忘れられてないよね
待たせた割には何時ものクオリティ
ややはっちゃけてますが、ご了承の上で御一読ください
魔王軍の幹部『見通す悪魔』バニルは今不機嫌であった
何時も通りに魔王の娘や元レジーナ教のプリースト等をそれなりにからかったまでは良かった
だが、『とある場所』に来た上機嫌だったバニルの機嫌は急降下した
「ほほう、この『見通す悪魔』である我輩の領域にて無法を働くとは、中々に勇気があるようであるな」
とある祠の中をその舌で荒らし回っていたジャイアントトードに言い放つ
が、仮面をしていても分かる程の怒気を放っておりジャイアントトードは一目散に逃走を企てる
本能が叫ぶ「このままでは死ぬ!」と
だが
「生憎だが此処を荒らした以上は生かして帰さん
程度の低いたかが蛙ではあるが、容赦はせん」
数秒後には焼け焦げたジャイアントトードの姿が其処にはあった
「やはりバニルさん人形を守護につけておくべきかも知れんな」
バニルは祠の中を掃除しながら一人呟く
「此処には何もない
だが、確かにあったのだ」
バニルは切なそうに呟く
レフェルはキャベツ捕獲の為の公爵が用意した兵隊と共にアクセルの街へと向かう事になった
目標はアクセルの街近郊にいるとされるキャベツ
出来る限り騒ぎを起こさず、それでいて秘密裏に王都の近くの公爵領まで輸送しなければならない
何せアクセル付近に居るキャベツを捕獲したことが露見すると最悪、アクセルの冒険者ギルドと対立しかねない
アクセルでのキャベツ捕獲クエストは初心者冒険者を多数抱える冒険者ギルドにとって生命線の一つである
更に初心者冒険者や低レベル冒険者の受けるクエストは報酬が少ない為にギルドの受け取れるマージンも自然と少ない
そんな中でキャベツ捕獲クエストは安定した収入を冒険者とギルドの双方にもたらすのだ
故にアクセル側に漏れない様に極秘に行わねばならないのだ
「レフェル殿、本当にいるのでしょうな?」
公爵の部隊の指揮官が不満そうに言う
彼からすれば部外者のレフェルにあれこれ言われるのは主君である公爵の命とはいえ納得し難いものがある
更に今回の任務はキャベツの捕獲である
彼には全く必要性を感じなかったから尚更だ
「少なくとも私はそう聞いているが」
「ならば事前に確認すべきでしょうに
幾ら我が公爵家とはいえども、この様な事を何度も出来る訳ではないのですぞ」
「だが、公爵殿よりはそう命を受けているのだ。従ってもらう」
(ふん。事の重大さの解らぬ輩はこれだから困る
もう少しは視野を広く持てば良かろうに)
レフェルは内心ごちる
そこに
「隊長!キャベツがいました!」
「何!いたか!」
「おお」
レフェルは感嘆の声を上げた
そこには少なくとも十体以上のキャベツがいたのだ
彼等?はナタルやキベムの知らない一群であり、ナタルの様な規格外やキベムの様な統率力を持つ個体は不幸にも存在しなかった
「総て捕らえて下さい!」
「言われずとも!
総員、速やかに捕獲せよ!」
キャベツ達を捕獲したレフェルと公爵の兵士達は速やかに公爵領へと引き上げる事にした
一方で元駄天使ことリフェは公爵の屋敷の地下でいよいよ明らかにヤバい事をさせられていた
「おいおい、公爵さんよ。こんな別嬪さんを好きにしていいのかい?」
「貴殿が勝てば好きにすれば良かろう」
「二言は無し、だぜ?」
「言葉を違える気はない」
「え、嘘?」
リフェは今まではモンスターを倒してくれば良かった
だが、今日からは『人間』を殺す様に言われたのだ
出来ねば破滅
「う、うわぁぁぁぁっ!」
リフェはその時から狂った様に公爵が用意した『モノ』を殺し始めた
自分が生きる為、自分を守る為
そう言い聞かせて
「こ、これは」
「不味いな。このままではアレが『堕天』する」
「し、しかしヤツは既に天界の者ではありませぬ」
「ヤツの器は間違いなく天使のものよ
それに色々細工して天使の力は封じたが、それでもアレは天使として生を受けたのだ」
天界では騒ぎになっていた
それもそうだろう。天界から追放した大罪人が更なる罪を重ね、遂には『堕天』のおそれが出るなど前代未聞である
今までは追放された元天界の者は慎ましく生をまっとうするか、その前に命を失うか。そのどちらかであった
追放したリフェは後者だと思っていたにも関わらず、予想の更に下をいったのだから彼等の混乱も無理はなかった
「かくなる上は女神アクアか女神エリスに助力を願っては?」
「それでは過度の介入に当たろう」
「『堕天』するまでには死ぬのでは?」
この後も天界は無様に混乱するだけとなってしまう
なお『堕天』した場合は魔力の質が変わる為に天界でかけた枷が意味を為さなくなる
つまり、リフェは『堕天使』としての力が十全に使える様になる
ただし、『堕天』する場合は人間がアンデッドになるのとは全く比較にならないレベルでの変化であり、嘗ては『再臨』と呼ばれる程のものになる
天使としての自我を保つ事は億どころか兆に一つの可能性もない
災厄レベルの力を撒き散らすだけの化身に成り下がるということだ
そんな破滅へのカウントが動いているとは知る由もない新人冒険者サトウカズマはいよいよクエストを受ける事になった
「えっと、ジャイアントトード?ナニコレ」
「ジャイアントトードっていうのはおっきな蛙のモンスターよ
牛とかを一呑みするらしいわね」
「は?ちょっとアクアサン?
