もしもかぐやに滅茶苦茶強力な恋敵がいたら・・・   作:ゾキラファス

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 朝日が昇るまでは日曜日。

 本作を読み返していたのですが、細かい矛盾点がチラホラある。ですが、そこを全部気にしていると何時まで経っても完結しそうにないので、もう多少の矛盾は無視してもいいい?いや勿論、書き直せるところはちゃんと書き直すけどね。

 そんな訳で最新話です。

 追記・少し文章を変更しました。


秀知院と文化祭(相談事)

 

 

 

 

 

(会長と藤原さんはどこに行ったのかしら?)

 

 未だ和装メイド姿のかぐやは、校内で白銀を探していた。先程まで一緒だったのだが、少しお花を積みに行っている間に、2人は生徒会室へ向かっていた。その後を追ったのだが、生徒会室にいたのは藤原の妹の萌葉だけ。

 しかもこの時、萌葉は白銀が好きだと呟いていたのだ。これを見逃す事は出来ない。ただでさえ京佳とい目下最大の障害がいるのに、これ以上敵が増えてたまるかとかぐやは思い、萌葉を蹴落とす事にした。

 しかし、ここで萌葉と白銀の素敵な所を言い合う事で意気投合し、つい話し込んでしまった。結果、白銀と藤原を見失ってしまったのである。

 

 そうやって2人を探して校内をウロウロしていると、

 

「よかったおば…かぐやお姉さま!一緒にここに入りましょ!!」

 

「え!?眞妃さん!?」

 

 突然、四条眞妃に腕を掴まれ、白銀捜索を無理矢理中段されてしまった。

 

 

 

 

 京佳はクラスの演劇の片付けをした後、白銀を探していた。理由は当然、自由時間を白銀と一緒に過ごす為である。

 

(一体どこにいるんだ?)

 

 しかし、どういう訳か中々見つからない。携帯にも電話してみたが、繋がらない。

 

(まさか…既に四宮と一緒に回っているとか?)

 

 京佳の頭に、嫌な考えが浮かぶ。もし白銀が、既にかぐやと一緒に文化祭を回っているのだとしたら一大事である。そうなってしまったら、勝負がついてしまう。

 

(そうなったら割って入るか?いや、それは流石に…)

 

 仮に2人の間に割って入ったら、白銀に嫌な印象を与えかねない。もしも既に2人が一緒に回っていたら、頃合いを見て自分も白銀を誘おう。せっかく例の物も手に入れたのだ。ここで誘わないと、意味がない。

 

(あ、いた)

 

 すると天が味方したのか、京佳は白銀を見つける事が出来た。藤原と一緒ではいるが、かぐやの姿は無い。とりあえず、最悪の事態は避けれたようだ。

 

「やぁ2人共」

 

「あ、京佳さん。お疲れ様ですー」

 

「お疲れ、立花」

 

 先ずは普段通りのあいさつ。そこから何とか藤原を離して、白銀と一緒に文化祭を回る。そうする事で、より一層白銀に自分を意識させる事が可能だ。

 問題は藤原をどうここか離すかだが、それは話ながら艦上げる事にしよう。

 

「そうだ!聞いてください京佳さん!!」

 

「どうした?」

 

 だが京佳が話すよりも先に、藤原が話し出す。しかも結構興奮気味だ。一体何があったというのだろうか。

 

「ついさっき、石上くんが公開告白したんですよ!!」

 

「…………は?」

 

 それを聞いた瞬間、京佳は背後に宇宙を背負った。

 

「い、石上が、告白?」

 

「そうです!しかも相手はあの子安先輩ですよ!!」

 

 藤原の言葉に驚く京佳。京佳は、石上が子安つばめに好意を抱いている事は知っている。何なら、彼の恋愛相談をかぐやと一緒に受けた。だが、まさかあの石上が大勢の前で公開告白をするとは思っていなかった。

 

「一応聞くが、勘違いとかじゃなくて?」

 

「そんなんじゃありません!間違いなく告白でした!私と会長は一部始終を見ていましたもん!ねぇ会長!?」

 

「そうだな。あれは間違いなく告白だろう。しかし、まさか石上が子安先輩をなぁ…」

 

「結構わかりやすかったと思いますけどね」

 

 2人の話によると、石上は子安に対してハート型のクッキーを渡したという。しかもその時『これは僕の気持ちです』と言ったらしい。これは明らかに、奉心祭伝説にあやかった告白だろう。

 

「そうか…あの石上が…」

 

 かなり驚いたが、同時に感心もした。だって石上は、勇気を出して告白をしたのだ。あんなに『自分じゃ釣り合わない』とか言っていたあの石上がである。これは驚くべき成長だろう。

