もしもかぐやに滅茶苦茶強力な恋敵がいたら・・・   作:ゾキラファス

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 2日ほど片頭痛で横になっていました。いや本当に辛い。マジ辛い。皆も肩や背中、首回りの凝りには気を付けようね。そういうの、歳取ると中々取れないから。ストレッチは大事。


生徒会とクリスマスの予定

 

 

 

 

 

 生徒会室

 

「石上くん。こことここ、計算が間違っているわよ?何をしているの?こんな凡ミスをするなんて、あなた生徒会役員としても自覚が足りないんじゃない?」

 

「すみません!直ぐに修正します!!」

 

「次に伊井野さん。さっき言っていた書類のコピー、まだ終わっていないの?さっきまで石上くんと喧嘩していたみたいだけど、そんな事より先に生徒会の仕事をするべきじゃなくて?」

 

「ご、ごめんなさい!今すぐコピーしてきます!」

 

「か、かぐやさん!私今日新しいコーヒー豆持ってきたんです!ちょっと休憩がてらに飲みません?コーヒーにはリラックス効果があるって言いますし!それとお菓子も用意したんです!食べませんか?」

 

「藤原さん。あなたさっきもクッキーを食べてたわよね?そんなに食べると太るわよ?というか、あなた最近弛んでいません?食べて遊んでばかりで、あまり仕事をしていない気がするのだけれど。書記とはいえ、あなたも生徒会の人間なのだから、休憩より先に自分の仕事をしなさい」

 

「ひゃ、ひゃい…すみません…直ぐに仕事します…」

 

「最後に立花さん。例の花火ですが、いくら許可を取ったとしても勝手にあのような事をされては困ります。もし、花火に関する苦情が来たらどうするつもりだったんですか?いくら文化祭を盛り上げる為だったとはいえ、金輪際あのような事はしないでください」

 

「すまない…以後気をつけるよ…」

 

 現在、生徒会の空気は最悪だった。なんせかぐやが、兎に角事あるごとに苦言を呈してくるからだ。もし苦言の内容が、ただの八つ当たりに等しいものであれば皆それぞれ反論もするだろうが、内容は全部かぐやの言い分が正しいものばかり。これでは、誰もかぐやに何も言い返せない

 

(会長!今日の四宮先輩はどーしたんですか!?なんかすっごい機嫌が悪そうに見えるんですけど!?)

 

(すまん石上!ほぼ間違いなく俺のせいだ!!)

 

(会長一体何したんですか!?)

 

(悪いがそれは言えない!!でも本当にすまん!!どうか今日はこのまま耐えてくれ!!)

 

 耐えかねた石上が白銀にかぐやの事を尋ねるが、白銀は答えられないでいた。そりゃ『散々自分が思わせぶりな態度を取りまくっていたのに、最後には全く別の女性を選んだのでああなりました』なんて言える訳が無い。

 

(いや本当に全部俺のせいだよなぁ…皆マジでごめん…)

 

 かぐやが昔のようになっているのは、全部自分のせい。でもそれを口にすることはできない。本当ならなんとかしたいが、その解決策すら全く思いつかない。

 

「会長?手が止まっていますよ?」

 

「す、すまん!」

 

 結局その後も、どこかギスギスした空気の中、皆は仕事に励むのだった。

 

 

 

 

 

「修正、終わりました…」

 

「コピー、取りました…」

 

「お疲れ様」

 

 1時間後、生徒会のメンバーはその日の仕事を全部終えていた。これで後は、もう帰るだけだ。しかしその顔は、かぐや以外全員が疲れた顔をしている。

 

「皆、一服してから帰らないか?」

 

「私は立花先輩に賛成です…」

 

「僕もです…」

 

「四宮、いいか?」

 

「もう仕事は終わりましたし、いいのでは?」

 

「あ、じゃあ直ぐにコーヒー淹れますね…」

 

 1度ここでリフレッシュしてから帰っても、バチは当たらないだろう。なので帰る前に、藤原が淹れたコーヒーを飲む事にした。

 

