もしもかぐやに滅茶苦茶強力な恋敵がいたら・・・   作:ゾキラファス

122 / 197
 過去編の夏休み編です。

 この時期は手先が冷たくなって辛い。カイロでも買っとこう。あと暖かいコーヒーとか。


白銀圭と立花京佳

 

 

 

 

 

 夏休み。

 それは多くの学生にとっての至福の時間の事である。海水浴や山登り。花火大会に世界最大の同人誌のイベント。そういった様々なイベントを思う存分に楽しめる時間が、夏休みだ。

 残念ながら、現代社会を生きる社会人には学生程の夏休みは無いのだが、それでも誰だって楽しみたいのが夏休み。

 そして当然秀知院も、現在夏休みに突入している。1学期最後の終業式の日、生徒会長からは『夏休みは1回だけ集まるけど、それ以外は特に予定ないから好きに過ごしてていいよ』と言われた1年生の3人は、言われた通りに思い思いの夏休みを過ごしていた。

 龍珠は自宅の自分の部屋で、冷房をガンガンに効かせながらゲームを。

 白銀はこの時期しか出来ない時給の良いバイトと、図書館での猛勉強を。

 そして京佳は本日、他校に通っている友達の恵美と一緒に街ブラでもしようとしていたのだが、

 

「どーしよっかなー……」

 

 その恵美が来ず、待ち合わせ場所の噴水前で1人立ち尽くしていた。

 

 

 

 本来なら、今頃は京佳は恵美と共に遊でいる筈だったのだが、待ち合わせ場所に着いた時に、恵美から電話がきた。

 

『ごめん京佳!家の用事で急に出かける事になっちゃったの!!』

 

 それも断りの電話が。

 家の用事なら仕方が無いとし、京佳は恵美を怒る事も無く電話を切った。だが、せっかく家から電車に乗ってここまで来たのに、このまま直ぐに家に帰るのはもったいない。そこでこの後どうしようか、1人で悩んでいるのだ。

 

(映画でも行くか?でも1人で映画に行くのはなぁ…ならどこかの喫茶店で食事?いや、何か食べるにはまだ早い時間だ。ならウィンドショッピング?でも1人ではなんかなぁ…)

 

 色々考えてみるが、どれもしっくりこない。その間にも、夏の日差しが京佳を照らし、京佳は汗をかく。

 

(ここでずっと立っていても仕方が無い。せめて空調の効いたどこかに行こう)

 

 熱中症になったら大変だと思い、とりあえずどこかの建物の中に入ろうとした時、

 

「―――」

 

「―――!」

 

「ん?」

 

 何やら争っているような声が聞こえた。

 

(何だ?)

 

 野次馬根性で京佳が声のした方に行ってみると、

 

「だからさ!ちょっとそこで一緒にご飯食べようって言ってるだけだって!本当に変な事しないから!」

 

「いや、本当にそういうのいいんで…」

 

「そんな事言わずに!奢るから!」

 

「あの、しつこいんですけど…」

 

 そこにはチャラそうな男子と、見覚えのある女子がいた。

 

(あれって、確か白銀の妹さん?)

 

 男子は全く知らないが、女子の方は知っている。1学期に白銀の家で出会った、白銀の妹だ。どうやら、しつこく言い寄れているみたいである。

 

(ナンパ、だろうな)

 

 夏は若者が開放的な気分になる為、こういった出来事が起きやすい。これが恋人探しのナンパならまだしも、世の中には下種な考えを持った者も少ないくない。

 

(よし。いくか)

 

 そして京佳は白銀の妹を助けるべく、動く事にした。

 

 

 

(本当最悪。ていうか視線がキモイし…)

 

 白銀圭は困っていた。本来なら、既にこの場にはおらずに出かけていた筈なのに、こうして妙な男に絡まれているからだ。

 友人を待っていたら、同年代くらいのチャラそうな男子に突然話しかけられて、食事に誘ってくる。それに付き合う義理も無いので速攻で断ったのだが、相手が本当にしつこい。

 あと目つきがやらしい。夏なの普段より薄着の圭の胸や腰回りを嘗め回すように見てくる。完璧そういう目的だろう。

 

(あーもう。いっそ助けてーって叫ぼうかな)

 

