家に帰る頃には日は落ちていた。なんとか説得して、来週にまたやると約束して必要な荷物をまとめたり、大家さんに説明したりと大変だったのだが、もっと重大な事が待っているのだが
「見る限りだと暴走はしてないみたいだな」
家の前まで着いたが入るのが怖い。紫との約束を破ってしまったからだ。幸いなのか暴走はしてないみたいで、家に損傷がある訳ではないが
「逆に怖いな。それと、忌夢に何を言われるか」
学校的には悪忍と善忍と対立関係にあるが、あくまでも大人の事情な部分が多いから、生徒同士は仲の良い人も多いと聞いたが
「もしも、紫が本当にヤンデレなのだとしたら」
ヤンデレに会ったのならば下手な事をするなと、対獣の戦闘方法を教えてくれたウィリアムと名乗る狩人が言っていた事を思い出す。
『俺も最初は人助けだと安全な場所を教えたり、気を休めてもらう為にも話をしたりしていたら、いつ間にか「私の騎士様」と言い出して………』
まるで青い血が流れているのかと思うほど青ざめた顔をしていたから、深くは聞かなかったが
「昨日の紫を見る限りだと、用心は必要か」
何か良い方法がないかと脳をフル活動させる。玉ねぎ鎧のおっちゃんから教わった擬態を使って部屋に入り、あたかも帰っていたかのようにする。いや、紫は匂いに敏感だからバレる。静かに眠る竜印の指輪と霧の指輪は?結局、匂いまでは隠せないし………詰みやん。よし、帰るのは明日にして明日謝ろうと、踵を返すと
「おかえり。兄さん」
笑顔の忌夢が立っていた。雪泉の様な笑顔で
「雪泉さん達との稽古は終わったんだね」
その言葉の意味するものは死。逃げなければ死が降りかかるのは目に見えていた。そう判断した俺は師匠達から教わった、ありとあらゆる手段を持って逃走を試みた。緑化の指輪を取り出し指にはめる、そうした後に古い狩人の骨片と呼ばれる自分の動きを『加速』させる骨を取り出す。ここまでは完璧だった。だが、逃げた先に人の身長を優に超える棍棒が突き刺さった。
「雪泉さん達と会ってたことを咎めようとは思わないよ。兄さんは元々は死塾月閃で働いてたんだからわかるよ。だけど、会うなら会うって言ってくれないかな?」
「……次から気をつけます」
「じゃ、紫の所に行こうか」
「ちょっと忘れ物を……」
「本当は忘れ物なんて無いって知ってるから」
その言葉とともに体が拘束された。特に何も見えなかったから、忍術の1種なのだろうが
「紫に会って、謝るまで解けないからね」
「やめろぉぉぉ、死にたくない!死にたくなぁぁぁい」
「大袈裟だな、兄さんは。紫が納得するまで部屋から出れないだけなのに」
そのまま忌夢に引きづられるように紫の部屋までやってくる。忍術なら使われる前なら対処は出来たが、先に体の自由を奪われてしまっては為す術が無い。
「紫?兄さんを連れて来たよ」
「姉さん……?」
扉を開けながら紫の顔が現れる。紫と俺の目と目が合ったと思ったら、紫の髪の毛が体を締め付ける。禍根の力が現れている証拠だ。薄暗い部屋に引きずり込まれ、扉の閉まる音が聞こえる。
「遅かったね……兄さん」
紫の目はいつにも増して黒く濁っていた。これが、ウィリアムさんの言っていた
「前の仕事で教えてた生徒に会って……」
「その人は……兄さんの事が好きなんだね」
「そんな事無いよ。ただの教師と生徒だ」
「うぅん……匂いでわかるよ。兄さんの事が好きだって」
雪泉はどちらかと言えばおじいちゃんっ子だし、そういう話を四季に振られた時に顔を真っ赤にしてるくらいだから………あれ?でも確か、黒影さんから話があると呼ばれた時に
「黒影さん……話とは」
「お前に幾つか頼みたい事があるんだ」
「頼み事……ですか」
「まず、1つ目は雪泉達を見守って欲しい」
「ですが……私で良いのですか?縁を切られたと言っても元悪忍の出身で、月閃は善忍の」
「だからこそだ。縁を切られあの梟の元で修行をし、今ここに居る。ワシはお前を完全な悪忍だとは思ってない。お前は広い視野を持っている。それを雪泉達に教えて欲しいんだ。悪忍を完全な悪だと信じ暴走していたワシの若い頃のようになって欲しく無いんだ」
「それでも、適任はまだ」
「雪泉達もお前の事を信用している。ワシに話す事のほとんどがお前さんの事だからな。ワシはもう長くない。だからこそ、お前さんに頼んだ」
その目は信じる目だった。今まで信用されるなんて事が無かったからこそ、その期待を裏切る訳にはいかなかった
「わかりました。彼女達を見守っていきます」
「そうかそうか。なら、まだ頼みはあるのだが……」
なんか、それっぽい事を黒影さんが言ってたな。俺を試しただけって可能性もあるけど、雪泉達の稽古の日数増やした方がいいかなぁ……
「心当たり……あるんだ」
冷静に現実を見ると、未だに体は拘束されたままだった。
「心当たりって言ってもっっ」
紫に口を口で塞がれた。しかも、フレンチなキスだった。何から何まで舐め回されるような感覚が走り出す。数十秒した所だろか、口が解放される
「浮気は……駄目だよ」
「浮気はしないよ……」
そうとしか言えなかった。今の紫なら否定すれば何をするかわからない。だが、紫にも説明をしなければならない。
「でもな、紫。浮気はしないよ。だけど、俺も教師の1人で月閃もお世話になってたから無下には出来ないんだ」
「……でも」
「俺は紫の傍にずっといるよ。仕事中とかは居られないけどな」
「……本当?」
「本当だよ。それに、こんなに想ってくれる妹を持って俺は幸せだよ」
紫の瞳には光が戻り、代わりに涙が出てきていた。
「また兄さんがいなくなったんじゃないかって、あの時も黙って居なくなって、聞いたら縁を切ったからって………そしたら何も考えられなくなって。ずっと、会えるって信じて探して、やっと見つけたのにまた、離れ離れになるって思って……」
普段はあまり話すのが得意では無いのに、今は言葉が止まらない
「兄さんに褒めてもらいたくて頑張ってた。けど、それが兄さんを追い詰めてたなんて知らなかった。褒めてくれる兄さんに甘えてて……」
いつの間にか髪の毛の拘束も解けていた。だから、紫を抱きしめた。
「それだけで、俺が嫌いになる訳無いだろ?」
「兄さぁぁぁぁぁぁぁぁん」
泣いている紫を撫でながら、泣き止むまで抱きしめ続けた。
書いてて思う事は、何かしらのネタを入れると元ネタわかる人居るのか?って思う事ですね。ノリとテンションで書いてると特に思います。そろそろ、蛇女メンバーもしっかりと出していきたいですね。
フロム要素について
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閃乱カグラ要素強め
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フロム要素強め
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均等にして欲しい