もしもかぐやに滅茶苦茶強力な恋敵がいたら・・・   作:ゾキラファス

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 本日はクリスマスイヴ。そして明日はクリスマスと有〇記念。

 皆さん、メリークリスマス。



 因みに私は今年も1人で過ごしてます。


立花京佳とクリスマスケーキ

 

 

 

 

 

 クリスマス。

 大人から子供まで大好きとされる1年を締めくくる1大イベント。街中には煌びやかなイルミネーションが灯され、様々な場所からクリスマスソングが聞こえてくる。それを体験するだけで、誰しもウキウキしてくる不思議なイベント。

 元は某世界最大宗派の創始者の生誕祭と思われがちだが、実は違う。そもそも彼の誕生日の正確な日付は知られていない。諸説あるのだが、本来は古代ローマ時代にミラト教という太陽神を信仰する宗教が、冬至の時期に『光の祭り』という行事を行っており、それが行われていたのが12月25日。

 そこにその頃、勢力を伸ばしていた某世界最大宗派が『光=彼』と例え、その後起こるかもしれなかった宗教同士の争いを回避するべく、12月25日を彼の降誕祭と定め、それら2つを合体させたのが始まりだと言われている。

 

 海外では家族と共に食事をしたり、礼拝堂でお祈りをしたりといったのがクリスマスの主な過ごしかたなのだが、日本は『恋人と過ごす』という面が強く、独自の進化を遂げている。

 

 そういった事もあり、日本の若者はこの時期、ソワソワして過ごす者が多い。

 

「ふふ。今日はとっても良い日になりそうね」

 

 部屋の窓から外を見ているかぐやもその1人だ。

 

「で、どうしてそんなワクワクしているんですか?」

 

 従者の早坂がかぐやに尋ねる。

 

「どうもこうも、早坂。今日はなんの日か知らないの?」

 

「いやそりゃ知ってますよ。クリスマスでしょ?」

 

「正確にはクリスマスイヴよ」

 

 本日12月24日 午前8時。天気は珍しく晴天。東京の気温は低く、防寒具無しではとても外に出れない。そんなイブの朝、かぐやはどこかソワソワしたりワクワクしながら過ごしている。

 

「いいこと早坂。海外だと別だけど、日本ではクリスマスイブの方が重要視されているでしょ?」

 

「まぁそうですね。何でかは知りませんが」

 

 これ本当になんでかわからない。一説には、国内のイベント企業のマーケティングのせいだと言われているが。

 

「それでね、最近あなたに言った事だけど、会長はほぼ間違いなく私に気があるのよ」

 

「はぁ…」

 

「そんな会長なら、この私に首を垂れて『どうか一緒にイブを過ごして欲しい』って今日必ず連絡してくるのよ」

 

「……」

 

「ま、残りの人生、家族、そして国も全て捧げるというのなら、一緒にイブの夜を祝ってあげない事もないのだけれどね」

 

「……」

 

「ふふ、楽しみだわ。会長が首を垂れながら、私にそう言う瞬間が」

 

(どうしちゃったんだろう、かぐや様…)

 

 主人のIQが突然著しく下がったのを見て、早坂は引く。確かに恋は盲目とは言うが、これは酷い。ほんの2月程前まではこんなのじゃななかったのに。

 その時、早坂はある事を思い出す。

 

「かぐや様。もしかして、岡山県で行われる弓道部の高校全国大会の出場辞退したのもそれが理由ですか?」

 

「ええ。だって折角会長が全てを捧げてお願いするっていうのに、その時岡山にいたんじゃ遠いでしょう?それは流石に会長が可哀そうだもの。そもそも弓道は一通り極めたし」

 

「えー…」

 

 折角秀でた才能のある弓道だったというのに、そんな理由で出場を辞退するとは思っていなかった。主人の行動に、早坂はドン引く。

 

「さて、それじゃ今のうちに準備しておきましょう。早坂、服を選ぶのを手伝ってちょうだい」

 