「ふぅ…仕事終わりの一杯という感じでいいな…」

 

「ですねー。サラリーマンがよく言う仕事終わりのビールが美味しいって気持ち、こんな感じなんですかねー?」

 

「はぁ、美味しい…落ち着く…」

 

「ミコちゃん、このクッキーもどうぞ。美味しいですよ」

 

「ありがとうございます藤原先輩。いただきますね」

 

「藤原さん、またコーヒー淹れるの上手くなりましたね。とっても美味しいわ」

 

「えへへ、ありがとうございますかぐやさん」

 

 生徒会の皆は、藤原が淹れたコーヒーを飲んで一服していた。伊井野だけはクッキーも食べているが。

 

「ところで藤原、このコーヒーは何ていうんだ?」

 

「えっと確か、ブラックアイボリーとかいいますよ」

 

「へぇ?有名なのか?」

 

「さぁ?私コーヒーは好きですけど詳しくはないので」

 

「えぇー…」

 

 京佳の質問に、藤原は答えられずにいた。現実にも偶にいる、好きなだけで詳しくない人である。

 

 尚、ブラックアイボリーとは100g当たり3万円以上で取引されている超高級品である。多分、値段を知ったら白銀は味がわからなくなるだろう。

 そしてブラックアイボリーは、象にコーヒー豆を食べさせ、そのフンの中からコーヒー豆を採取するコーヒー豆だ。もしもその事をここにいる皆が知ったら、いつかのコピ・ルアクの時のように、誰もが口にするのをためらうだろう。

 因みに販売する時は、しっかりと綺麗に洗浄されているので別に汚くはないぞ。

 

「そうだ皆さん!今のうちに聞いておきたい事があるんです!!」

 

「突然どうしました藤原先輩」

 

 コーヒーを飲んで和やかな空気になった時、藤原がいきなり声を大にして皆に聞きたい事があると言い出す。どうせくだらない事だろうと石上は思うが、ここで聞いておかないと泣くので聞く事にした。

 

「今年のクリスマス、私の家でクリスマスパーティをしませんか!?プレゼント交換だったり、ゲームで遊んだりして!勿論、会費なんて全く取りません!どうですか!?」

 

 藤原の聞きたい事とは、クリスマスの予定について。彼女はその日に、生徒会の皆でクリスマスパーティをしたいのだ。

 

「どーせ石上くんはクリぼっちでしょうし、会長もバイトとかでしょう?ならうちで楽しくクリスマスを過ごしませんか?美味しいケーキや料理、ジュースも沢山ありますよ?」

 

 割と酷い事を言っているが、実際2人は去年はその通りだったりする。

 

「折角のお誘いありがたいのですが、僕は今年予定があるので行けません」

 

 しかし石上、なんとこの誘いを拒否。

 

「またまた~。石上くんに予定なんてある訳ないじゃないですか~。あってもどーせゲームのイベントとかでしょう?そんな事より私の家でクリスマスパーティーやった方が絶対に楽しいですって!だから変な見栄張らずに素直に来なさいって~」

 

 そして藤原、石上の発言を全く信じていなかった。石上は根暗なオタク男子である。そんな彼がクリスマスに予定があるなんて、どうせそんなものだと確信していたからだ。

 

「いや、そんなんじゃなくてマジで予定があります。具体的にいうと、もうすでに別の人にクリスマスパーティーに誘われているんです」

 

「あはははははは!はははははは!!」

 

「人を指さして笑うのやめてもらっていいですか?マジですよ?」

 

「……え?相手は?その人ちゃんと存在していますか?石上くんの脳内だけじゃなくて?」

 

「あんた本当に一回マジにしばきますよ?」

 

 ここで藤原は、石上が妄想に取り付かれているのではと疑う。流石にこの反応には石上もキレだす。

 

「本当ですよ藤原先輩。石上、つばめ先輩に誘われているんです。ついでに私も」

 

「ええーーーーーっ!?」

 

