ご了承のうえで閲覧下さい
なお、原作と致命的に時系列が異なります事をお詫び申し上げます
アクセルの領主アルダープはデストロイヤー接近の報をギルドより受けた
「デストロイヤー、だと
ふ、ふ、ふざけるな!何故この様な場所にデストロイヤーが来るのだ!
ええい、マクスウェル!貴様の力でどうにかならんのか!」
「ヒューッ、ヒューッ、無理だよアルダープ
幾ら何でも対象が広すぎる上にデストロイヤー自体をどうにかしないと」
流石にデストロイヤーは災害クラスであり、関わる者達は膨大な数に上る。もし、仮にマクスウェルの能力が通じたとしてもデストロイヤーがアクセルに向かっている以上は無意味である
「やむを得ない。儂の魔道具でモンスターを召喚して時間を稼ぐ他あるまいて」
「ヒューッ、ヒューッ、それをしたらアルダープ、君もただでは済まないだろうけど」
「ふん!儂はこのアクセルの領主だ!
儂の物に手を出すならば、それは儂の敵だ!」
アルダープとて意地がある
唯の行商人からこのアクセルの領主に成り上がった時に捨て去った筈の意地が
一方、公爵の元では異変が起きていた
リフェの様子がおかしいのだ
リフェの体からは黒い靄の様なモノが染み出ており、幾ら声をかけようと反応がない
「ええい!どうにかせんか!」
公爵は声を荒げた
すると、
「ナルホド、デハドウニカシテヤロウ」
「がっ!」「ぐっ!」「ぎゃっ!」
次の瞬間には公爵を含めたその場にいた全員が地に伏していた
皆腹部や頭部に大きな貫通痕があり、例外なく事切れていた
リフェだったものは『食事』を終わらせると公爵の館より外に出た
外にも『食糧』がいた。しかも館の中よりも上等な
彼女の視線の先にはレフェルが養殖しようとしていた『キャベツ』が数匹いたのだ
リフェだったものはまた『食事』を終わらせると公爵の館を魔力で消し飛ばした
まるで忌まわしいものであるかの様に念入りに
その後彼女は何処かへと飛んでいった
その先にはアクセルの街があった
アクセルの街のギルドには冒険者達が集められていた
今回はタイミング良くゆんゆんとあるえも居た為に参加する事となった
尤もゆんゆんとしては早く魔道具をナタルの元に持って行きたかったのが本音ではあるが
しかし、デストロイヤーの破壊は今までどの組織でも成し得ない程の難事であり、話し合いの体裁をとってこそいたが、殆んど絶望的な現状の確認となってしまっていた
「アクセルの街を通過させないように落とし穴や防壁を作っても無理なのかよ」
「はい、デストロイヤーは多脚式ですので落とし穴に落としても直ぐに這い上がります
更に機動力も備わっているので障害があっても迂回するだけです」
「攻撃して効果はないのか?」
「物理的攻撃では傷ひとつつけられないと聞いています
魔法による攻撃はデストロイヤー自身が障壁を有する為に効果ありません
先ずはこの障壁をどうにかしないと」
「正しく機動要塞かよ」
「感心してる場合かよ!
どうすりゃいいんだよ?」
こんな喧騒の只中にあるギルドとは移り変わって
「機動要塞デストロイヤーねぇ」
カズマはイメージが出来ない様だ
「兎に角硬くて早い移動要塞です
流石に相手が悪いのですが」
めぐみんの歯切れが悪い
「でも、逃げても仕方ないと思うけど?」
アクアの発言は正しい
たとえ堅牢で精兵揃いの王都であってもデストロイヤーが襲来すれば陥落するだろう
つまり、デストロイヤーが有る限り安全な土地などないのだ
「カズマ達が危険と判断するならば、今すぐこのアクセルから離れた方がいいだろう」
「離れた方がいいってダクネスはどうするんだよ?」
「私は最後までこの街を守る!