「はぁ、わかりましたけど…」

 

 そしてかぐやは、白銀が誘ってきた時、直ぐに出かけられるよう服を選ぶのだった。

 

 

 

 

 

 時間は少し進んでお昼前。都内にある純喫茶りぼんではランチタイムな為、従業員たちがせわしなく働いていた。

 

「おまたせしました。ビーフシチューです」

 

 秀知院学園生徒会庶務、立花京佳もその1人である。

 

 今、京佳はネイビー色のカジュアルなシャツを着て、その下に黒いストレッチパンツ。そしてモスグリーンのエプロンを付けている。京佳の抜群のスタイルが強調されて、実に素晴らしい。勿論、眼帯も装備済みだ。

 何故京佳が喫茶店で働いているかというと、店長である朝子さんからのヘルプだ。この純喫茶りぼんは、京佳と親友の恵美行きつけの店である。当然、店長とも顔なじみ。そんな店長に、昨日京佳は電話をされた。

 

 ―――――

 

『京佳ちゃん。明日の午前中って時間あるかしら?」

 

『明日ですか?特に用事はありませんけど』

 

『だったらお願いがあるの。明日午前中だけでいいから、バイトに来れないかしら?』

 

『バイトにですか?』

 

『ええ。実は明日シフト組んでいた子が風邪をひいたってさっき連絡があって。この時期は稼ぎ時だから、人も多く来るのよ。そんな時に人手が足りないのはちょっと』

 

『わかりました。そういう事なら行きます』

 

『ありがとうね。あ、バイト代は弾むから』

 

 ―――――

 

 普段色々お世話になっている店長朝子さんの頼みとあったら断れない。よって京佳は、本日限定でバイトをしていた。

 

(しかし、予定がなかったとはいえ、クリスマスにバイトかぁ…)

 

 ここにくる途中、カップルがイチャイチャしながらデートしているのを何組も見た。別に羨ましいとか思っていないが、ちょっとだけ複雑。

 

「すみませーん」

 

「はい、直ぐにいきます」

 

 でもそんな事考えても仕方が無いので、京佳はせっせとバイトに勤しむのだった。

 

 尚、この時京佳を見た女性客の1部は京佳に見惚れてしまい、その後も再び京佳を見るべく、りぼんへと足繫く通うのだった。

 しかし京佳はこの日限定の臨時のバイトだったので、残念ながら会う事は無かったらしい。

 

 

 

 

 

(臨時収入があって何よりだな…)

 

 午後一に臨時のバイトが終わり、京佳は街中を歩きながら帰路へついていた。この時期は意外とお金を使う事があるので、こうした臨時収入は大変助かる。因みにバイト代は5000円だった。

 

(さて、夕飯の買い物して帰るか。クリスマスイブだし、今日はビーフシチューにでもしようかな)

 

 せっかくのイブ。ならば少しくらい贅沢な食事をしてもバチは当たらないだろう。そして買い物をしようとしたのだが、

 

「あ、京佳さん」

 

「え?」

 

 ふいに後ろから声をかけられた。

 

「圭じゃないか。こんにちは」

 

「はい。こんにちは」

 

 声をかけてきたのは、白銀の妹の圭。今日は青色のダッフルコートを着ている。可愛い。

 

「何か買い物かな?」

 

「はい。この近くにあるスーパーで特売セールやっていたので」

 

 どうやら買い物に来ていたらしい。確かにその手には、ビニール袋が握られている

 

「ふむ。察するに、ケーキかな?」

 

 京佳は、圭がクリスマスケーキを買ったのではないかと思った。なんせ今日はイブ。そして明日はクリスマス。そう思うのは普通だろう。

 

「あ、いえ。これ全部もやしです」

 

「……え?」

 

 しかしそれは外れだった。圭はビニール袋の中身を京佳に見せる。すると、本当にもやししか入っていない。

 