 そして伊井野の証言で、ようやく藤原は信じた。

 

「それじゃ仕方が無いですね。だって石上くんは、つばめ先輩の誘いなら絶対に断れませんし」

 

「え?な、何を?」

 

 藤原が含みのある言い方をしたので、石上は少しキョドる。

 

「いやだって、石上くんがつばめ先輩の事を好きだって事、ここにいる全員がもう知っていますし」

 

「ええーーーーーっ!?」

 

 まさか全員が既に知っていたとは思わず、石上は驚愕。

 

「てっきり気が付いていたのは、四宮先輩と立花先輩だけかと思っていたのに…」

 

「いやだって石上くん、つばめ先輩の前だとかなり露骨ですもん。誰でも気が付きますって」

 

「マジっすか…」

 

 自分では上手く隠していた筈だが、どうやらそんな事は無かったらしい。

 

「ミコちゃんも行くんですか?」

 

「……私が行くと、石上が鬱陶しいって思うから、別に…」

 

「は?そんな事思ってねーけど?」

 

「……本当?」

 

「むしろなんでそんな事思っている風になってるんだよ」

 

 てっきりそうだと思っていたけど、どうやら違うらしい。なので伊井野は、石上と共につばめの方のクリスマスパーティに行く事にした。

 

「仕方ありません…なら今年は私、会長、かぐやさん、京佳さんでパーティーをしましょうか」

 

 2人が参加できないのなら仕方が無い。残ったメンバーでクリスマスパーティーをすればいい。

 

「いやすまない藤原。今年は私も外せない用事があるから無理だ」

 

 ここで京佳、藤原の誘いを断る。既に白銀から誘われているからだ。

 

「そうなんですか!?一体なんの用事が!?」

 

「あー…秘密だ」

 

 現在かぐやがあんな風になっている今、白銀との関係を口にする訳にもいかず、京佳は口を紡ぐ。

 

「待ってください立花先輩!何ですかその反応は!?まさか誰かとデートとかですか!?」

 

 「ミコちゃんの言うとおりです!今私のラヴ探偵としての血が騒ぎました!誰ですか!?誰とデートなんですか!?」

 

 しかし、その反応は失敗。こういう事には目ざとい藤原と伊井野が食って掛かってきた。

 

「いや、デートとかじゃなくて…!」

 

「さっさと吐いてください!!そうすれば楽になるますよ!!」

 

「もうそれ尋問じゃないか…!」

 

 何とか藤原を抑えている京佳。だが藤原は止まれない。

 

「藤原さん、落ち着いてください」

 

 そんな時藤原を落ち着かせたのは、かぐやだった。

 

「あまり、人のプライベートを詮索するものではありませんよ?あなただって、そういうのは好きじゃないでしょう?もうやめておきなさい」

 

「あ、そうですね。あまりしつこく聞くのはダメですね。京佳さん、ごめんなさい」

 

「あまり気にしてないからいいよ」

 

 かぐやに言われ、藤原は京佳に謝罪する。そして京佳も、その謝罪を大人しく受け取った。

 

「じゃあそうですね。今年は会長とかぐやさんと私でやりましょうか。妹の萌葉も呼ぶので、会長も圭ちゃんを呼んでください」

 

 そして藤原は、予定が無いであろう残り2人を誘う。当初の予定より人数はかなり少なくなってしまったが、それでも萌葉と圭を合わせれば5人。十分に楽しいパーティーが出来るだろう。

 

「いや、すまない藤原。俺のその日はどうしても外す事が出来ない用事があるんだ」

 

「ごめんなさい藤原さん。私もクリスマスには既に予定がありまして」

 

「……え?」

 

 だが、なんと白銀とかぐやもクリスマスには既に予定があるので無理らしい。

 

「え?え?つまりそれって、私だけ大した予定が無いって事になるんじゃ…?」

 

 白銀、京佳、かぐや、石上、伊井野。以上5人には既に予定がある。対して藤原には、今皆をクリスマスパーティーに誘った以外に予定が無い。

 