それだけだ」
「奇遇ですね、ダクネス
私も逃げる訳にはいかないのですよ
こんな私を師と仰いでくれるヒトがいますからね」
街に残ると言うダクネスに同調するめぐみん
彼女は死ぬ気は無いが今回ばかりは分が悪いと思っていた
「カズマそれにアクア。こんなポンコツウィザードを仲間にしてくれた事に感謝します
このパーティーで冒険出来た事は私にとって掛け替えのないものになりました、本当にありがとうございます」
「そうだな。こんな足手まといにしかならない私をパーティーに入れてくれた事に感謝している
さぁ、早く逃げないと時間がないぞ」
めぐみんとダクネスはカズマとアクアに感謝を伝える
まるで最期の挨拶であるかの様に
「ねぇ、カズマ?どうするの?」
「どう?って言っても」
「私の事は気にしなくても良いから
カズマのしたいようにすれば良いのよ」
アクアはあくまでもカズマの意思を尊重する様である
「・・・・・・・・・・・・・・・しょうがなねぇなぁ!
アクア!めぐみん!ダクネス!ギルドに行くぞ!」
「へ?し、しかしカズマ。言ったでしょう、相手が悪いと」
「そ、そうだぞ!カズマ、気持ちは嬉しいと思うが」
カズマがめぐみんとダクネスに同行する様な意思表示をした為にめぐみん、ダクネスは思い直す様に説得しようとするが
「ダクネスが言ったんだろ?時間は無いって
急ぐぞ!」
「ちょっ!カズマ、待ってください!」
「カズマ!」
カズマはギルドの方向に駆け出した
「ふふっ」
「なんですか?」
「何故笑うのだ、アクア?」
カズマが去ったあとアクアは嬉しそうに笑っていた
怪訝に思っためぐみんとダクネスはアクアに尋ねる
「だって、貴女達が私達とのパーティーを大切に思っているのと同じようにカズマも大事に思っていたのよ
恥ずかしいみたいだから言わないみたいだけどね」
「カズマが?」
「意外、ですね」
アクアのカミングアウトにダクネスとめぐみんは驚いていた
クエストを受ける前にはしっかりと状況、場所、更には近くでクエストをしたパーティーに確認すらしていて、いつも面倒くさそうにしていたカズマが実はあのパーティーでの冒険を楽しんでいたなんて二人には想像出来なかった
「やっぱり、カズマも男の子って事よね」
ナタルは言っていた
「やっぱりさ、男ってのは馬鹿なのさ。どうしようもなく見栄っ張りなのよ
俺もさ、こんななりでもそうだしね」
と
「さて、早くカズマに追い付かないと後で怒られるわよ?」
アクアは悪戯っぽくウインクした
「そうですね」「そうだな」
アクア達はカズマを追いかけて走り出した
素直ではない、『私達の』リーダーの元に
カズマが三人より早くギルドに着いていたが、喧騒の中であった
「カズマさん!こっちです」
「やっぱり君も来たのかい?お互い物好きなコトだね」
ゆんゆんに呼ばれて近くのテーブルに着くとあるえも皮肉混じりに話しかけてくる
「ま、物好きな連中だからこそ冒険者やってんだろ?」
「クスッ、そうですね」
「違いないね」
軽口を叩くカズマに二人は同意した
その少し後にアクア達も合流してゆんゆん達と情報交換をおこなうことにした
「情報大事。軽視ダメ絶対」
とはどこぞのレタスの助言である
「要約すると、足止めも難しく、攻撃は物理が絶望的で魔法なら障壁を抜けばワンチャンって事か?」
「そうだね。付け加えるなら、デストロイヤー相手に近距離戦を挑むのは自殺行為だろうってところだね」
「でもあるえ。魔法だって障壁をどうにかしないと意味がないんじゃ」
「障壁なら多分どうにか出来ると思うけど?」
「「「「え゛?」」」」
「マジか!本当に大丈夫なんだろうな、アクア?」
「恐らくだけどね」
アクアの『セイクリッドブレイクスペル』が通用すると仮定してカズマ達は作戦を立てる事にした