「うち、本当に貧乏なんで。クリスマスだからといって、ケーキを食べるなんて事しないんですよ…お父さんが2000円の図書券くれるだけで…他には特に何も…」

 

 悲しそうな顔で圭は言う。この数年、圭はクリスマスと誕生日をまともに祝った事な無い。それは兄御行も同じだ。だって普通に祝ったら、お金がかかる。そんな余裕、今の白銀家にある訳無い。

 

「あ、ごめんなさい。折角のクリスマスなのにこんな話。それじゃ」

 

 周りは煌びやかな雰囲気なのに、自分が話すとそれが消えて無くなりそうだ。これ以上こんな話をするのは悪い。なのでさっさと、圭はその場から立ち去ろうとする。

 

「ちょっと待ってくれ圭」

 

「え?」

 

 しかしそれは、京佳によって阻まれた。

 

「今日、この後時間あるか?」

 

「え?えっと、後は帰るだけなので、大丈夫ですけど…」

 

「よし。だったら、今から私の家にこないか?」

 

「……はい?」

 

 そして京佳は、圭を家に誘った。

 

 

 

 立花家

 

「お邪魔しまーす…」

 

「どうぞ」

 

 途中、京佳がスーパーで何かを買っていたが、圭はそのままの足で京佳の家に来ていた。

 

(広い…うちの全然違う…)

 

 京佳の住んでいるマンションは、今住んでいるアパートよりずっと広い。更にオートロック機能もあり、防犯面も大丈夫そうだ。そんな家に、今圭はお邪魔している。

 

(でも、どうしていきなり?)

 

 しかしここで疑問が生じる。そもそも、どうして京佳は圭を家に誘ったのかだ。本人に来ても『着けばわかるよ』と言うだけ。

 

「それじゃ圭。ちょっと来てくれ」

 

「は、はい」

 

 やや緊張しながら、京佳の方に行く圭。するとそこには、エプロンを身に纏っている京佳がいた。

 

「はいこれ」

 

「え?」

 

 そして右手に持っていた別のエプロンを圭に渡す。

 

「あの、これは?」

 

「圭のだよ」

 

「私の?えっと、どうして?」

 

 ますますわからない。圭が不思議そうにしていると、

 

「今からケーキを作るんだ。だから、手伝ってくれないか?」

 

「……え?」

 

「これはバイトと思ってくれ。作ってくれたお代に、その作ったケーキをあげるから」

 

 京佳はそう言ってきたのだ。圭がキッチンの方を見ると、そこには先ほど買ったであろうケーキスポンジや生クリーム。そしてヘラがあった。

 

「ちょ、ちょっと待って下さい!!」

 

「どうしたんだ?」

 

「えっと、気持ちは本当に嬉しいんですけど!悪いですよこんなの!!それに私!何にもお返しできないし!!」

 

 圭は慌てる。先程、圭は自分の家はクリスマスケーキを食べれないと話した。そしてその話を聞いた京佳は、恐らく自分を哀れに思って、こうして態々ケーキを用意してくれたんだろう。その優しさは本当に嬉しい。

 でも、悪い。こんなの悪い。持っていないから誰かに頼って用意してもらい、それを受け取るなんて、まるで物乞いだ。いくらなんでも、そんなのは京佳に悪すぎる。罪悪感が凄い。

 

「いや、圭。それは違うよ」

 

「え?」

 

「私は今日、何故か突然何となくケーキを作りたいと思ったんだ。でも1人で作ると手間がかかっちゃうから、圭にバイトとして手伝って欲しいだけなんだよ。そしてお礼として、ケーキをあげたいだけなんだ」

 

 しかし京佳は言う。これはあくまで、思い付きで作っているだけのケーキだと。それを圭に手伝って欲しいだけだと。

 

「で、でも…」

 

「頼む。私を助けて欲しいんだ」

 

「……わかりました。じゃあ、お手伝いします」

 

