もしもかぐやに滅茶苦茶強力な恋敵がいたら・・・   作:ゾキラファス

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 久しぶりです。E-3攻略していたら遅れました。ドロップ艦も全員お迎えできたので、まぁ満足。

 あと遅れたけど日本優勝、そして100カノアニメ化おめでとう。


恋する乙女達と文化祭偵察デート(cinq サンク)

 

 

 

 

 

 白銀がトイレへ、かぐやがスマホに着信があったので電話をすると言いその場を離れた時、京佳は1人で椅子に座って待っていた。

 

(どうやって四宮を白銀から離そう…)

 

 そんな京佳は、悩んでいた。白銀と距離を縮める為にやってきた北高の文化祭。最初に他校の文化祭の偵察という体でデートに誘った時、白銀がかやと行くからという理由で断られた。

 しかし、2人が行く学校が元々自分が誘って行く予定だった北高だと知り、京佳は無理矢理2人の間に割って入って、こうしてついてきた。

 おかげで3人ではあるが、楽しい時間を過ごしている。しかし、やはりできれば白銀と2人きりが良い。

 

(恵美がそろそろ時間が空くって言っていたからそこで少し手伝って貰うつもりだが、四宮が簡単にあきらめる訳無いしなぁ…)

 

 白銀への告白を成功させる為には、かぐやより自分を意識させないといけない。その為にこの北高の文化祭を利用しているのだが、現状ではどうしても決め手に欠ける。どうにか決定打が欲しい。野球でいえばヒットでは無くホームラン。もしくは最低でもツーベースヒットが。

 

(四宮を傷つける事になるかもしれんが、今更だよな…)

 

 2人の女性が、同じ男性を好きになった。それはつまり、どうあってもどちらか片方はその男性にフラれ、傷つく事になる。

 京佳にとってかぐやは友人だ。それは変わらない。しかし、それとこれは別。京佳だって、好きな人と結ばれたいのだ。

 その為にかぐやとの友情を壊す事になっても、仕方が無い。後悔が無いと言えば嘘になるが。

 

(どこかで白銀と2人きりで過ごせそうな出し物はないかな?)

 

 かぐやが入れない場所で白銀と2人きりになれれば、今より自分を白銀に意識させる事はできるかもしれない。そうするには、2人きりが最低条件。

 どこかにかぐやが入ってこず、白銀と2人きりになれて、そのうえで良い感じの雰囲気になれそうな場所はないだろうか。勿論、お化け屋敷以外で。

 

(そういえば、確かここには…)

 

 そして思い出したかのように、京佳は北高の文化祭のパンフレットを捲るのだった。

 

 

 

 

 

 北高校舎内 男子トイレ

 

 昼食を3人で食べた後、白銀はお手洗いに行くと言い、1人で男子トイレにきていた。

 

(本当に、俺はどうすればいいんだ…)

 

 そして男子トイレの個室で、頭を抱えて悩んでいた。悩んでいる理由は、当然だがかぐやと京佳について。

 

(この文化祭でどっちかを決めるきっかけがあればと思ってたけど、全然ねぇし…)

 

 何かあればと思っていたが、それが全くない。おかげで午前中は、ただの文化祭偵察になっていた。

 

(そもそも俺が2人を好きになってしまったのが原因だしなぁ…それに、この文化祭だって最初は四宮と行くつもりだったのに、結局立花に押し切られて同行を認めているし…いやマジで自分が嫌になる…)

 

 元々はかぐやと行く予定だった白銀。だが、そこに京佳が強引に割って入ってきた。

 そこで突き放せばよかったのだが、結局白銀は京佳の同行を許している。これほど自分が優柔不断だとは思わず、白銀は自己嫌悪する。

 

(午後から頑張ろう…もう今はそれしかないし…)

 

 ここに籠ってこれ以上考えてもしょうがない。とりあえずここから出て、午後から色々頑張ろうと白銀は決める。

 そしてトイレから出て、先程まで3人でいた場所へ戻るのだった。

 

 

 

「あ、白銀」

 

