戦姫絶唱エヴァンゲリオン   作:とりなんこつ

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第5話

ミサトとリツコは揃ってS.O.N.G.本部が置かれている巨大潜水艦の中を案内されていた。

 

「こんな巨大な複合物を…。次世代型という冠は伊達じゃないわけね」

 

リツコが興味深げに呟く。ようやく彼女も、この世界が西暦2045年であることを認める気になったらしい。

 

「では、改めてこの場を双方の情報交換の場とさせていただくが、よろしいか?」

 

総司令である弦十郎の声。

 

「は、はい!」

 

真正面でミサトの声は若干引き攣る。

彼が単身で暴走したエヴァ零号機を沈黙させた手腕は、ミサトの培ってきた常識を根底から揺さぶっていた。

その気になれば自分たち一行を拘束することなど朝飯前だろう。力関係は明白なのに、こうやって対等の交渉を持とうとしてくれていることは、ありがたがりこそすれ、不満を言える立場ではない。

 

案内された室内には、弦十郎の他に四人の見知らぬ人間がいた。

まず黒服の柔和そうな物腰の男性は緒川慎次と紹介された。包囲してきた黒服たちの先頭にいたので、ミサトもリツコも見覚えがある。

続いて弦十郎直属のオペレーターとして紹介された男女が、それぞれ藤尭朔也と友里あおいと名乗る。

ミサトもリツコも、ネルフ本部の青葉シゲルと伊吹マヤの姿を重ねてしまう。

そして最後に紹介されたのは、金髪のおさげ髪に白衣を着た、どう見ても推定年齢十歳ほどの少女。

 

「こちらが、錬金術師のエルフナインくんだ」

 

「れんきんじゅつ…!?」

 

ミサトとリツコが異口同音に目を丸くした。

現代科学の粋を集めて造られたような潜水艦内部で、これほど場違いに思えるものはない。

 

「そもそものS.O.N.G.が、対オカルトの特殊部隊みたいなものでな」

 

顎髭を撫でて苦笑する弦十郎に、

 

「ま、まあ、中世の錬金術が現代科学の礎になったことは歴史的事実ですし…」

 

どうにか科学者としてのアイデンティティを維持しながら応じるリツコがいる。

 

それから弦十郎は語った話は、ミサトとリツコ双方にとって興味深い内容だった。

 

かつてアヌンナキとよばれる神に等しい存在に人類は造られたこと。

超古代文明は隆盛を誇ったものの滅び、その時代に造られたアーティファクトが、現代にとっても一種の脅威として存在すること。

それらが聖遺物であり、ノイズであり、シンフォギアであること。

世界の脅威はそれだけに留まらず、超古代の神秘を振るう錬金術師たちも存在すること。

自分たちは、それらに対抗するための国際組織であること…。

 

いずれも各国の首脳部間で共有されている情報であり、市井の人間には知られてはならないトップシークレットである。

仮に関係者が一般人に漏らしたりすれば、国によっては極刑も免れない。

 

にも関わらず、弦十郎がミサトとリツコに伝えた意図は、一種の試金石だ。

彼女たちが言うところのエヴァンゲリオン。

残念ながら現代の科学技術でも、あれほどの巨大な人型機の開発は不可能だろう。

一方で、錬金術を行使すれば可能かも知れない。だからといって、彼女たちが錬金術師とは到底思えぬ。

では、錬金術師となんらかの関わりが―――との存念ゆえに、これらの情報を開示することで一石を投じてみた。が、ミサトらの反応を見る限り本当にこちらの世界の知識は存在しないようだ。

 

ミサトたち一行が違う時間軸からの来訪者であることの確信を深めつつ、それでも油断なく弦十郎は相対している。

 

「…ありがとうございます。こちらの世界背景と事情は、おおよそのことは理解できました」

 

聞き終えて、ミサトは必死で平静さを保つ。

正直、訊ねたいことや疑問は幾つもあったが、ぐっと飲み込む。

まずは礼儀として、自分たちの世界の情報も伝えねば。

 

