もしもかぐやに滅茶苦茶強力な恋敵がいたら・・・   作:ゾキラファス

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 本筋進まない日常回。やっぱこういうお話書いている方が楽しい。

 今年の頭には、5月23日のキスの日にどっちかのルート完結させようと思っていたけど、絶対に無理だねこれ。本当に私は計画通りに進ませる事が下手だ。

 感想やお気に入り登録や誤字報告、いつもありがとうございます。


生徒会と腕相撲

 

 

 

 

 

「かぐやさん、何か良い事でもありましたか?」

 

「あら?どうして藤原さん?」

 

「いえ、何かそんな雰囲気があったもので」

 

 週明けの登校日。生徒会室で藤原はかぐやに話かけていた。理由は今言った通り、かぐやがどこか幸せな雰囲気を纏っているからだ。

 

「ええ、少しだけ嬉しい事がありましてね」

 

 かぐやがこうなっているのは、土曜日の北高の文化祭が原因だ。邪魔者が1人いたが、あれは白銀と楽しくすごせたデートに違いない。

 かぐやは途中で気を失っていたが、その間に白銀に膝枕をされてもいた。膝枕は、かなり親密でなれば出来ない行為である。つまりこれは、白銀は京佳より自分の事の方が好きであるという証拠に相違ない。

 

(これでもう、会長は私に告白してくるのは間違いないわ。後は文化祭まで余裕を持って過ごすだけ)

 

 そういった出来事があったから、既に勝ちを確信するかぐや。おかがで、こうしてどこか幸せな、ポワポワした雰囲気をしているのだ。

 

 余談だが、このポワポワに当てられた新聞部の2人は『かぐや様の幸せ成分ーーー!?』と寄声を発しながら倒れた。気持ち悪い。

 

「一体何が?」

 

「内緒です」

 

「えー!気になりますーー!?」

 

 藤原は質問するが、かぐやはそれに答えるつもりは無い。だって言ったら、この幸せな空気が藤原のせいで汚れそうだから。

 

「あの、立花先輩。どうかしましたか?」

 

「ん?どうしてだ伊井野?」

 

「いえ、なんか何時もと雰囲気が違う様子でしたので…」

 

 一方京佳。彼女もまた、かぐやのような幸せな雰囲気を出していた。勿論その理由は、かぐやと同じ、北高での文化祭である。

 その文化祭で、京佳は白銀と共に占いをやった。そこで2人は、最高に相性が良いといわれている。しかもあの占い屋、ただ適当な事を言っているのではなく、2人の事を適格に言い当てた。もしかすると、本物かもしれないそんな占い屋から相性が良いと言われ、京佳はかなり上機嫌だったのだ。

 占いの後に、白銀と触れ合う事も出来たし。

 

(勿論、全てを鵜呑みにする訳じゃないが、あれは精神的にはかなり後押しされた。この気持ちのまま、白銀に告白するよう頑張ろう)

 

 そして京佳は、その占いの結果を自分の糧にして、もう間もなくに迫った秀知院での文化祭に向けて奮起する。全ては、白銀と結ばれる未来の為に。

 

「実は占いの結果がかなり良くてね。それで少しだけ浮足立っているんだ」

 

「あ、わかります。私も占いの結果が良いと嬉しい気分になりますし」

 

 そして当然だが、伊井野には誤魔化しながらそう答えた。

 

 そうやって話していると、生徒会室の扉が開いた。

 

「あーもうマジキツイ!腕動かねぇ!!」

 

 石上は両手に大量の荷物を抱え、叫びながら生徒会室へ入ってくる。今彼が持っているのは、生徒会で使用する備品だ。コーヒーに紅茶。割りばしに紙コップ。そしてコピー用紙にふせんに2穴パンチにギロチンカッター。

 それらを折り畳み式の机の上に乗せて運んでいるのだが、重い。普通に重い。これらを石上は1階からここまで1人で運んできたのだ。そりゃ叫びたくもなる。

 

「石上くんだらしないですねぇ。男の子なんだからそれくらいしっかりと運んでくださいよ」

 