 白銀が戻ってくると、そこには京佳だけがいた。

 

「ん?立花だけか?四宮は?」

 

「なんか電話があったらしくてね。今少し外している。いつ戻ってくるかはわからん」

 

 どうやらかぐやは電話をしているので、この場にいないらしい。

 

「ところで白銀。頼みがあるんだが」

 

「ん?」

 

 このままかぐやを待とうとしていると、京佳が話しかけてきた。

 

「実はな、これをやってみたいんだ」

 

 すると京佳は、白銀にある文化祭パンフレットのとあるページを見せる。

 

「占い?」

 

 それは占いをやっている部活の紹介ページ。どうやらこの直ぐ近くで、文化祭にやってきた人相手に占いをやっているらしい。それを見せながら、京佳は言う。

 

「今までこういう場所に行く機会に恵まれなくてね。今日は他校の文化祭を偵察するというのが主な目的だが、どうせなら少しは楽しみたいんだ。だから、私と2人きりでこれにいかないか?」

 

 2人きりで、文化祭を見てみないかと。

 

(これって、要するに…)

 

 これは明らかなぬけがけ行為。鬼の居ぬ間になんとやらだ。確かに現在、かぐやはここにいない。いつ戻ってくるかも不明だ。ならばその隙に、京佳がこうやって動くのはある意味当然だろう。恐らく、かぐやだって同じような事をする筈だ。

 

(だが、これを受けるのは…)

 

 しかし白銀は考える。もしこれが京佳と2人きりで、尚且つ白銀が京佳だけを好きならば、なんの問題も無くこのお誘いを受けるだろう。

 だが現在、白銀はかぐやと京佳の2人を好いてしまっている。それに今日は、そんな2人と一緒にここに来ている。

 いくらかぐやがいつ戻ってくるかわからいとはいえ、未だに自分の中で結論が出ていないのに、ここで京佳のこの誘いを受けてもいいのだろうかという疑問が出るのだ。

 

(正直言えば、立花と回ってはみたい。だが、それは四宮に対しても同じなんだよなぁ…どうするべきか…)

 

 京佳に悟られないよう、悩む白銀。そうしていると、

 

「いいじゃん!行ってきなって!!」

 

「え?」

 

 横から突然フランクフルトを持った恵美が現れて、白銀に京佳と占いに行くよう促す。

 

「だって四宮さんはいつ戻ってくるかわからいんでしょ?その間、ここでただじーっと待っているのってなんか損じゃない?占いだったら大して時間もかからないし、行って直ぐに戻ってくればいいじゃん!!」

 

「い、いやしかし…」

 

 恵美の勢いにたじろぐ白銀。確かに占いならば、混んでさえいなければ直ぐに終わるだろう。だがやはり、ここでぬけがけのような真似をするのはどうかと悩む。

 

 そんな白銀に痺れを切らしたのか、京佳は強行策に出る。

 

「ほら、恵美もこう言っているし、行こう」

 

「え?」

 

 白銀の手をがっちりと掴んで、そのまま歩き出したのだ。

 

「お、おい立花!?」

 

「何。占いなんて5分もかからんさ。行って直ぐに帰ればいい。所謂トンボ帰りだな。じゃあ行こう、今すぐ行こうさぁ行こう」

 

「いやわかった!わかったからせめて手は離してくれ!!流石に恥ずかしいって!!」

 

 白銀の言葉を聞いてか聞かずか、京佳は歩く。そして元いた場所には、恵美だけが残された。

 

(頑張ってねー。京佳)

 

 残された恵美は、親友に心中で激励の言葉を贈るのだった。

 

 

 

 

 

「ここがその占い屋か」

 

 2人がほんの1分だけ歩くと、そこには『表はあっても占い』と書かれている看板をさげたテントがあった。

 

「ダジャレじゃねーか」

 

「学生のノリというやつだろう」

 

 これが企業だったら落第点の店名だが、これはあくまで学生手動の文化祭。ウケ狙いで考えた店名だとすれば、これもアリだろう。

 

「それじゃ、さっさと入ってしまおう」

 