南極におけるセカンドインパクトによる世界人口の激減。

地球規模的な水位の上昇による人類の生存領域の減少。

そんな中でサードインパクトを起こすべく迫りくる使徒と呼ばれる謎の生物。

そして使徒に対抗するための決戦兵器エヴァンゲリオン。

自分は、エヴァを運用して人類を守る組織に属していること…。

 

もちろんミサトの知っている情報の全てを伝えたわけではない。伝えられるわけがない。

それでも、本来の彼女の権限を逸脱する程度には、晒せるだけの情報を開示していた。

これは、下手に隠して取り繕って破綻することへの懸念もあったが、純然に弦十郎の誠意に感じ入った要因が大きい。

 

ミサトの話に熱心に耳を傾ける弦十郎。

語り終えたミサトに、あったかいものどうぞ、とコーヒーの入った紙コップが手渡された。

馥郁たる香りを口に含めば、絶妙な苦みとコクが喉を滑り落ちる。

背後でリツコが珍しく「あら、美味しい」と呟くのを聞きながら、ミサトは湯気の立つコップから目線を上げ、弦十郎を見る。

 

「続けての発言で申し訳ないのですが、私から質問をよろしいですか?」

 

「うむ。答えられる範囲であれば、何でも応じよう」

 

「では、そもそものノイズとはなんなのでしょう?」

 

「古代文明期に於いて、人類を殺すためだけに造られた自律兵器だと推定されている」

 

ノイズは、触れた人間を炭化させる攻撃性に、位相差障壁という次元の壁で物理法則を無効化する防御性を持つ。

出現し相対すれば、人類に抗う術はない。ゆえに特異災害。

 

基本的に一体で一人の人間を炭化させ、ある程度時間が経てば自壊するという特性もあったが、それも今は昔。

現在は、錬金術師が改良して使役するアルカ・ノイズと呼ばれるものが巷間を騒がせ、S.O.N.G.はそれらの災害から人々を護るために奔走している。

「ノイズばかりには、ただの人間である俺も敵わなくてなあ」

そう弦十郎は結んだ。

 

『タダノニンゲン…?』とミサトは茫然とし、リツコは『…なにか哲学的な意味なのかしら?』と困惑した表情を浮かべていたが、もちろん彼は気づかない。

 

「では、こちらからも伺わせてもらうが、使徒とは何なのだ?」

 

「彼らがどこから発生しているのかは、分かりません。ですが、死海文書に、その出現期日は記載されていると囁かれています。あいにく小官は目にしたことはないのですが…」

 

天使の名を持つ使徒の形状は様々だ。

だが、連中のもつ特性は共通しており、比類ない生物としての完結性ゆえにその身に永久機関のコアを抱え、強力なATフィールドを行使する。ATフィールドは、位相空間、相転移空間とも呼称される防御壁で、ほぼ現代兵器を無効化してしまう。

 

「次に、シンフォギアとは何なのでしょうか」

 

ざっとの使徒の説明を終えたミサトは再質問。

対する弦十郎の返答は簡潔にして明瞭。

 

聖遺物とよばれる古代文明のアーティファクトの欠片を、歌の力で励起して身体に纏う、アンチノイズ・プロテクター。

歌によるバリアフィールドはノイズの攻撃を防ぎ、同時に歌の力で位相差障壁を次元調律してダメージを与えることを可能にする、現存人類唯一のノイズへの対抗手段にして切札。

 

「…つまり、原動力は『歌』ってこと…?」

 

額に汗を掻くリツコは、科学者としての何かと激しく葛藤している模様。

そんな金髪博士を苦笑して眺めてから、弦十郎も次の質問を持ちかけてきた。

 

「では、エヴァンゲリオンとは何なのだ?」

 

「それは、対使徒における決戦兵器で…」

 

言い差して、ミサトの両眼が困惑に染まる。

 

「…いえ。ここは小官より、E計画の責任者でもある赤木博士から説明して貰った方がいいでしょう」

 

「ミサト、あなた…!」

 