それ新人冒険者が受けていい依頼なのか?」
「えっと、知らないわよ」
「知らないのかよ!
いや、俺も冒険者目指しているのに調べもしなかったけどさ!」
カズマとアクアがクエスト板の傍で騒いでいると
「ジャイアントトードは確かに新人冒険者が何も知らなければ危険なクエストです
ですが、きちんと対策をするなら大した事はありませんよ」
「「へ?」」
カズマとアクアが声のした方に視線をやると
身長は低く(ミニマムッ!)
体の起伏はあまりなく(つるぺたすとーん)
見た目幼い(ロリーン⭐️)
正にthe魔法使いといった風貌の眼帯をつけた女の子がそこにいた
「えっと、どちら様でしょうか?」
「ふっ、
我が名はめぐみん!
アークウィザードにしてやがて爆裂魔法を極める者!」
「「ええ・・」」
「っと俺はサトウカズマ。冒険者だ」
「私はアクア。一応アークプリーストね」
衝撃のめぐみんの自己紹介の後三人はギルドの隣の食堂にて改めて話をすることにした
「えっと、カズマさんとアクアさんですか
というか、アークプリーストになれる程ならジャイアントトードの対策位は知っているかと思いましたが」
「あ、えーとアクアはまだ冒険者を始めたばかりなんだよ、な?」
「うぇ?え、ええそうなのよ」
「そうなのですか。私達紅魔族でもある程度のレベルにならないとアークウィザードにはなれないのですが、その様な事もあるのですか」
(どうしよう、カズマ!凄い不審がられてるんですけど!)
(いやだからって素直に「女神アクアです」なんて言って信じて貰えると思うか、普通?)
「まぁその辺りはいいでしょう
(私の知り合いにも常識の通じないヒトが居ますし)
それよりもジャイアントトードを討伐するならば金属製の防具を身に付けるのが一番ですよ」
「へぇーそうなのか、ありがとうございます」
「いえ、流石にあそこまで困っているのに放置は気が咎めますから
では、ジャイアントトード討伐頑張ってください」
(ねぇ、カズマさん。このめぐみんって娘アークウィザードよ仲間に入ってもらったら?)
(アークウィザードって凄いのか?アークって上級職みたいだけど)
(the魔法使いってやつよ)
「えっと、めぐみんさん?
もしよかったらパーティー組んでみないかな?」
カズマの発言に虚を突かれた様な顔をするめぐみん
「お気持ちは嬉しいのですが、私はアークウィザードの中でも変わり者です
私の爆裂魔法は一撃撃てばそれで動けなくなりますよ?
明らかにお荷物になると思いますよ。それでも構わないのですか?」
「いや、別に俺やアクアだって足を引っ張るかも知れないんだし、パーティーってそういうものだろ?」
「そうよ。別に元ヒキニートなカズマと世間知らずな私のパーティーなんだから、貴女位個性的な方が良いと思うの」
「そうですか、では一度クエストを受けてみましょう
その後でお互いに考えると言うことで」
「じゃあ、明日の朝此処でいいよな?」
「ええ、ではよろしくお願いします」
「なんていうか、礼儀正しい娘だったな」
「そうね」
カズマとアクアがめぐみんの態度に感心していた頃
「聞いて下さい!ナタルさんにゆんゆん、それにあるえ
遂に私もパーティーに誘われる事になりましたよ!」
「お、師匠。おめでとうございます」
「そ、そうなの。よかったわね」
「やれやれ、私はついでなのかい?
それとゆんゆん、顔色が悪いよ」
「ふっ、これで冒険者としてボッチの貴女よりパーティーに入った私の方が難しい事を為した事になりましたね!
全く、初めて男友達が出来た事がゆんゆんに先を越されるなど予想外にも程がありましたが」
「うう、ナタルさぁーん」
「ああ、もう。師匠はゆんゆんをからかわないで下さいよ」
「というか、レタスに師匠と呼ばれる紅魔族とは」
「どうですか、あるえ。これも間違いなく紅魔族初の快挙でしょう!」
「そ、それでもナタルさんと私が知り合ったからでしょ!
それに師匠って言われているけどナタルさんに爆裂魔法を教えれてないじゃない!」
「うぐっ!
ゆんゆん、言いましたね?」
「言ったわよ!」
「はいはい、ゆんゆんも師匠も落ち着いて」
「やれやれ。紅魔族二人がレタスに宥められているとか流石に本にも出来やしないだろうね」
「あ、それとあるえさん。アクシズ教に入信しませんか?今ならセシリーさんが飲める洗剤をくれるらしいですよ」
「いや、私はいいからね
ゆんゆんでもすすめたらどうだい?」
「あ、あるえ。私はもう入信しているし」
「ちょ!ゆんゆん。君は何をしているんだい!」
「だって、ナタルさんが入信してますし」
「ナタルさん!流石にこれはないだろう!」
「あ、うん。ごめん
ゆんゆんにすすめたのセシリーさんなんだ」
「あーもう!これだから、アクシズ教は!」
頭を抱えるあるえだった
「あるえも少しは常識を捨てたら良いのですが」
「師匠の言う通りですけどねぇ」
「それが出来ないからあるえなんでしょ」
「「「常識人(笑)」」」
「よし、分かった。三人とも覚悟したまえよ」
「逃げろぃっ!」
「きゃーっ!」
「全く。さて鬼のあるえから逃げますか」
「誰が鬼だい!」
騒がしい毎日。これが何時までも続く
そのときの私はそう信じていました
さて暫くはシリアスとシリアルの両方を書こうと思います
あ、自分の技量に似合わないのは承知してますので御容赦ください、ね
では御一読ありがとうございました