 圭は折れた。恐らく京佳の優しさでこうなったのだろうが、これ以上は京佳に失礼だ。それにどうせなら、圭だってケーキを食べたい。おすそ分けして貰えるのなら、それに越したことは無い。なのでここは、京佳の優しさに甘える事にした。

 

「それじゃ、さっそく作ろうか」

 

「はい」

 

「ま、と言っても本当に簡易的なケーキ作りだけどね」

 

 京佳はそう言いながら、材料を確認。キッチンテーブルの上には、市販のケーキスポンジ。生クリームのパック。イチゴやブルーベリーといった果物数種類。

 せっかくなら、もっと本格的に作ってみたいのだが、あいにく京佳はケーキを作った事が無い。せいぜい、家庭科の授業でやったくらいだ。なのでこれである。これなら、そこまで手間もかからないし、何より安い。

 尚、材料費は臨時のバイト代から出している。

 

「先ずは、生クリームを作ろうか」

 

「はい。あ、私混ぜますね」

 

 2人揃ってケーキ作りをする。見た目は全然似てないが。まるで姉妹だ。

 

 こうして2人の、クリスマスケーキ作りが始まったのである。

 

 

 

「っと、これでいいですかね?」

 

「そうだな。十分に泡立ってるよ。あ、圭」

 

「何ですか?」

 

「ほっぺにクリーム付いてるぞ」

 

「え!?やだもう…!」

 

 

 

「スポンジは、やっぱり切った方がいいかな?中に苺とか入ってる方がいいだろうし」

 

「でも、それだと上に乗せる苺の数が足りなくなりませんか?」

 

「ふむ。なら上には苺以外を乗せよう。丁度ブルーベリーやナッツがあるし」

 

「あ、いいかもですねそれ」

 

 

 

「う、生クリーム塗るのって結構難しい…」

 

「お菓子作りは難易度高いって言うしね。変わろうか?」

 

「いえ、もう少しだけやらせて下さい…」

 

「そういう諦めないところは、お兄さんそっくりだね」

 

「……」

 

「凄い嫌そうな顔してる」

 

 

 

 そして1時間後、

 

「で、できたぁ…」

 

 京佳と圭は、自作のクリスマスケーキを完成させたのだった。正直、見た目はそこまでよくない。塗られている生クリームは所々粗があるし、上に乗せている果実も統一性が無い。

 そしてスポンジを切った時少しズレてしまっているので、ケーキを切った時の断面時も綺麗ではないだろう。

 それでも圭にとって、このケーキはどんな有名店にも劣らないケーキとなっていた。

 

「初めてにしてはいいんじゃないか?」

 

「はい」

 

 初めて作ったケーキ。人は何事も、初めてというものに感動を覚える。今の圭と京佳は、まさにそれだ。

 

「あ、もうこんな時間だ」

 

「む。何時の間に」

 

 時計を見てみると、自国は夕方の6時過ぎ。季節が冬な事もあって、既に真っ暗だ。

 

「それじゃ待っててくれ。直ぐに箱を用意するから」

 

「あの、本当にいいんですか?」

 

「勿論。最初に言っただろう?」

 

「……わかりました。それじゃ受け取ります」

 

 京佳のやさしさに甘えると決めてはいるが、どうしても少し罪悪感がある。でもやっぱりケーキを食べたいとい欲求に負け、圭は箱を受け取った。

 

「そうだ圭」

 

「何ですか?」

 

 ケーキの入った箱を受け取った時、京佳が別の小包も圭に差し出す。

 

「これは?」

 

「クリスマスプレゼントだよ。受け取ってくれないか?」

 

「……ええ!?」

 

 驚く圭。ただでさえケーキを受け取っていいるのに、まさかプレゼントまである

なんて思っていなかった。というか、いつの間に用意したのだろう。

 

「そんな!流石にこれはダメですって!プレゼントまでなんて!!」

 

 これは流石に受け取れない。圭はそう言って、プレゼントを拒否しようとしたのだが、

 

