判断が難しいので、今週中は放置します
御意見をよろしくお願いします
遥か彼方にて
堕天使を倒すために、自分の居た場所を守る為に
そして何より、大切な女の子を護るために自らの命を捨てたナタルであったが、彼は死んでいるにも関わらず、その数奇な運命からは解放されなかった
ここはベルゼルグ王国やエルロードなどから遥か彼方の場所にあるランドソルの街のそばにあるエルフの森
その森には『神樹』と呼ばれ、森の住人であるエルフ達が『聖樹』とも呼んでいる巨大な樹があった
この樹は何時からこの地にあったのかは定かではない
ただエルフの口伝や伝承にも登場する事より遥か昔より存在していたとされていた
この樹が『神樹』や『聖樹』と呼ばれ敬われてきたのには永い時を過ごしてきたというだけではなかった
この樹は結界を自身の周囲に展開しており、魔物やシャドウと呼ばれる謎の生物を寄せ付けなかったのだ
自然と悪しき魔物やシャドウがいない一種のセーフティゾーンとなり、力のない動物たちの避難場所となっていた。
エルフ達は畏敬を込めて『聖域』とそこを呼び、エルフの戦士たちが定期的に聖域の近くを巡回する事で聖域は平穏を保っていた
そんな神樹の根元に一つの薄汚れた緑色のナニかがいた
ところどころ焼き焦げており、形も球体であったのだろうが崩れている
傍目には今にも崩れ落ちそうな酷い有り様であった
それは一月ほど其処にあり続けた
たまに魔物やシャドウが寄ってきても、結界を越える事は出来ない
何故か動物たちはこの物体には近付こうとせずに、時折神樹から流れ落ちる水により少しずつではあるが、薄汚れた物体は元の色を取り戻しつつあった
そして緑色のナニかが神樹の元に現れてから一月半が過ぎた頃のこと
エルフの少女、アオイは悩んでいた
アオイは色々な人と仲良くしたい
お友だちになりたいと思っている
だが、何の悪戯か彼女が行動を起こそうとすれば別の事が起こる
折角準備や覚悟しても悲しいほどにから回るのである
今となってはアオイが作った「だいじょうぶマイフレンド君一号改」が彼女のコミュニケーション練習相手という惨事であった
エルフの大人たちはアオイから踏み出して欲しいために敢えてアオイの悩みを大人たちからどうこうしようとは思っていなかった
その様な大人たちの思惑など知ることのないアオイはエルフの大人たちに嫌われているのでは?という疑念に囚われるのも仕方のない事ではあった
そんなアオイの最近の楽しみは『聖域』にいる動物たちとのふれ合いであった
時を遡る事、少し前のことである
「うう、私はどうしてこうなのでしょうか?」
エルフの少女アオイは項垂れていた
ランドソルの街へ行って買い物をしていたのだが、その際にお店のおじさんが話し掛けてくれた
だが、突然の事であり、心の準備が出来ていなかったアオイはいつも通りにテンパってしまい、そのまま逃げる様に店を後にしたのだ
「折角のチャンスだったのに」
しかもアオイとしてもいい感じだと思っていた店だけにショックも大きい
「これであのお店にいけませんよね、うう」
なお
「お、お嬢ちゃん。ありがとな
何か気に入ったモノはあったかい?」
「ぴぇっ!」
「お、お嬢ちゃん?」
「すいません、すいません
ご、ご、ごめんなさーい」
とアオイが去ってしまったのだが
「いや、アンタ何してんだい?」
「声を掛けただけなんだが」
「そんな訳ないだろう
可哀想に怯えてたじゃないか、あの娘さん」
と謂れ無き非難を店主が受けていたりするのだが、まあ余談である
「どうして、私はこうなんでしょうか」
アオイはしゃがみこむと地面を見つめて呟いた
実際のところ、アオイは間違いなく良い娘である
少々?自己評価が低い所もあるが、周りをよく見ており困っている人間にも気が付く
テンパる率が高いとはいっても、見る人間が見れば微笑ましいレベルであると言えるだろう
だが、当人がそれを良くないと思っているが故に相手から必要以上に距離を取ってしまう
アオイの気質を知らない者からすると、踏み込み難いのであった
これに対抗するには、アオイの気質であるボッチに精通したもの
或いはそれを無視できるほどのコミュニケーション能力を持ち、且つ頭もそれなりに回るもの
もしくは、圧倒的なオカン気質とでも言えば良いのか、面倒見の良い人物であることであろう
この様な精神的障害は意外と乗り越えるのが難しい
が、それから逃げれば逃げる程に、その壁は大きくなっていくような錯覚に陥りやすいものである
既にアオイ自身からの解決は困難を極めると言える程度には、彼女の中での言うなれば『幻想の壁』は大きくなりすぎていたのだ
チュンチュン
「へ?」
突然耳元からする音に思わずアオイは変な声を出したが
「う、わぁ」
その音に反応して顔を上げたアオイは感嘆の声を上げる
其処には大樹と小動物や植物が沢山いたのである
そして
「へ?」
アオイの被っていた帽子を小鳥達が引っ張っていた
まるでおいでと云わんばかりに
それから暫く後、アオイは大樹の元で小動物達と触れ合う事が出来ていた
「え、え?
ゆ、夢じゃないですよね、これ」
アオイは泣きそうになっていた
確かにアオイは人付き合いは苦手ではあるだろう
だが、彼女は善良なエルフであり、その本質は優しい娘なのだ
動物達は本能的にアオイの優しさを理解したのだろう
リスや小鳥はアオイの肩や頭の上で寛いでいる
兎などの小動物はアオイの足元で眠っていたり、毛繕い等の思い思いに過ごしている
植物達はのんびり日光浴をしている様で、そこにはアオイへの警戒など伺い知れなかった
それから暫くして、アオイはエルフの里に戻る事にした
道中
「凄かったなぁ、あんなに動物さんたちが一杯」
と余韻に浸っていた
「アオイか、よく戻った」
「は、はひ」
「にしても、珍しい事もあるものだな
アオイが『聖域』の方から帰ってくるとは」
「え゛?」
エルフの里の門番との会話の後で、アオイは努めて冷静に思い返す
明らかに大きすぎる樹木、神聖とすらいえた空気、本来なら集まるはずのない小動物と植物たち
「わ、私『聖域』に入っちゃってた!!」
アオイの絶叫が家の中に響く
という訳で短編のつもりだったプリコネと拙作のクロスオーバーとかいう無謀な試み
身の程を知れ!等の批評は甘んじて受ける次第でございます
これはあくまでもこのすばの二次作品ですからね