もしもかぐやに滅茶苦茶強力な恋敵がいたら・・・   作:ゾキラファス

140 / 197
 秀知院の校舎を背景に、校庭でかぐや様と京佳さんが向かい合い『アマゾン!』と言って変身するのを妄想した。

 どっちが赤でどっちが緑ですかね?

 ちょっと中途半端かもしれないけど、文化祭偵察デート最終回です。


恋する乙女達と文化祭偵察デート(sept セットゥ)

 

 

 

 

 

 時間を少し巻き戻す。京佳は2人と別れた後、その後ろを気づかれないよう距離を開けて、悩みながら尾行していた。

 

(どうする?もし2人がどこかに入ったりして、そこに私が入っても、見つかった時のうまい言い訳が思いつかない。だからと言って諦める訳にもなぁ…)

 

 かぐやに釘を差されている以上、無理やり割って入る事は出来そうにない。でも、折角白銀に自分をより意識させられたのを、かぐやに上書きされたくない。

 そうやって悩みながら尾行していると、

 

「あのー、すみません」

 

「え?」

 

 不意に後ろから声をかけられた。京佳が振り返ると、そこには茶髪で少しチャライ感じの男性がいた。

 

「あの、何か?」

 

 急いでいるのに声をかけられた。でも無視する訳にもいかず、京佳も返答をした。

 

「もしかしてさ、前に葉月のサイトに乗っていた子だったりする?」

 

「え」

 

 そして京佳にとっても、予想外の事を言われた。

 

「え、えっと、人違いじゃないですか?」

 

「いやいや。そんな特徴的な眼帯しているし、絶対そうでしょ。やっぱりあの時の子だ」

 

 葉月というのは、以前京佳がモデルのバイトにスカウトしてきた会社だ。そして京佳は、そこのサイトに写真が掲載された事がある。この男性は、それを見たのだろう。

 

「いや人違いです。すみませんが、ちょっと急いでいるので…」

 

「いや絶対そうじゃん。あの写真超綺麗だったから覚えてるよ。出来れば写真とか握手とかダメかな?」

 

「えっと、そういうのはちょっと…」

 

「えー?ダメ?別にネットに上げたりしないからさ」

 

 ただでさえ白銀とかぐやが人込みに紛れて見失いないそうになっている。。さっさとこの場を離れたいのに、中々離してくれない。

 

 わかっている人もいるだろうが、この茶髪のチャラそうな男性は、何時もより念入りに男装した早坂である。彼女は今、かぐやの邪魔をさせない為に京佳を足止めしているのだ。

 問題はその足止めの手段。流石に秀知院でも無いのに、力任せの強硬手段を取る訳にはいかない。

 そこで早坂は、以前京佳がモデルのバイトをしていたのを思い出し、そこから着想を得て『街中で偶然推しのモデルに出会ってややテンション高めの厄介ファン』という体で京佳に近づき、こうして京佳の足止めをしているのだ。

 

(3分。できれば5分。それだけ足止めできれば大丈夫)

 

 3分もあれば、2人がどこに行ったかなんて先ずわからない。この人込みの中、特定の2人だけを探すなんて簡単にはいかないだろう。その間に、かぐやは白銀と距離を詰めればいい。かぐやの努力次第ではあるが、流石にあれだけ発破を掛けているから今日は大丈夫だろう。

 

(申し訳ありませんが、このまま足止めさせて貰います)

 

 かぐやの作戦成功を願う早坂は、徹底的に京佳を足止めする。全ては、主人の恋を成就させるが為に。

 

「あ、じゃあさ。できれば少し話すだけでも「あんた何してんの?」え?」

 

 しかし男装した早坂は、ふいに後ろから声をかけられた。振り返るとそこには、明らかに敵意を向けている恵美がいた。

 

「えっと、君は「京佳。行っていいよ。この人は私が何とかするから」ちょ!」

 

「ありがとう、恵美」

 

 恵美に言われ、京佳はかぐやと白銀が歩いて行った方角へ歩き出す。

 

「ちょ、ちょっと待って!」

 

 マズイ。これはマズイ。ここで京佳を足止めしておかないと、絶対にマズイ。何とかして、京佳の足止めを継続しなければ。

 

「あんたさ、何嫌がっている人に無理やり絡んでるの?京佳、めっちゃ迷惑そうにしてたじゃん。というか、そういうのウチの学校でやらないでくれない?教師呼びますよ?」

 

