どうしても話の都合上、1話当たりの文量は少なめですが御容赦ください
予定のメインキャラは出し終えたと思います
駄文ですが、読んでもらえると嬉しく思います
初心者冒険者が集まるアクセルの街の一角にそれはあった
『ウィズ魔道具店』
以前凄腕のアークウィザードだった人物が冒険者を辞めた後に開いたお店である
ただし、店主のウィズの独特な感性で仕入れられた品物は正直に言えば使いづらいものばかりである
使えるものは初心者冒険者の手の届かない高額なものばかり
「何がしたいの?」
恐らくは商売を真面目にしている人間からすれば、理解に苦しむだろう
利益が上がらないのだから
当然、客足も遠退く
ウィズの見た目が良いために遠くから眺めるものは少なくないのだから、それを利用すれば良いのだが、全く気付かないウィズであった
某悪魔が
「この、ポンコツが!」
等と言うのも成る程。納得出来る話だ
なお、一応は魔王軍の幹部である。あるのだが、以前魔王軍の資金の半分を浪費?した為に魔王城より体よく追い出されていた
本人は元人間なので街に居る方が気は楽。だそうだが
魔王軍の幹部として魔王城の結界を維持しているが、ウィズにはほとんど制約はない
あるのは、直接的に魔王軍の幹部と対立しないように『出来れば』する事である
これは魔王が人間の街にいる以上は魔王軍と敵対せざるをえない状況に配慮した為である
ウィズは暇だった
魔王城よりアクセルは街に拠点を移して、生活しているが、店は開店休業状態。話し相手すらいなかった
ついこの前までは紅魔族のゆんゆんが時々訪れては商品を購入していた
その為に多少はご飯も食べれたが、ここ一週間位はゆんゆんも来ておらず、収入源がなかった
最近は水と砂糖で生活している
だからか
「おお。これはこれは、相変わらずのポンコツ振りで我輩安心したぞ」
突然の声に反応が遅れた
「え、バニルさん。どうして?」
ウィズが驚くのも無理ない話である
人間の拠点である街には悪魔等を検知する結界があり、バニルクラスならば直ぐにバレる筈た
「む、結界の事か
何、紅魔族の職人の作品に『魔力を感知させない』ものがあってな。問題としては使用者の魔力行使を阻害する事か」
バニルは事も無げにいう
なお、バニルは嘘は言っていないが全てを語ってもいない
正確には『一定以上魔力を持つ者の魔力を感知させない』魔道具である。デメリットは『使用者の魔力行使を阻害する』であっている
が、少し考えて戴きたい
製作者は『紅魔族』である。つまりは紅魔族から見て『一定以上の魔力』なのである
そう、『紅魔族の一定』という基準以上だ
紅魔族は非常に高い魔力を有している
はっきり言ってしまうと
「え、そんな人外居ます?」レベルの魔力が基準なのだ
更にそんな魔力を持っているのに魔法を行使しない事は考えにくい
極論だが、紅魔族に魔法を使うな。というようなものである
これは酷い
これを作った職人によると
「作ったはいいが、どう使うのかは分からない」
と言っていた
その後に嫁さんにしばかれていたのは、割りとどうでもいいかも知れない
無論、バニル自身が購入したのではなく、ゆんゆんに購入してきて貰った
バニル自身が頼んでも叶わないのは分かっていたので、キャベツにお願いして貰った
流石は悪魔である
余談だが、紅魔族の職人の名前はひょいざぶろーといってゆんゆんのライバル、めぐみんの父親でもあったりする
ついでに『使うとテレポート出来るが、暫く魔法が使えなくなる』魔道具をゆんゆんはひょいざぶろーから押し付けられた
ひょいざぶろー曰く
「作ったのはいいが、気に入らない」
そうだ
おい、商売しろよ。と言いたくなる話だろう
ゆんゆんがその話をキャベツにした時に突っ込もうとしたが、目に光の無いゆんゆんを見て諦めたそうである
ゆんゆんからすれば、ひょいざぶろーのその拘りがめぐみんの家の家計を圧迫しているのは明らかだ
それにより、めぐみんから食事を学生時代に取られていたのだからなおのことだろう(実は勝負の代価だったり、商品だったりとゆんゆんにも落ち度はある)
「そうですか。それで何か御用ですか?」
色々と言いたい事はあるが、ウィズは飲み込んでバニルに訊ねた
「うむ。全く商売できぬポンコツ店主には勿体ない話であるな」
バニルは明らかに不本意そうだった
「はぁ」
「まあ、良かろう
手伝いを申し出たのは我輩である故
暇ならば手伝うが吉」
バニルは要件を言わずに協力を求めた
「流石に内容を聞かない事には、何とも言えないのですが」
ウィズは難色を示した
当たり前と言えば当たり前である
常識的に通る筈もない
相手がバニルでなければ
「ほぅ。そうか、それは悪かったな
最近食事を取っておらずに貧困に喘いでいると聞いた故に話を持ってきたが、要らぬ世話であったか」
バニルは踵を返して出ていこうとした
「ま、待って下さい!ど、どうしてそれを」
「やれやれ、少し会わぬ内にボケてきたか
まあ貴様もそれなりに歳を食っておるからな」
「だ、誰が年寄りですか!
私はまだ若いです」
「と言いつつも、最近訪ねてくる紅魔族の娘を見て、内心複雑な気分であろうに」
慌てるウィズに呆れるバニルだった
「わ、分かりました
でも、人間に何かをする訳ではないんですね?」
ウィズとして譲れない部分だった
「悪魔バニルの名に誓って無いと断言しよう」
この後何日か『ウィズ魔道具店』は臨時休業となった
キャベツの里にて
「バニルさん。これ、キャベツですよね」
ウィズは目の前にあるキャベツの群れに圧倒されていた
「他に何に見えるというのだ
だが、手を出すな。ロクな事にはならんぞ」
一応バニルは制止しておく
「は、はあ」
ウィズは戸惑うばかりだった
すると、ウィズとバニルの上からナニかが降ってきた
「いらっしゃい。バニルさん
無理を頼んで申し訳ないです」
「なに、我輩から協力すると言い出したのだ
気にするな」
上から降ってきた大きなキャベツとバニルは自然と会話していた
「え、え、え?」
ウィズは混乱した
ウィズもリッチーになる前には凄腕のアークウィザードとして冒険しており、それなりに知識や経験もある
だが、『会話するキャベツ』等と誰が想像出来ると云うのか。出来る人間がいたとすれば、明らかに『頭おかしい』人認定である
世間ではアクシズ教の信者や紅魔族がこれに当てはまるが、もしそんな人間がいたのなら、彼等ですら可愛くみえるだろう
「ふむ、ポンコツ店主は話が出来そうにないか
キャベツよ。これが我輩が言った心当たりだ
名前をウィズ。魔王軍のなんちゃって幹部で凄腕のアークウィザードだったリッチーよ」
「ありがとうございます、バニルさん」
バニルとキャベツはのんびりと話をしていた
「はじめまして、ウィズさん。貴女にお願いしたい事があります
お話だけでも聞いて頂けないでしょうか?」
後にウィズは語る
「キャベツさん。ですか
面白い人ですね。友人は選んだ方が良いと思いますけど」
このファンでひょいざぶろーさんを見ましたが、割りとツボでした。ちぇけらの挨拶で爆笑しました
これは出すしかないと思っています
原作も動き始めたので、割りとこれからは大変ですが、のんびりやっていきますので生暖かい目で見守って頂けたなら幸いです
なお、キャベツのイメージは作者の中では木原くんです
御一読ありがとうございました
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