さっきの仕返しのつもり!? との悲鳴を辛うじて飲み込む。

ごめん! とばかりに手を合わせてくる親友に「覚えてなさいよ」と心の中で面罵し、リツコは眼鏡を押し上げて背筋を伸ばす。

 

「先ほど紹介にあずかりました、E計画責任者の赤木リツコです」

 

会議が始まった時点で自己紹介をしてはいたが、間を取るように敢えてもう一度名乗る。

 

「つまるところ、エヴァンゲリオンとは、E計画の要にして、対使徒用の人型決戦兵器。人造人間なのです」

 

「人造人間、だとぉ!?」

 

弦十郎の驚愕の声。

 

「そッ、それはホムンクルスみたいなものなのでしょうか!?」

 

ここまで黙っていたエルフナインが興奮気味に叫ぶ。

 

「いいえ。私たちの世界では少なくともホムンクルスを作成する技術は確立されていないわ」

 

答えるリツコの内心はかなり苦しく、背中には汗がびっしりと浮かんでいた。

これからされるであろう質問は簡単に予測できたが、ブラックボックスの塊であるエヴァの情報を易々と開示できるわけがない。実際にリツコをして、エヴァの全てを把握できているわけではないのだ。

なのにミサト直々に責任者と紹介され、外堀を埋められてしまっているわけで。

 

「…おそらくですが、そちらのシンフォギアの開発と来歴は似ているのでは、と思われます」

 

結果として、先手を打つ形で相手の疑問の封殺することを選択したリツコ。

すると、目前の巨漢は、当意即妙とばかりに重々しく頷いてくれた。

 

「なるほど。シンフォギアが造られた事情と経緯は似ているのか。ならば、全て詳細に説明というわけにはいくまいよ」

 

「恐縮です」

 

リツコも頷けば、エルフナインは顔を赤らめて着席。

ミサトもリツコ同様に、ホッと胸を撫で下ろしている。

 

「人造人間であるならば、ノイズに触れて炭化したのは、なるほど、道理だな」

 

今日出現したあの巨大な怪物はノイズで間違いない。

同時にATフィールドという使徒の特性を持ち合わせるらしいあれは、使徒ノイズと呼称した方がいいのだろうか。

そんなことを考える弦十郎に、ミサトが神妙な顔つきで訴えてきた。

 

「風鳴総司令」

 

「どうした葛城三佐」

 

「遅ればせながら、我々を保護、エヴァンゲリオンを搬送して下さったことに、心より感謝申し上げます」

 

「…いや。貴女方のエヴァンゲリオンがなければ、今回の使徒ノイズの打倒は覚束なかったと思う」

 

「使徒ノイズ?」

 

「我々はあれをノイズと呼び、そちらは使徒と呼んでいる。呼称をまとめて統一した方が分かりやすいだろう?」

 

意外と茶目ッ気のある表情を見せる弦十郎に、ミサトの頬もほころぶ。しかし表情をたちまち引き締めると、

 

「まず、ご厚意を享受している身で、一方的で居丈高な通達になることお詫びします。…エヴァ各機の詳細をS.O.N.G.側が独断て調べる行為の一切を固く禁じます」

 

「了解した」

 

即答する弦十郎にミサトは目を見張ったが、彼は本心から言っていると確信できた。

 

「ありがとうございます。更に不躾ですが、のちほど赤木博士がメンテナンスなどを行いますので、手伝って頂ければとも…」

 

「そちらも承ろう」

 

背中にリツコの視線が突き刺さってくるのを感じながら、ミサトは肩の荷が軽くなったような気がする。

想定以上にこちらの要求が満たされた形だ。今の段階では上出来だろう。

 

「…しかし、こうやって情報を羅列してみると、我々のお互いの世界は共通点が多いような気がするが、偶然だろうか?」

 

 

人類に対する絶対的な脅威の存在。

そしてその脅威は位相差障壁を駆使し、ほぼ近代兵器を無効化する。

唯一の対抗手段は、純然な現代科学で開発されたものではなく、多分に神秘(オカルト)を込められたもの。

 