「はい出た『男だからできるでしょ』ってやつ。藤原先輩、それ普通に差別ですからね?逆の言い方をするのなら『女だから料理くらいできるでしょ?』って言っているようなもんですよ?」

 

「また面倒くさい事を…」

 

 因みにこういった発言はあまりしない方がいい。大抵は争いの火種になるから。

 

「ちょっと貸して下さいそれ」

 

 藤原はそう言うと、石上が持っていた荷物を軽く持ち上げる。

 

「ほら。そんなに重くないじゃないですかこれ」

 

「えぇ……」

 

 石上は唖然とする。マジで重かったのに、藤原はそれを軽く持ち上げたからだ。

 

「藤原先輩はてっきりボードゲームより重いものは持った事が無い人だと思ってたのに…」

 

「これでも多少は鍛えてるんですよ。最後に運命を決めるのは体力と筋肉ですからね。石上くんももう少し鍛えた方がいいですよ?じゃないともし核戦争があっても、その後の世界で生き残れませんし」

 

「もしそうなったら戦争中に死んでる側なので大丈夫です。僕はマッ〇スにもケンシ〇ウにもなれませんって」

 

 個人的な感想だが、藤原は怒りのデ〇ロードのフェリ〇サよりは、サンダー〇ームのアウ〇ティになりそうではある。

 

「そうは言っても、僕これでも男ですから、藤原先輩よりは筋肉ありますよ?腕相撲とかやったら藤原先輩には普通に勝てるでしょうし」

 

「……へー」

 

 その言葉に藤原はカチンときた。

 

「ねぇミコちゃん。腕相撲しません?」

 

「え?いいですけど…」

 

「じゃあいきますねー」

 

 そして突然伊井野と腕相撲を始め、

 

「ふんっ!!」

 

「あいたーーーっ!?」

 

 思いっきりねじ伏せた。その際、結構大きな音がした。

 

「石上くん。ひょっとして私の事を、インテリ系清純ガールと思ってませんか?」

 

「いや微塵も思ってませんけど」

 

 ナイナイと石上は手を横に振りながら言う。その間、伊井野は腕をさすっていた。

 

(インテリ?)

 

(清純?)

 

 かぐやと京佳の2人も同じように疑問に思った。だってどっちも当てはまらないし。

 

「体は全ての基本です。私、しっかりとその辺のケアはしてるんです。虫歯は無いし、週末は代々木公園で愛犬のペスとランニング。そして寝る30分前には筋トレを欠かさずやってる。つまり私は、低糖質系ロカボガールなんですよ!石上くんみたいな引きこもりニートボーイとは訳が違うんですから!!」

 

「引きこもりって…いや確かにそういう時期ありましたけど…」

 

 石上は1年生の時の事を思い出して少しヘコんだ。

 

「藤原、低糖質って言ってるが、私の記憶が間違っていなければ、この前ケーキバイキングに行って無かったか?スマホに写真送ってきたよな?」

 

「あれはチートデイだからいいんです!」

 

(これ多分、週に何回もチートデイがあるやつだな…)

 

 京佳は何となく察した。藤原はこうは言ってるが、多分アスリートのように本気の本気で取り組んではいないと。

 

「まぁ、確かに体は大事にしないといけないな。私も寝る前に軽い筋トレしてるし」

 

「ですね。私も普段からそういうのには気を使ってますし」

 

 京佳とかぐやは藤原に賛同する。2人共、藤原と同じように体を大事にはしているからだ。

 

「私も少しは運動しようかな?」

 

 そして勉強ばかりの伊井野は、少しだけ自分を顧みた。

 

「言ってくれるじゃないですか。僕、これでも中学時代は運動部にいたんですよ?百歩譲って現役運動部の女子とかならまだしも、TG部の藤原先輩に負ける程ヤワじゃありません」

 

「へぇ~。そうですかそうですか」

 

 石上は反論するが、藤原は気にしない。むしろ煽るように言い返す。

 

「だったら証明しなさい!今から、生徒会腕相撲大会の開始です!!」

 