「そうだな」

 

 2人はテントの中に入る。するとそこには、

 

「おやおや。いらっしゃいませ。ようこそ『表はあっても占い』へ。何を占いましょう?明日の天気?異性との相性?それとも日曜日の競馬の結果?因みに私の夢は小惑星ちゃんです。まぁともあれ、この私が何でも占ってしんぜましょう。あ、代金は先払いで1人500円です」

 

 紫色のローブに身を包んだ茶髪の女子がいた。その子の前には、水晶の置かれている机と椅子。テント内は全体的にうす暗く、周りには怪しい光を灯している狸の置物とダルマが置かれている。

 

((如何にもな…))

 

 最早テンプレともいうべき姿。そして雰囲気。その光景に、少し呆気に取られる2人。

 

「おや?座らないのですか?」

 

「あ、はい。座ります」

 

 占い屋女子に言われ、白銀と京佳は備え付けの椅子に並んで座る。

 

「それで、何を占いたいのですか?」

 

「ふむ…」

 

 白銀は考える。実は白銀、結構占いとかが好きな男子なのだ。朝のテレビでやっている占いは必ずチェックするし、スマホを使った相性占いだってやった事がある。

 しかし、こういった結構本格的な占いをした事なんて無い。こうして来たのならば、どうせならしっかり占いたい。問題はその内容だ。

 

(立花か四宮との相性?それとも、今悩んでいる事の解決策?もしくは、どっちを選ぶべきか…ってそれは流石にダメだろう。占いで選ぶなんて絶対にダメだ)

 

 いくら悩んでいるとはいえ、占いで決断を下すのはダメだ。いくらなんでもそれは酷い。

 

「私たちの相性を占ってもらっていいでしょうか?」

 

「相性ですね。わかりました」

 

「それでいいかな?白銀」

 

「ああ。問題無い。それで頼む」

 

 悩んでいる内に、京佳が占いの内容を決める。白銀も特に異議は無いので、このまま占う事にした。

 

「それではお2人で1000円いただきます」

 

「ここは私が払うよ」

 

「え?いや俺の分はちゃんと自分で」

 

「私が無理矢理誘ったんだ。だから、私に払わさせてくれ」

 

「……そういう事なら、わかった。ありがとう」

 

 京佳は財布から1000円札を出し、占い屋女子へ渡す。

 

「それでは、お2人の相性を占わせていただきます」

 

 こうして、白銀と京佳の相性占いが始まった。

 

「ふんにゃか~~はんにゃか~~……ミコミコアザラシ~~……ミコミコオットセイ~~……お2人の相性を導き出せぇぇぇ……」

 

((胡散臭い…))

 

 てっきり机の上の水晶は飾りで、占い自体はタロット占いや九星占いをするかと思っていたのに、占い屋女子は水晶に両手をかざして珍妙な言葉を口ずさむ。もうこれだけで胡散臭すぎて、信用が無いに等しい。

 

「おお!出ました!!」

 

 そんな胡散臭い水晶占いだが、どうやら結果が出たようだ。そして2人の相性はというと、

 

「お2人の相性は抜群!間違いなく抜群!!なんかお互いもう1人くらい相性の良い人の影が見え隠れしてますがそれは置いといて、兎に角相性はすこぶる良いです!!まるで冷ややっこと鰹節のように!!」

 

「そ、そうか…」

 

 相性は良いらしい。が、どうも胡散臭い。白銀は『これただ適当な事言っているだけじゃないのか?』と訝しんだ。所詮学生がやっている占いだし。

 

「具体的にどのように相性が良いのですか?」

 

 ここで京佳が質問。

 

「そうですね。言うなれば、お互いがお互いを支える事が出来るという事です」

 

 その質問に、占い屋女子は机の上の水晶に両手を当てながら答える。

 

「男性の方は、目的のためには決して努力を怠らない人。しかしそれが行き過ぎてしまい、自分自信を顧みない事があります。例えば、勉強のしすぎて睡眠不足で倒れてしまうとか。そして倒れてしまいそうになった時、女性の方は、それを絶対に倒れないよう支えてあげる事が出来るお人です。倒れそうになったら肩を貸してくれるとか」