「私が圭にあげたいって思っただけだよ。いらないって思ったら、捨ててくれ」

 

 京佳に半ば強引に渡されてしまった。

 

「で、でも…!」

 

「ここは、私の我儘を通させてくれ」

 

「う…わかりました…」

 

 結局、京佳の圧に負け、圭はプレゼントを受け取った。

 

「開けてみても?」

 

「いいよ」

 

 圭が小さい紙袋を開けると、そこには黒くて、細かい花の刺繍の入ったカチューシャが入っていた。

 

「カチューシャだ」

 

「圭は髪はとても綺麗だから似合うと思ったんだ」

 

 決して高級品では無い。なんならその辺のスーパーでも買える品物。でも、そんな事どうでもよかった。

 

「京佳さん。私これ、大事にしますね」

 

 カチューシャをぎゅっと優しく握りしめ、圭は微笑みながら京佳にお礼を言う。数年ぶりの、まともなプレゼント。圭は絶対にこれを大事に使おうと決める。

 

「バス停まで送ろうか?」

 

「いえ。大丈夫です。道覚えてますし」

 

「そうか。なら、道中気を付けて帰るんだよ」

 

「はい。本当にありがとうございました」

 

 こうして圭は、もやし以外にも沢山の物を貰って帰宅するのであった。

 

 

 

 バスの中

 

(こんなにいっぱい貰っちゃって、どんなお返ししたらいいんだろう?)

 

 圭は悩んでいた。京佳の善意に甘え、クリスマスケーキを一緒に作り、それを貰い、更にはクリスマスプレゼントまで受け取った。小さい頃ならこういう事もあったが、ここ数年はこんな事一切なかった。嬉しいと思える反面、罪悪感もある。

 

(京佳さんは気にしなくてもいいって言ってたけど、でもなぁ…)

 

 恐らく建前では無く本心で言っているのだろうが、それでも流石に何もお返しをしないのは気が引ける。何かしっかりとお返しをしたいのだが、思い浮かばない。

 

(それにしても、京佳さんって面倒見が良いんだ。おにぃも勉強教えて貰っていたし)

 

 同時に、京佳の面倒見の良さを実感。普通、あそこまでしてくれる人はそうそういない。

 

(もしも、京佳さんがお姉ちゃんだったら…)

 

 その時、圭は妄想する。

 

 ―――――

 

『圭、そろそろ起きないと遅刻するぞ』

 

『う…ん…あと、5分……』

 

『そう言ってこの前遅刻寸前だったじゃないか。ほら、おきるんだ』

 

『うん……』

 

 

 

『おねぇ!今度ここのスイパラに行かない!?久しぶりに甘い物食べたい気分だし!』

 

『別にいいよ。でも、食べすぎはダメだからな』

 

『わかってるって!私も太りたくないし』

 

 

 

『おねぇ!一緒にお風呂入ろ!背中流してあげるから!』

 

『別にいいけど、恥ずかしくないのか?』

 

『全然。だって姉妹なんだし』

 

『わかったよ。なら私も圭の背中を流してあげる』

 

『うん!』

 

 ―――――

 

(え?なにこれ素敵)

 

 圭は同性の姉に憧れていた。故にこんな妄想をしてしまったのだ。

 

(あーもう!何でうちはおにぃが兄なんだろう!京佳さんみたいな人がお姉ちゃんだったら最高なのに!!)

 

 かなり酷い悪態をつく。そういった文句は出て行った母親に言ってくれ。

 

(でもそうだな。もしも京佳さんがお義姉ちゃんになったら、絶対に仲良くしよ。というか仲良くする)

 

 そして圭は、街のイルミネーションを眺めながら帰るのだった。

 

 

 

(傲慢、だったかな?)

