緑のアイツ   作:くらうす

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本日三話目の投稿


どういう事なの?


という訳で盛大なネタバレとなります


ツッコミ処満載ですが、よろしければ読んでやって下さい

あと、昨日から読者数が増えていて、マジで怖いとです


あの空の向こうへ還る

カズマを始めとしたアクセルの街の冒険者やゆんゆんとあるえには何が何だか分からなかった

 

唯一人を除いて

 

「あ、あ、あ」

 

「おい、アクア!どうしたんだよ!」

 

顔面蒼白でまともに言葉も紡げないアクアの様子を見てただならぬ事だと直感的に感じたカズマはアクアの意識を戻そうと声を掛け続ける

 

 

 

 

一方

 

「見つけたと言ったが、何を見つけたと言うんだ?」

 

ダクネスの疑問は皆の共通するところであった

 

 

 

いきなりデストロイヤーを倒した所に出てきて一言「見つけた」では意味が分からない

 

 

 

 

 

が、そんな雑音などどうでもよいのか、リフェの成れの果てである堕天使はデストロイヤーの残骸に手を向けた

 

 

 

「「「「「「「なっ!」」」」」」」

 

 

次の瞬間にはデストロイヤーの影も形も無くなっていた

 

ただ、デストロイヤーの残骸があったところから細かい粒子が堕天使に向かって流れ込んでいるだけである

 

 

 

 

 

傍目には何が何だか分からないが、此処にも一人だけ理解の及ぶ者がいた

 

もっとも

 

「・・・・・・・・・そんな」

 

ウィズは我が目を疑うと共にこれが現実で無いことを無駄と知りながらも祈った

 

 

生前は凄腕のアークウィザードで死後?も高位のリッチーとなったウィズだからこそ理解出来る

 

いや、理解出来てしまった

 

 

「あれはデストロイヤーを魔力に還元して、それを吸収しているんです」

 

ウィズは震える声で絶望を口にした

 

 

 

 

この世界のあらゆる物質の根源は魔力である

 

 

それを人間なら人間の型に流し込んで、外皮をつけたのが人間である

 

動物もそうであるし、天使や神、悪魔とてそうである

 

 

無機物とて魔力を核にして装甲で無理矢理形を維持しているに過ぎない

 

 

 

裏返せば、その外皮や外格、装甲をどうにか出来るならばその物質はただの魔力の塊に過ぎないのだ

 

 

 

 

 

勿論の事だが、言うほどに易しいものではない

 

本来の天使としてのリフェの実力ならば数千年経ったとして得られるものではない

 

 

が、リフェは自身の妬み、嫉妬、憤怒、等のリフェ自身の負の感情と怨み、無念、絶望といったリフェによって始末された犠牲者達の負の情念が上手く組み合い、本来ならば決して至る事の無いと高次の堕天使へ再臨を果たしたのだ

 

 

未だに意思のある生物は魔力に戻せないとはいえ、恐ろしい事には変わらない

 

 

「皆さん!直ぐにアクセルの街へと戻って下さい!」

 

ウィズは悲鳴をあげた

 

あくまでも、魔力公使の上手い『生物』は分解出来ないのであり、文字通り駆け出し冒険者や初心者冒険者では相手にすらならない

 

それどころか相手にみすみす魔力を与える事にもなりかねないのだ

 

それに考えが及んだ故の判断だった

 

 

 

 

不幸な話だが、此処にくる直前まで堕天使はその様な器用な真似は出来なかった

 

が、レタスの畑で大量のキャベツ等を摂取した結果としてこうなった

 

 

 

このアクセルの冒険者の中で対抗出来るのはウィズを始めとしたアクア、めぐみん、ゆんゆん、あるえ。

クルセイダーとして魔法防御の高いダクネスと何故か魔法防御が極めて高いカズマである

 

これ以外の人間は寧ろ足手まといにしかならない

 

 

 

しかし、アクアは実質戦力外でカズマもそれに付き添っている以上、厳しいと言わざるをえない

 

 

 

 

 

「ムシケラメ」

 

上空にいる堕天使はそう呟くと可視化できる程の障壁を展開した

 

そう、これは強度こそ違えどデストロイヤーの障壁であった

 

この世界における魔力はある意味カズマやナタルのいた世界の遺伝子に相当するものである

 

つまりは、魔力を取り込めば取り込んだモノの能力を使える様になるのである

 

 

 

 

 

 

 

 

アクアはショックを受けていた

 

 

あれは姿形が少し変わっているがリフェである事が分かってしまったからである

 

そして、彼女はもう戻れないところにまで来ている事にも

 

堕天とは堕天使になる事だと誤解されているが、あくまでも、堕天使になる事は副産物に過ぎない

 

 

堕天とは天界、地上、地獄の何れにも属する事が出来なくなる行為なのだ

 

本来ならば人間や生物は輪廻転生して再び地上に戻る

 

例外的にアクアの管轄である地球へと転生する事もあるが

 

悪魔は端末が死ぬだけで『残機が減る』と称される様に然程の影響はない

 

天界ではそもそも死ぬ様な事は余程の事でなければ有り得ない

 