 しかし恵美に腕をガッチリと掴まれ、男装している早坂は動けない。その間に、みるみる京佳は離れていく。

 

(四宮家に仕えている者全員が所得している護身術使えば簡単に引きはがせますが、流石にここで暴力沙汰を起こす訳には…)

 

 いや、正確に言えば、動こうと思えば動ける。それは、護身術を使う事。

四宮家の者ならば、いつ何時悪漢に襲われてもおかしくない。そしてそんな四宮家に仕える者ならば、当然そういった者に対する護身術を学んでいる。

 しかしここは学校。それに相手は普通の生徒。流石にこれで相手を倒す訳にはいかない。

それにもし、実力行使をして相手を引きはがしても、怪我をさせてしまったら、もうかぐやもデートどころではない。

 

「ちょっと?聞いてるの?」

 

(本っっっ当にすみません、かぐや様…)

 

 こうして、早坂の足止め作戦は失敗したのだった。

 

 

 

 

 

「ここに入ったのか…」

 

 恵美が厄介な人の足止めをしてくれたおかげで、京佳は白銀とかぐやがどこに行ったかを把握できていた。そこまではよかったのだが、ここで大問題が発生。

 

「お化け屋敷……」

 

 2人が入った場所が、よりにもよって京佳が最も苦手なお化け屋敷だったからだ。子供の頃のトラウマで、京佳は極度の幽霊嫌いである。

 以前、夏休みに生徒会の皆とで行ったお化け屋敷は、物理的に倒せるエイリアンがモチーフだったので問題なかったが、こういった幽霊系は本当に無理。

 

(でも、ここで2人きりにさせちゃうと…)

 

 しかし、ここで指をくわえて待っているなど論外。そうやって待っている間に、かぐやが白銀の心を持ち去る可能性が非常に高いからだ。

 

(よし!行くぞ私!頑張れ私!!)

 

 正直怖い。もの凄く怖い。全身が震えているのがその証拠だ。でも、ここで怖くて入らずに、2人が距離を縮めて、そのまま恋仲になってしまう方がずっと嫌だ。

 こうして京佳は、勇気を振り絞ってお化け屋敷に入るのだった。

 

 そして、やたらとクオリティの高いお化け屋敷に絶叫するハメになってしまった。

 

 パァァァン!!

 

「みぎゃあああああ!?」

 

 頭が弾けとんだスーツ姿のおばけに絶叫し、

 

「うらめしやぁ…生きている人うらめしやぁぁ…」

 

「にゃあああああ!?」

 

「いや、あのビビりすぎじゃ…」

 

 鏡の映る顔の無い女から話しかけられ絶叫し、その生徒に心配されながらも、京佳は進む。

 

(ま、まだだ…!まだ2人に追いついていない…!こんなところで諦めてたまるかぁぁぁぁぁ!!)

 

 だが、ここで震えて叫ぶだけなんてしない。なんとしてでも、2人に追いつかないと。その想いを胸に、京佳は逃げずに前に進む。こうして京佳は、何度も何度も絶叫しながらお化け屋敷を走破していく。

 

「何だか、少し広いな?」

 

 そして遂に、端にロッカーが2つ設置されている場所に辿りついた。

 

(兎に角進もう…もう帰りたいたいけど、進まないと白銀に追いつけない…逃げたら1つ、進めば2つ…)

 

 以前テレビで偶然見たアニメの台詞を思い出し、その台詞を心の中で唱えながら京佳は部屋を進んで行く。その時だった。

 

「「あ゛ぁぁぁぁぁ……!!」」

 

 ロッカーの中からお化け役の生徒が、少し大きな声で脅かせながら出てきたのは。この2人、先ほどここを通ったカップルのイチャツキを見たせいで、少しイラついていた。なので少しだけ、次に来た人を驚かせてこのイライラを発散させようとしたのだ。

 

 しかし、相手が悪すぎた。

 

「いきゃあああああ!?」

 

 ここにいるのは、お化けが大の苦手な京佳。そんな彼女に、こんな風に驚かせてしまうと、それはもう発狂する手前になってしまうのだ。

 

「え?あ、あの、大丈夫ですか?」

 

「す、すみません。少し大きな声出しすぎました…」

 

 あまりの驚きっぷりに心配しながら京佳に近づくお化け役の2人。しかし、

 

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛! ?」

 

 京佳にしてみれば、お化けが近づいているだけの状況。咥えて、今の京佳は既にSAM値が0に近い。なので京佳は、その場から全力で逃走を図ったのだった。

 もしこの時、腰を抜かしていたら、絶対に夏休みの時と同じように号泣していただろう。

 