 周りには大勢の人がいるので、叫んでみようと考えていた時、

 

「ちょっといいかな?」

 

「え?」

 

「あ?んだ…よ…」

 

 チャラそうな男子と圭が話しかけれた。

 

「その子が困っているだろう。それ以上はやめておけ」

 

 2人が振り向くと、そこには女子にしては身長が高く、物騒な眼帯をした女子がいた。パッと見、まるで傭兵や歴戦の戦士に見える。

 そしてそんな女子を見たチャラそうな男子は、

 

「す、すみませんでしたぁぁぁぁぁ!!」

 

 その場から全速力で逃げ出した。

 

「えー……」

 

 呆気に取られる圭。今まで散々しつこく言い寄ってきたくせに、物騒な見た目をした人に話しかけられた時点でこれだ。別にそういう意味じゃないが、もう少し粘れよと思った。

 

(やっぱり逃げたか)

 

 そして2人に話しかけてきた女子こと京佳は、この展開に納得していた。自分の見た目が怖がれているのは知っているので、大抵の人はこうなるからだ。

 

「大丈夫か?」

 

「は、はい。大丈夫です。あの、助けてくれて、ありがとうございます…」

 

 圭に話かける京佳。圭もそれに合わせ、緊張しながら京佳にお礼をいう。

 

「えっと、確か、立花さんですよね?」

 

「そうだよ。そういう君は、白銀の妹さんだったよね?」

 

「はい。白銀圭と言います」

 

 およそ1月ぶりの再会。しかも最初の出会いは、時間にすると10分も無い。なので圭は改めて自己紹介をした。

 

「それで、どうしてここに?誰かと待ち合わせかな?」

 

「はい、そうだったんですけど…」

 

 京佳にここにいる理由を聞かれ、圭は静かに話しだす。

 

 

 

 圭は本日、秀知院に入学して初めてできた友達である藤原萌葉という子と一緒に映画に行く予定だった。というのも、数日前に映画のペア鑑賞チケットを福引で当てたのだ。

 レディスデーでも1000円する映画をタダで観れるとあって、圭は萌葉を誘って映画に行くことにした。

 しかし、いざ待ち合わせ場所に着いた時、入学祝いに契約した圭のスマホに萌葉から連絡がきた。

 

『圭ちゃん本当にごめん!お父様の用事で、急遽北海道に行くことになっちゃったの!!』

 

 それは今日の遊びの予定が駄目になったという連絡。萌葉は何度も何度も謝っていたのだが、圭は家の用事なら仕方が無いと思っていたので、全然気にしていなかった。

 その後、1人で映画を観てもつまらないと思ったので、そのまま家に帰ろうとしていたのだが、そこで先ほどのチャラそうな男子にナンパされたのだ。

 

(私と一緒か…)

 

 京佳はナンパされていないが、それ以外は概ね一緒。奇妙な偶然である。

 

「まぁ、夏はああいった人が湧きやすいから、気を付けるんだぞ」

 

 ナンパも撃退したので、京佳はその場から立ち去ろうとしたのだが、

 

「あ、あの!」

 

「ん?」

 

 圭に呼び止められ、足を止めた。

 

「その、もしよければ、一緒に映画行きませんか?」

 

「え?」

 

「えっと、この間、初対面だったのに失礼な態度取っちゃって、そのお詫びをと思って…」

 

 圭は申しなさそそうに言う。1月前、圭は初めて京佳を見た時、兄が女を連れてきたという事実に驚いてしまい、同時に緊張してしまった。

 結果、圭は京佳に対してどこかぶっきらぼうにしてしまい、失礼な態度を取ってしまったのだ。

 

「ああ、あれか。私は気にしてないからいいんだけど」

 

「いえ。私が気にするんです。どうか、お願いします」

 

 兄にも言われたが、圭はあの時の事をしっかり謝りかった。でもただ謝るだけでは気が済まない。そこで今手にしている映画の鑑賞券だ。どうせ萌葉は来れないし、映画の鑑賞券の有効期限もそう長くない。なので圭はお詫びの意味を込めて、京佳をこうして映画に誘ったのである。

 

「いや、でも…」

 

「お願いします」

 

 頭を下げて再度お願いする圭。

 

「……わかった。なら、お言葉に甘えて」

 