「兎に角、アクアの魔法が通用するとして作戦を立てるしかなさそうだ」
「些かギャンブルが過ぎる気もしますが、アクアの事ですから上手くいくと思いましょう」
「じゃ、じゃあどうするの?」
「最優先としたいのは機動力を削ぐ事だろうね」
「確かに。そうすれば出来る作戦の範囲も広がるだろうしな」
「となると、火力重視だな」
「そうですね、私やあるえでは厳しいと思います」
「となると、めぐみんよね?」
この中と言わず、このアクセルにおいてめぐみんより瞬間火力のある者を探す方が困難といえる
「しかし、出来るならば四本の内半分は削るべきでしょう
前足なら前足のみを破壊できれば上手くすれば行動不能にも出来ますよ」
「つまり、もう一人要るって事か
爆裂魔法の使い手が」
めぐみんの発言を受けて皆が考える
その場にいたカズマ達は不思議とアクシズ教徒で爆裂魔法に魅せられた某レタスの高笑いが聞こえた気がした
「いや、無理だろ」
「無理よね」
「無理ですね」
「無理だろうな」
「無理、かな?」
「無理だね」
皆の意見が一致した
なお余談となるが、レタスのナタルとキャベツのキベムがエクシーズする様な謎のイメージをカズマは受信したが、気のせいと振り切った
(いや、キャベツとレタスでエクシーズとか何だよ
野菜戦士にでもなるってか?
いやいや、落ち着けよ)
・・・・・・失礼。振り切れていなかった様である
そんな訳で頭を文字通り抱えていたカズマに
「あの。すいません。カズマさん?
もしもーし?」
と声がかかった
「ん?あ、あれ?魔道具店の」
「はい、ウィズです
何かお手伝い出来るかと思って来たのですが?」
カズマに声を掛けて来たのは魔道具店の店主でリッチーのウィズである
彼女とはカズマがゾンビメイカーの討伐クエストを受けるかどうかの下調べをしていた時に出会って以来、冒険者としてのアドバイスを度々受けている
アンデッドの中でも高位のリッチーであるが、危害を加える様子も見られない為に一応は女神アクアの預かるところとなっている
「そういえば、ウィズさんも冒険者でしたね」
「あはは、最近は店主としての活動しかしてませんでしたからね
でも、一応はアークウィザードですから、お役に立てるとは思いますよ」
「ふむ、話の途中で済まないがアークウィザードならばもしかして爆裂魔法を習得してはいないだろうか?」
「いや、幾らなんでもネタ魔法を習得するのか?」
「おい、爆裂魔法がネタ魔法とはどういう事か、是非とも説明して貰いたいのですが?カズマ?」
ウィズとカズマの話に敢えてあるえは割って入り、爆裂魔法のスキルの有無を確認した
その際にめぐみんとカズマが少しばかり言い合いをしていたが、省みる余裕などなかった
「あ、あのカズマさんとめぐみんさんを放っておいていいんですか?」
「残念だが、今は二人のじゃれつきに構っている暇はないんでね。それで、どうなのかな?」
「ええ、一応爆裂魔法も使えますけど」
「となると決まりかな
さて、めぐみん。いい加減に落ち着こう
幾ら親しい異性がいるとはいえ、節度は守るべきだろうさ
もっとも、ゆんゆんの様に奥手、なのかな?でも困るのだけどね」
「ええっ、わ、私?」
「とりあえずは助かったよあるえさん
で、だ。アクアの魔法でデストロイヤーの障壁を破る。その後でめぐみんとウィズさんの爆裂魔法でデストロイヤーの前足を破壊する。ここまではいいよな?」
話が横道に逸れていたのをあるえとカズマが修正するとカズマが確認の為に作戦の概要を話す
「恐らくデストロイヤーの大きさならば要塞内に警備の為の仕掛けもあるだろう。それは私とゆんゆんで片付けるとしようか」
「じゃ、頼む」
「任されよう。ではカズマ君は全体の指揮にあたって欲しい
全体を見渡して指示を出す事が出来るのは恐らくこのメンバーでは君だけだろうからね」