 

「……ん?」

 

「一方で女性の方は、男性と同じように努力は怠らないのですが、自分に対して自信が無いようですね。どれだけ努力をしても『こんな自分なんて』と思ってしまう。ですが、それを男性が『そんな事無い』と必ず元気付けてくれる。どれだけ落ち込んでも、どれだけ周りから色々言われても、男性の方が必ず手助けしてくれる。そしてそれが、自分の自信へと繋がっていく」

 

「……え?」

 

「とまぁ、具体的に言えばこんな感じですね」

 

 随分具体的に言う占い屋女子。

 

((当たってるーーーー!?))

 

 その結果に驚きを隠せない白銀と京佳。具体例を聞いたら、過去にあった出来事をほぼ言い当てているのだ。

 今占い屋女子が言った具体例の内容、その出来事に2人共身に覚えがある。ありすぎる。

 

(これは、まさか本物なのか!?)

 

 占い師には、極稀に本物と呼ばれる占い師がいる。簡単にいうと、もう魔法を使っているとしか思えないくらいに言い当ててくる人の事だ。

 そして目の前の女子は、その本物の占い師の可能性がある。

 

「質問なのですが、もしも私達が夫婦になったら、どうなるますか?」

 

「何を聞いているんだ立花!?」

 

 もしも本物ならば、是非聞いておきたい。この際例え本物でなくても、どうせなら聞いておきたい。京佳はその一心で、占い屋女子に質問する。

 

「はい!それはもう夫婦円満間違い無しです!!仕事も私生活も想像以上に良いですし、子宝にだってとても恵まれると結果が出ています!!」

 

「こ、子宝…」

 

 その言葉に恥らう京佳。だって子宝に恵まれるという事は、そういう事だ。ふと白銀を見ると、白銀も恥じらっていた。どうやら少しだけ、京佳とそういう事をしているのを想像してしまったらしい。

 

「というか、水晶占いでそんな事までわかるのか?」

 

「はい男性の方!このキオラシ占いはそんな事までわかるんです!!まぁ、3割くらいの確率で大外れしますけど」

 

「おい」

 

 急に信用が下がった。

 

「ち、因みに、私たちがより良い関係を築くにはどうすれば?」

 

「お待ちを!!ふんぎゃろ~~はんぎゃろ~~……おお!出ました!キーアイテムは『接触』!!お互い体を接触させると今以上に良い関係を築く事が可能です!例えば胸を揉むとかオススメですよ!!」

 

「いやセクハラじゃねーか!?出来るかそんな事!?」

 

 京佳の質問の答えに白銀が突っ込む。だってそんな事出来る訳無い。したいかと言えばしたいが、もしこれを行動に起こしたら白銀は逮捕されるだろう。

 

「私が両者合意の上ですと言えば、問題ない…?」

 

「立花!正気に戻れ!!」

 

 京佳はよからぬ考えを巡らせる。白銀はそんな京佳の肩を掴んで正気に戻そうとするのだった。

 

 

 

 

 

(なんか疲れた…)

 

 占いの結果を聞き終えた2人は、テントを出て元居た待ち合わせ場所に向かっていた。占い屋にいた時間は、僅か5分。だというのに、その数十倍はいた気分だ。

 

(でもまぁ、相性が良いというのはわかったから、いいかな?いや鵜呑みにする訳じゃないけど…)

 

 だが収穫もあった。占い屋での結果、自分と白銀は相性が非常に良いらしい。その結果を、白銀と一緒に聞けただけでも十分だろう。

 

「立花。そろそろ四宮も戻ってきているだろうし、急ごう」

 

「……」

 

「?どうかしたか?」

 

 白銀の言葉を聞いて、京佳は足を止める。そして、このままでいいのかと自問自答する。

 もしもこのまま元居た場所に戻れば、その後はかぐやも一緒になって午後も文化祭を見て回るだろう。

 でもそれは、もう白銀と2人きりになれない可能性が非常に高い。むしろ下手をすれば、かぐやと白銀は2人きりになる可能性すらある。

 ならばここで、かぐやのいない間に白銀に踏み込んでおくべきではないのか。

 