「は、はい!」

 

 ここまで言われたら、流石に断れない。それに既に今日は暇を持て余している。どうせ何も予定は無いのだ。ならここは、圭の善意に甘えてもいいだろう。

 

「それじゃ、行こっか」

 

 そう言うと京佳は、圭に手を差し出す。

 

「え、えっと?」

 

「あ、いや。この人込みだから、迷子になっちゃいけないと思ったんだが、迷惑だったかな?」

 

「い、いえ!よろしくお願いします!」

 

 少しびっくりしたが、圭は京佳の手を取り、2人で映画館へ向かったのだった。

 

(紳士的…それに困っているのを助けてもくれた。もし男子だったら、私惚れちゃってたかも…)

 

 道中、圭は京佳に手を引かれながらそんな事を考えていた。確かに見た目は少し怖いが、中身は真逆。こんな優しい人は、昨今の日本では珍しいかもしれない。

 

(やっぱり、人の事を見た目だけで判断しちゃいけないよね)

 

 初めてであった時、圭は少し京佳を怖がっていた。なんせあの眼帯だ。誰だって初対面の時は怖がる。だが圭は、これを期に見た目で人を判断するのをやめようと決めたのだった。

 

 

 

「いやー、面白かったなー」

 

「はい。私も最後は手に汗握っちゃいました」

 

 京佳と圭は、映画館を出て近くにあったベンチに座り談笑していた。2人が見た映画は、史実を元に作られた忍者と侍が戦う映画で、所謂時代劇である。

 普段時代劇なんて見ない2人なのだが、そんな2人からしても面白いと思える映画だった。有名俳優が自ら身体張ってやったアクションも凄く、お金にしか興味がなかった忍者の主人公が愛に生きようと変わっていくストーリーも面白い。

 特に最後の主人公と元仲間の裏切り者による決闘は手に汗を握る激闘であり、本当に見応えがった。

 

「そうだ圭さん。よければ、一緒にお昼でも行かないか?」

 

「え?」

 

 談笑している時、京佳が圭に提案をする。時刻は13時。丁度お昼時である。一緒に映画まで観たのだから、この際にと思い京佳は圭をお昼に誘ったのだ。

 

「えーっと、その…」

 

 しかし、圭の反応は芳しくない。

 

「あー…もしかして、迷惑だったかな?」

 

「いいえ!そんな事は無いです!そうじゃなくて…」

 

 圭がこうやって言いよどむのは、何も京佳が嫌な訳じゃない。

 

 単純にお金が無いからだ。

 

 白銀家は貧乏である。おかげで普通の学生が友達とファミレスで食事をしたり、カラオケで歌ったりという遊びが簡単には出来ない。元々萌葉と一緒に映画を観た後も、そのまま足早に帰るつもりだった。なので京佳の誘いは嬉しいのだが、それを直ぐに受ける事出来ずにいる。

 

「何か悩みがあるなら言ってくれ。悩みっていうのは、誰かに言うだけでもスッキリしてりするし」

 

「うぅ……」

 

 京佳はそんな圭の様子を見て、何かに悩んでいると察する。なので話を聞く事にした。圭を見て、どこかほっておけないと思ったからでもある。

 

「えっと、恥ずかしい話なんですが…」

 

 圭は恥を忍んで話す事にした。自分の家が貧乏なため、簡単には外食が出来ない事。だから誘いは嬉しいけど、簡単に頷けない事。

 

「そうか…」

 

「……」

 

 全ては話した圭は、俯いてしまう。

 

(本当最悪…折角良い気分だたのに、お金が無いせいでこんな…)

 

 圭は貧乏を憎んだ。別にお金持ちになりたい訳じゃない。ただもう少しだけ、お金が欲しいだけ。そんな圭を見ていた京佳は、

 

「なら昼食は私が奢るよ」

 

「え?」

 

 圭に昼を奢ると言い出すのだった。

 

「そ、そんな!悪いですよ!それに私、別にそんな事して欲しくて言った訳じゃ…!」

 

 圭は慌てる。

 よく考えたら、こんな話をしたらまるで奢って欲しいと暗に言っているようなものに感じられてしまう。流石に出会って間もない京佳にそんな事させられない。なので断ろうとしたのだが、