「やったろうじゃねぇかぁぁ!!」

 

 石上はそれに乗っかった。こうして急遽、生徒会で腕相撲大会が始まったのだった。

 

「いや、私たちはやるなんて一言も…」

 

「2人共、仕事してください…」

 

「いいですから!直ぐ終わりますから!!」

 

 この忙しい時期に突然始まる藤原の奇行。正直付き合いたくないのだが、ここで付き合わないと後が超面倒くさいので、京佳とかぐやも嫌々参加する事になった。

 

 

 

「会長が来たらトーナメント作りましょう」

 

「そういえば白銀がまだ来てないな」

 

「ですね。今日は掃除当番でも日直でも無い筈ですが」

 

 いざ腕相撲大会を始めようとしたが、白銀が未だ現れないので始められない。こういうのは、全員いないとダメなのかだら。

 

「すまん皆。少し遅れた」

 

「あ、会長良いところ…に…」

 

 藤原が生徒会室の扉の方を見ると、そこには白銀がいた。

 

 

 

 右手に包帯を巻いて。

 

 

 

「会長!?」

 

「どうした白銀!?」

 

 それを見たかぐやと京佳がすかさず反応。直ぐに白銀に近づき心配する。流石恋する乙女たち。動きが速い。

 

「落ち着け2人共。大した怪我じゃない。さっき少し転んだだけだ」

 

 白銀の説明によると、放課後のHRが終わった後、生徒会室に行こうとしたら階段で躓いたらしい。そしてその時、右手を思いっきり階段にぶつけたのだ。

 幸運な事に、偶然保健の先生がそこを通りかかり、白銀は先生に言われるがままに保健室へ。そこでこうやって治療を受けたらしい。

 

「保険の先生曰く、軽い捻挫らしい。湿布はって安静にしてたら、明日には治るとさ」

 

「そうでしたか。良かったです」

 

「白銀。助けが必要だったら言ってくれ」

 

 白銀の説明を聞いて安心し、ほっと胸を撫で降ろす2人。

 

「んー。でもそれじゃ会長は参加できませんね」

 

「参加?何にだ?」

 

「腕相撲大会です」

 

「いやどうして?」

 

 そんな場面に水を差すのが藤原だ。そして藤原は白銀に説明をする。

 

「何してんだよお前は」

 

「元はと言えば石上くんが原因です」

 

「いやあんたでしょ。マジで1回ぶっ飛ばしますよ」

 

「キャーコワーイ」

 

 ナチュラルに他人のせいにする藤原。石上はキレそうになった。

 

「別に遊ぶのはいいが、あんまりハメを外すなよ」

 

「はーい」

 

 会長のお墨付きを貰い、かぐや、京佳、藤原、石上による腕相撲大会が開催される事となった。尚、伊井野は初めから参加するつもりはなかったので、レフェリーをする事になった。

 

「勝敗は1位と最下位を決めるダイヤモンド形式にしましょう」

 

「別に1番だけを決めればいいのでは?」

 

「ダメです。白黒はっきりつけます。弱者が弱者である事を自覚しないこの社会を1度リセットしないと」

 

「いや怖いよ。お前は一体どんな物騒な世界の住民なんだ」

 

 藤原だけ価値観が別の世界だ。彼女ならば、例え世界が荒廃しても何とかなるかもしれない。

 

 

 

 

 

 かくして始まる腕相撲大会。抽選の結果、第1試合は石上とかぐや。第2試合に藤原と京佳が戦う事になった。

 

 第1試合 四宮かぐやVS石上優

 

「あの、よろしいでしょうか?」

 

 試合開始前、かぐやが口を開く。

 

「実は私、本当は左利きなんです」

 

「え?そうなんですか?でも四宮先輩、普段右手でペンとか使ってますよね?」

 

「あれはそう躾けられたんですよ。でも力は左の方が強いんです」

 

 どうやらかぐやは左利きらしい。腕相撲は基本右腕で戦う事が多い。これではかぐやは不利だ。

 

「いいですよ?僕も左手でやっても」

 

