今回は某人物に対するヘイト的な表現が含まれます
また、作者自身の考えが大いに強調されています
それでもよい方は御覧下さい
あ、それといつも通りの文量です
ナタルとセシリーが約束をしていた頃、王都では一つの騒ぎが起こっていた
貴族の中ではそれなりに有名だった『好事家』として名の知れた貴族の屋敷が全焼。屋敷の主以下全員の焼死体が発見された
更に屋敷の側には黒髪黒目の男性の死体が発見されており、警察と軍は事故と事件の可能性を調べている
だが、王都で噂になっている理由はそこではなかった
その屋敷に保護されていたと噂があった自称『天使』の死体が発見されなかったとされたからである
これは警察による尋ね人の掲示により発覚したものであり、元々『天使』等と触れ回っていた気狂いとしてそれなりに有名な事が原因である
保護した貴族を屋敷もろとも始末した。等という風評もいつの間にか流れていた為に王都の民は少しの恐怖と多大なる好奇心を向けていた
そんな時期に王都近郊のとある有力貴族の屋敷に『人が入る程の大きさの荷物』が届けられた
「苦労であったな」
屋敷の主である貴族の男は自室に入って来た人物を労う
「はっ、有り難き御言葉」
貴族の男に労われた仮面の男は緊張した面持ちで返事を返した
彼は警察署の側で殺された男と共に張り込みをしていた人物だった
「何か異常や気になる点はあったか?」
その男に壮年の男が質問する
「実は天使等と吹聴していた割には明らかに一般人と変わらない程度の抵抗しか見せませんでした
私もアレを使うまでも無く制圧出来たことを踏まえると狂言の可能性が高いかと」
「ふむ、そうか
それは後で調べるとしよう。幸いにもそれに適した『神器』とやらがある」
「しかし、『神器』は本人でなくば十全に使えないと聞きますが?」
「貴様が心配せずともそこら辺は抜かりない」
「・・・・はっ」
「うむ。今回も苦労であったな
報償金を出すゆえ暫くはゆっくりせよ」
「有り難く」
報償金を貰った仮面の男は、その後足早に屋敷から去っていった
「腕は立つが信用ならぬ男よ」
「ええ。おそらくは奴も王都の『魔剣の勇者ミツルギ』と同じではないかと思われます」
「同じ境遇の者を躊躇いなく手にかけるか
あの手の人間は此方の隙を伺っている。隙を見せれば平気で裏切るだろう」
「間違いなく」
貴族の男とその部下の壮年の男は仮面の男を全く信用していなかった
彼は冒険者ギルドに登録するや直ぐに頭角を表した
しかも『ソロ』でありながら、次々と高難度のクエストをこなしていった
だが、一方で協調性などは皆無であり、平気で人を見下す、騙す、陥れるなどの行為を繰り返した結果、同業者である冒険者達に襲われ、顔に重傷を負った
その後はギルドに一切行かず、所謂アウトローな仕事ばかりも請け負う事になった
そうじて、人とは突如として与えられたモノを使いこなすのは中々に難しいものである
宝くじやギャンブル等で突如大金を有した人物、元々家が金や権力を持っていた人物
これ等は余程自身をコントロールしなければすぐに悪い方向へと傾く
大人ですらそうなのに、転生する前が学生だったりする転生者が『転生特典』というものを与えられて果たして一般的な行動がとれようか
しかも、文字通り『異世界』という今までの常識の通じない所で
原作でも凄腕の冒険者となっていたミツルギが女神アクアの扱いについてカズマに抗議した時も、彼は『グラム』という強大な力を与えられたから初心者冒険者として通るべき『貧しさ』を認識出来なかった
無論、彼とて努力はしたのであろうが、カズマが彼よりグラムを奪っただけで勝負に負けた事を見ると、グラムありきの努力であったと思われても仕方ないだろう
対するカズマはアクアという転生特典があったとはいえ、基本的には自助努力していたと思われる
誰かが言ったか『大いなる力には責任が伴う』というのは間違いではないのだ
力を得て増長しないように自制するのは間違いなく並大抵の苦労だと思うが
「消しますか」
「利用価値はあるが」
「下手をすれば計画の妨げとなりましょう
今ならば手こずる事はあっても間違いなく始末できましょう」
「・・・・・いや、もう少し利用する」
「はっ。出過ぎた真似をして申し訳ありません」
「構わぬよ。だが、鎖はつけておけ
狂犬とて飼い慣れせばよいが、飼い主に牙を剥くようならば」
「天使ねぇ?くだらない事だ」
屋敷から出た男は一人呟く
「ま、金払いはいいからな。暫くは使われてやるか
さてと、何時もの店で一杯やるか」
彼は今馴染みの店に通っており、一人の女性に入れ込んでいた
何処かの村から出てきたそうだが、そうとは思えない程の美貌を持ち、周囲から嫌われている彼にも嫌な顔一つしない
彼女に会うのが、最近の彼の楽しみだった
セシリーとの歓談が終わったナタルであったが、今日はゆんゆん達もアクセルの街に戻ると聞いて見送る事にした
「また、明日も来ますね」
「ゆんゆん。気持ちは有り難いけどさ、生活大丈夫?」
「はい。最低限のクエストは受けてますし、宿には先にお金を支払ってますから」
「ゆんゆん。多分ナタルさんが言っているのはそういう意味ではないと思うのですが」
割と頻繁にナタルへ会いに来るゆんゆんが心配になったナタルだが、どうやらめぐみんの発言からすると通じていないらしかった
「とはいっても、私も来るのだけどね
めぐみんはそろそろクエストを受けないとマズイと思うけどね」
「うっ、た、確かにそうですが」
「大丈夫ですよ、めぐみんさん。いざとなったらエリス教の教会でパンを配ってますから、それを貰いに行きましょう」
ちゃっかり明日も来ると宣言するあるえと懐具合が苦しいめぐみん
普通に炊き出しに行くことをすすめるセシリーだった
「いや、炊き出しって」
「アクシズ教徒はこういう事を平気でするからね」
少しばかり引くナタルだった
「では、また明日お会いしましょうね、ナタルさん」
「あ、はい。忙しかったら後日でいいんですよ?」
「いえいえ。折角アクア様の教えに興味を持ってもらったのですから明日は洗剤も持ってきますね」
ゆんゆん達が帰った後
「洗剤をどうしろと?」
途方に暮れるレタスが一人?いた
レフェルは考えていた
キャベツを養殖するのは効率よく、しかも危険のリスクを下げてレベル上げをする為である
つまりは危険のリスクさえ下げてしまえば、別にキャベツに限定する必要はないのだ
しかし、簡単に言えるとしても実行する方法が見つからないのであれば意味はない
「そういえば、転生者の一人が経験値について何か言っていたような」
「だ○らよ、○じ○生○な○ば○○値は○ん○りも○え○んだ○て」
レフェルは必死に思い出そうとするが思い出せない
仕方なくレフェルは金を稼ぐために道具屋でバイトをすることにした
レフェルの記憶が戻らない事を切に願う
というわけでいよいよきな臭くなってきた一方でアクシズ教徒のレタスが爆誕しそうな話
爆裂魔法に憧れてアクシズ教徒のレタスとか、いや本当に何なのコイツ?
と思いながらも続けていきたいと思います
石を片手に見守って下さるとありがたいです
では、御一読ありがとうございました