「白銀。ちょっといいかな?」

 

「何だ?」

 

「さっきの占い、実践してみてもいいかな?」

 

「……は?」

 

 京佳は行動を起こす。かぐやと合流する前に、より一層白銀に近づく為に。

 

 

 

 2人は表の道から外れ、影になっている校舎の横に来ていた。近くにあるのは駐輪場くらい。他に人気も無い。

 

「えっと立花?一体どうしたんだ?」

 

 白銀は少し困惑気味。あのままかぐやが待っているであろう場所に行こうとしたのに、京佳が突然白銀の手を取ってここに来た。

 

「だから、さっきのを試してみたいなと思って…」

 

「いやさっきのって…」

 

 とっさに動いてしまったが、正直良い案なんて思い浮かばない。苦し紛れに出た案は、占いの内容を実践する事だ。

 

「ほら。折角の文化祭なんだ。なら楽しまないと損じゃないか。だったら、さっきの占いの内容を実践してみよう。もしかすると、私たちが触れ合うと何か良い事が起きるかもだし」

 

 先程の占いでは、接触をするとより良い関係を築く事ができると言っていた。ならばするべきだ。多少強引にでもするべきだと、京佳は思う。

 

「しかしなぁ…」

 

「ほんの少し触れ合うだけだよ。手とかさ」

 

「いや、うーん…」

 

 悩む白銀。別に京佳と触れ合う事が嫌な訳じゃない。ただ、今自分たちはかぐやを置いてきぼりにしている。

 それに自分たちが占いに行く事を、かぐやに伝えていない。もしかすると、かぐやは今1人で待ちぼうけをくらっているかもしれない。ならば直ぐに戻るべきだ。

 

「お願いだ」

 

 すると京佳は、白銀に頭を下げる。正直、ここまでしてでもやろうとするのは引かれるかもしれない。

 しかし、それでもやれる事は何でもやっておきたいのだ。少しでも自分を、白銀に意識させる為に。

 

「おい待て立花!頭を下げなくていいから!わかったから!別に触れあうくらいいいから!!」

 

 慌てる白銀。傍から見れば、女子に頭を下げさせている男子という構図だ。周りに人はいないが、変な誤解をされかねない。かぐやが待ちぼうけを食らっているだろうが、例え触れ合ったとしても1分もかからない筈だ。ならさっさとすませて終わらせた方が、京佳も傷つかないだろう。

 

「ありがとう…」

 

 京佳は白銀にお礼をいう。白銀に気を使わせてしまったが、それでも京佳はかぐやと合流する前に行動を起こしたかった。でないと、本気を出したかぐやに巻き返されそうだから。

 こうして2人は、占い通りに触れ合ってみる事にした。

 

「それじゃ、手を出してくれ」

 

「ああ」

 

 京佳に言われ、白銀が手を出す。そしてその手を、京佳はゆっくりと指を絡ませながら両手で優しく握る。

 

(こうしてみると、やっぱ白銀の手って大きいんだな…)

 

 身長が180cmもある京佳だが、それでもやはり女の子。手の大きさは、男性である白銀の方が大きい。京佳はそれを再確認した。

 

(沢山努力してきた手…毎日勉強している手…少しゴツゴツしていて大きな手…)

 

 まるで問診でもしているかのように、白銀の手を触る京佳。人は、異性の手に触れるだけで幸せな気分になれる。その理由は簡単にいうと、脳内にオキシトシンとバソプレシンという幸せホルモンが分泌されるからだ。

 結果、今の京佳はその2つが脳内に大量分泌され、とても幸せな気持ちになっていた。もうこの時点で、京佳は占いの事など頭からすっぽ抜けており、ただ触ってみたいからという思いで白銀の手を触るのだった。

 

(立花の手って、柔らけぇ…)

 

 そして白銀。彼もまた、占いの事が頭から抜けた状態になっていた。だってこんなに柔らかくて今はただ、京佳の柔らかい手に触れておきたい。

 