「あれ?いいの石上くん?」

 

「ええ、僕も男ですし?丁度いいハンデですよ」

 

「そう?ありがとう石上くん」

 

 石上の提案により、かぐやと石上は左腕で戦う事となった。この時石上は、普段怖がっているかぐやに勝てるかもしれないと思い、浮かれていた。かぐやも女子だ。純粋な力では自分が勝てるだろうという考えである。

 そして机の上で手を組み、腕相撲の用意をする。

 

「それでは、レディ……ゴーー!!」

 

「ふんっ!!」

 

 伊井野のスタートの合図と共に、石上は思いっきり腕に力を込める。

 

 

 

(…………え?岩?)

 

 

 

 だがかぐやの腕はビクともしない。全く動かない。ミリ単位で動かない。

 

(え?なにこれ?押しても引いてもビクともしない。腕に鉄骨でも仕組んでる?あれ?四宮先輩の目怖い…怖い!?)

 

 弓道部に所属しているかぐや。そんなかぐやが普段使っている弓の弦をひく強さはおよそ15キロ。それに加えて、かぐやは長年の押し手でブレない筋肉を取得している。

 つまり平均的な筋肉しかない石上では、絶対に勝てないのだ。

 

「よいしょ」

 

「四宮先輩の勝ち!」

 

 可愛らしい掛け声と共に、かぐやは石上を撃破した。伊井野が高らかにかぐやの左腕を掲げる。勝利BGMとか流れそうだ。

 

「ぷははは!石上くんの負け~!はいこれつけましょうね~最弱くん~~?」

 

「……うす」

 

 藤原は笑い、煽りながら『最弱』と書かれたタスキを石上に付ける。石上も正々堂々とやって負けたので何も言えず、大人しくそれを付ける。

 

 

 

 第2試合 藤原千花VS立花京佳

 

「ふふ、京佳さん。フェアプレイでいきましょう」

 

「ああ。よろしく頼む」

 

 余裕そうな顔をしながら手を掴む藤原。それに負けじと、京佳も気合を入れて挑む。

 

「それでは、レディ……ゴーー!!」

 

 伊井野と合図と共に始まる第2試合。

 

(くっ!さっき石上を煽っていただけはあるな!?かなり強いぞ!?)

 

 京佳は藤原よりずっと背が高い。それに合わせるように、全体的な筋肉量だって藤原よりは多い筈なのだ。しかし実際は、かなり苦戦を強いられている。

 

(どうせなら勝ちたいが、これはどうなるかわからない!?)

 

 このままでは負けてしまうかもしれないと思った時、

 

「あのすみません伊井野さん。あれっていいんですか?」

 

 かぐやがレフェリー役の伊井野に話かけた。

 

「はい?何がですか?」

 

「藤原さんの手の位置です」

 

「え?」

 

 その瞬間、あきらかに藤原は肩をビクっとさせ動揺した。

 

「立花さんに比べて、藤原さんが握っている位置は指先に偏っています。これではテコの原理で力が伝わりやすく、圧倒的に藤原さんが有利です。さっき始まる前に、手をにぎにぎしてさりげなく持ち手を移動してましたし」

 

「……」

 

 伊井野は黙って、そして『マジかよ…』と言いそうな顔で藤原を見る。

 

「な、何の事ですかかぐやさん?そんな訳ないじゃないですかー?」

 

「石上くん。撮れてる?」

 

「はい、言われた通りに」

 

「え?」

 

 藤原が弁明をしようとしたが、石上が見せたスマホを見て固まる。

 

『ふふ、京佳さん。フェアプレイでいきましょう』

 

『ああ。よろしく頼む』

 

 そこには腕相撲が開始された瞬間が流れていた。そして手の部分を見てみると、あきらかに手の位置をズラしている。

 

「……」

 

「藤原…」

 

 京佳、ひく。同時に周りいた伊井野と白銀も『嘘だろこいつ?』という顔をしてひいてた。

 

「ほーらやると思った!!絶対にやると思った!!そこまでして勝ちたいんですか!?普通にセコイ!息をするようにズルをする!恥ずかしくないんですか!?僕だったらもう生きていけませんよ!!」