 そしてその後、壁にぶつかったりしながらも白銀を発見して、京佳はつい抱き着いてしまったのだ。

 

「悪いこと、しちゃったかな?」

 

「みたいね…とりあえず、ストレスを他人ぶつけるのやめましょう…」

 

「ああ。そうだな…」

 

 余談だが、この京佳のあまりの怖がりっぷりを見たお化け役の生徒達は、罪悪感で胸が痛くなったりしていた。その後直ぐ、お化け屋敷のクオリティを少しだけ下げた。

 

 

 

 

 

 白銀、かぐや、京佳の3人で一緒にお化け屋敷を出て、京佳も落ち着いた頃、3人はこれからについて考えていた。尚、先程までここにいた恵美は、クラスの応援に行っており既に無い。

 

「まだ時間はあるな」

 

「ですね。日は結構傾いていますけど」

 

「どうする?まだ行っていない場所はあるが」

 

 時刻は夕暮れが近づいた午後3時。もうあまり時間は無いが、ここで帰るには勿体ない。何より、かぐやと京佳はまだ、白銀を自分だけを意識させる事に成功していない。なので、ここで帰るつもりなんて毛頭ない。

 

(しかし、行く場所がもう殆どない…何より立花さんがいる状態じゃ、意味が無いわ…)

 

(あと行くとすれば、体育館のメインイベントくらいだが、白銀と2人きりになれないとなぁ…)

 

 しかし意識させるには、白銀と2人きりにならないとダメなのだ。3人では、ただの他校の文化祭偵察になってしまう。出来ればお互い、邪魔者を排除したいのだがそれが出来ない。

 恵美は自分のクラスの応援に戻ったし、早坂は連絡は着くが、既に京佳に顔を覚えられているとの事で足止めが通用しない。もう1度別の変装をすればいけるだろうが、それには時間がかかる。

 なのでかぐやと京佳は、援護無しで動かないといけないのだが、それが簡単に出来ないのでこうして悩んでいる。

 

「ふむ。体育館ではライヴをやっているらしいな。何かの参考になるかもしれんし、皆で行ってみるか?」

 

 ここで白銀、3人で体育館のメインイベントに行く事を提案。他の眼玉となる場所はあらかた見て回ったし、なのよりここで解散するつもりは白銀にもないからだ。それにライヴというのに、少しだけ興味がある。

 

「そうですね。行ってみましょうか」

 

「私もかまわないぞ」

 

 現状、白銀と2人きりになれない以上、白銀とは1秒だって離れない方が得策だろう。なので2人はこれを承諾し、3人で体育館へ向かって歩き出す。

 

「バイブスあげてくよーーー!!」

 

「「「ウェーーーーイ」」」

 

 そして体育館に入って直ぐに後悔した。

 

 体育館の中は、まるでナイトクラブだった。体育館の天井から吊るされているキラキラと光って回るミラーボール。そこら中に設置されているクルクル回るライト。爆音とどろくスピーカー。壇上で太陽の如く笑顔を振りまきながらマイク片手に体育館内の参加者たちを盛り上げている女生徒。それに合わせるようにテンションを上げる人たち。

 まるでここだけ、港区になっているみたいだ。

 

「こ、これはっ…」

 

「なんて音の大きさだっ…」

 

 白銀と京佳は両手で耳をふさぐ。なんせこれだけうるさいのだ。秀知院では、こんなに大きな音を出す事なんて無い。軽音部とかならまた別かもしれないが、だとしてもうるさすぎる。

 

「白銀、出ないか?ここは少しうるさすぎる」

 

「そうだな。出よう」

 

 ここに5分もいたら耳が可笑しくなりそうだ。なので直ぐに出る事にした。

 

「四宮もそれでいいか?」

 

 そして白銀は、かぐやにも了承を得ようとする。

 

 突然だが、四宮かぐやは聴覚過敏である。簡単に言うと、普通に人が気にもしない音が気になったり、小さすぎる音が聞こえたりする事だ。

 そして聴覚過敏の人は、基本的に大きな音が苦手である。そんなかぐやがこんなうるさい場所に入るとどうなるかというと、

 

「きゅぅ……」

 

 大きな音のせいで眩暈と頭痛を引き起こして、気を失って倒れちゃうのだ。

 

「「四宮ーーーー!?」」

 