「言われてみれば…そうかも知れませんね」

 

弦十郎の問い掛けに、ミサトはそう答えるしかない。

偶然ではなかったとして、現時点で意味を見出すのは困難だ。

 

「ともあれ、俺たちのシンフォギアは使徒のATフィールドを突破するのに難儀していることになる」

 

「わたしたちのエヴァは、ATフィールドを突破出来ても、ノイズの特性に触れれば炭素分解されてしまう…」

 

即座に追従(ついじゅう)して来たミサトを見て、弦十郎は豪快に笑った。

己の意図が正確に伝わったことを理解した、ひどく魅力的な笑顔だった。

 

「つまり、対使徒ノイズという目的においては、我々の見解は全く一致しているというわけだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ったく暇よね~」

 

白い検査着のようなものを着せられた惣流アスカ・ラングレーがブーたれる。

同じく検査着を着せられた碇シンジは、剣呑な空気を放つ彼女からそっと視線を逸らした。

 

もっともシンジとて、アスカが退屈退屈を連発する気持ちは分かる。

現在、彼らがいる部屋にあるのは、テーブルセットとベッドのみ。

窓もなければテレビもない。本の類も置いていない。

ドアも施錠されているようで、外に出る自由もない。

完全無欠の軟禁状態なこの部屋は、ルナアタック直後に装者たちが匿われた部屋にも似ていた。

もっともそんなことを露も知らないアスカは、不平不満のボルテージをひたすら上昇させるのみ。

 

「ねえ、ファースト! アンタも退屈でしょ?」

 

いきなり水を向けられて、赤い瞳がピクリと動く。綾波レイも病室で覚醒後、この部屋へと連れてこられていた。

 

「…別に」

 

素っ気ない返事をするレイに、アスカは何やらブツブツと呟いていたがシンジには聞き取れない。

 

「そ、それにしても、綾波の腕が治って良かったよ」

 

場の空気を取り繕うようにシンジは青い髪の少女へと笑いかけた。どういう理由か分からないが、零号機の腕の再生に付随するように、レイの右腕も完治したらしい

 

「ええ。わたしも不思議…」

 

呟くレイと目線を合わせていると、すぐ耳元で声。

 

「なーに見つめ合ってんのよ、ゴルァ!」

 

「ア、アスカ!? 別に見つめ合っていたわけじゃ…」

 

「いいからちょっとあたしの話も聞きなさいよッ!」

 

「分かったから引っ張らないでよ! 耳が痛いって…!」

 

テーブルの上にレイの顔も寄せさせて、アスカはわざとらしく咳払い。

 

「アンタたち、この世界のこと、どう思ってんのよ?」

 

「…え? この世界も何も、ここは日本でしょ?」

 

きょとんとした顔で言うシンジを、アスカは遠慮なく怒鳴りつけた。

 

「アンタバカァ!? だったらなんでネルフ本部と連絡が取れないのよ! おまけに、ヘリコプターでここまでくる間に見た風景で、水没していた地域なんてあった!?」

 

「あー、言われてみれば…」

 

能天気に呟くシンジの頭を引っ叩きたくなる。

 

「セカンドの疑問は理解できるわ。わたしもこの世界に違和感がある」

 

同意してきたレイを、さして面白くもなさそうな表情で一瞥し、アスカは自説を続けた。

 

「それに、あの『シンフォギア』だっけ? 歌を唄いながら戦っていたでしょ? おまけに、あの赤シャツの髭面のおっさん! あんなの無茶苦茶を通り越して意味不明よ!?」

 

素手で零号機を投げ飛ばした弦十郎の姿はシンジの記憶にも鮮やかだ。

いっそハリウッドのアクション映画みたいな展開が現実感を薄くさせ、逆にシンジの落ち着きを招来させていたのかも知れない。

 

「いやあ、あれは本当に凄かったよね!」

 

「………」

 