 

 ここぞと言わんばかり笑顔の石上が反撃を開始。

 

「……」

 

「あ、立花先輩の勝利です」

 

「勝った気しないんだが」

 

 藤原、自ら腕を机につけて負ける。流石に耐え切れなかったようだ。

 

「はい藤原先輩。これどうぞ?あ、スマホに動画送っておきますね?それを見て自分を見つめ直してください?」

 

 先程まで煽り散らしてた藤原だが、無言で石上からタスキを受け取り、顔をまっかにしてスマホを起動して動画を見直す。

 

「ところで石上、どうして動画を?」

 

「はい会長。開始前に四宮先輩が念の為動画撮ってた方がいいって言ってまして」

 

「成程。流石藤原と付き合いが長いだけあるな」

 

 どうやら先ほどのはかぐやの案らしい。おかげで不正の証拠を押さえる事ができた。生徒会メンバーで、最も付き合いの長いかぐやだからこそ出来た事である。

 

 

 

 

 

 何やかんやあったが、これで決勝戦の相手が決まった。

 

 決勝戦 四宮かぐやVS立花京佳

 

 白銀が好き同士という、ある意味因縁の対決カードである。

 

「それじゃ、始めようか四宮?」

 

「はい。お願いしますね立花さん?」

 

 お互い笑顔で手を組む。

 

(どっちが勝つのかな?)

 

 白銀は興味津々に2人の対決を見る。

 

(なんか圧を感じる…)

 

 レフェリー役の伊井野は、2人から圧を感じた。

 

(なんか2人の間で火花散らしてない?気のせい?)

 

 石上は2人の間に火花が散っているのが見えた気がして恐怖した。

 

「……」

 

 そして藤原は涙目で黙って見ていた。

 

「レディ……ゴーー!!」

 

 伊井野の合図により、遂に決勝戦が始まった。

 

「「ふん!!」」

 

 瞬間、生徒会室の中で突風が発生したような錯覚を全員が起こした。

 

「こ、これは…!?」

 

「凄いです!両者一歩も譲らない!!」

 

「お互いのプライドとプライドがぶつかってるんだ…!」

 

「なんて気迫っ…!まるで本物の戦いを見ているかのようです!!」

 

 全員、その勝負を固唾を飲んで見ている。それほどまでに拮抗しているのだ。まさかただの遊びの延長で、これ程の戦いを見れるとは思っていなかった。

 

「これは、どっちが勝つんだ!?」

 

「全く目が離せませんね。普通にこれ見応えありますよ!!」

 

「やはり勝つのは、立花先輩でしょうか?純粋に体格差とかもありましす」

 

「いえミコちゃん。かぐやさんは合気道を習っています。合気道は上手く力を使う事で自分よりずっと大きな人も投げ飛ばす事が可能!一概に京佳さんが有利とは言えません!!」

 

「つまここれは、力と技の戦い!?」

 

 まるで実況や解説のような事を言う4人。外野がそうやって盛り上がって中、当の2人はというと、

 

((絶対に負けるかぁぁぁ!!))

 

 ガチのガチで勝負をしていた。

 

 何時なら藤原が大げさに言って、当の本人たちは特に大したことの無い勝負をしていたりするのだが、今回に限ってはガチだった。

 どうせならこの目の前の恋敵に勝ちたい。勝って勝利を白銀に捧げたい。その思いがあるからこそ、勝ちたいのだ。

 

(これで会長が振り向いてくれ訳ではありませんが、どうせなら勝ちたいーーー!!)

 

(別に勝ったらどうにかなる訳じゃないけど、どうせならここは勝ちたいーーー!!)

 

 かぐやは筋肉をうまく使って、京佳は純粋な力で勝負を続ける。だがやはり、それではどうしても差が出てきてしまう。

 

「あ!立花先輩が傾いていきます!?」

 

 時間が経つにつれて、どんどん京佳が不利になっていく。やはり、四宮家で色々と教わってきたかぐやに有利だ。

 

(こ、このままじゃ…!)