 体育館の床にぶっ倒れたかぐやの名前を叫びながら、2人はかぐやを介抱する。

 

「それじゃ次の曲!行くよーーー!!」

 

「「「ウェーーーーイ!!!」」」

 

 そしてそんな3人の事などお構い無しに、体育館でのライヴは続いていくのであった。

 

 

 

 

 

「う、うーん…」

 

「まだ、目を覚まさないか…」

 

 白銀は、あの後直ぐに体育館から京佳と共にかぐやに肩を貸しながら脱出。そして今、校内に設置されたベンチにかぐやを寝かせていた。

 

「ひょっとして、俺の膝が固いからとか?」

 

「それは無いと思うよ」

 

 白銀がかぐやを膝枕している形で。

 

(不謹慎だけど、羨ましいな…)

 

 気絶している人に対して不謹慎と思いつつも、そう思わずにはいられない。最初は京佳の鞄を枕代わりにしようと思ったのだが、白銀が『こういう時は誰かの膝で寝ている方が安心する』と言って、かぐやに自分の膝を貸したのだ。

 今ベンチには、白銀に膝枕をしてもらっているかぐやと、かぐやに膝枕をしている白銀と、その隣に座っている京佳という状態になっていた。

 尚、ベンチから落ちないようにと、京佳と白銀の距離は肩が触れているくらいには近い。

 

(おっしゃあああ!!)

 

 そしてそれを、遠目から見ていた早坂はガッツポーズをする。どういう経緯でああなったかは知らないが、白銀がかぐやに膝枕をしている。決定打にはならないだろうが、有効打にはなっているはずだ。

 

(やっぱ四宮は、美人だよなぁ…)

 

 自分の膝で寝ているかぐやを見ながら、白銀はかぐやの美しさを再認識する。

 

(誰も動かなかったあの血溜沼で唯一動いたのをみて、俺は四宮に一目惚れをした。そしてそれから、四宮にふさわしい男になるべく努力をした。勉強も、生徒会での仕事も。その結果、今では生徒会長をしている)

 

 これまであった事を振り返る白銀。かぐやに相応しい男になろうと、ただがむしゃらに努力をした。今では生徒会長になったし、かぐやと一緒に生徒会の仕事をやったり、こうして出かけたりもしている。

 もしあの時、前生徒会長に誘われて血溜沼の清掃活動に参加しなかったら、絶対にこうはならなかっただろう。

 

(四宮を好きになったから、頑張れた…)

 

 かぐやを好きになったからこそ、白銀はここまでこれた。

 

(だとしたら、俺が選ぶべきは…)

 

 最初に好きな人がいたから頑張れた。ならば自分が選ぶべきは、その最初に好きになった人だろう。

 

 そうやって物思いに耽っていると、

 

 コテン

 

「え?」

 

 自信の左肩に何かが寄りかかる感触を覚えた。

 

「立花?」

 

「すまない。少し疲れてしまってね。ほんの5分でいいから、肩を借りるよ」

 

 白銀が顔を左に向けると、京佳が白銀に寄りかかっていた。その顔は、確かに少し疲れているように見える。同時に、異議は認めないとも言っているようにも見えるが。

 

(しゃああああ!!)

 

 そしてその光景を、学校の校舎の3階から見ていた恵美はガッツポーズをする。出来れば腕に思いっきり抱き着くくらいはしてほしいが、これはこれでイイ。

 

「ふふ、白銀は暖かいな…」

 

「そうか?」

 

「ああ。安心するよ」

 

 一方京佳。彼女も出来れば白銀の腕に抱き着こうと思ったが、未だ寝ているかぐやがバランスを崩して地面い落ちたら大事だと思い、肩を借りるだけにした。

 

「本当に、安心する…」

 

 そう言うと京佳は、

 

「すぅ…すぅ…」

 

 なんと数秒で寝てしまったのだった。

 

「マジかよ…」

 

 膝にはかぐや。肩には京佳。そんな美人2人に身体を貸している自分は、第三者から見たら女を2人も侍らせているクソやろうに見えるだろう。

 

(立花も、本当に綺麗で良い子だよなぁ…)

 

 今度は京佳の事を振り返る白銀。

 

(俺が成績を上げようと思って勉強を教えてくれと頼んだら直ぐに了承してくれたし、圭ちゃんとも親父とも仲良いし、何より俺が秀知院に入学して初めて出来た友達…)

 

