龍神ボーラスで東方暮らし 作:名無しの永遠衆
ある時代の、年の瀬も迫る師走*1の二十四日、龍洞御所にて。
豊聡耳たちとの定例会合も第何回だかもう分らなくなってしまって久しい。
現在この国は外国との戦争状態にある。
つまりは戦時中であるのだが、戦場は本領である列島から南西に離れた地であり、戦力のほとんどは永遠衆たちであるため民に緊迫感はない。
青娥が死人を媒介にした遠見の術に長けているから戦況の把握も容易い。
そんな訳で、俺以外のメンツは火鉢に載せた鍋をつつきながら今後の方針についてまったりと話している。
「しかし、敵もなかなか諦めんな。寛容さがウリの宗教ではなかったのか」
敵となっているのは南西の地に進出してきた遥か西の国の勢力であり、奇しくも
向こうは宗教的に死人を使役するのが許せないらしく、反感は根深い。
こっちとしても現地勢力に武力を貸し出すビジネスをしているので、襲撃される度に叩き出すの繰り返しだ。
又聞きではあるが、教義的に「右の頬を打たれたら……」のやつだと思うんだけど、やっぱ異教徒は対象外なのかな。
戦線のいたる所で行われる襲撃と嫌がらせのような攻撃に豊聡耳も辟易しているようだ。
「まったく、きりが無いよ。手を変え品を変え、よく飽きないものだ」
あちち、と鍋の水菜を口にする豊聡耳の顔も、どことなく冴えない。
軍勢のほとんどが疲労を感じない死人であるからマシなものの、生者だったらどうなっていたことか。
とかく敵の執念は鬼気迫るものがる。
「襲撃に対応するため指揮する武官の疲労も考えねばなりませぬ。せめて休養をもう少し取らせてやりたいものですが……」
「けど、相手さんが休戦に応じると思うか? 言葉は通じても話が通じないんじゃどーしよーもねー」
布都と屠自古も事態を案じているが、根本として最低限の信頼や信用が互いに存在しないのが難しいところ。
こんな空気じゃせっかくの鍋の味も鈍るだろう、俺は食わないけど。
「ぼぉらす様は何か案はございませんか?」
青娥が配下のキョンシーの
案、案ねぇ……
「クリスマス休戦、は無理だろうなぁ……」
「くりすますー? なんだそれー」
俺の言葉に、青娥からもらった肉をほぼ丸飲みしながら芳香が疑問を口にする。
他の面々も揃って首を捻っている。
そりゃそうか、一応存在はするらしいが、そんなのわざわざ調べたりしないだろうからな。
「あいつら……
「へぇ……詳しいじゃないか。そう言えば、彼らの信ずるところについて調べてはいなかったな……」
豊聡耳が興味深そうに頷き、続きを促してくる。
といっても、俺も元の世界と違いがないか調べたくらいなんだが……
「うむ、まず彼らの救世主は王となることを予言されて馬小屋で生まれ……」
「うん?」←(馬小屋で生まれた
「数々の奇跡を起こし、水の上を歩いたり、死者を生き返らせたり……」
「ふむ」←(馬に乗って空を飛んだり、死者を
「最期は処刑され、死後三日して復活したのだそうだ」
「ほほう」←(設定上、朝廷の文武百官の前で一度死に、蘇った)
「……まあ、そんなわけで信仰の対象になっているらしい」
俺が語り終ると、皆しょっぱそうな顔をしているが一体どうしたんだ?
そんな中、一人だけ目をキラキラさせた布都は元気いっぱいに言った。
「分かりました! つまりは西の国における太師様のような存在なのですな!」
自信満々なところ悪いが、たぶん彼らが聞いたら怒り狂うぞ。
どうやら文化・宗教の作る溝は思ったより深いようだ。
これからの展開について
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まだまだ時代順に見ていきたい
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そろそろ原作時期の絡みが見たい
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過去の原作勢が概ね出たら時代飛ばして
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並行して書け