 

「まぁ絶対に失敗するでしょうけどね~」

 

「……え?」

 

 だがそんな石上の行動を、藤原は一刀両断する。

 

「だってあの根暗で陰キャな石上くんですよ?しかも相手は3年のマドンナと言われている子安つばめ先輩。どうあっても釣り合う訳ないじゃないですか~。例えるなら月とすっぽんですよ。早ければ1時間後には振られてますって」

 

「藤原。少し言いすぎだぞそれ」

 

 本人が聞いたら100%ブチキレる事を言う藤原。それを聞いた京佳は、何とも言えない顔をし、白銀はどこか焦った顔をする。

 

「じゃあ、藤原はどうすれば石上は告白が成功すると思うんだ?」

 

 流石に石上が可哀そうになったので、京佳は藤原に尋ねてみる事にした。

 

 と、いうのもだ。

 京佳は白銀に告白するつもりなのだが、未だに自分の容姿に自信がない。だって京佳は女性にしては非常に高い身長だし、物騒な眼帯を左目に付けているし、無駄に胸大きいし。果たしてこんな自分が、白銀と釣り合うのかと思ってしまう。

 無論、白銀自身が人を見た目で判断しない子なのは理解している。

 

 しかし、周りは違う。

 

 もしも自分が白銀と恋人になっても、周りから白い目で見られるかもしれない。京佳はそういうのに慣れているが、白銀は違うだろう。そんな嫌な思いを、白銀にさせたくない。

 

 そんな気持ちがあるので、京佳は藤原に尋ねるのだ。

 

「そうですね。こういうのは大体の場合減点方式を使えば良いと思います」

 

「減点方式?」

 

「例えば、性格や見た目、相手の言動なのでNGがあれば、いくら年収1億の人でも恋愛対象には見られません。逆にそういうのが無かったら、どんな貧乏でもブサイクでも恋愛対象に見られるという事です」

 

「成程」

 

 一理あると京佳は思う。だってもしも白銀の見た目がテングサルのような見た目でも、それ以外が不快に感じられなかったり、それ以外でここが素敵という部分があれば、京佳は白銀を好きになるだろうし。

 

「で、そんな石上くんのダメな部分を書いてみました」

 

 藤原はどこからともなくフリップを出す。そこには、

 

 ・心が狭く、相手の上げ足を取る

 ・暴言の銃口が常に私を捉えている

 ・つけた傷の治りが遅い

 ・年上に対する尊敬の気持ちが全くない

 ・結構な頻度で私を見下している

 

 等の事が書かれていた。

 

「……なぁ藤原。それ全部自業自得じゃないか?」

 

「だよな。俺も同じ事を思った」

 

「何なんですか2人共!じゃあ石上くんは私が非常識な人間だからこんなに態度が悪いとでも言うんですか!!私程常識的な人はいないでしょうに!!」

 

「……立花。こいつこれを本気で言ってると思うか?」

 

「残念だが本気で言ってると思うぞ」

 

 明らかに全部藤原の自業自得なのだが、本人はそれに本気で気がついていない。藤原は伊井野とは別方向で危うい。社会に出た時、痛い目を見なければいいなと思う2人であった。

 というか絶対に何かやらかして痛い目に合うだろう。

 

「ところで、白銀は石上の減点部分はなんだと思うんだ?」

 

 ギャイギャイと怒っている藤原をよそに、京佳は白銀にも質問をする。

 

「強いて言えば自信が無いところだろう。あいつは自分に自信がないから、いつも少しオドオドしている。あと少し自信があればそういうのが無くなり、シャッキリすると思うぞ」

 

「成程…」

 

 それは京佳にも当てはまる事である。京佳は自分の見た目に自信がない。かぐやのように華奢な女の子では無いし、藤原のように明るくも無い。こればかりは、自分に自信を付けたとしても変わらないだろう。

 

(やはりこんな自分じゃ…)

 

 僅かな出来事が発端で、どんどん自身を失ってしまう京佳。この状態では、告白なんて出来そうにない。仮に告白をしたとしても、当初予定していたやり方はできそうにない。

 

「まぁでも、これが石上くんの成功体験となって、今後自分に自信を付けてくれたらとは思いますよ」

 

「え?」

 

「お前、さっきまで石上の事をボロクソに言ってたのに、どうしたんだ?」

 

 白銀の言う通り、先程まで石上をけなすにけなしていたのに、突然の掌返し。これは困惑する。

 

 「ここ最近、誰かさんのせいでちょっと口がオイタになってるだけで、私は別に石上くんの事を嫌っていませんよ」

 

 「そうなのか」

 

 「当然です。大切な生徒会仲間なんですから」

 

 どうやら藤原、最近色々あったようで口が悪くなっているらし。本心では、石上の恋を応援しているようだ。

 

(誰かさんって誰だ?)