 最初こそ父親に無理やり受験させられていやいや通っていた学校だったが、京佳との出会いが全てを変えた。

 昼休みに一緒に昼食を食べるだけの仲だったのが、初めての友達になっていき、勉強も沢山教えてもらった。

 そして自分が勉強で苦しんでいる時や体調が悪い時は、傍で支えてくれた。

 

(立花はいつも、傍で俺を支えてくれた…)

 

 辛い時も、楽しい時も、1年生の前半はずっと京佳が白銀を支えてくれたから、ここまで頑張れた。

 そんな京佳に、何時しか白銀は好意を向けるようになってしまった。友情では無く、恋愛感情を。

 

(本当に、俺は最低のクソ野郎だ…)

 

 かぐやに惚れていたのに、いつの間にか京佳にも惚れている。こんなの本当に最低の最低な行いだ。

 だからこそ、白銀御行は選ばないといけない。どっちも選ぶなんて不可能なのだから、どちらか片方だけを。

 

「はぁ…」

 

 そんな自分の行いを振り返りながら、白銀は小さくため息をついた。

 

 

 

 

 

「本当に申し訳ありませんでした会長。膝を借りてしまうなんて」

 

「私もすまない白銀。まさか寝ちゃうなんて思わなかったんだ…」

 

 暫くすると、2人は目を覚ました。因みにかぐや、目を覚ました瞬間に自分が白銀に膝枕をされていると理解して少しだけ発狂しかけた。

 尚、京佳はそんなかぐやに驚いて目を覚ました。

 

「構わないさ。2人とも今日は疲れていたんだろう。あれくらいでいいのなら、お安い御用だ」

 

「そう言って頂けると助かります」

 

「ありがとう、白銀」

 

 白銀の言葉を聞いて、ほっとする2人。

 

「っと、もうこんな時間か。それじゃ、そろそろ解散とするか?」

 

 時計で時刻を確認すると、午後4時。周りも人はまばらだ。この後北高では夜の部が始まるのだが、それに参加できるのは北高の生徒か教師だけ。つまり、一般参加者はここまでなのだ。

 

「ま、今日は楽しかったし、色々参考にもなったな」

 

「そうですね。おかげで文化祭は大成功しそうです」

 

「ああ。本番まであと少しだが、それまで頑張ろうか」

 

 流石にこれ以上何かを仕掛けるのも不可能だ。

 

「それじゃ2人共。また月曜日に」

 

「はい。また」

 

「じゃあね、白銀」

 

 こうして3人は、校門前で解散する。かぐやは近くに家からやってきた車に向かって。京佳はバス停に向かって、そして白銀は、自分の自転車を停めている駐輪場に向かって。

 

(ふふ、まさか会長に膝枕をされるなんて。これはもう私の勝ちね。だって私の事を好きじゃなかったら、そんな事しないもの)

 

(白銀とは最高に相性が良い、か。白銀もまんざらじゃない顔をしていたし、これで秀知院での文化祭には勝負に挑めるかもな)

 

 かぐやと京佳は移動中、今日あった事を振り返る。白銀に自分をより意識させようとして動いた1日。

 結果としては、1勝1敗の引き分けに近いだろう。これで後は、文化祭での自分の行動次第になる。

 

(必ず、私は会長と…)

 

(絶対に私は、白銀と…)

 

 それぞれがそう決意しながら、帰路に着くのだった。

 

 

 

 

 

(俺は、本当にどうすればいいんだ?)

 

 一方白銀は、結局どっちかを選ぶきっかけが見つからず、来る前とあまり変わっていない心情に落ち込みながら帰路に着く。

 

(選ばないと、いけないのに…)

 

 既に何回こう思ったかわからない。しかし、時間は刻一刻と迫っている。どうあがいても、秀知院での文化祭までには選ばないといけない。なのに、そのきっかけが無い。

 

「はぁ…」

 

 折角楽しい文化祭でもあったのに、これではいけない。でもため息ばかり出てくる。

 

「どうしよう、本当に…」

 

 そうボヤキながら白銀も帰路に着くのだった。

 

 

 

 




 白銀会長が優柔不断になっているのは全部作者が悪いんです。

 次回は日常回とかだと思う。それを少し挟んでから、いよいよ文化祭決戦編行く予定です。書ききれるか不安だけど、時間は掛かっても絶対に書きます。

 次回も体にパーメット流したりして頑張ります。

先に見てみたいエンディング

  • 京佳さんエンディング
  • かぐや様エンディング
  • ハーレムエンディング
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。