(なんだか、ドキドキしてきた…)

 

 以前、生徒会室でかぐやから手のマッサージを受けていた時と違い、今の白銀の脳内には、京佳と同じようにオキシトシンとバソプレシンが分泌されていた。そのおかげで、白銀も幸せな気分になれている。

 

(やっぱ、立花も女の子なんだよなぁ…男の俺とは全然違う柔らかい手してるし。そりゃ身長こそ俺より3cmくらい大きいけど、そんなの全然気にならんわ。誰が何と言おうと、立花は歴とした女の子だ)

 

 もし京佳の事を悪く言う輩がいたら、白銀は絶対に怒る。何なら最悪手だって出すだろう。

 確かに左目に物騒な眼帯をしていたり、女子にしては身長が高かったりと普通の女の子とは言いずらいかもしれないが、それでも京佳はしっかり女の子なのだ。この柔らかい手と、幸せそうにしている優しい顔がその証拠だ。

 

 いつしか2人は、お互いの指を絡ませながら触れ合うようになっていた。というか、白銀の方からも京佳の手を触り出す。

 そして遂に、恋人繋ぎと言われる繋方をするに至る。とても幸せだ。今の2人には、もう周りの事など見えていない。

 例えこの場を北高の生徒に見られたとしても、何とも思わない。だってこんなに、幸せな気分になれるのだから。

 

((この状態が、ずっと続けばいいのに…))

 

 気が付けば、体の距離もどんどん近くなっていく。まるでキスする寸前の距離感だ。でもそんな事気にしない。

 そして、世界中の時間がこのまま止まって欲しいと願っていた時、

 

 

 

「何をしているんですか2人共?」

 

 

 

 酷く冷たい声が聞こえた。

 

「し、四宮?」

 

「もう1度聞きます。何をしているんですか2人共?」

 

 白銀は横を振り向くと、そこには目が笑っていないかぐやが立っていた。そして今かぐやの目に映っている光景は、白銀と京佳がかなり近い距離で手を握っているというもの。おまけに顔も近い。これを事情を知らない第三者が見たら、キスする寸前と思ってしまうだろう。

 故にかぐやは、静かに怒っている。決して怒鳴ったりしないが、その心はマグマのように怒り狂う寸前だ。

 

「いや、これはだな…」

 

「とりあえず今すぐ離れて下さい」

 

「そうだなそうするよ!!」

 

「あ…」

 

 かぐやに言われ、京佳から離れる白銀。京佳は残念そうな顔をした。

 

「で、一体何をしていたんですか?」

 

「あー…これはだな…」

 

 2人が離れたところで、かぐやの追及は止まらない。そして白銀は、どう説明基言い訳をすればいいか考えていた。しかし考えが全く纏まらない。

 今の白銀の心境は、浮気が奥さんにバレた旦那である。こんな時、どんな顔をして、何を言えばいいかなんてわからない。わかるやつがいたら是非教えて欲しい。

 

「いや何。ちょっと占いの結果を試していただけだよ」

 

 ここで京佳が口を開く。かぐやは京佳をじっと見て、黙って話を聞く事にした。

 

「先ほど、興味本位で白銀と占いをしてきたんだが、そこで言われた事で触れ合うとより良い事が起きると言われたんだ。だからお互いの手を触れ合う事で、本当に良い事が起きるか試していたんだ」

 

「……別に告白とかでは無いと?」

 

「何で告白?」

 

 占われた内容とは少し違うが、京佳は丁寧にかぐやに説明をする。

 

「……そうでしたか。てっきり私は、お2人が突然そういう関係になったとばかり」

 

 京佳の言葉を聞いたかぐやから、冷たい空気が発散されるのを感じる白銀。どうやら、かぐやは何か勘違いをしていたようだ。

 

「いや、こっちこそ誤解させるような事をしてしまってすまない」

 

「本当ですよ。私、凄く驚いたんですから。あまりそうやって、誰かを誤解させるような真似はやめて下さいね?」

 

「本当すまない」

 