「そうなんじゃないっすか?つまり、藤原先輩は今年クリぼっちって事っすね

 

「ぐふうっ!?」

 

 石上の言う通り、これでは藤原がクリぼっちになる。そしてその言葉を聞いた藤原は、その場で膝をついた。

 

「うわあああああんん!!石上くんの正論DV男ーーー!!いいもん!今年はうちで萌葉と圭ちゃんと一緒にいっぱいケーキ食べたりジュース飲んだりして暴飲暴食してやるんだからぁぁぁーーー!!」

 

「おい藤原、うちの圭ちゃんを巻き込むな」

 

 突然の暴飲暴食宣言の後、藤原は生徒会室から勢いよく出ていった。

 

「僕達も帰りません?」

 

「そうだな。仕事も終わったし、コーヒーも飲んだし、私達も帰ろう」

 

 藤原に続く形で、他のメンバーも片づけをして帰る事にした。

 

 

 

「ふぅ、今日も寒いな…」

 

 昇降口で靴を履いた京佳は、空を見上げながら外に出る。既に真っ暗になっており、とても寒い。京佳のように学生用のコートをしっかり着こんでおかないと、風邪をひいてしまいそうだ。

 

「ん?」

 

 家に帰ろうと学校の校門に向かっていると、見知った顔が見える。

 

「白銀?」

 

 そこには学生用のコートを着ている、京佳の恋人の白銀が立っていた。

 

「どうしたんだ?」

 

「いやな、せめてバス停までは一緒に帰ろうと思ってな」

 

「あ…」

 

 暫くは恋人である事を隠すつもりではあるが、それでもやはり少しは恋人らしい事をしたい。なので白銀は、京佳と一緒に帰ろうとしたのだ。

 

「いいのか?」

 

「立花さえよければ、だが」

 

「断る理由なんて無いよ。じゃ、帰ろう?」

 

「ああ」

 

 こうして2人は、バス停まで共に帰る事にした。

 

「立花、クリスマスなんだが、待ち合わせ場所は渋谷駅前でいいか?」

 

「いいよ。それで、映画は何を観るつもりなんだ?」

 

「まぁ、それは当日までのお楽しみって事で頼む」

 

「そうか。なら楽しみにしておくよ」

 

 2人はバス停までの短い距離を、話ながら並んで歩いて行く。学校では全く恋人らしい事なんて出来ていないが、こうして2人並んで歩く姿は、まさに恋人。これだけで、京佳は嬉しかった。

 

(でもどうせなら、もう少しそれっぽい事したいな…)

 

 だが京佳、ここで少しわがままになる事を決意。龍珠にも言われたが、折角恋人になれたのだ。ならば下手に遠慮なんかしないで、誰も見ていないであろう今のうちに恋人らしい事をしよう。

 

「なぁ白銀。寒くないか?」

 

「ん?そりゃ冬だしな。でもこういう時は、特に手が寒くなるよ」

 

 好機。今白銀は手が寒いと言った。この発言を逃す訳にはいかない。なので京佳は、直ぐに行動する。

 

「ならさ」

 

 京佳は隣で歩いている白銀の左手を、自分の右手で掴む。

 

「こうすれば、少しはあったかいよね」

 

 そしてゆっくりと指を重ねて、白銀の手を握るのだった。

 

「お、おう…」

 

「ん?ひょっとして照れているのか?」

 

「違…いやすまん。正直、少し照れる」

 

「!?そ、そうか…!す、すまない…!」

 

「ああ!謝らなくていいから!それに別に嫌なんかじゃないし!!」

 

「そ、そうか…!じゃあ、このままでいよう…!」

 

「ああ…!」

 

 お互い顔を赤くしながら、手を握ったまま歩く。

 

「「……」」

 

 その途中、会話は無い。なんか急に変に相手を意識してしまって、何を話せばいいかわからなくなってしまったからだ。

 