 

 一方京佳は圭が帰った後、夕食の準備をしていた。今日のメニューは、最初に言った通り、ビーフシチューだ。

 

(でも、流石に可哀そうだったしなぁ…)

 

 調理中、京佳は先ほどまでここで行っていたケーキ作りの事を思い出す。圭から白銀家のクリスマス事情を聴き、傲慢かもしれないが可哀そうと思ってしまた。

 そしてそのまま思いついたまま、勢いに身を任せて圭を強制的にケーキ作りに参加。でも今振り返れば、ありがた迷惑だったかもしれない。だって本当に無理矢理参加させたし。

 

(月曜白銀から話を聞いて、迷惑って言ってたら謝ろう)

 

 そして今度の学校で、白銀から話を聞く事にするのだった。もし迷惑だったら、絶対に謝ろうとも決める。

 

(あ、そろそろいいかな?)

 

 そうこうしているうちに、ビーフシチューが良い感じに煮込まれてきた。その後、仕事から帰ってきた母親と2人で、京佳はクリスマスイブを過ごすのだった。

 

 

 

 

 

 白銀家

 

「ただいまー」

 

「おー、帰ったか御行」

 

 夜7時過ぎ。白銀がクリスマス限定のバイトから帰ってきた。本当なら、もしかするとかぐやからクリスマスのお誘いがあるかもしれなかったので、バイトを入れたく無かったのだが、この日限定のバイトがかなり高額な時給だったので、泣く泣くバイトを入れて、バイトに勤しんでいたのだ。

 因みにやっていたバイトは、サンタの恰好をしてデパートにやってきた子供たちにお菓子を配るというものである。日給、1万円。

 

「ん?なんだよそれ?」

 

「何って、ケーキだよ」

 

 ふと白銀は、この家では見慣れない物を見つける。それは切り分けられたケーキ。なんか不格好なケーキだが、見た目と時期的にそれがクリスマスケーキである事は見て取れた。そして白銀父は、それをフォークでつつきながら食べている。

 だがこの家にケーキを買う余裕なんて無い筈。この時期のケーキは、普段より割高なので余計にだ。

 

「あ、おにぃおかえり」

 

「ねぇ圭ちゃん。そのケーキなに?」

 

「ああ、これ?京佳さんと一緒に作ったケーキ」

 

「……え?」

 しれっととんでも無い事を聞いた気がする。

 

「立花と?」

 

「そう。なんか一緒にケーキ作る事になっちゃって。それで」

 

「何で?」

 

「いや、なんか自然に?」

 

 どういう訳か知らないが、圭は京佳と一緒にケーキを作ったらしい。

 

「圭ちゃん。立花にお礼言ったよな?」

 

「当たり前じゃん」

 

「そうか。ならいい。えっと、食べてもいいのかこれ?」

 

「いいよ。でもその前に晩御飯食べたら?」

 

「……そうだな。ならこれはデザートとして他食べるよ」

 

 晩御飯前にケーキは食べたく無い。なので圭の言う通り、白銀家ではめったにない食後のデザートとして食べる事にした。

 

(月曜日に立花にお礼言わないと)

 

 そしてしっかり京佳にお礼を言おうと白銀は思いながら、晩御飯を食べる用意をするのだった。

 

 尚、この日の夕飯はクリスマスなんて一切関係が無いうどんだった。でもちょっとだけ贅沢して、エビの天ぷらが乗っている。

 

 こうして、白銀家のクリスマスは過ぎていくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 同時刻 四宮家別邸 かぐやの部屋

 

「……」

 

「かぐや様。もう8時を過ぎました。恐らくですが、もうお誘いの連絡は無いのではないかと…」

 

「何で?ねぇ早坂、何で?何で会長は私を誘わないの?」

 

「いや私に聞かれても」

 

 この日、かぐやは人生初のクリぼっちを体験した。

 

 最も、正確には早坂を初めとした使用人が大勢いたのでクリぼっりではないのだが。

 

 

 

 

 




 やっぱこのかぐや様が1番書きやすい。

 次回も楽しめるよう頑張りたいです。

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