もしもかぐやに滅茶苦茶強力な恋敵がいたら・・・ 作:ゾキラファス
追記。6月13日 セリフ等を一部編集しました
更に追記。2月22日 指摘されたので文章の一部を変えました。
更に更に追記。題名少し変えました『四宮かぐやの最大の恋敵(ライバル)』が語呂悪かったので。
四宮かぐやの恋敵
私立秀知院学園───
かつて貴族や士族といった高貴な家の子らを教育する機関として創立された、由緒正しい名門校である。
貴族制が廃止された現代でも尚、富豪名家に生まれた将来の日本を背負うであろう人材が多く就学している。例えば経団連理事の孫、自衛隊幕僚長の息子、広域暴力団組長の娘、警視総監の息子。挙句の果てには外国の本物の王子様までいるのだ。
そんな一癖も二癖もある生徒達を率い纏め上げる者が、凡人で許される筈がない。
「皆さん、ご覧になって!」
「あれは、生徒会のお2人!!」
黄色い声を上げる生徒たちの前を歩く、金髪の男子と黒髪の女子の2人。この2人こそ、現在の秀知院学園生徒会の生徒会長と生徒会副会長である。
女生徒の名前は四宮かぐや。
秀知院学園の副会長。総資産200兆円、ゆうに千を超える子会社を抱える四大財閥の一つ、四宮グループの本家の長女である。
芸事、武芸、音楽、そして学問と全ての分野に於いて他者とは一線を画す結果を残し続けてきた正真正銘本物の天才。また、その見た目も非常に美しい女生徒である。
そして男子生徒の名前は白銀御行。
秀知院学園の生徒会長。質実剛健、聡明英知を擬人化したとさえ言われるほどの秀才。そして生徒会長に就任する少し前から、学年模試で1位をとり続けている。
かぐやの様に多才ではないが、勉学1本で畏怖と敬意を集め、その模範的な立ち振る舞いにより、生徒会長に抜擢された男だ。そして生徒会長に就任してからも、数々の功績を出し続けており、その手腕は生徒のみならず、教師も一目置いている。
「いつ見ても、お似合いなお2人でしたわ…」
「えぇ、神聖さすら感じてしまいました…」
「やはりあのお2人は、お付き合いなされてるのかしら?どなたか訊いてきてくださいまし…」
「そんな!近付く事すら烏滸がましいというのに!とても無理ですわ!!」
先ほどまで2人で一緒に廊下を歩いていた白銀と四宮に対して様々な感想を口にする生徒たち。その多くは白銀とかぐやの2人が付き合っているのではないかというものである。
(ふむ…)
そして、そんな群衆の中にいる1人の黒髪ショートカットの女生徒が考えを巡らせ始めた
生徒会室───
「なんだか、噂されてるみたいですね。私たちが交際してるとか……」
「そういう年ごろなのだろう。適当に聞き流せばいい」
「ふふ、そういう物ですか。私は、そういった事柄に疎くて」
かぐやはそう言いながら、紅茶を入れていた
(全く、下世話な愚民共ですね。この私を誰だと思ってるの?この国の心臓たる四宮家の人間よ?どのような脳みそをしていれば私と平民ごときが付き合うなんて発想に至るっていうのかしら?理解不能だわ)
とんでもない上から目線でそんなことを考えながら。
(まぁ、確かに他の男共と違って会長にギリギリ可能性があるのは確かですけどね。向こうが私に跪き、身も心も故郷も、そして死後の魂すら私に捧げるというなら、この私に見合う男に鍛え上げてあげなくもないけれど。最も、この私に恋い焦がれない男なんてこの世のどこにも居ないワケだし、時間の問題かしらね?)
周りの人間が聞いたら「ふざけんな」と言われるかもしれないようなことを四宮かぐやは簡単に思い浮かばせる。それまで育ってきた環境がそうさせたのか、はたまた生まれ持ったものなのかは知らないが、四宮かぐやという女生徒は異常にプライドが高いのである。
故に自分から告白するなど言語道断。仮に自分が好きになりえた男がいたのなら、必ず相手から告白させるという思想を持っているのである!
(ふふふ、前に藤原さんに借りて読んだ低俗そうな雑誌にも『周りが噂していればもう秒読み!』て書いてあったし、早ければ今日にでも会長から告白してくるはず…!!)
