目が覚めると朝の6時に差し掛かった所だった。今まで人の少ない朝に修行をしてきたから苦ではない。自分の忍具である”慈悲の刃”を取り出し手入れを始める。これは、梟さんの知り合いから貰った武器の1つで短剣の様に扱うが、仕掛けがあってそれを使うと双剣にもなる便利な武器である。素振りをしながらイメトレをするのが日課だ。すると、ドンッという音と共にさっきまでいた紫の部屋の窓が割れていた
「まさか……禍根の力か?」
紫の部屋まで走って向かうと、紫を中心に爆発の跡が出来ていた。
「紫!大丈夫か?」
「……兄さん?」
近づき怪我でもしてないかと心配になったが、特に大きな怪我もなく安心した
「どうかしたのか?」
「起きたら……兄さんがいなくて……また、居なくなったんじゃないかって……そしたら」
トラウマってやつなのか……俺が弱かったから紫に辛い目を
「どうしたのさ!さっきの音は」
と忌夢も紫の部屋までやってきた。
「俺がクセで日課に起きたら、居なくなったんじゃないかって思わせたみたいでさ……」
「そうだったのか。兄さんも出る時は伝えてくれよ、紫も兄さんは一緒に居るって約束したから出ていくはずもないのに」
「俺が悪かったんだよ。紫に勘違いさせて」
「私も……勘違いしちゃったから……」
「なら良いんだけどさ。あと兄さん、蛇女で働くに当たって話があるって言うから用意しといてね」
「今からか?」
「そうだね。早い方が後から楽だからね」
「なら、帰りに俺のアパート寄っていいか?片付けとかもしたいから」
「うん。わかった」
「外に出るのは……嫌だけど……兄さんと一緒だから」
そして俺は、妹達とゆっくりと話をしながら秘立蛇女子学園に向かった。
蛇女に着いた後は働くにあたっての説明や書類を書いていた。冷静に考えてみると女子校だし、先生も女性ばかりだし、大丈夫なのかと聞いてみても『問題はありませんね。忌夢さんや紫さんのお兄さんという事でしたら、本校としても嬉しい限りです』と、忌夢や紫の兄だからと言っても何も取り柄は無いのだが
「兄さんなら大丈夫さ。それに昔から修行をやってたなら、なんの問題もないよ」
「そうだよ……兄さん」
忌夢達がそう言っても、梟さんや指導してくれた人達はこぞって「まだ修行が足りない」って言ってるし、やっていけるのか心配しかない。そんなこんなで書類も書き終わった。
「はい、大丈夫です。早速明日からお願いします。明日は受け持つクラスへの挨拶や業務説明を行いますのでよろしくお願いします」
「はい、こちらこそよろしくお願いします」
これで明日からかぁ。死塾月閃女学館にもお世話になってたから、心残りはあるけど今の紫を1人に出来ないし、どっかのタイミングで挨拶に行った方が……でも悪忍だって知られてるなら行かない方が良いか……
「よし、兄さん。書くことも終わったし、これからボク達と一緒に任務をしてる皆に会いに行こう」
「忌夢達の友達か?」
「そういう事になるね」
「わかった。行こう」
俺が居なくなってからの友達だろう。仲良くしてくれているんだ、感謝の1つくらいしなければいけない。
「こっちだよ」
忌夢について行き
「ここに皆いるから、入って入って」
と、されるがままに部屋に入ると
「お前が忌夢の兄か?」
と白髪の子から聞かれる
「一応そうだね」
「ならば、手合わせをお願いしよう」
「え?」
いきなり手合わせって、やっぱり……
「ちょっと雅緋。しっかりと挨拶をしてから」
「忌夢が言うなら仕方ないか。私は雅緋だ。よろしく頼む」
「よろしくお願いします?」
これで良いのか?白髪の子が雅緋ちゃんだね、覚え無いと
「私はぁ、両奈ちゃんで~す」
「忌夢達の兄の黒霧です」
ギャルっぽい。なんだろ、あまり深く関わっちゃいけない気がする
「よろしくね~」
「よろしく頼む」
深く考えるのは辞めた方がいいのかもしれない。
「両備よ。よろしく」
「よろしくお願いします……」
なんだろ、嫌われてるのか?男性嫌悪的な
「アンタが忌夢の兄としても、強そうには見えないけどね」
「ははは……」
強くないもんな。だから、縁切られた訳だし
「挨拶も終わったなら、私と手合わせ願おう」
「あ、手合わせするのは確定なんだ」
「雅緋は1度言い出したら、止められないからなぁ。よし、兄さん。訓練所行って、私達の兄だって見せつけてくれよ」
「なぁ忌夢。俺が縁を切られ理由が弱かったからだって知ってるだろ?無理があるだろ」
「兄さんは弱く無いよ。それに、家を出てから兄さんはその師匠以外と戦った事無いんでしょ?」
「まぁ、軽く授業の一環としてやったくらいで……」
「良いから訓練所行くよ」
と、引きずられるように訓練所へと向かった。
終わりました。次の話で、主人公出ある黒霧と雅緋が戦います。さぁ、どっちが勝つのか!
近い内に投稿出来ればと思います