 

 そしてその元凶は、頭に疑問符を浮かべていた。自覚が無いというのは恐ろしい事である。

 

「まぁ、私自身は会長も石上くんも異性としては産業廃棄物なんで付き合うとかこの世の終わりが来ても絶対に嫌ですけどね?」

 

「おい藤原。ちょっとオイタが過ぎるぞ?」

 

 藤原の更なる発言に、京佳は少しキレる。だって京佳は白銀が好きなのだ。そんな白銀を産業廃棄物とは何事か。あまり表には出さないが、こんなの怒るに決まってる。

 これがかぐやだったらもっとやばかっただろう。最悪、藤原は行方不明になっていただろうし。

 

「でもそれは、減点方式での話。加点方式であれば、2人共良い男って思ってますよ」

 

「そりゃどーも…」

 

 藤原に褒められた白銀は、そっけなく礼を言う。

 

「おめでとうございます!100点の大当たりですーー!!」

 

 そんな時、3年の教室からそんな声と歓声が聞こえる。

 

「また誰か当てたみたいだな」

 

 白銀が教室を覗く。どうやら先程の石上同様に、また誰かが的当てゲームで100点を出したらしい。

 

「あ、じゃあそのハートのクッキーください」

 

「え!?わ、わかりました!」

 

 そしてこれまた石上同様、景品のひとつであったハート形のクッキー(予備の2つ目)を選んだのだ。先程の石上の件があったので、受付の女生徒も少し驚く。

 

「どうぞ。差し上げます」

 

「あら~。ありがとうございます~。大事に食べますね~」

 

 それを受け取った私服姿の男性は、隣に立っていた私服姿の女性へと渡す。

 

「ねぇ…あれってさ…」

 

「いやー…多分違うでしょう。そもそも学生じゃ無いし」

 

 最初こそ石上と同じで、公開告白をしているのかと思ったが、2人は明らかに学生では無い。恐らく大学生だろう。なので教室にいた生徒たちは、これはただのプレゼントだろうと判断し、石上の時ほど騒がなかった。

 

「あれ?あの2人どこかで…」

 

 そして白銀は、そんな2人に見覚えがあった。

 

「兄さん!?」

 

「姉さま!?」

 

「え…?」

 

 その正体は、京佳と藤原のおかげでわかったのであった

 

 

 

「それで兄さん。どうしてここに?」

 

「いや、俺今日非番だったし」

 

 京佳が話しかけるのは、実の兄である立花透也。現役の海上自衛官なのだが、本日は非番だったので、妹の文化祭へ来ているのだ。

 

「いやー凄いねここ。自衛隊の基地祭とは全然ちがうよー。盛り上がり方もこっちが上だし」

 

 かなり堪能しているようで、透也はかなりご機嫌だ。しかし、そんな事は今どうでもいい。

 

「じゃあもうひとつ質問。どうして藤原のお姉さんと一緒なんだ?」

 

 そう。彼は藤原の姉である藤原豊実と一緒に文化祭へ来ているのだ。京佳はそこが気になってしょうがない。

 

「いや、昨日連絡受けたからそのお誘いを受けただけだよ」

 

「なっ…」

 

 それを聞いて驚く京佳。なんせ兄は藤原の姉の豊実からデートのお誘いを受けて、ここに来ているというのだ。これまで女っ気皆無の兄がデート。こんなの驚かない訳が無い。

 

「それってデートじゃ」

 

「え?そうなのかな?いやまぁ、男女が遊びに行くからデートと言えばデートか」

 

「……」

 

 だが当の本人はこれである。この時、京佳は思い出した。そういえば兄は、昔からこういうところがあったと。所謂クソボケとは少し違うのだが、色々鈍感なのだ。

 兄が中学生の時だって今回と似た様な事があったが、本人は特に何も反応していなかったし。

 

(まぁ、多感な時期をバイトやら勉強やらに費やしていたから仕方ないのかもしれん)

 

 原因は京佳の父親が病死してしまった事により、兄は家計を助ける為に働いてばっかだったからだろう。中学卒業後には、自衛隊工科学校に行って男女間の青春的な事なんてほぼ経験無かっただろうし。

 

(いやまぁ、そうと決まった訳じゃないけど…)

 

 最も、あのポワポワした藤原の姉だ。本当に特に好意も無く、ただ誘っただけという可能性だってあるだろう。

 

