆんゆんの怒りも当然であった

 

 

「すいません」

 

めぐみんは謝る事しか出来なかった

 

 

 

 

 

結局、何とかセシリーを説得したあるえと共にゆんゆんとめぐみんは一度ナタルと話し合いを行うべく、ナタルの元に向かった

 

 

だが、彼女達は知らない

 

アクシズ教徒が『頭おかしい』と言われる所以を

 

 

 

「今回ばかりは擁護出来ないよ、めぐみん

ナタルさんは表沙汰にした場合良くて実験材料、悪ければ即討伐だろう。決して共存とはいかないだろうね」

 

あるえは周囲を警戒しながら、めぐみんに諭す

 

いつもならば、アクセルの街から少し離れたところでテレポートを使うところだが、めぐみんと話をするために徒歩でナタル達の元へと向かっていた

 

 

 

この時についてくる人物に気付かなかった事を三人は後悔する事となる

 

 

 

 

 

 

「という訳なんだ。暫くは此方に来れなくなると思うんだが」

 

「ごめんなさい、ナタルさん」

 

「申し訳ありません」

 

アクセルの街での経緯を話すあるえと謝るゆんゆんとめぐみん

 

「いや、仕方ないって

それにめぐみんさんが謝る必要はないし、ゆんゆんも謝る必要ないからね」

 

「ナタルさん」

 

 

 

 

 

「え、何あれ?レタス、ですよね?

レタスと会話しているの?え、え?」

 

遠くからこれを目撃していたセシリーは混乱の最中にあった。さしものアクシズ教徒であるセシリーもレタスと会話している様にみえる光景には戸惑うしかない

 

「あ、でも変身能力を持った悪魔とか安楽少女みたいなものなら危険ですよね」

 

そう、モンスターや魔族には効率よく獲物を捕らえる為に擬態能力を有するものも存在する

ナタルがその一部と考えるのは可笑しくはなかった

 

 

 

 

「そこまでです!邪悪なモンスターよ。可憐な美少女達から離れなさい!」

 

「ん?」

 

「ちょっ!」

 

「はぁ」

 

「・・・・」

 

 

 

 

この後ぶちギレたゆんゆんによってセシリーは追いかけ回された

 

最初はセシリーを止めようとしたあるえとめぐみんだったが

 

 

 

「ドウシテ、ジャマスルノ?

ネェ、ナタルサンガナニカアナタニシタノ?」

 

というハイライトが何処かにお出かけしたゆんゆんの迫力に二の足を踏んだ

 

しかしセシリーは

 

「それはモンスターです!貴女達を騙そうとしているに決まっています!女神アクア様にかわって倒します!」

 

等と燃料を投下した

 

 

「ソウ。ナタルサンヲキズツケルツモリナンダ

ナラ、アナタハワタシノテキ。ナタルサンヲキズツケルモノハユルサナイ」

 

と言って、冒険者カードを取り出したゆんゆんは何やらスキルを習得した後にセシリーへとワンドを向けた

 

 

普通にライトオブセイバーやカーズドライトニング等をセシリーに向けて躊躇いなく放った事でセシリーも危険を察知したのか逃走しようとしたが、ゆんゆんが追撃した

 

 

「いやさ、俺の事を心配してくれるのは嬉しいよ?

でもゆんゆんが俺の為に人を傷つけるのは見たくない

それにゆんゆんも後で傷つくだろうから、ね?」

 

「はい。ごめんなさい」

 

これを止めたのはナタルだった

 

ナタルは追いかけていたゆんゆんに手加減した体当たりを食らわせたのだ。それによりゆんゆんの意識を一時的に奪った

 

 

「先程も言ったと思うがね。これは私達の問題であって、部外者の貴女が口を出す問題ではない

言ってしまえば、余計なお世話だ

というか、こんな事をするから貴女達アクシズ教徒は嫌われるのではないかな」

 

「で、ですけど」

 

「ですけど、なんだい?

彼ナタルはゆんゆんの危ない所を助けたと聞いている

私は少なくとも貴女よりはナタルさんの事を知っているつもりだ。彼は私が知る限り、人間に危害を加えた事はない。それなのに彼とは初対面の貴女が彼を危険視出来るのかい?

そうならば、こちらの納得のいく答えを聞かせて貰おうじゃないか。アクシズ教のプリーストの貴女がその様な事をする以上はそれなりの理由があるのだろうね?」

 

セシリーを正座させた上であるえはセシリーを詰問していた

 

あるえの目の色は深紅に輝いており、彼女の怒りの程をあらわしていた

 

 

「セシリーさんが私達の事を心配してくれたのは嬉しく思います

ですが、此方の言い分を聞かずに一方的にナタルさんを害そうとした事は明らかに間違いではありませんか」

 

めぐみんは他の二人よりは落ち着いて話をしている

 

「しかしね、めぐみん。下手をすればナタルさんが死んでいたのかもしれない。況してやこちらがナタルさんを隠していたにも関わらずこの様な事を仕出かしてくれたんだから、謝ってはい終わり。とはいかないだろう?」

 

「では、どうしますか?