 

「実はな、圭さんのお兄さんには本当にお世話になっているんだ。なのでこれは、私なりの恩返しのひとつと思って欲しい」

 

「あ、兄のお世話に…!?」

 

「ああ。だからどうか私に奢らせてくれ。頼む」

 

「頭を上げてください!わかりました!わかりましたから!!」

 

 京佳に半ば押し切られる事になり、圭は奢られる事となったのだ。

 

「それじゃ、行こうか。あのファミレスでいいかな?」

 

「は、はい…!」

 

 こうして2人は、目についたファミレスへ入っていくのだった。

 

 

 

 

 

「あの、本当にありがとうございます。奢っていただいて」

 

「気にしなくていいよ」

 

 ファミレスで昼食を食べ終えた2人は、映画後のベンチでの時と同じよう談笑をしていた。

 

「ところで立花さん。兄とはどういった経緯で友達に?」

 

 圭はこの際にと思い、思い切って聞いてみる事にした。京佳と兄御行が自宅で一緒に勉強していた時に話したので、2人が友達であることは知っている。

 しかし、いくら勉強をする為とはいえ、普通男の家に女が行くとは思えない。そこでもしかすると、2人のうちどっちかが、友達以上の関係を望んでいるのではないかと思った。

 もし本当にそうなら、その辺の事を是非聞きたい。なので先ずは、2人の慣れ添えを聞いてみる事にした。

 

「お兄さんとは、入学して直ぐの昼休みの校舎裏で出会ったんだが…」

 

 圭に聞かれ、京佳は話し出す。校舎裏でぼっち飯していたら、白銀に出会った事。その後、色々あって秀知院での初めての友達になった事。一緒に生徒会に所属した事。

 そこから更に様々な事を話した。

 

「そうそう。そういえば、1学期に生徒会室にカラスが入ってきた事があってね。外に逃がす為に白銀がカラスを捕まえようとしたら、思いっきり嘴で手を突かれたんだよ。そしたら白銀は『はっびゃあぁぁぁ!?』って聞いた事の無い声出しながら痛がってね」

 

「ぷ!おにぃだっさ。あ、ださいって言えば、おにぃって夏休み始まってすぐの頃、何も無いところでこけたんですよ。しかもその時、蝉の死骸が運悪く口に入っちゃって、そのまま大急ぎで洗面台で30分もうがいしてましたよ」

 

 京佳につられて、圭も兄の話をする。気が付けば、映画を観ていた時間より長く2人は話していた。

 

「あ。もうこんな時間か」

 

「え?……あ」

 

 スマホで時間を確認すると、夕方の4時半。夏なのでまだ外は明るいが、そろそろお開きにしておかないといけない時間だ。

 

「じゃあ、そろそろ帰ろうか」

 

「そうですね」

 

「あ、圭さん。バス停まで途中まで送るよ」

 

「え。でも」

 

「いいから。1人じゃ何かと物騒な世の中だし。それにまた、昼間のような人が来るかもしれないだろう?」

 

「あーー……それじゃ、お願いします」

 

 またあんなしつこいナンパは勘弁な圭は、京佳の言葉に甘える事にした。そして2人並んで街中を歩いていく。

 

(本当に良い人…)

 

バス停までの道のり、圭は京佳をふと見ながらそんな事を思っていた。

 

 今日1日、一緒に遊ぶことになった京佳。最初見た時は少し怖そうな人と思っていたが、今は全くそんな事思わない。というか思えない。話して分かったが、京佳は本当に善人だ。こうして、危ないからという理由でバス停まで送ってくれているのがその証拠だろう。

 

(スタイルも凄く良いし、顔だって整ってるし、おにぃが勉強を教えて貰っていたって事は頭も良いよね。え?この人凄くない?)

 

 思い返すと、京佳のハイスペックぶりに驚くばかり。もしこれで料理や洗濯といった家事全般ができればパーフェクトだろう。

 

(ひょっとして、おにぃって立花さんにホの字だったりしない?)