「それで、久しぶりだね白銀くん」

 

「は、はい。どうもでです」

 

 そんな京佳をよそに、透也は白銀に挨拶をする。心なしか、その目には敵意のような物が含まれている気がした。

 

「ちょっとだけ、2人で話さない?」

 

「え、あ、はい」

 

 そして白銀の肩を掴んで、京佳から距離を取る。

 

「え?あの、兄さん「ちょっといいかしらぁ?」はい?」

 

 兄が何かをしでかそうとしているのが不安になり、後を追おうとした京佳だったが、京佳も肩を掴まれ動きを止める。

 

「えっと、豊実さんでしたっけ?」

 

「そうよぉ」

 

 肩を掴んできたのは、藤原豊実。大学生で、あの藤原の姉である。

 

「私に何か?」

 

「ええ。ちょっとだけ気になってねぇ。だからお話をと思って」

 

「はぁ。いいですけど…ところで、妹の千花さんは?」

 

「ちょっと言いくるめたらどっかに行ってくれたわぁ。まぁその内戻ってくるでしょうけどぉ」

 

「は、はぁ…」

 

 一体自分にどんな用事があるというのか。京佳は豊実の話を聞く事にした。

 

「あなた、何か悩みがあったりするかしらぁ?」

 

「え?」

 

「私、こう見えても藤原家の長女だからぁ、今まで色んな人を見てきたのよねぇ。そしてあなたは、今現在何か悩みを抱えている人に見えるのよぉ…」

 

 的中である。京佳は今、自分の事で悩んでいる。自分に対して自身を失いかけているこの状態では、白銀に告白をしても上手くいくかどうかわからない。更に仮に成功したとしても、その後自分の容姿のせいで白銀に迷惑を掛けてしまうんじゃないかと思ってしまう。

 

「えっと、別に「因みに私、嘘を見抜くのが得意なのよねぇ?」…あります」

 

「あらそう~。よければ教えてぇ?。何か助けになるかもしれないしぃ」

 

 誤魔化そうと思ったが、ここで誤魔化すと後で面倒な事になりかねないと思ったので、京佳は言う事にした。

 

「えっと、私自分の見た目が少しコンプレックスで、それで…」

 

 無論、白銀の事は言わない。あくまで自分の容姿の事を口にする。もし豊実に突っ込まれても、知らぬ存ぜぬを通す事にする。だって豊実を通じて妹の藤原に伝わりでもしたら超大変だからだ。

 

「そう…」

 

 一通り話を聞いた豊実。そして、京佳の相談に乗り始める。

 

「だったら、逆に考えたら良いじゃないかしらぁ?」

 

「逆に?」

 

「ええ。確かに身長高いけど、それは逆に言えば超モデル体型で他の人は真似出来ないでしょうし、眼帯をしていて怖がられるけど、逆に言えばそれをかっこいいと言ってくれる人だっているかもしれないでしょう?貴方は物事をネガティブに考え過ぎよぉ。もっとポジティブに考えていかないと、どんどんまいっちゃうわよぉ」

 

 確かにその通りかもしれない。人は物事をネガティブに捉えると、どんどん思考がネガティブになっていってしまう。その結果、小さなことで大げさに悩んだりもしてしまう。だからこそ、色んな事を良い方向へ考える事は大切なのだ。

 

「それは、そうかもしれませんね…」

 

「そうでしょう?それに、貴方が好きな人は、そんな事で貴方から離れていく人かしらぁ?」

 

「……なんの事でしょうか?」

 

「ふふ。何の事かしらねぇ?」

 

 バレている。相手が白銀という事までは知られていないだろうが、自分に好きな人がいるのはバレている。流石、名門政治家一族と言われている藤原家の長女だ。ポワポワしていて自由奔放そうな人だが、こういう事は簡単に見抜けてしまう辺り、遺伝子が良い仕事をしているのだろう。

 

「ともかく、もっと自分に自信を持たないと、叶う筈の願いだって叶わないわよぉ」

 

「……」

 

 それは嫌だ。折角ここまでこれたんだ。去年であれば先ず勝負にならなかった事が、今では互角にまで持ち込めている。

これも全部、こんな自分の事を気味悪がならかった白銀を振り向かせたいと思えたからだろう。

 やっとここまで来たんだ。こんなところで足踏みして、その間にかぐやに白銀を獲られたら目も当てられない。それは最悪のバットエンドだ。

 

(そうだ。今更悩んでどうする。もっと自分に自信を持たないとダメじゃないか)

 

 先程、藤原による石上の話を聞いていたせいで、自信を失いかけていた京佳。しかし、豊実のおかげでそれを取り戻しつつある。

 