「すまん、四宮…」

 

 あわや一触即発という空気になりかけたが、誤解が解けたおかげで事なきを得た。

 

(もう少しで、勝てた気がするのに…)

 

 京佳は謝ってはいるが、やはり残念に思う。あのままかぐやに邪魔されなければ、京佳は白銀を完璧に落とせた気がするのだ。確証は無いが、そんな気がしてならない。

 

(でもまぁ、これで白銀も私の方を意識してくれたかもな)

 

 だがそれはそれとして、この占いで白銀を意識させる事には成功しただろう。実際白銀も、自分から手を握り返していたし。

 

(これなら白銀に告白をしても、受け入れて貰えるかもしれない)

 

 今は無理だが、秀知院での文化祭で告白をしたらOKを貰えそう。それだけの手ごたえを、京佳は感じた。

 

(よし!文化祭は絶対に頑張ろう!)

 

 京佳は自信を付けて、必ず文化祭では告白をしようと決めたのだった。

 

 これで一件落着かと思えたのだが、そうは問屋が降ろさない。

 

「では会長。今度は私と少し回ってくれませんか?」

 

「「え?」」

 

 何とかぐやは、自ら白銀を誘ったのだ。

 

「先ほど会長は、私に黙って立花さんと占いに行ったんですよね?おかげで私、待ち合わせ場所に誰もいないから慌てたんですよ?2人が迷子になったんじゃないかと。でも2人は、そんな私に事など気にもせず占いに行ってましたよね?流石に酷くないですか?」

 

「う…」

 

 これを言われると、白銀も反論できない。だってかぐやに何も言わずに占いに行っていたのは事実なのだから。一言かぐやに何か言っていれば、また違ったのだろうが。

 

「だったらそのお詫びという事で、少しだけ私と付き合ってくれてもいいと思うのですが、どうでしょうか?」

 

 やや圧を出して、白銀にそう提案するかぐや。

 

「……そうだな。わかったよ。その程度ならお安い御用だ」

 

「ふふ。ありがとうございます」

 

 結果として、白銀は折れた。そして少し間だけ、かぐやと2人きりで行動する事となったのだ。

 

「ちょ、ちょっと待ってくれ四宮…」

 

 だが京佳はこれに異議を唱える。折角かぐやに先んじて白銀と2人きりになれたというのに、これではそれが無意味になりかねない。なので阻止しようとしたのだが、

 

「どうしました立花さん?会長が勝手な行動をしてしまった罪滅ぼしを兼ねて自ら行くと言った事に、何か異議でも?」

 

「う…」

 

 かぐやにそう言われ、反論できなくなった。ここでこれい以上反論したり異議を唱えると、白銀に『自分の事しか考えてない我儘女』と思われるかもしれない。そんな風に思われたら、折角阻止しても、占いをやった意味が無い。

 

「いや、何でもないよ…ただ、私はその辺の長椅子に座って待っていると言おうとしただけだよ…」

 

「そうでしたか。それではその辺で待っててくださいね。それでは行きましょう会長」

 

「お、おう…」

 

 そう言うと、かぐやは白銀を連れて歩き出す。そして残った京佳は、長椅子に向かって歩き出す、

 

(よし、尾行しよう…)

 

 訳がなかった。折角かぐやを出し抜けたのだ。なのにこのままでは、再び逆転されかねない。そんなのは、嫌だ。

 だから尾行をして、もしもかぐやと白銀がキスとかしそうになったら全力で止める。

 

(先ずは、恵美と合流だな)

 

 その為にも協力者が必要だ。京佳はスマホを取り出して、恵美に連絡を取るのだった。

 

 

 

 

 




 なんかキャラが迷子気味な気がする…。大丈夫かなこれ? ご意見等ありましたら、遠慮なく言って下さい。

 次回、かぐや様のターンの予定。イベント海域の攻略に手こずっていなければ投稿できるかも。

 ほどほどに頑張ります。

先に見てみたいエンディング

  • 京佳さんエンディング
  • かぐや様エンディング
  • ハーレムエンディング
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