リフェの様に罪を犯したとしても死ねば天界に舞い戻る事が出来たのだ

 

 

だが、堕天とはこの世界の摂理から切り離される事を意味しており、尋常ならざる力を行使できる代わりに己の魔力を常に消耗し、補充が間に合わなければ消滅する

 

比喩的表現でなく、文字通り無くなるのである

 

 

 

 

それを知っているからこそ、アクアはショックを隠せないのだ

 

 

 

 

 

 

 

アクアと別の意味で衝撃を受けているのがゆんゆんとめぐみんである

 

上空にいる堕天使の口元には野菜の切れ端が見えるのだ

 

 

 

彼女達はそこまで変態的視力を持ち合わせていない

 

 

だから

 

「ナ、タルさん?」

 

「そ、そんな訳はないでしょう!ゆんゆん、変なことを言わないでください!」

 

ゆんゆんの呟きにめぐみんは自身も思ってしまった事を振り切るかの様に叫ぶ

 

 

 

 

 

 

 

だが

 

 

「ジャマダ、シネ」

 

そんな事に意を介さない堕天使の無情な攻撃が二人を襲う

 

「ゆんゆん!めぐみん!逃げて!」

 

あるえは咄嗟に叫ぶも彼女の位置からでは遠い

 

 

 

せめてめぐみんだけは助けようとゆんゆんはめぐみんを自分の影に隠そうとした

 

「ゆんゆん!何をする気ですか!やめなさい!」

 

めぐみんの怒鳴り声など最早ゆんゆんには関係がなかった

 

(せめて、大切なライバルには生きていて欲しい)

 

それがゆんゆんの行動の理由であった

 

 

 

目の前にまで迫る魔力の奔流。食らえば間違いなくゆんゆんは死ぬだろう

 

(めぐみんだけは助けないと!)

 

震える手を何とか堪えてワンドを握りしめる

 

少しだけでも相殺しようと試みる。それがどれだけむぼうであろうと

 

 

 

 

 

「ごめんなさい、ナタルさん」

 

ゆんゆんの口から思わず溢れた

 

 

 

 

 

「「ゆんゆん!!」」

 

 

 

 

 

ゆんゆんとめぐみんの居た辺りは爆発の煙に包まれた

 

 

 

 

 

ゆんゆんは怖くて目を瞑っていたが、何時までも痛みも衝撃も来ない

 

 

恐る恐る目を開くと

 

 

 

 

 

「いや、酷くないかゆんゆん。何ヒトを置いて逝こうとするのさ」

 

そこには小さくて大きな背中があった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ナタルは少し前まで必死に下手人を追いかけていた

 

だが、相手は空を飛んでいる上にナタルは表面積こそ小さいが出力もそれに比例して小さい

 

 

「キャベ!(お待ちください!父上!)」

 

とキベムが制止の声を掛けた

 

 

 

 

キベム曰くこのままでは追い付く事もできないし、仮に追い付いたとしてもナタルでは返り討ちにあうと

 

 

そこでキベムは提案した

 

「自分を吸収しろ」と

 

 

ナタルは烈火の如く怒るがキベムは言う

 

「自分は父上の為に天界の者が造り上げたモノだ」とも

 

 

 

 

 

 

 

 

天界においてリフェの失態が明らかになった際に追跡調査が行われた

 

リフェの担当した転生者のなかでその時点での生存者は僅かに三名

 

内二名は倫理的、道義的に許容出来ない行為に手を染めていた為に特典の強化等は行われなかった

 

 

 

残るナタルはレタスであり、転生特典の野菜を操る能力も汎用性と実用性に疑問があった

 

そこでレタスであって他種族との交流の補佐としてキベムという人格が創られたのだ

 

 

 

とはいえ、吸収したからといって戦力が大幅に増大する事もない

 

ただ保有する魔力量が増えるだけである

 

 

 

 

とはいえ、許容量を越える魔力は全身に行き渡り、ナタルの基礎能力の向上に寄与する事にはなるのだが

 

 

「キャベ、キャキャベ(父上、どうかご武運を)」

 

それが魔力に戻る前、最期のキベムの言葉であった

 

 

 

 

 

そのキベムの魔力を吸収して何とか間に合ったのだ

 

 

 

 

「ナタル、さん」

 

ゆんゆんはもう泣いていた

 

「すみません」

 

めぐみんも地に伏せてボロボロになっていた

 

 

 

無事とは言えない

 

だが、生きている

 

 

ナタルは心の底から安堵した

 

 

 

 

 

 

「ごめんなさい、リフェ

私がきちんと貴女を見ていなかったばかりに」

 

アクアは涙を流しながらも杖をリフェであったものに向けた

 

 

 

 

 

 

「ッ!」

 

危険を感じ取ったのか堕天使はアクセルの街へ向かって逃走した

 

 

「細かい話は後だ!皆、追うぞ!」

 

カズマの号令の元、急いでアクセルに戻る事になる

 

 

 

 

 

 

 

 

堕天使は恐怖した

 

あの蒼い髪の女が杖をこちらに向けた時、堕天使は己の死を幻視した

 