(こうして握っていると、白銀の手ってやはり大きいな…。女の私と違って、少しごつごつしていて、指も太くて、まさに男の子って手だ)

 

(やっぱり、立花も女の子なんだよなぁ…だってめっちゃ手が柔らかいし、小さいし、正直ずっとこのまま握っていたいって思えるくらいだ…)

 

 2人共口にはしないが、それぞれの手の感触を堪能していた。

 

(いっそ腕でも組んでみるか…?いや、それは流石に早すぎる。いくら恋人になったと言っても、急にそんな事をすれば白銀にひかれるかもしれんし)

 

 出来ればこのまま腕でも組んでみたいと思う京佳だったが、流石に今回は自重する事にした。学校の近くだし、何より白銀に急にそんな事をしてひかれたくないし。

 

(こういう時は男から腕を組んででいいと言うべきなのだろうか?いやしかし、突然そんな事をすれば立花が嫌がるかもしれん…!今日は手を握るで我慢しておこう…)

 

 尚、白銀も京佳とほぼ同じ気持ちだった。本当ならもっと色んな事をしたいが、今日は手を握るまでで我慢しておこう。

 

「あ、もうバス停…」

 

 幸せな時間というのはあっという間で、目的地のバス停に着いてしまった。おまけに、丁度バスがこっちに向かっている。これでは、バス停で2人で待っている時間も無いだろう。

 

「それじゃ白銀、私はここまででいいから」

 

「わかった」

 

 京佳はそう言うと、名残惜しくも白銀から手を離す。出来ればもっと手を握っておきたいが、流石に白銀をこのまま自宅まで呼ぶ訳にもいかない。

 だが、焦る必要は無い。なんせもう京佳は恋人なのだ。今日はここまでしか出来なかったが、また後日もっと色んな事をすればいい。だってもう、自分の恋路を邪魔する人はいないし。

 

「じゃあ白銀。また明日」

 

「ああ、また明日」

 

 目の前に停まったバスに乗る寸前、京佳は白銀にあいさつをしておく。

 

 だがバスに乗る寸前、

 

「っ…!!」

 

「へ?」

 

 突然京佳は白銀に思いっきり抱き着いたのだ。京佳の豊満な胸が、白銀の胸板に当たる。残念ながら、お互い厚手のコートを着ているので感触はわからないが、代わりにとても良い匂いがする。

 

「っとごめん。最後にせめて白銀を思いっきり堪能してみたかったんだ」

 

「あ、ああ…」

 

 京佳がこんな真似をしたのは、単純に白銀と別れるのが名残惜しいと思ったからである。別に明日になればまた白銀に会えるのだが、それでもやはり少しでも白銀を感じていたかった。なので、こんな風に昔のメロドラマみたいな真似をしたのだ。

 

「それじゃ、今度こそまた明日」

 

「あ、ああ…」

 

 京佳が笑顔でそう言うと、バスの扉が閉まる。そしてそのまま、バスは発進していった。

 

「……」

 

 バスの中にある座席に座った京佳は、暫くは平然を装っていたが、バスが走るにつれて顔を赤くして、両手で顔を覆っていた。

 

(何してんだ私はぁぁぁぁ!!)

 

 その場の気持ちだけで行動してしまったが、結果としてかなり恥ずかしい事をしていると気がついたからである。

 

(あーもう!浮かれすぎだろ私!まるで興奮している大型犬みたいな真似をして!!本当に何をしているんだ!!)

 

 幸いバスの死角になっていたので、他の乗客には見られていなかったようだが、それでもかなり恥ずかしい事をしている。

 

(でも白銀、嫌がっていなかったよな?)

 

 だが、白銀の反応は普通だった。今の京佳のように顔を赤くする程度で、嫌がってはいない。むしろ嬉しがっていたようにも見える。

 

(それなら、クリスマスはもっと攻めた真似してもいいかも?例えば、腕でも組んでみるとか…)

 

 ならば、クリスマスにはもっと恋人らしい事をしてみよう。

 

(ふふ、楽しみだな…)

 

 そして京佳は、もう直ぐに迫ったクリスマスを待ち遠しく思うのだった。

 

(やっべぇ…超良い匂いした…!!あと滅茶苦茶柔らかかった…!!)