あるえは何回かカズマ達とクエストに同行している為にカズマは指揮に専念させるのが効果的であると判断していた
「わかった。だけど突入は前足を破壊してもどうにもならない時だけにしようと思う」
カズマは不思議な事を言い出した
「しかし、カズマ。内部も破壊しなければ安心できないのではないでしょうか?」
「めぐみんの言う通りじゃないの、カズマ?」
めぐみんの疑問にアクアも同調する
「いや、あんな馬鹿でかい物を作るなら、自爆装置とかを入れている可能性もあるんじゃないか?」
「ふむ、確かに
うちの里の連中でもやたらと自爆させたがる職人もいるからね、あり得なくはないだろう」
「え、でもあるえ。それって私達だからじゃないの?」
「あ、でも爆裂ポーションなんてものを造られる方もいますし、有り得ない話では無いと思いますよ」
カズマの推測にあるえは苦い顔をして同意する。ゆんゆんは自分たち紅魔族特有のセンスと思っていたが、ウィズの賛成により沈黙した
「一応念のためだから、念頭においてくれよ」
その後カズマはギルド内でこの作戦を提案、対案もないので冒険者一同でこの作戦を行う事になった
その頃、レタスの畑には驚異が迫っていた
アクセルに向かっていた元リフェの堕天使はアクセルから針路を変えてレタスの畑へと向かっていた
キャベツやタケノコ、サンマ等は人間に比べても魔力で構成される割合が高く、堕天使と化したリフェにとっては最上級の代物であった
まして、このレタスの畑にはキャベツ、タケノコ、サンマにブルータルアリゲーターまで生息しており、格好の餌場であった
堕天使としては襲わない理由はなかったのだ
幸か不幸かその場にはナタルとキベムは居合わせていなかった
だからこそ、この惨劇を止める事が出来なかったとも言えるが
ナタルとキベムがレタスの畑に戻った時には全てが終わった後であった
あれだけいたキャベツは一つとして原形を留めておらず、タケノコやサンマがはえていた大地は抉れ、ブルータルアリゲーター達もまたその残骸を周囲に残すのみであった
「な、なんだよ、これ?」
ナタルは目の前の光景が信じられなかった
僅か一時間程前まではキャベツやタケノコ、サンマが沢山いて、池のなかからブルータルアリゲーター達が隙を伺っていた
その日常は何者かによって無惨にも砕かれた
もう、あの日常は戻らないのだ
そこにボロボロになってなおも飛んでいるジャイアントホーネットが現れた
「ブ、ブ」
最早羽の殆んどを失い、それでも気力で飛んでいるのが傍目にも分かる
「ブ」
彼はそれだけを言い残して地面に落ちた
既に息はなかった
彼はこの惨劇を引き起こした張本人の行方を追ったのだ
残念ながら、圧倒的な速度差により最後まで追跡は出来なかったが、それでも彼は下手人の向かうであろう方向を報せたのだ
「アクセルの街?
っ!ゆんゆん!」
「キャベ!(父上!)」
アクセルの方向に向かったと彼の遺言を聞いたナタルは全速力でアクセルの方向へと向かう
その少し後をキベムも追いかける
アクセルの冒険者達は歓喜に沸いていた
アクアの『セイクリッドブレイクスペル』により、デストロイヤーの障壁を破る事に成功。続けてめぐみんとウィズによるダブル爆裂魔法によりデストロイヤーの前方脚部を完全に破壊した
これにより、デストロイヤーは沈黙したのである
アクセルの街は救われたのだ
カズマ達も安堵していた
「ミィツケタ」
この者が現れるまで
前ルートと違い、死人も出るナタル編
ほのぼの路線にするつもりがどうしてこうなったのやら
では、御一読ありがとうございました
その内新たにアンケートを実施致しますのでよろしければご協力ください
改稿するにあたり、今作は残すべき?
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