(加点方式か…)

 

 そして京佳。彼女は藤原が言っていた加点方式というやり方を思い出す。つまり、これまであった良い事を積み上げていく事である。

 

(白銀に最初に出会ったのは私。初めて家に行ったのも私。勉強を教えたのも私。一緒に過ごした時間が長いのも私。今年誕生日を家でお祝いしたのも私。そして、頬にキスだって…)

 

 よくよく思い返してみれば、白銀と自分の距離はかなり近い気がする。それにだ。京佳は白銀にキスだってしている。しかも白銀自身も、嫌がっていた様子は無い。

 確かに白銀はかぐやが好きだ。そしてかぐやも、白銀が好きだ。だが京佳だって、白銀を振り向かせるには十分なくらいの出来事が沢山ある。告白して、即振られるというのは無いだろう。

 

(そうだよ。自信を持て私。確かに見た目は四宮の方が可愛らしいが、それ以外でだったら私だって負けてないじゃないか。落ち込むな私!)

 

 こうして京佳は自信を取り戻した。この状態であれば、もう大丈夫だろう。

 

「どうやらぁ、大丈夫みたいねぇ」

 

「はい。ありがとうございます」

 

「いいのよぉ」

 

 これも豊実が突然相談に乗ってくれたおかげだ。京佳は豊実の頭を下げて、礼を言う。

 

「と、ところで…」

 

「はい?」

 

 すると、今度は豊実が京佳に話出す。

 

「えっと、透也さんって何か好きな物とかあるかしら?」

 

「……え?」

 

 兄である、透也の事を。

 

「えっとその前に、兄とのご関係は?」

 

「ただのお友達よぉ。体育祭の時に知り合って、そこから何度が食事を一緒にしたくらいのねぇ」

 

 前にあった秀知院での体育祭。そこで2人は知り合ったらしい。そしてどういう訳か、そこから何度も友達として会っていると豊実は言う。

 

(いや、ただの友達でそんな顔する訳無いでしょうに…)

 

 だが、豊実の顔はどう見ても恋する乙女の顔。頬は赤いし、目は少し泳いでいるし、右手で髪を弄っている。これはもうどう考えたって、豊実は透也に恋している。

 同じ恋する者として、京佳はこの質問に答える事にした。

 

「そうですね。兄はこれといって特に好きな物はありませんが、強いてい言えばカレーが好きですね。辛いのも甘いのも」

 

「そう、カレー…」

 

「後は、ゲームは結構好きですよ。私が小さい時は、よく一緒にシューティングゲームをしていましたし」

 

「ゲームねぇ」

 

 ふむふむといった面持ちで、豊実は自分の脳にそれらの事を記憶していく。

 

「ありがとぅ。おかげで今後の事を色々考えられたわぁ。これで少しは、こっちの気持ちに気が付いてくれるかもしれないしぃ」

 

「……兄が本当にすみません」

 

「いいのよぉ。それと、教えてくれてありがとうねぇ」

 

「いえいえ」

 

 もう確定である。豊実は透也が好きなのは。

 

「その、頑張ってください」

 

「ふふ。ありがとぅ」

 

 お互い早々会う事が無いのであまり協力はできそうにないが、せめて激励の言葉だけは送る事にした。

 

(いや待てよ?もしも兄さんと豊実さんが結婚でもしたら、私は藤原と親戚になるのか?)

 

気が早い話ではあるが、もしも2人が結婚したらそうなる。

 

(何かなぁ…嫌という訳では無いんだがなぁ…)

 

 別にそれが嫌では無いのだが、素直に喜べない自分がいる。全て藤原の普段の行いのせいである。

 

(まぁ、兄さんにはそれとなく色々伝えておくか…)

 

 それでも、自分の相談に乗ってくれた豊実の恋の成就を願わずにはいられない。せめて、鈍感な兄にそれとなく色んな事を伝えておくくらいはしよう。

 

 

 

 

 

「きゃあああ!?やめて!耳切らないでぇ!?」

 

「いやぁぁぁぁ!?誰か助けてぇぇぇぇ!?」

 

 そしてその頃、かぐやは四条と共に立体音響おばけ屋敷で叫んでいた。

 

 

 

 

 




 立花兄のCVは、多分AC6のラスティ。そして藤原姉の豊実さんはほぼ勝手なイメージで書いてます。この2人がどうなるかは、まぁそのうち書きます。立花兄が会長と何を話したのかもね。

 ちょっと強引だったかもですが、これからも自分が書きたいように書きながら、こんな感じで完結目指して頑張らせて頂きますので、どうかよろしくお願いします。
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