「コノママデハカテナイ

モットチカラヲ、ツヨクナラネバ」

 

だから彼女はアクセルに行き、魔力を補給するつもりであった

 

 

そうすれば、あの女神アクア

 

 

ノイズが走る

 

(メガミアクア?ナンダソレハ、シラナイ、シラナイ、シラナイ)

 

「アタマガイタイ」

 

 

 

 

 

ところがアクセルの街の近くで予想外の攻撃を受けた

 

 

多種多様のモンスターが襲い掛かってくるのだ

 

 

しかも、途切れる様子がみえない

 

 

余裕があれば魔力に変換出来るが、その様な暇を与えてはくれない

 

 

「マクスウェル!まだやれ!」

 

「ヒュー、ヒューアルダープこのままなら死ぬよ?」

 

「構うものか、儂とて一度で良いから何かの為に戦いたいのだ!儂が死んだら、地獄でも行ってやる!やれ、マクスウェル!」

 

最早立つことすら覚束ないアルダープはマクスウェルに支えられながらもモンスターを召喚していた

 

本来ならば生け贄が必要なところを強壮剤やポーションなどで無理矢理生命力を搾り出していたのだ

 

「此処は儂の土地よ!貴様が魔王でも通しはせん!」

 

まさに鬼気迫るアルダープであった

一番恐るべき死兵にアルダープはなっていたのだ

 

アルダープは気付かないがマクスウェルの半身はボロボロになっている

 

これはアルダープに直撃する攻撃のみ『辻褄合わせの能力』で自身に当てさせているからである

 

 

「ああ、最高だよアルダープ!」

 

「ふざ、けた、こ、とを言わず、さっさと、や、らんか」

 

 

 

だが、アルダープの捨て身の努力は報われる

 

 

 

 

 

 

「追い付いた!」

 

カズマ達が追い付いて来たからであった

 

 

更にアクセルの街ではクリスが女神エリスとして降臨し街のエリス教のプリースト全員。並びアクシズ教のプリーストセシリーの説得によるアクシズ教のプリースト全員による大規模な結界を構築することに成功した

 

此処に前代未聞と言われるエリス教とアクシズ教の共同作業が行われた

 

 

 

さしもの堕天使とてアクセルの全プリーストの力を結集し、それを女神エリスがサポートする結界を破ることは現段階では不可能であった

 

 

では、アクセル以外の場所に行けば良いかと言われるとアルダープは王都やアルカンレティア、紅魔族の里にまで緊急の報せを送っており、其処も厳重な護りと化していた

 

 

 

 

更に

 

「クッ!」

 

堕天使は一時的に避難しようと試みるも

 

 

「バニル式殺人光線!」

 

 

一部の魔王軍幹部が一定以上の離脱を許さない

 

 

 

 

人間、魔王軍、悪魔から包囲される形となったのだ

 

 

 

 

 

 

だが、彼等は決してカズマ達に直接助力はしようとしない

 

それを察した堕天使は

 

 

目の前の脅威を除くべく襲い掛かる

 

 

 

 

 

「ごめんなさい。でも今の私は『セイクリッドブレイクスペル』!」

 

アクアは堕天使の障壁を破った

 

「ダクネス!」

 

「任せておけ!」

 

不利を悟った堕天使はアクアに突撃するも、カズマが指示した通り、ダクネスに阻まれる

 

 

已む無く距離を取るが

 

「『カースドライトニング』!」

 

そこにあるえの雷撃が襲い掛かる

 

 

「グウッ!」

 

直撃を受け、少しだけ動きを止めるが

 

「『カースドクリスタルプリズン』!」

 

周囲ごとウィズの魔法で氷付けとなる

 

 

しかし、堕天使は持ち前の魔力で直ぐに溶かそうとするも

 

「我が友、我が仲間に送る鎮魂歌

穿て!エクスプロージョン!」

 

ナタルによる爆裂魔法が体勢を整える時間を与えない

 

 

それでも諦めない堕天使は何とか障壁をはる

 

少しでも時間を稼げば彼女の勝ちと理解していたから

 

 

「行きますよ、ゆんゆん!!」

「めぐみんこそ、遅れないでよ!!」

 

ナタルの持ってきたマナタイトで魔力をフルチャージしためぐみんとゆんゆんが息を合わせる!

 

「行くわよ!ライトオブセイバー!!」

「我が友、我が仲間と共に我が進む未来を切り拓け!

穿て!!エクスプロージョン!!!」

 

 

ライトオブセイバーにて障壁の一部を切り裂き、其処に膨大な熱量を伴う爆裂魔法を打ち込む

 

 

 

 

 

 

「ア、アア」

 

 

 

さしもの堕天使もこれには抗い切れず全ての力を失った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

此処に機動要塞デストロイヤーをも飲み込んだ堕天使は文字通り地に墜ちる事になった

 

 

 

 

 




ある意味で出したいキャラクターを出し切った感があります


あと本編は二話くらい、かなぁ?


後で番外編と称して色々と不足している描写を補っていく卑怯なスタイル

結果として死者は増えたけど、あくまでも、冒険だから仕方ないよね、ね?

では御一読ありがとうございました

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