 

 一方でバス停の残された白銀は、暫くの間その場から動けずに立ったままの状態になっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちっ……」

 

 そして、その様子をずっと見ていた人物がいたのだが、白銀も京佳も、その人物には全く気が付かないでいた。

 

 

 

 

 

 おまけ

 

「さっむ…」

 

 眞妃は寒空の下を、1人で歩いていた。何時もなら家の使用人に迎えにきてもらうのだが、生憎今日は使っている車が故障してしまっていると連絡があったので、1人でタクシーで帰る事にしていた。

 

(にしても、やっぱりそうなるわよねぇ…)

 

 おまけに今日、ボランティア部で活動をしていた時、眞妃の親友の渚と好きだった男の子である翼の2人が、クリスマスに2人きりでデートをする事を偶然聞いてしまった。

 クリスマスに恋人同士がデート。こんなの、絶対に神るに決まっている。別に普通の事なのだが、今でも翼が好きな眞妃にとっては、聞くだけで地獄のような苦しみを伴う話であった。何だったら、1度吐きそうになったし。

 

(いや、予想はしていたわよ?恋人同士なんだから、そりゃそうなるって事くらい。でもさぁ、やっぱり実際にそうなると聞いちゃうと辛いのよぉ…)

 

 既に泣きそうな眞妃。そしてどうして自分はもっと早くに、翼に告白をしなかったのかと後悔。更にあの壁ダァンとかいうのを翼に教えたやつもとっちめたいとも思う。もし見つけたら、絶対に海に沈めてやるとも誓う。

 

(あーもう!せめて私にも異性の幼馴染とかいたらねー!例えば黒髪で目が青くて私と同じくらい身長が低くて月とかの衛星の名前が入っている声が河〇健〇さんみたいな異性の幼馴染とかいたらねーー!!そうしたらここまで苦しくなる事も無かったでしょうに!!)

 

 ありもしない異性の幼馴染を妄想までしてしまう。その時、道の反対側に見知った顔の生徒を見た。

 

(あれって、京佳と御行?)

 

 それは、最近恋人になったばかりの2人。眞妃もその事は、文化祭が終わった夜に京佳から手伝ってくれたお礼の電話で聞いているので知っている。何なら、告白現場と思える場面を見たし。

 

 そんな事を思い返していると、京佳と白銀が手を繋ぐ瞬間を目撃。

 

「…………」

 

 そして眞妃は、その場でフリーズしてしまう。別に恋人同士になったのだから普通ではある。手を握るくらい、普通だ。

 

 しかしやはり、実際に目にするとキツイ。どうして自分にはあのような恋人がいないのか。どうして自分はもっと早くに告白をしなかったのか。そんな思いが一気に眞妃の中に溢れる。

 

「……」

 

 そして眞妃は、鞄からスマホを取り出して電話をかける。

 

「もしもし帝?」

 

『もしもし姉さん?どうかした?』

 

 電話の相手は、別の学校に通っている眞妃の双子の弟である四条帝。そして眞妃は、帝にある事を言い出す。

 

「クリスマス、インドに行くわよ」

 

『突然どうしたの!?』

 

「悟りを開くのよ!!」

 

『いや何で!?』

 

 突然の姉の提案に、帝はもの凄く驚いた。こうして眞妃は、俗世から離れるため、そして悟りを開く為に、クリスマスに弟と共にインドへ行く事になったのである。

 

 そして、いよいよクリスマスがやってくる。

 

 

 

 

 




 次回はいよいよクリスマス。季節はもう直ぐ夏なのにね!!

 早く2人がもっとイチャイチャするお話書きたい。でも最低でもクリスマス超えないと、それは出来そうにない。まぁ、頑張らせていただきます。

 次回も書く予定。そしていよいよ、闇かぐや様が動く予定。
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