5月6日・桂家
「部屋を貸し出そうと思うのよ。」
「・・・いきなりどうしたんですか?ヒナギクさん。」
確かに。
「いや~、実は昨日、お姉ちゃんが『お金を貸してくれ』って、訪ねてきて・・・。」
「あぁ・・・。そういえばそうでしたね。」
「・・・で、ちょっと200万ぐらい貸しちゃったから、ちょっと、お金が・・・。」
「あぁ・・・なるほど・・・。・・・で、この家の無駄に多い部屋を、誰かに貸し出して、家賃収入を得ようと・・・。」
「なるほど・・・。だけど、そんなのうまくいくか?」
桂家でそんな会話がされている頃・・・
春風家
「・・・は?父さんの会社が倒産?」
「そうなんだよ~、どうしよ~!!」
こっちはこっちで大ピンチ。
「・・・まぁ、それはしょうがないな。私はどっかで部屋でも借りて、バイトでもしながら暮らすんで・・・とっとと部屋から出てってくれ。」
「ひどい千桜ちゃん!!」
その後・・・
「・・・とは言ったものの・・・これからどうするべきか・・・。」
計画性0。
「咲夜さんとこなら、泊まり込みとかもいけるかもしれないけど・・・そこまで咲夜さんに迷惑かけるのもなぁ・・・。」
忘れてしまったひとのために説明しよう。
千桜は、『ハル』という名前で、咲夜の専属メイドをやっているのだ。
「どうしよ・・・って、ん?」
1枚のチラシが、千桜の目に留まる。
「・・・執事付き・・・。執事付き、か~・・・。」
お気づきの方はいるかもしれない。
「・・・いってみよう!!」
そして・・・大方皆さんの予想通り・・・
桂家
「・・・なんで千桜が部屋を借りにくるのよ。」
「!?うわっ!?ヒナ!?なんでここに!?」
「何って・・・ここ私んちだし・・・。」
まぁ、そうだよね。
「・・・ん・・・?ってことは待てよ?じゃぁ執事って・・・。」
その執事は・・・
「・・・あ、千桜さん。部屋を借りに来られたんですか?」
(・・・うわ~・・・やっぱこいつか・・・。)
こうして・・・ひとりめの入居者が決まったという・・・。
そして・・・
「え~っと・・・あれ、どこいった?」
「・・・何探してるの?ハヤテ君。」
「いや~・・・僕の中学生の卒アルを探してるんですよ・・・。どこいった?」
「・・・そういえば、ハヤテ君が中学生の頃の話、あまり聞いたことないわね・・・。ハヤテ君は中学生の頃、どんな感じだったの?」
「そうですね~・・・。僕の幼馴染ふたりと組んで、『コハル隊』とか言って、結構遊んでましたね。お泊り会とかもやりましたし。」
・・・なるほど。
「へ~、そうなんだ・・・。・・・ん?『コハル隊』?」
「僕と、その幼馴染ふたりの名前の頭文字をとって、並び替えたのが『コハル』です。それに、『隊』を付けただけですね。」
「なるほど・・・。じゃぁ、ハヤテ君は、『コハル隊』の、『ハ』って事?」
「まぁ、そんな感じです・・・。・・・・あ、あったあった。これだ~。」
そして、卒アルを探し出した。
そして、ハヤテは卒アルをパラパラとめくりながら、ひとつのページに目を留めた。
「・・・あ、ほら!!この子ですよ!!」
「へ~・・・。」
ヒナギクは、ハヤテの持っていた卒アルを見る。
ハヤテが指さしていたのは・・・
「『水蓮寺ルカ』。僕の幼馴染で、コハル隊の『ル』です。」
・・・だが、この時のハヤテ達は知る由もなかった。
ここから先の物語が、コハル隊を中心に動いていくことに・・・。
・・・ちなみに・・・。
「・・・父さんの会社が倒産しない?」
『そうなんだよ~!!融資してくれるひとが見つかってさ~・・・。』
「へ~、それは良かったな~。」
会社は倒産しなかったという・・・。