ガンダムビルドダイバーズ 不殺の天使 作:リン・オルタナティブ
というわけで第五話«前»、どうぞ!
翌日、世奈と鉄華で合流した狼は店の奥にある筐体でGBNにダイブしていた。
「うわーお。これがGBNの中ねー。思ったより綺麗だし何より、“The・ゲームの中”って感じね」
「そりゃ....次世代型ガンプラバトルシュミレーションゲームだから、ね」
受け付け兼ロビーとして機能する広場でキョロキョロとあちこちに目を向けながらそういうセナにロウはぼそりと答えた。
彼女は肌の色と顔立ち、背の高さはリアルから引き継ぎ、瞳の色や模様、髪質、服などを調整した結果………、
「にしてもこの体、動きやすくて良いわね」
他から見れば動きにくそうな格好の世奈がその場でくるりと一回転し、そう言った。
褐色の肌に凛々しく感じられる顔立ちにその目を覆う深紅のバイザー。上半身は二枚の布がたなびく紅色のショーツを着て、下半身はバイザーと同じカラーのズボンに黒のコンバットブーツ……そして目元から頬にかけてタトゥーのような傷痕があり、ガンダム作品に出てきそうな不思議な雰囲気を漂わせる少女になっていた。
「まぁ…..何でそんな格好にしたのは問いただしたりはしないけど...。ロールプレイ、出来る?」
ロウはヘルメットの中からセナにそう声をかける。
「大丈夫だよ。むしろめっちゃ得意!任せて!」
そういうと喉元に左手を添え「あー、あー」と軽く発音する。
「………こんな感じで、良いのか?」
女口調からより荒い男口調にし、ソプラノから一オクターブ低いアルトの音質でセナはロウに答えた(想像しにくいと思いますが、ロールプレイ時のセナはアルトリア似の声です!)。
「ん、大丈夫」
ロウもGBNでの調子に戻し、セナにそう返す。
「じゃあ、早速ミッション…行く?」
「あぁ、行くとしよう」
ロウの提案にセナがそう答えると二人は受付へと足を運ぶ。
受付の女性NPDが提示してきたクエストリストをスクロールしつつ目を通すセナを見ながら、ロウは体を軽く伸びをして回りの声に耳を傾ける。
「なぁ聞いたか?荒野フィールドに現れる悪魔」
「ああ?なんだそいつ」
「なんでも、機体はデフォルトのバルバトスルプスみたいなんだけどな。けど……」
「けど?」
「……可笑しいんだよ機体の反応速度が」
「……マジか」
「……ウ……ロウ!」
ハッと驚き隣を見ると、
「全く、何をボーッとしていたんだ」
「………何でもない」
呆れるセナにロウはそう答えると、セナはロウの方にクエスト画面を飛ばしてくる。
ー滅亡へのカウントダウンー
・全機体を撃破し、アクシズ落下を阻止せよ*大連戦ミッションー全三ステージー*
クリアダイバー:0
「これ…。難易度超高いけど……大丈夫?」
「私は行くと決めた。機体が心配だけど」
セナはロウにそう返すと足早にハンガーへと向かってしまう。
追いかけようとしたロウはふとクエスト画面の端に書いてあるのを見つけ、少しだけ目を見開くと、
「……面白い」
ニヤリと笑みを浮かべ、ロウもハンガーへと向かう。
ー尚、このミッションは中継、モニターに公開されますー
次回は中盤か後半戦。出来れば三話でミッションを終わらせたいと思っています!