 

 こんな美人を、ただ勉強を教えて貰いたいからという理由で家に呼ぶだろうかと思う圭。もしかすると、兄は京佳が好きだから家によんだのではと考え出す。

 

(いや流石にまだ無いかな)

 

 だがあの兄が、そう簡単に家に好きな女を連れ込みなんてしないだろうと思い、その考えを捨てた。

 

「あ。ここでいいかな?」

 

「はい。大丈夫です」

 

 考えに耽っていると、圭の家がある方へ向かうバスが出るバス停にたどり着いていた。

 

「えっと、流石にここまでで大丈夫なので…」

 

「そうか?せめてバスが来るまでいた方がいいかと思うんだけど」

 

「お気持ちは本当にうれしいですが、流石にそこまでお世話になる訳にはいかないので」

 

「うん、そうか。ならここまでにしておくよ」

 

 圭が強くそういうなら仕方が無いとし、京佳も帰路につく事にする。

 

「あ、立花さん」

 

「ん?」

 

 しかしその直前、圭は京佳を呼び止めた。

 

「これからも、兄と仲良くしてください」

 

 そして頭を下げながらそんな事を言ったのだ。

 

「勿論さ。むしろこっちからよろしくしてもらいたいからね」

 

 当然だが、京佳はその気だ。なんせ初めての秀知院での友達である。それを無下にするつもりなんて、最初から無い。

 

「それと、私の事は圭でいいですよ」

 

「え?圭さん?」

 

「圭です」

 

「け、圭ちゃん?」

 

「圭です」

 

「け、圭?」

 

「はい」

 

 どこか満足そうな顔をする圭。

 

「なら、私の事も名前呼びで構わないよ」

 

「え!?いいんですか!?」

 

「ああ。だって不公平だろ?」

 

「そ、それじゃあ、京佳さん」

 

「ああ」

 

 そして京佳も名前呼びをさせていい事にした。たった1日でここまで距離が縮まったのは奇跡かもしれない。

 

「それじゃ、また」

 

「ああ。気を付けてね」

 

 丁度その時にバスが来たので、圭はそれに乗り込み帰路に着く。バスが発進し、京佳が見えなくなるまで、圭は京佳に手を振っていた。

 

「さて、私も帰るか。しかし、楽しい1日だったな」

 

 なんの因果か、白銀の妹である圭と過ごす事になった1日。しかし、凄く楽しい1日になった。出来れば、また一緒に遊びたいと思える程に。

 

 そんな少し浮かれた気分で、京佳も帰路につくのであった。

 

 

 

 

(それにしても、本当に綺麗で良い人だったな…)

 

 バスの中、圭は京佳の事を考えていた。眼帯をして少し怖い人相ではあるが、根は凄く優しくて良い人。できればもっとお近づきになりたい。変な意味じゃなくて。

 

(でも、おにぃの初めての友達かぁ…)

 

 思う浮かべるは兄の事。少し卑屈で、目つきが悪いあの兄に出来た初めての秀知院での友達。あんな良い人と友達になれた兄は本当に運が良い。下手したら、在学中ずっとぼっちだったかもしれないし。

 

(もしかすると、京佳さんが私の義姉になるのかも)

 

 異性の友情は成立しない。この前見たテレビでそんな事を言っていたのを圭は思い出す。もし本当にそうならば、兄は何時の日か、京佳と付き合う事になるかもしれない。

 

(なーんてね。流石にそれは気が早すぎるか)

 

 しかし流石にそれは恋愛脳が過ぎると思い、その考えを圭は消す。そして今日の夕飯は何かと考えながら、圭はバスの中から外の街並みを眺めるのだった。

 

 

 

 

 

(それはそれとして、やっぱり大きかったなぁ…羨ましい…)

 

 その道中、京佳の胸が圧倒的質量を持っているのを思い出して、少しだけヘコんだ。でも大丈夫だろう。だって圭はまだまだ成長期なんだから。

 

 

 

 

 




 夏休みの話はこれだけで終わりです。次回は一気に時間を進めて、1年生2学期の白銀の生徒会長選挙辺り書く予定です。

 秀知院コソコソ噂話。
 圭をナンパしていた男子は、夏休みデビューを目論んでナンパをしたけど、それが失敗したので裏切らない2次元に方向転換したぞ。でも翌年の夏のアニメイベントで出会った女子と意気投合して、10年後に結婚したぞ。
 そして本作では2度と出番はないぞ。

 次回も頑張りたいですね、はい。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。