興奮気味に目をキラキラさせながら訴えてくるシンジに、アスカは天を仰ぎたくなる。

目撃した一連の光景に現実感がないのはアスカも一緒だけど、まさかここまで緊張感がないリアクションが返って来るとは。

 

(ミサトがあたしにコイツらの世話を任せるのも分かるわ…)

 

自分で自分を慰めて、アスカは話題を転じることにする。

 

「とりあえず、この世界は、あたしたちの知っている日本じゃない! まずこれはOK!?」

 

「う、うん…」

 

「それでシンジ! アンタ、この世界に来る直前のこと、覚えている!?」

 

「え、えーと…」

 

シンジは必死で記憶を巡らせる。

 

そう、確か、黒い大きな球体の使徒の迎撃に出ていたはずだ。

でも、その使徒は、いくら攻撃しても弾も素通りして。

そうこうしているうちに、その使徒の足元の影がどんどん大きくなったと思ったら、それに道路やビルまで次々と飲み込まれて…。

 

「僕も、初号機ごとその使徒の影に飲み込まれそうになってたんだよね?」

 

「そう。んで、あたしの弐号機とファーストも助けようと手を伸ばしたんだけど一緒に巻き込まれる格好になって―――」

 

アスカは形の良い唇に曲げた指を押し当てる。

 

「―――たぶん、あの使徒の影に飲み込まれたのが、この世界に飛ばされた原因じゃないのかしら?」

 

「ええ!? そうなの!? どうして? どうやって!?」

 

「そこまであたしが知るわきゃないでしょ!? 推測よ推測っ!」

 

ぴしゃりと断言すると、シンジは露骨に困った表情。

 

「…どうしよう。まいったなあ。戻れるのかなあ」

 

「あら? 無敵のシンジさまも、元の世界が恋しいのかしら?」

 

もちろんアスカだって元の世界に戻りたい。万が一にも戻れないという可能性を恐怖した上で、敢えて強がって見せるは乙女の魂。

だが、シンジの返答は、サディスティック乙女の予想の絶対防衛線を軽々と越えて行く。

 

「だって、冷蔵庫に解凍した鶏肉を仕舞いっぱなしなんだよ? 早く使わないと傷んじゃうだろうし…」

 

「…………」

 

これって怒鳴りつけていいわよね? うん、怒鳴ろう。

沸き立つ怒りを超陽電子砲並にアスカはチャージ。

万全の態勢で怒声を解き放つ寸前、施錠されていたはずのドアが開く。

 

「みんな、無事だった~!」

 

ミサトが駆け寄ってくる。

 

「ミサトさん!」

 

席を立ち、笑みを浮かべるシンジ。

 

「レイも無事ね」

 

「はい、問題ありません」

 

右腕を掲げてみせ、頷くレイ。

 

「アスカもご苦労様ね」

 

「…遅いわよ。なにやってたのよ」

 

さすがに空気を読んで、アスカは怒りを不発弾として飲み下す。

 

「ごめんね~。ちょっと色々とやりとりする必要があって」

 

片手で謝る素振りを見せてから、ミサトは遅れて入室してきた弦十郎を指し示した。

 

「みんな、もう一度紹介させてもらうわ。こちらが、国連直属対特異災害タスクフォースS.O.N.G.、風鳴弦十郎総司令よ」

 

「改めて、よろしくな諸君」

 

朗らかに笑う弦十郎に、シンジは憧憬にも似た視線を向けていた。

 

「わたしたちは、対使徒ノイズ戦に向けて、S.O.N.G.と協調体制を取ることなったから」

 

「使徒ノイズ? 協調体制?」

 

訝しげな視線を向けてくるアスカに、ミサトは笑った。

 

「まあ、それは追々説明するから安心してちょうだい。それより、みんな、お腹は空いてないかしら?」

 

言われてみれば、アイスを食べてから何も口にしていなかった。

指摘され急に空腹を覚えるチルドレンたちに、弦十郎も笑いかける。

 

「ならば丁度良かった。諸君らとの親睦を深める意味を込めて、歓迎パーティの準備をしてあるぞ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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