と、かぐやがそんなことを思っていると、生徒会室に一人の女生徒が入ってきた。
「失礼する。白銀、頼まれていた資料を持ってきた」
そう言って生徒会室に入ってきたのは現生徒会庶務、立花京佳(たちばなきょうか)
身長180センチの女生徒である。
もう1度言おう。
身長180センチの女生徒である。
しかし、彼女はただ身長が大きいというだけではない。
豊満なバスト、くびれた腰つき、長い脚、白い肌というその辺のモデルが裸足で逃げ出すくらいの超モデル体型である。
スレンダーなかぐやとは180度逆方向にいる女性だ。
その高身長も特徴的だが、何より彼女の見た目で目立つのは、左目にしている黒い眼帯だろう。それも普通の眼帯ではなく、顔の3分の1を隠すほどの大きさのある眼帯だ。そのような大きな眼帯を付けているため、京佳には様々な噂がたっていた。
曰く、「他校の生徒との喧嘩で、ナイフを左目に刺された」
曰く、「重い病気にかかっており、左目が融け落ちている」
曰く、「ロシアンルーレットに負けて、左目を撃ちぬいた」
等々、そういった物騒な噂が後を絶たないのだ。
最も彼女の人柄を知れば、それらの噂が全て根も葉もないものだとわかるのだが。
ちなみにその見た目から「夏侯惇」と揶揄されたこともある。
「おぉ、ありがとう立花。しかし、すまないな。女性であるお前にこれだけの資料を持ってくるように言ってしまって」
「気にするな白銀、私は庶務だ。こういう雑用こそ庶務の出番だろう」
そう言いながら、京佳は白銀に持ってきた資料集を手渡した。そして、口を開いた。
「ところで白銀、ここに来る途中で噂を聞いたのだが…」
「ん?噂?」
「ああ、なんでも私と白銀が付き合っているという噂らしい」
「はぁ!?」
(はいぃぃぃぃぃぃ!?)
かぐや、思わず心の中で絶叫する。
(いや違うでしょう!?『私』と会長が付き合っているという噂でしょ!?なんで会長と立花さんが付き合っているっていう噂になっているの!?)
まさに寝耳に水。
かぐや本人は、そのような噂を聞いたことなど1度もないのだから。
「ま、待て待て立花!俺とお前が付き合っているという噂なのか!?」
「あぁ、そういう噂があると私は聞いたぞ」
「そ、そうなのか……そんな噂が……」
(あ、あれ?なんか会長少し恥ずかしそうにしてない?私との噂との時と反応全然違わない?)
先ほどかぐやが噂の話を振った時とは明らかに違う反応をする白銀。しかし、その内心は―――
(いやなにそれ!?初耳なんだけど!?そんな噂もあるの!?俺しらねーよ!?)
初耳の噂を聞いて軽いパニックになっているだけだった。
だが、ここで下手に噂の事を聞いて、ボロを出し、パニックになっていることを悟られる訳にはいかない。
もしそうなったら―――
『あら、会長。ただの噂程度でそんなに慌てるなんて、お可愛いこと』
なんて四宮に言われるに決まっている、と白銀は考えていた。故に早々に話題を変えることにした。
「ま、まぁ所詮噂だ。別に気にする必要もなかろう。それより早く資料作成を行おうじゃないか」
「ふむ、それもそうだな。ではさっさと終わらせよう」
そして2人は資料作成に取り掛かった。
隣同士に座って。
(ちょっと立花さん!?なんでナチュラルに会長の隣に座っているのよ!!しかもなんか距離近くない!?)
かぐやは手に持ったティーポットを少し震わせながら思わず叫びそうになった。
単純に、白銀の隣に座っているのが羨ましいからである。
かぐやと白銀はクラスが違う。故に隣同士の席で一緒に授業を受けるといった展開が起こりえないのだ。
しかし、生徒会室であれば、隣同士で一緒に生徒会の仕事をするという事であれば、隣同士に座ることが可能になる。
今日も、白銀の隣で共に資料作成をし、思わず手が触れ、肩と肩がぶつかり、自分を白銀に意識させ、そのまま白銀から告白させるという作戦を決行するつもりだったのだが、作戦開始前に作戦が頓挫してしまった。
(おのれぇ、立花京佳ぁ……!!)
かぐやは目下最大の障害である京佳を心の底で呪い始めた。
(四宮、君にも何か考えがあったようだが、先手は私が取らせてもらったぞ)
白銀の隣に座り、手では資料をまとめ、視界の端でかぐやの様子を伺い、頭の中では策略を巡らせている本作主人公、立花京佳。
彼女が先ほど言った噂と言うのは完全なでっちあげだったのである。何故京佳は、そのような嘘を口にしたのだろうか?
その答えは簡単。
好意を寄せる男に、自分を意識させるためである。
(四宮、君は私にとって最大のライバルだ……)
(だからこそ、私は全力で君と戦おう。恋敵としてな……!)
私立秀知院学園生徒会
生徒会庶務 立花京佳
好きな人 白銀御行
これは四宮かぐやにとって、生涯最大の敵となった女性の話である。
オリ主は作者の性癖詰め合わせです