 

 折角ここまできたのに、これでは負けてしまう。なんとか踏ん張りたいが、最早根性以外頼れるものが京佳には無い。

 

(やはり私は、四宮には勝てないのか…?)

 

 不利になるに連れて、京佳はどんどん弱気になっていく。

 

(いやまだだ…)

 

 だが京佳は、ここで諦めるような子では無い。

 

(まだだ!!)

 

(ん……?)

 

 京佳は力を振り絞り、再び状況をイーブンに戻す。

 

「凄いです!立花先輩が押し返しました!?」

 

「だな!?これ凄いぞ!?」

 

「いやこれマジで見応えありますって!?凄い試合なんですけど!?」

 

「どっちもがんばれーーー!!」

 

 周りも驚く。あれだけ不利だったのを押し返したのだから当然の反応だろう。

 

(へぇ、まだこんな力が残ってたのね?)

 

 かぐやはそれを静かに見ていた。まさかあの状況で押し返してくるとは、かぐやも思っていなかったからだ。このままでは、かぐやは負けてしまうだろう。

 

(それじゃ、偶には本気でやりますか)

 

 そう、このままでは。

 

「な!?」

 

 京佳は、かぐやの力が一気に増したのを感じた。先ほどの比では無い。まるで違う。

 

(まさか、今までは本気でも何でも無かったというのか!?)

 

 まるで少年漫画で、やっと敵と互角になれたと思ったら、実は相手は全体の3割も力を出していなかった状況に絶望する主人公みたいな心境になる京佳。

 

(ま、まだまだーー!!)

 

 だが諦めない。まだ勝負は着いていないのだから。最後の最後まで諦めないのが、京佳の強さなのだから。

 

 しかし、

 

「四宮先輩の勝利です!!」

 

「ふふ、ありがとうございます」

 

 現実は非情だった。突然何かの力に目覚める訳でも、仮面を被った謎の人物が助けてくれる訳も無く、京佳はかぐやに敗北した。

 

(会長。この勝利を貴方に捧げます。よし、あとは会長にこの通りに言うだけ!)

 

 かぐやは頭の中でシュミレーションし、白銀にこの勝利を捧げようとした。こうすれば、白銀だってまんざらでは無いだろう。例え遊びとは言え、勝利を捧げられるのは気分が良いものだから。

 

「じゃあ、第1回マッスルクイーンは四宮先輩ということで」

 

「……え?」

 

 だが言おうとした時、聞き捨てならない事を聞いた。

 

「これからはかぐやさんの事はこう呼ぶべきですね。筋肉姫と」

 

「筋肉姫!?」

 

 伊井野と藤原がとんでもない不名誉な事を言い出す。

 

「ちょ、ちょっと待って…それやめて…本当にやめて…」

 

 顔を青くし、慌てるかぐや。そんなあだ名は嫌だ。誰だって嫌だ。

 

「最後の振り絞り、見事だったぞ四宮。いや、マッスルクイーン

 

「そうだな。私も戦えた事を誇りに思うよ四宮。いや、筋肉姫

 

「やめてぇぇぇぇぇ!?本当にやめてぇぇぇぇぇ!?」

 

 その後、本気でかぐやが嫌がったので、全員その名でかぐやを呼ぶのをやめた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「しゃあああおらぁぁぁぁぁ!?」

 

「うわーーーーん!?」

 

 因みにその後行った最弱決定戦では、藤原が石上に普通に負けた。石上はそれに喜んだ。

 

 

 

 

 




 因みに毎日寝る前に腹筋を30回やるだけでも違います。最近お腹が気になっている人はやってみて下さい。

 ところで『秀知院 怒涛の3日間』を望む声が結構あったんですが、これ書くとまた確実に本筋止まる。絶対に3話とかじゃおさまらないし。 書いた方がいい?

 次回も日常回かも。でも必ず本筋もちゃんと進めます。

秀知院 怒涛の3日間は

  • 書いて
  • 本編終わってからならいい
  • 別にいらない
  • はよ本筋進めろ
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