セシリーさんを此処で殺すとでも?

それをナタルさんは許すとは思いませんが」

 

実のところ、めぐみんも冷静そうに見えてかなりキレていた

 

元々、自分の失言から始まったと言うことでセシリーにも多少は気を使ったにも関わらずこのざまだ

 

それにめぐみんとて知り合いを傷つけられそうになっていて黙ってすませるたちではないのだ

 

だから自然と表現も過激になる

 

 

 

 

「ゆんゆんが俺に傷ついて欲しくないように、俺もゆんゆんに傷ついて欲しくないんだ

幸いにも俺に怪我はないんだから、ね?」

 

「はい」

 

ナタルとの話で既にゆんゆんは涙声だった

 

自己嫌悪とナタルが助かった事による安心でゆんゆんの頭の中はごちゃごちゃになっていた

 

 

「でも、ゆんゆん。ありがとう。俺を守ってくれて」

 

「ナダルざんっ!」

 

ゆんゆんは涙を堪えきれずにナタルを抱きしめた

 

「ごめんな。心配かけて」

 

「いえ、私、私こそごめんなさい」

 

「ゆんゆん。本当にありがとう。怪我がなくてよかったよ」

 

「ナタルさん」

 

 

暫くの間、ゆんゆんはナタルを抱きしめたままだった

 

ナタルの温もりを確かめる様に

 

 

 

 

「あー、うん。間が悪かったって事で、ヨシ!」

 

落ち着いたゆんゆんから解放されたナタルはあるえ達の元へ行き、そう総括した

 

「・・・色々と言い足りないが、ナタルさんが許しているなら私が言う権利はないね」

 

「いや、あるえさんの気持ちは嬉しかったよ。ありがとう」

 

「・・やれやれだ。一番落ち着かなければならない場面だったのにね」

 

「私の失言のせいで」

 

「いやいや。めぐみんさんも悪くないって。本当にタイミングが悪かっただけでしょ?

それでも気がすまないなら、また爆裂魔法を見せてくれたらそれでいいよ」

 

「ふふっ、分かりました。また我が爆裂魔法をお見せしましょう!」

 

「セシリーさん?でしたっけ

あまり気にする必要はないですよ?多分俺は例外中の例外でしょうし」

 

「ですが」

 

「えっと、ならセシリーさんって司祭なんですよね?」

 

「?そうですが」

 

「じゃあ、宗教について教えて貰ってもいいですか?

此方の世界の宗教に興味がありますので

 

「え!」

 

「いや、それは」

 

「ちょっと、待ってください」

 

ナタルは三人をそれぞれ納得させる為に話をしていた

あるえとめぐみんは良かった。がセシリーへの頼みにゆんゆん達は動揺した

 

 

「アクシズ教の話を聞いて貰えるのですか?」

 

「そのアクシズ教について全くしらないもので。というか、世間一般の常識も知らない部分が多いのでそれも含めて教えて貰えると助かるんですけど」

 

「わっかりました!ならばアクシズ教の教典を今日にでも、いえ今日これから街に戻ってからでは時間が足りませんね。明日でいいでしょうか?」

 

「ええ。セシリーさんがよろしければ明日でも大丈夫ですよ

何分、レタスですので毎日が休みですから」

 

「では明日必ず此方に伺います

その時にアクシズ教や色々な話をしましょう

ああ、アクア様。貴女の教えがついに人間以外にも広がる事になります

っと、では改めましてアクシズ教のプリーストをしておりますセシリーと申します。今回の無礼、誠に申し訳ありませんでした」

 

深々と頭を下げるセシリー

 

「あ、これはご丁寧に。レタスをやってますナタルと申します。現在はただのニートですね」

 

 

 

「えっと、セシリーさんとナタルさん凄く仲良さそうなんだけど」

 

「ついさっきまでナタルさんを排除しようとしてたとは思えないね」

 

「というか、いいんですか?ナタルさんが最悪アクシズ教徒になりそうですが」

 

「「うーん」」

 

 

 

 

 

 

 

後の宗教関係者は語る

 

ここが大きな転換期だったと

 




と言うわけで原作屈指の問題集団がダイナミックエントリーしました

割と好きなんですよ、アクシズ教の皆さん


なお、ミドリカワはキャベツ農家の真似事をしていましたが、此方のナタルは現在無職となっております

その内、ナタルにも仕事をさせないとマズイと思いながら、続きを書いていきます

では御一読ありがとうございました
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。